あなたは「バリアフリー映画」をご存知ですか?
この言葉を聞いて真っ先に思いついたのは、階段のない車いすが通れる映画館だったりしませんか?
私も最初は、それが思いつきました。
でも、バリアフリー映画ってそうじゃないんです。
- 目の見えない方
- 見えにくい方
- 耳の聞こえない方
- 聞こえにくい方
など、多くの方が楽しめる映画のことなんです。
字幕がついていたり、音声ガイドがついていたりするのは当たり前!
でもその前に絶対に必要なあることも含まれるんですよ。今回はそんな映画のバリアフリー版を制作しているPalabra株式会社(以下パラブラ)さんにお話をお聞きしました!
ぜひ、最後までお読みいただければ幸いです!
お好きなところからお読みください
パラブラの活動概要
早速ですが、パラブラではどんな仕事をなさっているのでしょうか?
今回のインタビューは、動画でも視聴可能です。
文化芸術の関わる分野全般について、なるべく見れる人を増やしていく仕事をしている会社です。
そこまでしないと使っていただくことが出来なかったんですね。
例えば、映画でいうとチケットって皆さんネットで好きな劇場で好きな時間で買うと思うんですけど。
チケットがとれなければ、映画自体に音声ガイドが付いていても観れないですもんね!
だから、そういったその周辺のこと前後を含めて「映画鑑賞」と捉えています。
バリアフリーコーディネートも
一緒にデザインしていったりした方が、イベントとしてもきちんと届けられる形になっていきそうですもんね。
「障害」という線をなくしたい
今はそこから進んで、障害のある方にもバリアフリーは適用するとんだいう認知度が上がっていたり、ベビーカーに対してもベビーカーマークなんてものも出来ていますよね。
でも、私たちとしてはあんまり障害というものに線を引いて何かしたいというわけではなくて、むしろそこを無くしていく事を目指してるというか、テーマにしてやっているんです。
パラブラを立ち上げるキッカケ
でも、こんなに楽しい映画をすぐに観れない。アクセスできない人がいるということを知って、そういうことを無くしたいっていう想いからですね。文化芸術こそ本当に誰に対しても開かれているものであるべきだと思うんです。
観客を増やすのがバリアフリー映画の役目
最初から映画って聞くだけでも観れないし、いいよって断ってしまいますよね。
そこから、「観れる」という選択肢になった時に初めて観客になりえる人が入ってくるわけじゃないですか。
バリアフリー字幕と普通の字幕との違い
話者名の表記
さらに男性の声だな、女性の声だなとかさっきの人と同じ声だなとか、声のサインが耳にちゃんとインプットされていると思うんです。
あくまで聞こえている人達が声色の違いを聞き分けているものになるんですけど、その話者名でネタばれさせてしまったりとかとかも結構あるんですよ。
音情報・音楽情報の文字化
これは、見ただけではわからない「音」の情報や作品の中で重要な音を文字にします。
「無音」と字幕をつけるのではなく、音の変化によって感情が高ぶったり変化することを狙った演出を文字で表現します。
前後に大きな喧騒がある中で、パッと音がなくなったときに無音ができる。
前後の”喧騒”について説明してから、表情を見せるためにあえて、「無音」と字幕に書かなくても演出の意図を表現するケースがあったり、「無音」という文字が逆に邪魔になるケースもある。
簡易な説明になりましたが、どんなものなのか、実際の作品を見てみましょう。
【音声ガイド・日本語字幕付き】『明日をへぐる』予告編
映画監督の意向も出せるように
その時にこのままでは観られないという人がいるということを初めて知るということによって「当然のことながら次回以降はもう絶対につけなきゃって思いますよ」と言って頂けることですね。
映画への想い
監督本人が意図したものとちょっと違ってしまうところだってあるんでしょうからね。
バリアフリー映画への理想
「今日の音声ガイドはどうだったね」とか「字幕こうだったね」という感想が出てしまうと、それは失敗だなと思っていて、あくまで映画の感想が一番に出てくるような映画が理想だと思います。
本来は作品を楽しむものなので、字幕を作るときも作品より前に出るようなことはしたくない。
今後の展望について
全部説明するとそれは音声ガイドじゃなくて、むしろ解説になってしまう。
本当の意味でのバリアフリースタンダードにしようと思ったときに、やっぱりそこはきちんとビジネス化して制作者の質を上げていくということをしないとと思うんです。
だから、映画のスタッフがいるのと同じように「字幕音声ガイドの制作者」がきちんと仕事をして成り立っていて、きちんとプロが育っていって、映画を製作する一環として当たり前にその役割に入っているというイメージを持っていきたいんです。
印象に残っているエピソード
仕事の中で一緒に接点を持っていけること自体、私やスタッフにとってはとても大事なことです。
知らない事とか理解されない事とかが一番のバリアでしょうか。
一緒に協働していく、サポートしていること自体も凄くありがたい場面だなと日々感じます。
この活動を通じて実現したいこと
わざわざバリアフリーって言葉を使うとか、わざわざその話題を出さなきゃいけないということではなくて、そんな言葉もなくなるような社会にしていかないといけないとすごく思っています。
でも、その尺度自体が凄くズレてしまっているというか、何人のためにやっているとではなくて。
だからこそ、コンテンツの製作側にもきちんと知ってもらうということも、当事者への広報というのも、もちろんそうですけど作品を発信している側の方々にも知ってもらいたいと思います。
パラブラ山上さんの取材を終えて
バリアフリーという言葉自体を発する機会がないくらい、バリアフリー映画を当たり前のものにしたいと語る山上さん。
この活動、そしてバリアフリー映画というものをより多くの方に知っていただきたいと思いました。
山上さんのそのプロ意識。誰に対してでも映画を楽しんでいただきたいという制作サイドの熱い想いが伝わるインタビューだったのではないでしょうか。
ぜひ一度、バラブラのアプリUDCastを使ってみてください。
UDCast
iOS
https://apps.apple.com/jp/app/udcast/id899342269
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.palabra_i.udcast&hl=ja&gl=US
実際にUDCastの利用している全盲の方の記事もありますので、参考にしていただければ幸いです。
『【視覚障害者】全盲の私が感じるスマホのメリットと役立つiPhoneアプリ3選!』
障害のない方もバリアフリー映画というものを是非知っていただき、一度ご観覧頂ければと思います。
僕もお話を聞いて情熱をかけて作られているバリアフリー映画を観てみたくなりました。
きっと気づきがあるはずです。
パラブラ公式HP:https://palabra-i.co.jp/
日野信輔
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