北海道札幌のFMラジオ局 FMアップル
そのFMアップルにて、毎週火曜日22時〜23時より放送されています『RADIO CONNECT 〜ラジコネ!〜』という番組があります。
ラジコネ!では、毎週不登校や発達障害について、当事者や支援者などの意見をまとめつつ、さまざまな視点から情報を発信されています。
2回目のインタビューでは、ラジコネという番組についてと、番組を通じて伝えたい想いについて語っていただきました。
ぜひ最後まで読んでいただき、ラジオを通じて不登校や障害に対する思いを伝えるゲルさんの活動について知っていただければと思います。
お好きなところからお読みください
不登校や発達障害をテーマにしたラジコネ
2022年からは引きこもりをテーマに加えて、当事者やその周りの方々…さらに全くかかわりが無いと思っている方々にも聞いてもらえるような番組を目指しています。 また、Vtuberやライバーといった【自ら配信をしている】方々の活動などの情報もご紹介しています。
当事者やその周りの方々以外ですと、なかなか興味を持ってもらえない部分がありますから、ラジオという媒体で関わりのない方へ発信されるというのは大きな強みですね。 また発信されている方もたくさんいますが、なかなか知られていないという現状があるかと思いますので、そういう情報もありがたいと感じます。 Vtuberやライバーと言った方も数多くいらっしゃいますが、なかなか活動が知られていない方も多いので。
当事者であるゲルがしゃべること、それがもしかしたら意味があるのかも…?今はラジオとして受信する以外にも、視聴するためにたくさんの方法があるのが有難いですね。札幌の地域コミュニティFM局【FMアップル】で毎週火曜日22時から23時オンエアしてます。 ご視聴いただく方法としては… また、SNSやLINEなど番組公式アカウントがありますので、是非フォローお願いします。LINE公式アカウントでは番組へのメッセージなども気軽に送れるようになっています。各種リンクをまとめたサイトは以下になります。 ※YouTubeは楽曲やCMの権利問題があるため曲の再生中やCM部分はミュートされます。
不登校や発達障害の番組を始めたきっかけ
発達障害などを中心に扱うラジオ番組はなかなか聞きませんが、どういったきっかけで始められたのでしょうか?
2021年3月から同局の番組【アネノモネ】(毎週木曜22時~23時)に月一くらいのペースで出演していました。 そうして出演していく中で「いずれ不登校や発達障害について話す出演回とか作ってみたい」と話したところ、番組ディレクターから「8月いっぱいで終了する番組があるんだけど、その枠で自分自身の番組としてやってみませんか?」とご提案をいただき、その場で即決したのがきっかけです。
ゲルさんの行動力がいい方向に進んだ形ですね。
とはいえ、これらはご縁をいただいた…みたいな感じで、私のことを信じてくれた皆様がいたからこそ…あそこで「いや無理ですわー」って言ってたらそれこそ顔向け出来ないな、なんて勝手に思ってました。(笑)
流れに身を任せた結果というのはよくありますから。そこで行動できたのがゲルさんの本質なのだなと。
今でこそネタにしてますが、その即決の時点では毎月お支払いするお金をどうやって用意するかなど全く算段が無かったのです。それでも頭のどこかに「これはやるべきことだ」って漠然と浮かんでいたんだと思います。 何の迷いも無く、どんなことをやるかの計画も無く、しゃべるテーマだけは手元に…いえ、私という人間の中に無尽蔵に蓄えられている状態で、あの日私はやると宣言した…それがこの番組です。 YouTubeライブでご覧になった方はご存じかもですが、台本らしいもの何も作ってないですよね、頭の中に在庫がまだあるので。(笑)
何かをしたい時にはやはり現実的な問題がのしかかってきますが、それでもやはり『やりたい!』という強い気持ちがあったからこそですね。
番組を始められたきっかけにつきましては、以前のラジコネで語られております。
【ラジオ番組紹介トーク】RADIO CONNECT 〜ラジコネ!〜 とは?
番組を初めてからの周りの反応
番組が始まってから、周りからどのような反応がありましたか?
