今回は、日本初となる障害者が障害者の起業支援をする団体にインタビューしました。NPO法人BPKS-JAPANの理事長 野田徹さん。
海外との繋がりがとても多く、母体のBPKSというNGOは、国連のESCAP障害者人権向上委員会で、なんと最優秀賞を受賞!バングラディッシュの障害者支援団体となってます。
今回、野田さんにたくさんの質問をさせていただきましたので、7つの動画にわけて、インタビュー内容をお伝えしていきます。
第3回目のインタビューは、障害者の起業支援や生活支援、英語・IT教育などされている野田さんが障害者を支援するようになったキッカケについて語っていただきました。
もともと障害者や福祉の分野とは関わりがなかった野田さんが、なぜ日本初の障害当事者が障害者を起業支援する団体を作ったのかについて迫ってみました。
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NPO法人BPKS-JAPAN理事長 野田徹さんインタビュー動画
野田さんインタビュー動画はこちらになります。第3回目は、7分ほどの動画となっております。
下に書き起こしもしておりますので、見やすい方で見ていただければと思います。
【野田徹さんインタビュー動画】
なぜ障害者を支援するようになったのか?
聴覚障害の方もいらっしゃるので、野田さんのインタビュー動画をこちらで書き起こしていきます。
テキストベースでも読めるので、ぜひこちらもご参照ください。では、さっそくインタビュー内容に入っていきましょう。
野田 徹(のだ とおる)さん
BPKS-JAPAN
プロフィール
2011年の東日本大震災で、障害者4級の当事者となる。多くの大使とも繋がっており、通訳、翻訳講師、外交なども手がける。2017年にNPO法人BPKS-JAPANを立ち上げ、日本初となる障害者が障害者の起業支援・生活支援をする活動をしている。
もともとのキッカケは別のNPO
障害者の起業支援をされてたり、英語やITの教育をされてますが、なぜこの事業をやろうって思ったのでしょうか?
【野田さん】
いい質問ですね。なんでNPOにしたかもいいます。
まずNPOになる前からこういう支援を個人でしていたんです。大使館の国際交流みたいな外国の障害者の団体と交流するとか個人の頃からずっとやってました。
もう一つ別のNPOがあるんですが、その NPOで私は理事をやっていました。そのNPOは、「青葉国際交流」という横浜市から委託された一般のNPOがあるんです。
ここは国際交流の日本に住んでる外国人の子供たちに、ものすごく格安で日本語教えるということをしております。横浜市に住んでいる低所得者層の子供たちには、ほぼ無料で英語を教えるんです。
海外の人には日本語を教えて、日本の人には英語を教えるという横浜市が委託しているNPOがあるんです。
そこで理事をやってたので、大使館と何かやるとか障害児に英語を教えるというのは慣れてるんですね。
その活動をしている中で、「なんでこんなに障害児が多いんだろう?」ってことに気づいたんです。
そこで、ダウン症の子に英語を教えてたんですよ。それが、ものすごく頭がいいんです。
障害者っていうとね、ごめんなさい。IQが低いと思っていたんですが、とんでもなかったです。どういうことかと言いますと、健常者よりも頭がいい!私がビビるくらい頭がいいんですよ。
一回言ったことは、きちんと覚えるんですよ。絶対に忘れない。
たしかにそういう才能がある障害者もいらっしゃいますもんね。
震災がキッカケで自分も障害当事者に
「こんなに才能があるのに、何が障害者なのか?」って思いましたよ。
実は、私も2011年から障害者になったんですよ。東日本大震災がきっかけで。その前は健常者だったんですよ。
今思いますと、健常者のときからすでに発達障害者の友人が多かったんですよ。なぜか?
関わってても分からないんですよ最初は。でも、だんだんと言動が違うなと感じてくるんですね。
それで「君実はそっち?」と聞くと、そうなんですよ。と答えるんです。発達障害とかって、普通カミングアウトしませんよね?
ですよね。ところが、私には教えてくるんですよ。なんでか知りませんけど。
「こんなに言うの?」ってくらい苦労話を私は聞かされるんですよ。
例えば、
- 今日はその自分のやりたいことをやらせてくれなかった…
- 給料が低いんです…
- 会社で使い捨てにされるんです…
といった相談ですね。「なんじゃこりゃ?」と思いましたよ。こんなにも生きづらさを感じている人が多いのか?
