こんにちは宮本清久です。今回は、発達障害における躁(そう)と鬱(うつ)という症状について、私の体験談・具体例を紹介していきながら、説明していきます。
- 躁状態における症状の特徴
- 鬱状態における症状の特徴
- そもそもなぜ症状が繰り返されるのか
といった事情を説明していければと思います。躁状態のみの人や鬱状態のみが出るというケースもありますが、私の場合は躁と鬱の症状が交互にきます。
発達障害における躁鬱状態では、どのような症状があって、どのように接してくれたら嬉しいのかをお伝えしていきます。(あくまでも私の一例です)
躁鬱について知らない人にも理解していただき、周りの方に躁鬱で悩んでいる方への接し方のヒントとなれば幸いです。
そもそも躁と鬱って何?
毎日を元気に過ごしている人には、この症状を経験したことがない人もいるかもしれないのですが、内容はそんなに複雑ではありません。
躁状態は、性格が極端に明るくなります。
鬱状態は、性格が極端に暗くなります。
簡単に言うと、こういった症状ですが、詳しいことは後で改めて説明します。
発達障害における躁状態と鬱状態の具体例
以前書いた記事でも触れていますが、私はアスペルガー症候群という発達障害を患っています。発達障害だとコミュニケーションをとるのが難しい人が多いですが、その背景に見え隠れするのが躁と鬱という症状です。
例えば、「君は面白いな」と言われたりした場合状態にもよりますが、躁の状態だと「自分は才能がある」と思いこんだりすることが考えられます。
逆に鬱の時に同じことを言われると・・・「私は変人なのかもしれない」といった感じでネガティブに言葉を捉えてしまう可能性があります。
ちなみに躁と鬱は気分の波があることから「気分障害」という別の名前で呼ばれる場合もあります。実際に私もまだ発達障害だと解っていなかった時期に気分循環症という診断を受けた事があります。
躁状態における症状の特徴は?
まず躁状態について説明します。主な特徴は以下のようなものがあります。
- 気分が高揚しやすい
- 前向きに考えられるようになるが・・・
- 注意力が低下する
- 自己主張が激しくなる
- 情報交換が成立しやすくなる
1.気分が高揚しやすくなる
何度か触れていますが、気分が異様に明るくなるのが躁の最大の特徴です。
挨拶なども非常に気持ちよく言えますし、学校の先生からの質問に積極的に挙手したり、会議などでも積極的に提案などをしやすくなります。
ただ、逆に必要以上に明るいと周りからうざったいと思われてしまうケースもあり、コントロールが難しいです。
2.前向きに考えられるようになるが・・・
明るく考えてるときは、つい色々なアイデアを考え提案したくなります。しかし、本業ではないので、別に考えなくてもいい事まで考えてしまいます。
例えば、私は面白いことが好きなので、テレビでこんな番組やったら面白いのではないかといった事を考えたりします。
ただ、言うまでもなくこうした業界は非常に狭き門なので、簡単には成就することはありません。過去に挑戦したことがありますが、かなり手痛い目にあいました。今回は触れませんが、自分の過去について書く機会あれば書くかもしれません。
3.注意力が低下する
今までは比較的メリットに重点を置いていましたが、躁状態にも欠点が当然あります。それは、注意力が散漫になり、ケアレスミスや物を無くしたりすることが多くなります。
テンションが高いというのは一見いいことですが、自分の興味ばかりに意識が集中してしまうと視野が狭くなってしまうようです。
ただ、最近は携帯があるのでスケジュール管理などのミスは大分減りました。携帯の発展は発達障害を持っている身としては、正直助かります。
4.自己主張が激しくなる
これも中々危険な症状です。有頂天な人はつい自分が中心になっているような視点で話をしてしまうのですが、周りがそのペースについてこれなくなると、トラブルのもとになります。特に職場や親子関係はこういう問題ではデリケートな対応が必要です。
好きでもない人と関わらざるを得ない場合、上機嫌すぎる人がいると、それだけで不快感を持つ人は少なくないのです。年齢が離れていたりすると価値観の違いは相当出るので、さらにややこしくなります。
5.情報交換が成立しやすくなる
暗い話ばかりではなんなので最後は明るい話。躁状態だと言葉がはっきり喋れるようになる人もいるので、通常のコミュニケーションは円滑になります。
挨拶をしっかりしておけばよい印象を持たれますし、会議などでの発言やわかりにくい事のマニュアル作りなどが円滑に行えますね。情報の共有などが求められる場合は躁状態のメリットは大きいかもしれません。
もう少し丸めて言うと?
