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聴覚障害者とのコミュニケーションツールを学生が開発!ノートラブルとはどんな商品なのか?

  • 最終更新日:
コミュニケーションを円滑にする筆談具ノートラブル

Sカレという、実際に商品化を目指す大学ゼミ対抗のインターカレッジ。

 

プレゼン大会の「社会課題を解決する印刷製品」というテーマで優勝された商品が「聴覚障害者」にまつわる商品ということで、今回インタビューをさせていただくことになりました。

 

日野
経済学部の学生がどのような経緯で開発に至ったのか、また聴覚障害者にまつわる商品【ノートラブル】についてもご紹介していきます!

和歌山大学経済学部・柳ゼミの学生『ライクアス』

日野

今回インタビューさせて頂くのは、和歌山大学の経済学部の柳先生のゼミの

 

  • 馬籠莉央さん
  • 上内真尋さん
  • 吉村圭祐さん

 

『ライクアス』といチームで活動なさっている3名です。

 

改めましてよろしくお願いします。

 

ライクアスのメンバー

ライクアスの皆さん

 

 

ライクアス

よろしくお願いします。

 

私たちは、和歌山大学の経済学部の柳先生のゼミナールに所属しています。

 

ゼミの活動としてはSカレ(studentイノベーションカレッジ)という全国の大学が参加する商品企画大会に参加することを通じて、マーケティングや商品企画を実践的に学んでいこうっていうゼミナールになっています。

 

聴覚障害者にまつわる社会課題を解決する

日野
皆さんが参加したSカレではいくつかのテーマが設けられていてるんですよね?

 

ライクアス
はい。私たちが参加したテーマというのが「社会課題を解決する印刷製品」で参加致しました。

 

日野
印刷製品のテーマで1位になったんですよね。

 

ライクアス
ありがたいことに。

 

商品化の権利を獲得しましたので、現在は各テーマの1位同士のチームで次の総合優勝に向けて活動に励んでおります。

 

日野
応援しています。

 

 

聴覚障害者のコミュニケーションツール「ノートラブ」

日野
ゼミとSカレのことを少し話して頂いたんですけど、開発した商品についても概要をお聞きできればと思います。

 

ライクアス

はい、では簡単に商品の概要を説明させていただきます。

 

商品の名前は、コミュニケーションを円滑にする筆談具”ノートラブル”となっております。

 

ノートとトラブルがNOという事でそれをかけてノートラブルという名前になっています。

 

コンセプトが、指して、書いて、思いよ届け コミュニケーションを円滑にする筆談具。接客業を行う方をターゲットにしています。

 

コンセプトを書いた資料

 

 

ライクアス
ノートラブルは、本体と指さしシートと予備シールと専用のペンの4点セットとなっています。

 

ノートラブルのセット内容の写真

 

ライクアス
本体の方が耳の聞こえない方がいらっしゃった時に、耳マークと『筆談が必要な方指さししてください』という文面を表紙に記載しておくことで、そのお店で筆談が可能であるという事が一目で分かるような工夫をしております。

 

日野
へえ~。それは確かにお店側も便利だし、耳の不自由な方も安心ですね。

 

 

ノートラブルの使い方

ライクアス

表紙をめくった1ページ目と2ページ目が指差しシートになっておりまして、もう一度めくった3ページ目の方がホワイトボードになっています。

 

ノートラブルの説明の写真

 

ライクアス

指さしシートの作り方ですが、まず指さしシート自体が元々白紙の状態になってます。

 

それぞれのお店によって使うフレーズや言葉が違ってくると思いますので、そのお店内でよく使う言葉を職場の皆さんで話し合って書き込んでいただきます。

 

日野
お店ごとにカスタマイズができるのですね。

 

ライクアス

2枚目のシートの一番最後の行がピンク色になっています。

 

こちらには店員さんからだけではなく、お客様からも感謝の気持ちを伝えられるような仕組みがあればと思い、感謝を伝える言葉を記入して、両社が幸せな気持ちになるという工夫もしております。

 

そしてそれぞれの指差しシート2枚を記入した後に、枠になっている指さしシートはシールになっているので記入後に貼り付ける形になっております。

 

ノートラブルに書き込んでいる写真

 

ピンク色の欄は感謝の気持ちを入れるところと説明している写真

 

表紙に書いたものを張り付けているところ

 

完成図の写真

 

 

ノートラブルの特徴

ライクアス

こちらの製品の特長としましては、印刷製品ならではの良さというものがありまして、まず卓上カレンダー形式で自立するので、レジや窓口に起きやすく、目につきやすいという特徴があります

