福祉用具にもさまざまな種類がありますが、まだまだ一般の方には認知されていない現状。特に海外の進んだテクノロジーを使った福祉用具について知っている方はごく一握りかと思います。
今回は、主に海外の福祉用具を取り扱う株式会社アップイットの長尾様にインタビューをさせていただきました。
海外で作られている福祉用具はどのような物なのか?日本の福祉の現状などについて詳しく聞いていきます。
進んだ福祉器具について知っていただければと思います。
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アップイットについて
福祉事業
日本製品はもちろんですが、日本より発展している海外の福祉機器を積極的に取り入れております。
eスポーツサポート/ゲーミングPC販売
オンライン対戦で遠くにいる同じ障害の方と対戦をしたり、家族一丸になって一つのゲームをクリアするなど、ユーザー様によってゲームのやり方は様々です。
後ほど詳しく紹介させていただきますが、コントローラー操作やマウス操作が難しい方でも視線やスイッチだけでゲームが簡単にできるようなセッティングや身体評価を行っております。
今までやってみたかったけど難しかったゲームができるようになり、施設や個人宅等で大変盛り上がっていただいています。
それ以外にも近年 e スポーツの需要はとても高まっており、弊社のゲーミング PC『X AID』を使って e スポーツ大会を行ってらっしゃる事業所様もいらっしゃいます。
滑り止め施工/ハウスクリーニング事業
こちらは一般的なご家庭はもちろん、支援学校や福祉施設、高齢施設などの滑りやすい場所に滑り止め剤を塗り、転倒防止のための施工を行います。 特に身体障害をお持ちの方やご高齢の方の場合お風呂場や雨の日の入り口等での転倒が起こりやすいので、事故の未然防止に有効です。 ハウスクリーニング事業では、エアコンの清掃やお風呂場/トイレ/レンジ等の清掃も手がけています。
その中でも、メインは福祉事業部ということで。
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「できないをITでできる」に
本当はやってみたかったけど自分は難しいだろうなと思っていたゲームを支援機器を通してできるように手助けする。 コミュニケーションの場合 等、「できないをできるように」というのを重視して日本海外で機器を探したり販売をしています。
福祉機器紹介
無線感圧式スイッチ/療育スイッチ『COSMO』
現行の入力スイッチ
物理的にカチカチと押す接点式スイッチから、人の静電気を感知して触るだけで反応する帯電式スイッチ、息を感知して入力する呼気スイッチなどさまざまです。
新ジャンル『感圧式入力スイッチ』
有線で接続するスイッチが主流ですが、感圧式無線スイッチは日本で COSMO だけです。
COSMOでできること-療育/リハビリとして-
一つ目は、専用の療育トレーニングアプリを使って、楽しく遊びながら因果関係や社会性、身体調整や五感刺激の療育/リハビリをする使い方です。
アプリの一つ、「雪の魔法」では、光っているボタンを押すとそれぞれ何かしらの事柄が画面の中起こります。
たとえば因果関係の練習アクティビティ。
これは何かすると何かが起こるという原因と結果、つまり因果関係の療育となります。
スイッチを押すと電気がつく、アクセルを踏むから進む等の基本的な因果関係の基盤を訓練します。
みんなで楽しめる療育にも
一人で演奏してもいいですし、一人一個持ってみんなでハンドベルのように演奏をしても楽しいです。
複数人で声を掛け合って行うと協調性やコミュニケーション能力、社会性の療育リハビリにもなります。
例えば「演奏」では、誰がドの音、誰がレの音などを決め、その後一人先生でも利用者でもよいので指示役を指定し、誰々ちゃんドを押して!誰々君の番だよ!などと声を掛け合いながら使うとよいです。
会話の補助機器としても使える
黄色いスイッチを押すと「お腹空いた」とアプリから発声されます。
『サンプル』というアクティビティでは、ボタン 1 個 1 個に音声を吹き込むことができます。
たとえば、緑色のところに「おはよう」と録音します。黄色には「お腹空いた」と録音します。
その後、対応する緑色のボタンを押すと「おはよう」。
そのような方にも発生練習や喉の筋肉のリハビリに効果的です。
身体の療育/リハビリのアプリ
ゲーム感覚で光を見つける『視覚刺激』と『反応速度』の療育リハビリに使えます。
その一つに「もぐら叩き」というのがありまして、6 つあるスイッチの中で 1 個だけ光るので、その光が消える前にスイッチを押すものです。
これはお子さんだけではなく、高齢の方の訓練にも使えそうですね。
光が消える速度も変えられるので、使う方のレベルや状態に合わせた使い方ができます。
専門家が共同開発
が200人程集まって共同で開発したものです。 その為、これは因果関係の練習だよとか、これは身体のリハビリだよとか、これは発声練習だよというアクティビティ毎の根拠付けがしっかりと行われています。
COSMOでできること-外部入力スイッチとして-
それを使うと画面のスキャンが始まり、カーソルが出てきますので、そこで自分が使いたいアプリにカーソルが来たらスイッチを押します。 youtubeのアプリを使いたい場合は、YouTubeのアプリ上にカーソルが来た瞬間にスイッチを押すことでYouTubeアプリを選択し使いたいアプリが使えるといった感じですね。