気分がのっているけれど、のりすぎると周りがついてこれないというケースがあり、空回りすることが多いのが難点です。余りにも先走った感覚の表現は前衛、芸術などとよばれて自分が死んだ後に評価されるといったケースも少なくないようです。
例えば、画家のゴッホ等は死後評価された画家としても有名です。自分の場合もそのような事態に陥らないように注意する必要があります。
鬱状態における症状の特徴
次に鬱状態における症状の特徴について、お伝えしていきます。
- 拘りに強い関心を持ってしまう
- あいさつやコミュニケーションが疎かになる
- 外部からのネガティブな情報を真に受ける
- 酷いケースの場合自傷行為に走る可能性がある
- 過去のネガティブな情報を引きづりやすい
1.こだわりに強い関心をもってしまう
私の場合、あるイラストレーターに興味を持ちましたが、残念ながら今日も直接会うことはできなくなっている状態になっています。
なかなか個性的なゲームを作りすぎているので、もう少し落ち着いてほしいと警告したいのが本音ですね。世間の価値観を理解したうえでゲームを作って欲しのですが、彼らなりに面白いゲームの意図が世間からずれているという気がする。
こだわりについては克服したと思っていたが、最近また症状が出てきたので対処に困っている。会社に履歴書を送ったこともありますが、断られてしまいました。やはり現実は厳しいですね。
2.あいさつやコミュニケーションが疎かになる
鬱状態でのコミュニケーションは非常に難しいです。挨拶ですらどこかぎこちなくなり、会議などやろうものなら緊張で最悪ドタキャンもあり得ます。電話対応やほうれんそう(報告、連絡、相談)などもまともにできなくなります。
悩みに直接関係がある人とは粘り強くコンタクトを取ろうとする反面、悩みに関係ない人との交流は、とにかく避けたがる傾向があります。
障がいを公開して就職活動をすると、どのような配慮をして欲しいのかと聞かれるケースが多いですが、そもそも悩みが深すぎると相談ができないという事自体が悩みだと本当に悩んでることを話すべきかどうか非常に悩みます。
もし好きなことを仕事にするのであれば、ゲーム開発か公認会計士かコンサルタントか政治家になってみたいですが、資格や人脈が必要な仕事も多いですし、コミュニケーションの取りにくい私には厳しい気がします。
政治家を募集している政党は知っているので、一度勇気を出して応募してみるかは悩むところです。
芸能人にもなってみたいですが、怪しげな事務所が多いので、これもなかなか踏ん切りがつかない。5秒で終わる歌なども考えているので、披露する機会があれば挑戦したいところです。
3.外部からのネガティブな情報を真に受ける
インターネットをやっていると、とにかく批判的な書き込みというのが多いですが、自分や自分の気になっている人が批判されているとかなり精神的に落ち込みます。
私の知っているイラストレーターは、よく絵が古いと批判されますが、絵に古いも新しいも存在しないと思うので、もう少し寛容にその人の作品を見て欲しいと感じますね。
後やはり気になるのは、障がい者への偏見ですね。ネットでは様々な隠語というのが存在するので、一見意味が解らない文章でも、よくよく調べると他人を見下した書き込みがされるケースも多いです。
他にも最近は「フェイクニュース」という嘘のニュースも氾濫しているので、ネットの書き込みを真に受けすぎるのも危険だと感じます。手の込んだフェイクニュースに踊らされると、人生転落の可能性もありえるので注意が必要です。
4.ひどいケースの場合、自傷行為に走る可能性がある
鬱で一番怖いのは、やはり自殺願望が出てしまうことかもしれない。正直死のうと思ったことは、100や200ではおさまりきらないですが、死んだら自分の精神がなくなってしまうというのもいまいち想像がつかなくて、それはそれで怖いと考え今日まで辛うじて生き延びている。
