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自閉症の子を抱えながら仕事で活躍するカメラマン|モンローあすかさんインタビュー前編

  • 最終更新日:

仕事と育児、日々の生活で両方をこなしていらっしゃる親御さんは数多くいらっしゃいます。その中でも障害を抱えるお子さんを抱え色々問題がありながらも日々がんばっていらっしゃる方も多いかと思われます。

 

今回インタビューさせていただいた、新生児や小さなお子さんを中心に撮影の仕事をしながらママとしても奮闘していらっしゃるカメラマンのモンローあすかさんもその一人。

 

障害を抱える我が子を育てる際の苦労もありますが、決して特別扱いして欲しくない。

 

障害を抱える我が子を育てているからこそ、他に同じような境遇の方のために活動をしていきたいという想いなどを聞かせていただきました。

 

ジュン
二回に分けてお伝えする内容。今回はあすかさんのお子さんの状況とそれを取り巻く周りの反応などについてお伝えいたします。

自閉症児のママ|モンローあすかさん

ジュン
まずは、あすかさんの今までの経歴について語ってもらいました。

 

 

モンローあすか

 

あすか
子供の頃は絵を描いたり物語を考えたりするのが大好きでした。 大学では美術史に夢中でした。

 

リーマンショックによる就職難や私生活の変化なども重なり20代は摂食障害に何年も苦しみましたが、寛解後は通信制の美大に通ったり百貨店の美容部員の仕事をしたりしていました。

 

その後結婚出産し子育ての毎日が始まるのですが、ある時「子供の写真はたくさんあるのに、子供と一番長い時間を過ごしているはずのママが子供と一緒に写っている写真はない」ことに気付き家族写真を撮り始め、今に至ります。

 

自閉症のお子さんの障害について

ジュン
お子さんの自閉症などについてはどんな感じなのですか?

 

あすか
「息子さんに自閉症の特性があります」と告げられたのは、息子が4歳になる直前でした。

 

1歳半健診で「他のお子さんより少し工夫が必要な子」とは言われていましたが、まさか自閉症という言葉が出てくるとは思わなかったのではじめはすごくショックでした。

 

ジュン
やはり最初は、ショックだったのですね。

 

あすか
ただ、しばらくしてから「この子がこんなにも育てにくいのは、私の育て方の問題だけでは無かったんだ」ということがわかり、安心したのも事実です。

 

今は信頼できる言語聴覚士の先生と出会い、息子のできることをどんどん伸ばしてもらっています。

 

ジュン
普段の様子などはどんな感じなのですか?

 

あすか
うちの子はそんなに症状は重たくないと言われていて、療育手帳を取ったとしても一番軽い等級になるだろうと言われています。

 

でも、一番軽いけど他のお子さんと比べると明らかに違うというか他人に興味を示さないとかありますね。一人でしゃべってずっと遊んでいるとか。

 

2.3歳の時はもう字が読めていたので、そこはとんがっているんですけど、いつまでたってもおむつが外れないとかやれることとやれないことの差がすごくデコボコしていてアンバランスで。

 

ジュン
発達障害ではよく言われるデコボコですね。

 

田舎を走る電車

 

あすか
興味の行先が電車で、電車のことをものすごい知っているんですよ。電車に関してはものすごく覚えられるのに他のことはどうでもいいみたいなこだわりの強さというかそういう部分はあります。

 

食べ物の好みがちょっと偏ってたりとか、特定のものばかり食べてみたりと思ったら急に飽きてみたりというのもありますね。

 

言葉の方は単語はでるんですけど、会話にはならない。電車の名前とか物の名前とかこれは何って聞いたら答えられるけど、質問をした時など、「今日の給食何だったの?」と聞いた時に「今日の給食何だったの?」とオウム返しで返ってきちゃう感じで。

 

「お友達の名前を教えて?」と聞いても、「お友達の名前を教えて?」って返ってきちゃうという感じで、意思の疎通が難しいという感じです。

 

ジュン
やはりその辺りで苦労なされている部分はありますね。

 

自閉症だからといって成長しない訳ではない

あすか
最近ようやくちょっとずつ質問の答えがちゃんと返ってくるようになったので、ちょっと成長してるんだなと。

 

他の子よりは遅いですけど、ちょっとずつは進んでいるんだろうなというのはありますね。

 

ジュン
ゆっくりとですが成長なされている感じですね

 

あすか
焦っても仕方がないので、時期をくるのをゆっくり待っています。

 

自閉症に関する情報収集のエピソード

ジュン
お子さんが自閉症になった時にどうすればいいかどのような形で情報収集してましたか?