パソコンのゲームもサポートできますし、マリオ等のゲームも一人がジャンプ、一人が進む担当とすると、家族や兄弟で一丸となって一つのゲームをするということも可能です。
アームサポート『MOMO』
MOMO は、肩や腕の筋肉が弱く、上肢の垂直運動や水平運動が難しい方のサポートをしてくれる機器です。
これは本当に腕を動かすのが楽ですね。 筋力が弱ってる方に最適だと思います。
ユーザー様の中には、MOMOを使って楽器の演奏をしている方もいらっしゃいます。
他にもアームレストにはフックがついており、使い終わったら自身でフックに引っ掛け収納することも可能です。
アームサポート『スプリングバランサー』とアームサポート『MOMO』
装着後は腕全体が包まれているので非常に安定し、フックが付いており、自身で使う前/使った後の装着脱が介助無しで簡単に行えます。 装着後はレストの上に置く形ですが、別途バンドなどを使用すればより安定した使用が可能です。
スプリングバランサーはどちらかというと垂直の移動が安定しますが自身での装着が難しく、介助が必要です。
先ほど紹介させていただいたCOSMOは、日常生活用具の情報通信支援用具という項目で補助金での取得が可能です。 各製品補助金での申請ができますが、申請方法が分からないという方はお気軽にご相談いただけたらと思います。
マウス/タッチ代替操作『ジョイスティックボタン』
これはipadやパソコンをジョイスティックとボタンだけで操作できる機器です。
付属のボタンを押すのが難しければ、先ほど紹介した他の外部入力スイッチに切り替えて使用することもできます。
等、お好みで8種程から選択できます。
パソコンゲームなどにも使えますので、今まで障害でゲームなど出来なかった方でも、専用のジョイボやスイッチを使うことで遊ぶことができます。
視線入力と意思伝達装置
視線入力でできること
角度や距離を調整して使用する方の黒目を認識します。 大体60〜70cm 位離れて使う感じですね。使う方の視線を見ながら調整して、その方にあった設定を行います。
その後、使う方の精度にピントを合わせるキャリブレーションという作業を行います。
これを行うことで、ポインターが視線の先にしっかりとはまるようになります。
例えば50音が表示された画面に自分が打ち込みたい文章を視線入力する場合、「こんにちは」であればまず「こ」の部分に視線を合わせます。設定した秒数視線を合わせると「こ」が入力されます。 そのように見続ける、若しくは見たところでスイッチを押すことで、文章の作成が可能です。
簡単に入力できて、精度もいいですね。
Windows用意思伝達装置『TCスキャン』
普段使い慣れている透明文字盤のように50音が表になって並んでいるものや、「あかさたなはまやらわ」のみ表示されたものなど、使う方によって変更ができます。
これであれば、自分がして欲しいこと、やりたいことを事前に登録しておけますのでより簡単にコミュニケーションが取れるようになります。
このカスタマイズ機能も TC スキャンならではの機能となります。
視線ゲーム
まずはゲームを通じて画面に注目する練習や、対象物を見続ける訓練を行うことができます。
iPad用視線入力装置『TDパイロット』『Hiru』『Skyle』
の3種類あります。 それぞれ価格は約140万円、50万円、30万円ですが、視線の精度もそれぞれ変わってきます。
障害を持つ方に向けて
さまざまな福祉支援機器を見させていただきましたが、どれも多機能で使い勝手よく、本当に驚かされました。
デモやレンタルでのお試し
補助金での取得
障害の内容や理由に関わらず、その方のやりたいこと/今までは少し難しかったことを、支援機器を通じてできるように、そして日常生活の中で楽しさや笑顔を少しでも増やしてもらいたいと思っています。
ご自宅でゆっくりとお試しいただけますので、ぜひご体験いただければと思います。
今後のアップイット
私は海外製品を担当しておりますが、海外ではまだまだ日本では見たこともないような支援機器があります。 最先端の支援機器を日本に増やすことで選択できる機器の幅を広げ、 QOL を向上できるきっかけになればと思っています。 会社としては障害関係もそれ以外にも様々な事業展開をしていきますが、最終的には障害のある方が個人でも家族でも楽しめる『インクルーシブ遊園地』を創りたいですね。
それを導入したいと思われる方がいらっしゃれば弊社の方で輸入することも場合によっては可能ですので、日本にないから諦めるのではなく、一度ご連絡いただければ試せる機会もつくれます。
ユーザーさんと販売店、支給を行う国が一丸となり、日本の福祉をよりよいものにできればと思っております。
取材を終えて
世の中にはさまざまな便利な物が数多くありますが、今回アップイット様を取材させていただき、まだまだ知らない世界、知らない機器があることを感じさせられました。
世の中がより進化していく中、こういった機器を使って今までできなかったこと、難しかったことに障害がある方でもチャレンジできる世の中になっていければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社アップイットについて
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電話番号 | 03-6820-1544 |
メールアドレス | info@upit.co.jp |
久田 淳吾
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