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自閉症の子を抱えながら仕事で活躍するカメラマン|モンローあすかさんインタビュー後編

  • 最終更新日:
あすか後編

仕事と育児、日々の生活で両方をこなしていらっしゃる親御さんは数多くいらっしゃいます。その中でも障害を抱えるお子さんを抱え色々問題がありながらも日々がんばっていらっしゃる方も多いかと思われます。

 

今回インタビューさせていただいた、新生児や小さなお子さんを中心に撮影の仕事をしながらママとしても奮闘していらっしゃるカメラマンのモンローあすかさんもその一人。

 

障害を抱える我が子を育てる際の苦労もありますが、決して特別扱いして欲しくない。

 

障害を抱える我が子を育てているからこそ、他に同じような境遇の方のために活動をしていきたいという想いなどを聞かせていただきました。

 

ジュン
インタビュー後編。今回は仕事での苦労や今後の想いなどについて語っていただきました

 

インタビューの前編はこちら。

『自閉症の子を抱えながら仕事で活躍するカメラマン|モンローあすかさんインタビュー』

自閉症のお子さんを抱えながらの仕事の苦労

ジュン
お子さんの障害に関して仕事面で何か問題とかはありますか?

 

あすか
まず、単純に息子にかかりきりになる時間が多いので仕事に回せる時間と体力が少なくなりますね。

 

機材の管理なども「ママの大切なものだから触らないでね」がなかなか通じないので毎回隠し場所には気をつけます。

 

ジュン
お仕事関係で他のお子さんが障害を持たれている時などで苦労なされたことはありますか?

 

あすか
お客様のお子さんが障害児というのは今はまだ受けたことがないです。

 

でも自分の息子がそういう状態なので、扱い方が分かるという程ではないですけど、他の方よりは接し方のコツはちょっとわかっているつもりなので、今後活かしていきたいなと思っています。

 

ジュン
障害者のお子さんを扱う時に問題になると思われる部分はどういうことがありますか?

 

あすか
発達障害の子って気持ちの切り替えが難しいじゃないですか。

 

息子を見てて思うのが、一回ちょっとぐずぐずのスイッチがはいっちやったり、癇癪のスイッチがはいっちゃったりするともう何時間でも泣いているみたいな状態になっちゃう。

 

そういう時にどう切り替えをするかとか声かけの仕方を考えたりします。

 

ジュン
そういう時、たしかに知識や経験がないと対応は難しそうですね

 

カメラと子供

母親へのフォローの大切さ

あすか
後はお母さんのフォローですね。

 

私自身があまり家族写真を依頼して撮ったことがなくて。


なぜなら息子を連れていってうまく撮れなかったらどうしよう、息子がどっかに行っちゃったりしたらどうしよう、泣き始めたらどうしよう、途中でいやになったとか言い始めたらどうしようと思うと迷惑をかけそうでカメラマンにお願いが出来ないんですよね。

 

そういう気持ちは痛いほど分かるので、お母さんにはそういう部分は気にせずリラックスしてほしいですね。私は全然大丈夫ですので。

 

お子さんの事を気にしないで撮影依頼されて大丈夫ですよ、と。できるだけ臨機応変に対応したいと思っています。

 

ジュン
人の迷惑になる、と考えると受けたくても受けられないサービスは多そうですね

 

あすか
どうしても人見知りや場所見知りあると思うので、最初は撮れなくてもいいと思っています。スケジュールを変えて2回撮りますよといったサービスも出来ればと。


そういう部分をフォローしますので、安心して気軽に頼んでねという感じにしていきたい。

 

お子さんのケアもそうですけど、お母さんとお父さんも辛い思いをいっぱいしていると思うから、そこの心のケアまではいかないけど、一人じゃないよ、頑張っているのはあなただけじゃないよという部分まで伝えていければいいなと思ってます

 

ジュン
普通の撮影でも、時間かかったりで色々大変ですし、障害のある子ですとなおさらフォローが必要な面が多いですしね。

 

あすか
大抵のお子さんは長引くけば長引くだけ機嫌が悪くなっていく、でも時間をかけて初めて自然な表情が出る子もいるし、そこの見極めも重要ですね。


でも障害あるなしに関わらず、とにかく撮影を楽しんでもらえればいいかなと。

 

フォローやサービスという大げさなものでなくてもいいので、私の個性という感じで「あすかさんなら頼めるかな?」という位に思ってもらえればうれしいなと

 

 

悩みがある人の場を創っていきたい

ジュン
色々今後の活動に関しての想い こんなことをしてみたいなどありますか?

