今回は、日本初となる障害者が障害者の起業支援をする団体にインタビューしました。NPO法人BPKS-JAPANの理事長 野田徹さん。
海外との繋がりがとても多く、母体のBPKSというNGOは、国連のESCAP障害者人権向上委員会で、なんと最優秀賞を受賞!バングラディッシュの障害者支援団体となってます。
今回、7つの動画にわけて、インタビュー内容をお伝えしていきます。
第2回目のインタビューは、BPKS-JAPANの事業の1つである「障害者の起業支援」について語っていただきました。
新しい取り組みなので、行政からも「障害者が起業できる訳がない!」と言われたとのことです。実際に、障害者が起業することは可能なのか迫ってみました!むしろ海外では、障害者が起業することは至って普通だとか。
いったい障害者の起業支援とは、どのようなことをしているのでしょうか?
お好きなところからお読みください
NPO法人BPKS-JAPAN理事長 野田徹さんインタビュー動画
野田さんインタビュー動画はこちらになります。第2回目は、6分半ほどの動画となっております。
下に書き起こしもしておりますので、見やすい方で見ていただければと思います。
【野田徹さんインタビュー動画】
障害者の起業支援とは?
聴覚障害の方もいらっしゃるので、野田さんのインタビュー動画をこちらで書き起こしていきます。テキストベースでも読めるので、ぜひこちらもご参照ください。
では、さっそくインタビュー内容に入っていきましょう。
野田 徹(のだ とおる)さん
BPKS-JAPAN
プロフィール
2011年の東日本大震災で、障害者4級の当事者となる。多くの大使とも繋がっており、通訳、翻訳講師、外交なども手がける。2017年にNPO法人BPKS-JAPANを立ち上げ、日本初となる障害者が障害者の起業支援・生活支援をする活動をしている。
障害者が起業するのはあり得ない?
今回からお一人増えまして、BPKSの理事をされている鈴木さんもお迎えします。
このお二方に今回の動画では、「NPO法人BPKS-JAPANでは具体的にどのような活動をしているのか?」というのをお聞きできればなと思います。
【野田さん】
まずメインはですね、障害者は雇われることが多いんですよ。でも、うちは障害者の起業支援をしている。つまり、企業を起こすことですね。
その起業支援をやってきて大切だと感じたのが、
- その人は一体何ができるのか?
- 何が最適なのか?
といったような適職カウンセリングをやることなんです。それプラス、カウンセリングは、メンタルカウンセリングが一番重要ですね。
特に発達とか精神障害者に対するメンタルのカウンセリングは、的確にやらないといけない。そこで失敗すると、相手がこちらから逃げてしまうんです。
だから、その部分はカウンセリングに慣れている人にやってもらいます。
それと実際に障害者の支援としてやっているのは、英語とITを教えています。いわゆる、起業する時に絶対必要なのは、
- ネットでどのように仕事をするか?
- 海外でどういう英語が必要になってくるのか?
といったことを知ることなんです。
私はもともと障害を持っている子供たちにNPOになる前から英語を教えてますね。確実に健常者とは違うやり方があります。
それは何かといいますと、うちでは一人一人に合った教科書を作ることなんですね。その子にあった教科書を作って教えないと、だいたい大人で英語がダメな人は子供の頃につまづいています。
そこは的確にやっていかないと後が大変になってくるんです。
【野田さん】
はい、もちろん身体もいますね。まぁ、身体障害の場合は、あんまり健常者と変わらないんですけど。
例えば、腕が上がらない使えないなら、今は音声入力で進めることができますし、もちろんそのやり方も教えてます。
メンタルの部分でいいますと、精神に関しては今隣におります事務局長の鈴木が専門分野なので。
障害者の起業支援もまずはカウンセリングから
【鈴木さん】
いえ、そんなことはないんです。カウンセリングでノウハウ的なことはもちろん勉強してるんですけど、あんまりそういうTHEカウンセリングみたいなことはしてないです。
カウンセリングをしていて思ったことは、「たまたま周りに変わった人がいただけ」ということなんですね。なんと言いますか…
障害ではないんですけど、五感が鋭い子なんかは自分が特別で周りにわかってもらえないみたいな傾向があります。だから、周りの人とコミュニケーションを取らなくなったりする人が多いです。
けど、僕らの場合はそういう人が日常的にウヨウヨしているので、「これを言ったら変に思われるんじゃないか」・「理解されないんじゃないか」っていう不安を持ってくる人たちが「そんなの当たり前だよ!ウチらの中じゃ。」っていう安心感はあるかなって思います。
だから、うちは世間から見たら変わり者集団なんです。
ちなみにBPKS-JAPANには、どのような質問が多いんですか?