 

紙に書いて伝わるので、文字による温かさというのも感じることが出来るのも良さだと考えております。

 

ノートラブルのセールスポイントを書いた資料の写真

 

ライクアス
既存商品とも比較してみましても、自由にカスタマイズ出来るという筆談具はノートラブルだけになっています。

 

 

ノートラブルの独自性

ライクアス

そしてこの商品の最大の特徴である独自性というところなんですけども、指さしシートの内容を職場の皆で話し合って決めるということです。

 

耳の聞こえない方を思うきっかけが生まれるというのが、この商品の最も大切な独自性となっています。

 

 

ライクアス
あと、予備シールの使い方ですが、もし書き込んでいた内容のフレーズが「やっぱりこっちの方が良いな」などとなった時に予備シールが1行ずつ貼れる白紙のシールになっていまして、書き直せるようになっています。

 

 ノートラブルについてのQ&A

日野
何点か質問してもいいでしょうか?

 

このノートラブルはどのタイミングでお客さんは書くんですか?並んでいるときに書くって感じですかね?

 

ライクアス
そうですね。

 

指さしシートはあらかじめ記入しているので、机などに置いていただいて、もしお客様側から筆談したいというご要望があれば、指差しでまずはコミュニケーションを取ってもらって、注文するときに書くというイメージです。

 

日野
なるほど、分かりました。その書き方は初心者の方でも分かるんですか?

 

ライクアス
書き方は説明書も一緒に導入しようと考えているので、書き方や使い方はそちらの方をご覧いただければ、分かる形になっています。

 

日野
店員さん自体が手話が分からなくてもコミュニケーションがとれるんですね。

 

ライクアス

はい。指差しと指差しだけでは対応できない複雑な会話の場合は、ホワイトボードで筆談をしていただくという形になっています。

 

日野
ありがとうございます。

 

商品の特徴については理解させていただきました。

 

ちなみにこの商品をなんで作ろうと思ったんですか?

 

商品開発のキッカケに迫る

ライクアス
開発のきっかけとしては、まず私たちは社会課題を解決する印刷製品というテーマに参加しました。

 

まず社会課題をどうするか?っていうところから商品開発が始まったんですけど、元々は大きな社会課題に目を向けていたんです。

 

日野
そこから聴覚障害の方向けになったのは?

 

ライクアス
ある時期に私たちのもっと身近なところで社会課題を見つけていこうとチームで考えました。

 

日野
なぜですか?

 

聴覚障害がある方との接客での後悔から

ライクアス
元々メンバーの一人がカフェでアルバイトをしていまして、社会課題を考えているときにちょうど耳の聞こえないお客様を接客するという場面がありました。

 

メニューを指差しだったりジェスチャーで伝えきれなかったりしたりして、お客様が不快な思いをしたんじゃないかって後悔した思いがあったんです。

 

それをチームメンバーに共有したところ、他のメンバーもカフェでアルバイトをしていて同じような経験があるということが分かりました。

 

日野
なるほど、そういった原体験があったんですね。

 

ライクアス
そういった耳の聞こえない方のコミュニケーションって、普段はあまり身近に感じる事のないことなかったです。

 

そこで改めて考えた時、あまり目を向けられていない社会課題だと思い、この筆談具だったり聴覚障害分野っていう社会課題を解決したいという思いになっていきました。

 

 

開発にあたっての苦労

日野
ちなみにですが、聴覚障害のある方との関わりは普段あまりないと思うのですが、その点、開発するにあたって大変だったことってありますか?

 

ライクアス
そうですね、筆談具だったり聴覚障害に関する課題を解決しようって思ったときに、日野さんのおっしゃる通り、知り合いにも聴覚障害の方が居ませんでした。

 

そこで、和歌山県の聴覚障害者協会さんにご連絡させていただきました。

 

日野
当事者団体と接点を持たれたのですね。

 

ライクアス
そこで「どんなことを困っているんですか?」って聞いたときに、例えば「コミュニケーション全般に困ります」っていう風にご返事をいただいたんです。

 

思ったよりも自分たちが関わろうとしている社会課題がすごくアプローチが難しいと感じました。

 

それが一番大変だったことかなと思います。

 

やってみてよかった!新たな発見

日野
逆にやってみてよかったな、新たな発見はありましたか?