後は高いところは苦手です。高所恐怖症と類似するのかしないのかいまいち解りませんが、実際高いところから落ちたらどうなるかという連想をしてしまい、怖くなってしまう場合があります。山登りの様に景色がきれいなところなんかは、なぜか大丈夫なんですがね。
私自身はやった事はありませんが、症状がひどい人はリストカットなどの症状が出て、実際に自分を傷つけてしまうケースもあります。手首などに傷がある人はそういう事をやってしまう人である可能性があるので、できるだけ優しく接してあげた方がいいと思います。
もしその人が本当に自殺してしまった場合、遺書などにあなたの事が書かれていたら、罪悪感を感じて生きていく事になるかもしれません。
5.過去のネガティブな情報を引きづりやすい
発達障がいの症状にもよりますが、私の病気であるアスペルガー症候群の場合、ネガティブな症状が頭から離れないという人はとても多いようです。
就職氷河期の生まれであったので、就職にはけっこう苦労していますが、現実には入ってからのほうが大変という実体があるので、嫌な上司の名前などは今でも覚えています。
裁判を起こそうと考えたこともありましたが、過去の勤務先は宮城に移転して合併してしまいましたし、弁護士費用などもどのように工面すればいいのか解らないので、今からではお手上げな気がします。
- パワハラ
- 詐欺
- 理不尽な暴力
などは一通り経験していますが、それでも生きている自分はタフなのか、流れに抗えない軟弱者なのかはよくわからないところがある。
そもそもなぜ躁鬱の症状が繰り返されるのか
調べた限りだと、躁と鬱を繰り返す人の症状を双極性障害とも言います。
双極性障害とは、「躁状態」と「うつ状態」が繰り返される病気。
双極性障害とは、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」とが繰り返される精神疾患です。「躁うつ病」と呼ばれることもあります。
原因は様々あり不明ですが、個人的に感じる限りでは、躁状態で無茶なことに挑戦したくなると、現実とのギャップに押しつぶされ鬱状態になるケースが多い気がします。
逆に鬱から躁になる場合は、悩んでいたことに諦めがつくと躁状態になる傾向があるよう感じます。悩みに悩むと、どうしようもないという現実を思い知らされて、一種の悟りのような感覚が芽生えると鬱が消える場合があります。
実際この記事を書く前は、かなり精神が不安定だったのですが、いざ書き始めたらけっこう楽しめて書けるようになりました。
私のケースでは、躁と鬱の状態が交互にくる
私の場合、この二つが交互にきてその対策として薬を飲んでいます。症状によって服薬の内容は変更されますが、主に飲む薬としては睡眠薬と精神安定剤がメインになります。
薬について知りたい方は前回私が書いた「発達障害アスペルガーの私が飲んでいる薬の種類と感想をまとめました」という記事をお読みください。
躁鬱状態における症状の特徴まとめ
躁と鬱の症状は専門家でも解らないことが多い未知の領域なので、私のような曖昧な知識で触れていい問題か悩みましたが、多分困っている人も多いだろうと思い、私の体験談を思い切って書いてみました。
それでは最後に躁と鬱について1行で簡単に振り返ってみましょう。
躁鬱状態まとめ躁状態とは
気分がとても明るくなるが注意力が散漫になる
鬱状態とは
気分がとてもつらくなる。あまり無理をすると自殺願望もでる
自分なりには解りやすく書いたつもりですがいかがだったでしょうか?
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最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も役に立ちそう記事があれば書いていきますのでよろしくお願いします。
宮本清久
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