でも、障害者の支援をするグループは日本国内にいっぱいいますよ。
元々NPOやる前から障害者を支援していたのが、だんだんと支援するニーズが私の周りで増えていくんです。「さあ、どうしようかな?」と思ってNPOを作る手もあるなって思ったんです。
「よしNPOを作ってやろう!」と思ったんですが、最初は単純にボランティア活動がメインだから簡単なのかなと思ってたんです。そしたら、とんでもない!設立も運営も大変でした(笑
NPO設立まで絵足掛け2年かかりました。
- あの書類
- この書類
- あのデータ
これやあれやでもう訳がわからんでしたよ。エラいもの作ってしまったと…。
ただ、集まってくる理事はすべて知り合いで隣にいる鈴木もそうです。私、元々の職業が相当特殊なので、その職業の関係者を集めたら、たまたま全員障害者に関わっている人たちが集まったんです。
話を聞いてると、
- 弟さん障害者なの?
- 障害者団体に入ってるの?
っていうのが、たまたま全員そうだったんです。
障害者にはマナーもすべて教えている
あとは、国際交流もしているのですが、大使にお会いする時も振る舞い、言動、営業マナー全部ありますよ。だから、そう言うのも障害者に全部教えるんですよ。
【野田さん】
そうですね。特にマナーに関しては、今の30代より下はダメだよ。
【野田さん】
ある程度の位の高い役職以上の方は、相当マナーにうるさい。だから、起業する時に絶対指導します。こういうのって、今までの自分の経験をそのままNPOにしただけなんですよ。
日本は社会的地位で信用できるものと言ったら、
- NPO
- NGO
なんですよ。
【野田さん】
そうなんです。結局、この国はイメージから入るのは仕方ないことなんです。
ただ、NPOは大変ですよ本当に。書類やら報告やら。今も、正直元に戻りたいですよ(笑
個人の時の方が自由がきいた。でも、このまま何かやらんばあかんと思ったんですよね。
【野田さん】
何か天からの声か知らんけど、やらなあかんからやってるんですよね。ここで言っちゃいますが、私、実は余命短いって医者に言われてます。先ほども申し上げたように2011年の大震災で障害者になりました。
そこで、「あなたの余命は、あと2年です」って医者に言われました。
今は、2018年ですから。
【野田さん】
そのとおり。もう7年経ってます。だから、医者の言うことって本当いい加減だなって思うけど、2年って言われると、やる気が出るんです。やる気出るんですよ、おかげさまで。
NPO作るときは相当な覚悟が必要だったけど、NPOを作ったおかげで外国で何かやるとき、思いっきり信頼されます。これはよかったと本当に思いますね。
でも、その分責任ありますからね。もしNPOを作るんだったら、覚悟して作ってください。
いろいろときっかけの部分を説明していただき、ありがとうございました。
この事業にかける強い思いがあるかと思うんですが、この後の動画とかでもお聞きできればと思います。ありがとうございます。
はい、ありがとうございます。
編集後記
野田さん・鈴木さんインタビューありがとうございました。
第3回目のインタビューでは、BPKS-JAPANを設立したきっかけを語っていただきました。大きなきっかけとしては、2011年の東日本大震災で野田さん自身が障害者になったこと。
そして、別のNPOで理事をしていたときに、子どもたちに英語教育をしていたら、障害児がやたらと多かったこと。
このように、野田さんの周りに何かと「障害者」と関わることがあり、何か自分の使命なんじゃないかと思ったことがNPO設立のきっかけということでした。
その活動の中で、大使との交流もあり、海外の障害者事情も詳しい野田さん。次回のインタビューでは、あまり日本では聞くことのできない、「海外の障害者事情」について詳しく語っていただきました。
他のインタビューも下記、一覧から見ることができます。
野田徹さんインタビュー
1:NPO法人BPKS-JAPAN理事長の野田徹さんインタビューvol.1
2:障害者の起業支援とはいったいどんな活動なのか?野田徹さんインタビューvol.2
3:障害者支援をするようになったキッカケとは?野田徹さんインタビューvol.3
4:障害者の海外の反応や扱いってどんな感じなの?野田徹さんインタビューvol.4
5:障害者ももっと自信を持てる才能が絶対にある!野田徹さんインタビューvol.5
6:障害者もチャレンジャーになれ!挑戦してなんぼよ!野田徹さんインタビューvol.6
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ウェルサーチ 障害者・編集チーム
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