 

あすか
那須で一番幸せな家族写真を目指して撮影の仕事を続けるのはもちろんですが、その活動を通して過去の自分や息子のように社会で少し生きづらさを感じる人のために何かできたらいいなというのが夢です。

 

先ほど話した発達障害のお子さんでも安心して記念写真を撮れるシステムを作るとか、いつかテナントを借りて悩みを抱える人が立ち寄れるコミュニティスペースみたいな機能を持つスタジオを作ってみたいですね。

 

ジュン
たしかにそういうスタジオがあると、気軽に写真に接したりもできますね

 

あすか
私もちょっと学校を休みがちだった人間だったので、家にも学校にも居場所がないとかの気持ちがわかります。なのでそういう人の居場所の選択肢の1つになりたい。

 

もし行政の助けが必要なくらいの人が来たら行政とつなげる窓口になりたい。

 

行政の支援って自分で調べないと受けられないですからね。夢がでかいですね(笑)

 

ジュン
いえ、とても素敵な思いだと思います

 

夢から広がった世界

あすか
色々なことをあきらめていた人生だったんです。

 

どうせやっても自分は無駄だと思っていたから就職活動とかもがんばりきれなかったし、派遣で働いていたときも正社員試験うければって言われた時に「いや、怖いからいいよ」と派遣で居続けるみたいな感じだったり。

 

いろんなことを自分は無理だって思いながら諦めてきたんですけど、ここ2年カメラ始めてから思い切って何かを始めたら世界が広がっていったんですね。

 

ジュン
無理だと思っても、ひとつのきっかけで動き出すことはありますね

 

あすか
人脈とかも増えたり、ラジオに出てみたり、選挙ポスターの撮影の話をもらったりと。

 

行動すると自分の世界が変わっていくとわかったから、でっかい夢でも言っていけば実現できるんじゃないかとという位に思っているので。

 

ちょっとスタートが遅かったかもしれないですけど、夢はでかくもってもいいのかなと思っていますね。

 

ジュン
しっかりとした夢を持って、行動したからこそ今がありますね

 

繋がりの大切さを感じて

あすか
なんで私はあんなに孤独に生きていたんだろう。

 

最近なんか仲間がありがたいですね。私も息子がこういうことになって保育施設とか病院に繋がれたけど、そうじゃなかったら繋がり方がわからなかったですよ。

 

ジュン
繋がりたくても、繋がれない事は多そうですね

 

あすか
うちの息子、すごく育てにくいけど、みんなこうなのかなと思ってました。

 

みんなみんな子育てってこんな大変なのかー、位に思っていたけど、でも保健センターで工夫が必要ですねといわれたのがきっかけで、色々なところに繋がれて初めて私のしつけのせいじゃなかったんだ、うちの子ちょっと難しかったんだってホッとしました。


きっと同じように悩んで必要なところと繋がれてないお母さんが結構いるから、そういうのの橋渡しをしていければいいですよね。

 

世の中のママに向けて

ジュン
最後に世の中のママに向けて一言お願いいたします

 

あすか
お子さんに障害があるないに関わらず、子育ては大変なことです。

 

イライラしたり落ち込んだり、追い詰められることはしょっちゅうですが、子育てで一番大切なのはお母さんが笑顔でいることだと思っています。

 

なのでお母さんたちには「生かしてればいい」くらいのおおらかな気持ちでお子さんに接して欲しい。

 

そしてどうか、お母さん自身の時間も存在も大切にして欲しいなと思います。

 

ジュン
ありがとうございました

 

インタビューを終えて

今回は、カメラマンとして発達障害のお子さんと親御さんにできること。自分だから出来ること。今後の夢などを話していただきました。

 

世の中にはなかなかつながれない人が多く、何もわからないから困っている人が多くいます。写真などを通じてより多くの繋がりができることを私も応援させていただきたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

インタビューの前編はこちら。

『自閉症の子を抱えながら仕事で活躍するカメラマン|モンローあすかさんインタビュー前編』

 

モンローあすかさん

Twitter:https://twitter.com/photo_asuka

Instagram:https://www.instagram.com/asuka.m.photo/

 

 

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久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。


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