驚く方も少なくない一方、私のことを良く知る人々は『ああ、そっちいったかー』みたいな。特に驚くことも無く…元々Vtuberとして不定期に配信をしていたり、その前はネットラジオのようなものもやっていた時期があったりしたので、そのころからのリスナーにすればゲルがしゃべるのは別に珍しくもなんともない… その舞台がFMラジオとなったところで、『ゲルならいつもどおり好き勝手にしゃべって場を沸かしてくれるんじゃない?』みたいな謎の安心感みたいなものを持っているみたいで…。 あ、最近ですが『もっと本気出せよ!』って激励もらいました。「松岡修造かお前は!」と返しときましたが。(笑)”
元々の行動力があったからこそ、周りの理解も得られていますね。そして、応援もしてくれているのは心強いですね。
継続は力なり…なんでしょうけど、力使わないで続けられるくらいの継続でここまで来ちゃった感があるので、周りの反応に逆に【恐縮すぎる…】とか思ってるのはここだけの話です。 むしろ周囲もよく理解してくれるよなあ…みたいな、そっちが有難いやら申し訳ないやら…”
何かを続けられることは、やりたいことだからというのもあると思いますが、やはり周りからしたら凄いと感じるのだと思います。
番組をやっていてよかったこと
この番組を初めてよかったことはありますか?
番組を通じてたくさんの人と出会ったり交流したりする機会に恵まれました。今までの生き方では考えられなかったそういったご縁に驚いたり感謝したり…。その一方で、番組をやっていて感じる「そうだ、これがしたかったんだ」みたいな謎の充足感?は本当に大きいです。 自己満足?いやいや、自分自身すら満足させられないようじゃきっと誰にも届かないし響かないですから、これはこれで大事なんだと開き直っています(笑)”
自分がやりたくないことをやっても、確かに他の人に響かないなというのはとてもわかります。ゲルさんが心から発信したい、これをやりたいという強い気持ちがあるからこそ、同じ境遇、思いの方が集まってくるんだなと思います。
番組で大変だったエピソード
そして、番組で活動なされる上で苦労している面をお聞かせていただければと。
苦労…あるといえばあります。ぶっちゃけ資金繰りですね…。なにせ現時点ではかろうじて番組を継続するための費用だけは支援していただいているものの、毎週紹介している曲の準備から、告知などでSNSを使っての情報発信や情報の収集作業などは仕事の傍らで何とか私が立ち回ってこなしている… その時間も無給ですから、暮らしぶりが良くなる要素は皆無です。【紺屋の白袴】とか【医者の不養生】とはよく言ったもので…
そこは現実的な問題ですね…。 時間とお金の問題はどうしても無視できない問題ですから。障害者雇用などの問題でも賃金の問題とかも聞きますし、お金の問題については色々難しい部分があると思います。
家族のことを思えば「ラジオやってる暇があるなら別の仕事でもして稼ぐべき」という想いもあるわけで、常に「この番組をずっと続けていきたい」という自分のエゴと板挟みです。 本当に要領が悪いなあ自分…と苦笑いしてしまいますが、それでもやっぱりこの番組を続けていきたい…そう思っちゃったので、家族にも相談しながらやっている状態です。
何事も一人ではできませんからね。周りで支えてくださる方がいるからこそ、今のゲルさんがあるのだと思います。 苦しいけど、やはり強い思いがあるからこそ家族の方々含め、支えてくださるのかと。
不登校や発達障害の体験や気づきをシェア
番組には、様々なリスナーさんからのご意見があるかと思いますが、特にこんな意見が多いなどといったものはありますか?