 

あすか
とにかく情報がなかったですね。言われた事を鵜呑みにするしかなかった。

 

最初は公民館の発達に不安があるお子さんを遊ばせる教室に行っていたんですよ。その時そこの先生に、幼稚園の様子見に行ってきましたと言われた時すごくボロクソにいわれたんですね。

 

ジュン
不安ある中で、色々言われるときついですね。

 

あすか
お宅の息子さんはあれもできないこれもできない、みたいなこと言われて、言われただけで終わっちゃったんですよ。

 

「できないからこうすればいい」という提案がなくて、うちの息子ができないとさんざん言われるだけで終わって泣きながら帰ったことがあって。それで私はそこに行くのをやめちやったんですよ。

 

その後、たまたま保健センターから紹介されて言語相談に行ったときに、初めて「うちの病院で詳しく診てみない?」みたいなこと言われてそこに繋がれたから今に至るわけです。

 

ジュン
たしかに本当に情報が出回ってないのが現状な部分はありますからね

 

障害ではなく「しつけのせい」とも言われた

あすか
情報がなかったら、私のしつけが悪いからこんなちょろちょろとかしちゃうとずっと悩んでいましたね。

 

そしてうちの息子が発達の特性があると分かったときに、どこに連絡していいか最初はわからなかったです。

 

ジュン
情報がないから動けない、情報がないから安心できない部分も強いですね

 

あすか
私も全然そんな世界知らなかったし、全然違う世界だと思っていたけど、あ、そうじゃないんだって思いました。

 

今は施設に通っているけど、うちの親とかは施設で何をしているかわからない、何をしているのと毎回聞いてくるんですよね。

 

別になにもしてなく、普通に遊ばせたりとかしているだけなんですけど。

 

ジュン
療育施設と聞くと、何かすごく特別な施設なイメージが強いですからね。私も実情はあまり知らない人間なのですが

 

あすか
発達が遅れ気味の子のママ友達が増えたので、情報交換はしやすい。どこの病院に行ってるのとか、手帳は取ったのとかそういう話はすごくしやすい。

 

私も療育施設を決める時はそういうママさん達からどこがお勧めと情報を頂いて、そのままたちの繋がりのはありがたかったんです。

 

ですが私の親世代、60とか70代の方だとそういう話はいいづらい。自閉症で療育施設に行っているというと、そんな障害者の行くところにうちの孫をいれる必要があるの?うちの孫はどこも悪くないみたいな感じで。

 

そして、「いつ治るの」と聞かれて。いや治らないですとはなかなか言えないで返答に困る感じで。

 

困る女性

 

自閉症を伝えた時の周りの反応

ジュン
色々な方に、お子さんの自閉症の話をされることもあるかと思いますが、どんな反応だったでしょうか?

 

あすか
やはりちょっと気を使われちゃうんですよね。

 

「あ、あー、そうなんですかー」と触れない様にしてくれるのがわかったりとか、そんなにつらい思いをしてたんだねと言ってくれたりとか。

 

凄く気を使ってくれるのが苦しいというか、普通に接してくれていいのにと思ったりしますね。「え、そうなんだ」ってくらいで接してくれた方が気楽というか。ま、ちょっと他の子と比べて大変だけどねーと気楽に返せるので。

 

腫物に触れるみたいな感じになっちゃっう人が多いのが辛いですね。

 

ジュン
気を使われることが辛いのはわかります。

 

特別扱いしないで接してほしいけれど…

あすか
必要以上に特別扱いはしてほしくないというか、触れちゃいけない人みたいに思わなくてもいいよと。あすかさんちょっとだけ大変なんだなくらいに思ってくれればと。

 

ですが逆もあって。うちの子は出先では普通なんですよ、人前では。だから他人から一見すると、なんだ普通じゃんって言われちゃうんですよ。

 

普通だと思われて気軽に子連れでどこかに行こうと誘われても、やはり色々ちょろちょろとかしちゃうからいけない状態なので、ある程度きちんと言わないわけにもいかないんです。

 

ジュン
決して特別扱いはされたくないけど、ある程度事情知ってもらわないといけないのは難しいところですよね。

 

あすか
そうですね。

 

ジュン
ありがとうございます。引き続き今度はお仕事やこれからのことについて聞かせていただきたいと思います。

 

インタビュー第一回を終えて

今回はあすかさんに、自閉症のお子さんを抱える状況や、情報の少なさによる悩みなどを聞かせていただきました。

 

障害の状況についてわからないからこそ、当人も周りもどうしていいかわからない。特別な存在として見られるからこその苦労など聞かせていただくと同時に、情報発信の大切さも聞かせてもらいました。

 

ジュン
第二回では、カメラマンとして障害のお子さんに対してできること。

 

今後のあすかさんの夢などを語っていただきますのでお楽しみにしていただければと思います。

 

インタビューの後編はこちら。

『自閉症の子を抱えながら仕事で活躍するカメラマン|モンローあすかさんインタビュー後編』

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

モンローあすかさん

Twitter:https://twitter.com/photo_asuka

Instagram:https://www.instagram.com/asuka.m.photo/

 

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久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。


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