 

ライクアス
新たな発見は、そうですね…。

 

それこそSカレって活動を通していないと、なかなか耳の聞こえない方が普段どんな生活をされているかだったり、どんなコミュニケーションを取っているかっていう事を考えたことが無かったんですね。

 

日野
接点がないと考える機会も少ないですよね。

 

ライクアス

でも、Sカレの活動をしていく中で、例えばヘルプマークをつけているが居たら、その方は周りからはあまり分からないですけど、何か困っていることがあるのかなって視点が生まれたり。

 

それこそバイト中にその経験があってから常にメモ帳を持ち歩いて、何かお手伝いできることがないかなって意識が芽生えたり、今までの自分の意識とか視点よりもすごく広がったのかなっていう風に思います。

 

たくさんの人に支えられた

日野
なるほど。他には何か、良かったなっていう点ありますか?

 

ライクアス

そうですね。

 

あとは、まだ商品化が決定していない段階で「まだ商品化していないんですけど、これ実証実験したいんです。商品化したら取り扱ってください」っていう無茶なお願いでも、すごく支えてくださる方が多くて、色々な方に支えられて私たちの取り組みができたのだなと思いました。

 

日野
とても良い経験ですね。

 

ライクアス

はい。その結果コンテストも優勝出来たのだなと思っています。

 

自分達が本気で取り組んでいけば沢山の方々が支えて下さるんだよって知ってよかった思っています。

 

 

障害がある方への心境の変化

日野
実際に当事者の方達と関わってきたと思うのですが、関わる前と関わった後では何か心境の変化はありましたか?

 

ライクアス
そうですね。

 

例えば駅で白杖持っている方が居たら道案内しようとか考えが浮かんだりすると思うんですけど、安易に声をかけても良いのかな?って。

 

日野
と言いますと?

 

ライクアス

聴覚障害をお持ちの何人かとお話させていただいたんですが、例えばカフェや飲食店に行ったとき、「私は聞こえないので、筆談お願いします」って最初からお願いされている方もいれば「必要最低限のコミュニケーション」の方もいらっしゃったので。

 

日野
人それぞれしたいこと、して欲しいことは違いますもんね。

 

ライクアス

はい。本当に人それぞれ思いだったり、こうしてほしいって考え方が違うので、この活動を通じてお手伝いしたいなって気持ちは大きく芽生えました。

 

一方で、どうお手伝いしていけばいいかって切り口というか方法も多様ですし、その方に合わせて行かないといけないんだなって凄く感じました。

 

日野
なるほど。

 

ライクアス
だから、道で見かけた時とかにどうお手伝いしたらいいんだろうと深読みするような心境の変化はありました。

 

聴覚障害がある方からの反響

日野
ありがとうございます。

 

逆にこの商品を実証実験とかもされたと思いますが、当事者の方とお店の方両方の出た意見をお聞きしたいんですけれども、当事者の方から使ってみての感想とか声ってありましたか?

 

ライクアス
頂いた意見の中でもやっぱり良かったなと思うのが、「この指差しシートとホワイトボードが一緒になっているのが簡単なコミュニケーションから複雑なコミュニケーションまで同時にこれ一つで行えるのがいいよね」といった意見です。

 

あとは、「情報っていうのは紙に書いて伝えるっていうのが最も確実で安心」というのも当事者の方がおっしゃっていたので、その特徴もちゃんといかせた商品になったのがいいなって思いました。

 

 

 

お店側からの反響

日野
ありがとうございます。お店側からの反響はどうでしたか?

 

ライクアス
良かった意見としては、耳が聞こえない方を思うきっかけになったであったり、いざ接客するときにどうしていいかわからないけれども、ノートラブルがあると安心するって意見がありました。

 

他にも耳が聞こえない方へのどういった配慮をすればいいかを考えるいい機会になったという意見です。

 

 

ライクアス
ノートラブルという商品が耳が聞こえない方を思うきっかけになる良さだったり、私たちがこうなってほしいなって思いが実際使っていただいて感じてもらえたっていうのが凄く良かったかなと思います。

 

ノートラブルの実際の声から改善

日野
それは嬉しいですね。

 

その意見を聞いてもっとこうしよう!という改善点も浮かんでくることがあると思いますが、その点はなにかありましたか?

 

ライクアス
改善点といたしましては、接客する場面を様々なところで使っていただきたい思いがあって、実証実験も飲食店、銀行、病院、市役所だったり本当に色んなところで使っていただきました。

 

日野
色々なところが協力してくださったんですね。

 

日野
はい。ですが、接客場面が異なれば、方法だったりコミュニケーションの内容文言だったりは変わるんですよね。

 

ホワイトボードの大きさを変えた方がいいって意見だったり、指差しシートがもっと多い方が私の所ではやりやすいって意見だったり、色々意見をいただいたので、どこでも使っていただけるその中間点のサイズを改良できてよかったかなと思います。

 

 

 

断られてしまうことも

日野
ありがとうございます。逆にノートラブルを取り入れるのはNGみたいなお店とかもあったんですか?