【野田さん】
これは、驚くかもしれませんが、「私はいったい何が適職なんでしょう?」というそもそも論が出てくるんですよ。つまり、自分の強みとかがわからない人。
ところが話をしてみると、○○という趣味があったり、■■という分野の知識が豊富だったりなど、「強みあるじゃない!」っていう人がけっこう多いんですよ。
「私、適職もないし特技もないんです…」ってい言っておきながら話を聞いていると、「それが特技だよ!」っていうのが非常に多いんです。
私もそうですけど、趣味から入ってますからね。自分の今やっている仕事は。
多くの人は、趣味が仕事になると思っていない。だから、あなたがたも絶対何か才能があるはずなんです。
何もない人ってそうそういませんよ。気づいてないだけ。
「まさかこんなの仕事になるまい…」って思ってる人がほとんどです。これは、健常者もそうでしょ。
ゲームやらせたらすごい技術があったり、独自の世界観のアートを展開できたりとかありますもんね。
今はEスポーツなんてのもあるくらいですから。
【野田さん】
「それをなんで仕事にしないの?」って本当に思います。こんなの仕事にならないって諦めてる人が多すぎる。
【鈴木さん】
やっぱり人と違うからって、今までの人生の中で否定をされたりっていうことも原因かとは思います。
- 常識に合わないから
- 普通と合わないから
っていうので、抑え込まれちゃっており、自信をなくしているっていう感覚があるかもしれないですね。
そういうところからまず気づかせてあげて、そこからスキルをあげて、実際に起業するという流れになるんですね。
根本的な基礎スキルから徹底されているのは、素晴らしいですね。
具体的な活動内容について説明いただき、ありがとうございました。
編集後記
野田さん・鈴木さんインタビューありがとうございました。
第2回目のインタビューでは、NPO法人BPKS-JAPANで行っている障害者への起業支援に関わる活動について語っていただきました。
事業としては、障害者への
- 起業支援
- 英語・IT教育
- 生活支援
をされております。障害者の起業に必要となってくる基礎スキルだけでなく、生活支援までされているとは、至れり尽くせりですね。
障害者だから強みがないんです…
という相談は、ウェルサーチでもよくいただきますが、野田さんがおっしゃっているように探せば強みや才能が出てきます。
何かやりたいけど、自分にできるのだろうか?と思っている方!
自分の強みがわからないという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
BPKS-JAPANでもウェルサーチでもいいので、記事の下にあるお問い合わせからいつでもご相談ください!
さて、次回のインタビューでは、障害者の支援をするようになったキッカケについて詳しく語っていただきました。もともと福祉分野の人ではない野田さんが、なぜ福祉の事業をすることになったのでしょうか?
他のインタビューも下記、一覧から見ることができます。
野田徹さんインタビュー
1:NPO法人BPKS-JAPAN理事長の野田徹さんインタビューvol.1
2:障害者の起業支援とはいったいどんな活動なのか?野田徹さんインタビューvol.2
3:障害者支援をするようになったキッカケとは?野田徹さんインタビューvol.3
4:障害者の海外の反応や扱いってどんな感じなの?野田徹さんインタビューvol.4
5:障害者ももっと自信を持てる才能が絶対にある!野田徹さんインタビューvol.5
6:障害者もチャレンジャーになれ!挑戦してなんぼよ!野田徹さんインタビューvol.6
最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたのご意見や感想などもぜひお聞かせいただけますと幸いです。
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ウェルサーチ 障害者・編集チーム
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