特に多いもの…カテゴリとしては「ご自身の体験談や、そこから得た気付きのシェア」といったものと「こういったテーマ(不登校や発達障害、引きこもり)を軸にした番組があると思わなかった」といったご意見ですね。
私も最初ラジコネさんを知った時には、ラジオという媒体で発達障害などを中心に発信なされているのは珍しいと思ったからこそ今回お話を聞かせていただいていますが、やはりこういったテーマを中心にというのが他のみなさんもなかなか無いと思われるのですね。
今はまだ珍しい…そう感じますよね。やっぱり不登校・発達障害・ひきこもりって、周りの方と普通に話せるテーマじゃない…って感覚がまだ根強いかなって。 それは極端に言えば「世間は当事者の…自分たちの在り方を受け入れてはくれないだろう」っていう諦めが根底にあるのかなと思うんです。だからこそ、こうして公的な手法で「それを扱っている場所があるんだ」って発信していきたかったんです。
その辺りの問題については、当事者周りだけの世界になりがちだなと感じているのでもっと発信して知ってもらう大事さは本当に感じますね。
ラジオで配信することの意義
webでの配信って、極論だけど「やろうと思えば誰でも今から出来る」ことであって、それが魅力である反面なかなか社会的な信頼感を感じてもらいにくい。 でもFM波で発信するラジオ番組ってなれば、安易かもですけど社会に認められている活動として信じてもらえたり、当事者にとっても「ああ、こういうテーマを扱う番組が公的に認められた手段で配信されてるんだ…」みたいな、それがもしかしたら安心感に繋がれば…というか。 いつかこのような番組がそれほど珍しくなくなれば、きっといいなあと思います。そういう流れの中で『ここだったら相談できるかも…』って思ってもらえれば、何か役に立てるかなとも。
誰でも出来るからこそ、個人の一意見として見逃される部分が、ラジオというある程度公共のものであるからという権威ではないですが、場所の強さは感じます。
今はご相談というのも無いわけではないですが、まだ明確に「ご相談をお請けします」と宣言しているわけではない(内容によっては専門的な知識や資格などが無いと踏み込めないものもあるため)ので、どちらかといえば番組から発信した情報へのリアクションとしての上記カテゴリのご意見が多いと感じています。 リスナーさん同士でもこういったご意見の交流が活発になるといいな、と改めて思います。
専門的な話になると、たしかに難しい面はありますね。 ですが、専門的な話以外でも当事者同士の意見というのもかなり重要だなと感じます。ラジコネさんはそういう場としてはとても重要ですね。
寄せられた意見を見て感じること
寄せられている意見について、ゲルさんご自身はどう感じられていますか?
切ないですが『周囲への期待は出来ないので自分で何とかしています』といったような、前に進むうえで諦めというか割り切りというか… そういう風にして乗り切ってきたというご意見や、今まさにそうして乗り切ろうとしているというご意見もあったりします。 当事者の多くは本当にまじめで一生懸命で、それゆえ他の方に迷惑をかけることをすごく恐れたり、そんな自分を許せなかったりして、どんどん周囲と気持ちを共有することから遠ざかってしまう…。”
周囲への理解の難しさや、やはり『迷惑をかけたくない』。この思いが強いからこその溝ですね。
前述しましたが、うつ病になれる人ってのは真面目で一生懸命で優しい人が少なくないかなって。そうじゃなきゃ、うつ病になるくらい自分を追い詰めるなんてこと、辛くて苦しくて出来ないと思うんです。 だから、こういうご意見を形にして届けてくれる人がいて、それを受け取れる場所に今自分がいる…その事実について「なにか一つでも出来ることがあるはずだ」っていうのは強く感じているんです。
悩みを打ち明けること自体に勇気がいりますからね。誰に頼っていいかわからない。だからこそのラジコネという場があるのは、悩みを抱える方にとってはありがたいのだと思います。
そんな風に感じてもらえたらすごく嬉しいです。 その一方で元気をもらえるような、聞いてるこちらも楽しくなるようなご意見をいただくこともあります。決して悲壮感だけの現状ではない、そう信じられるご意見=想いが番組には寄せられているんです。 向き合うべき厳しい現実がそこにあるのと同時に、ひとりで立ち向かっているわけではないんだと感じられるような希望も、いただいたご意見から感じられる。…ああ、そうか。「番組やって良かった」ってすごく強く感じてます。これもアリですよね?
『一人じゃない』。これはゲルさんも含めてみんなが共有したい思いですよね。それをわかちあえるという考えはとても素敵です。
第2回インタビューを終えて
第2回目のインタビューでは、ラジコネという番組について語っていただきました。色々苦労が大きい中、それでも繋がれる場として、情報発信の場としてとても大きな場になっているラジコネ。このインタビューの中からもしっかり想いの強さを感じさせていただきました。
3回目のインタビューでは、番組のテーマである発達障害・不登校に対するゲルさんの想いを語っていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ラジオパーソナリティ ゲルさん
Twitter: RADIO CONNECT 〜ラジコネ!〜
LitLink:RADIO CONNECT ラジコネ! の活動
久田 淳吾
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