 

ライクアス

そうですね、何件かありました。まず電話で概要をお伝えするのが難しいので、その時点で忙しいのでって断られることもありました。

 

でもありがたいで事に10団体、今年増えまして28ヶ所ほどになっております。本当にありがたいです。

 

 

取り扱いが決定した場所

日野
ノートラブルの取り扱いが正式に決定したところがあると伺いましたが?

 

ライクアス
はい。ありがたいことに三十三銀行 和歌山支店にて商品化後も、取り扱いをしていただくことになりました!

 

 

ライクアス
他にも5社で交渉が成立しました!

 

 

聴覚障害の世界を体験するイベント

日野
ノートラブルを利用したイベントも行われたとか?

 

ライクアス
サイレントデーですね。

 

このイベントは和歌山市の地酒Bar「水辺座」様にて店員とお客様との注文を全て無言で行うというイベントでした。

 

 

日野
もちろん、注文やコミュニケーションはノートラブルで?

 

ライクアス

はい。

 

聴覚に頼ることなくコミュニケーションを行うことの難しさを疑似体験し、商品改良に活かすことを目的にイベントを開催しました。

 

日野
大胆で画期的ですね。

 

 

シリーズ展開も視野に

日野
今後、シリーズ化する構想などはあるんですか?

 

ライクアス

はい。既にシリーズ化しているものがあります。

 

  • 海外の方向けのノートラブル
  • コミュニケーション用のノートラブル
  • 病院で使うノートラブル

 

などです。

 

 

日野

へえ、海外の方向けというのは、これから海外からの観光客が戻ってくることが予想されますから、かなり使えそうですね。

 

ライクアス
あとは、ノートラブルの説明が読めるQRコードもあります。

 

 

 

 誰もがコミュニケーションを円滑に

日野
今後の目標ついてもお聞きしていいですか?

 

ライクアス

一番の目標っていうのが、このノートラブルっていうのを使っていただいて誰もがコミュニケーション円滑になって思いを届けられる社会を実現したいのが最終目標です。

 

それを実現するために、まずはこのノートラブルという物を知っていただくというのが一番大事だと思っているので、今は結構、和歌山県を中心に活動しているんですが、今後はクラウドファンディング等を通して和歌山から全国にノートラブルの認知を広めて、全国的に誰もが思いを繋げられる社会を実現したいのが私たちの大きな今後の目標となっております。

 

 

クラウドファンディングを通じて広めたい

日野
ありがとうございます。最後に色んな障害当事者とか支援者達に伝えたい事ってありますか?

 

ライクアス
私たちは耳が聞こえない方と聞こえる方のコミュニケーションが円滑に行えていないって課題を解決するために本当に全力で頑張っています。

 

クラウドファンディングだったり実証実験だったり注力していますので、支えていただけたら嬉しいです。

 

日野
これからの展開が楽しみですね!

 

ライクアス
そしてFacebook等もやっていますのでそちらからも情報見ていただいて一緒にノートラブルを広めて社会課題を解決するって事をみなさんとやっていけたら一番嬉しいなと思います。よろしくお願いいたします。

 

日野
最後にこれだけ伝えたいってことはありますか?

 

ライクアス
クラウドファンディング絶対成功させたいです!(笑)

 

日野
ウェルサーチも応援してます!

 

 

クラウドファンディング

ライクアスの学生たちが、耳の聞こえる人と聞こえない人とのコミュニケーションが円滑に行われていない社会課題を解決するためのクラウドファンディング。

 

「ノートラブル」を製造し、より多くの人たちに届けられるように。

 

学生たちの挑戦を一緒に応援していければ嬉しい限りです。

 

クラウドファンディングの詳細は下記になります。

聞こえる人と聞こえない人の架け橋になる! 大学生による筆談具開発プロジェクト

 

聞こえる人と聞こえない人の架け橋になる! 大学生による筆談具開発プロジェクト

 

 

 

ライクアスの活動については、Facebookにて発信されております。

ライクアスのFacebook

 


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日野信輔

日野信輔

株式会社Nextwel代表取締役。Welsearch編集長。ソーシャルビジネスに特化したWebマーケター。障害者プロデュース・福祉事業所やNPOの伴奏支援などしております。得意分野:工賃アップ/障害者の仕事づくり/集客。詳しいプロフィールはこちら→日野信輔


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