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介護業界の未来はどうなる?介護業界のトップランナー斉藤正行さんインタビュー


今回は、介護業界のイメージアップをライフワークとして活動されている斉藤正行さんに「介護業界の未来」についてインタビューさせていただきます。

 

介護現場での経験を活かし、全国各地でセミナー・講演会を実施したり、雑誌や新聞などの各メディアに取材されています。

 

業界が抱える課題と向き合い、イメージアップのために多くの介護に関する法人を運営されながら、文字通り全身全霊を捧げるご活動をされています。

 

高齢化社会を迎え、衰退するような業界ではなく、エスカレーターを登るように市場が広まっていく日本の介護業界のノウハウは、日本だけでなく、世界に通ずるものだったのです。

斉藤正行さんプロフィール

 

プロフィール
立命館大学を卒業した後、株式会社ベンチャー・リンクに入社。飲食業のコンサルティング、事業再生などを手がける。その後メディカル・ケア・サービス株式会社に入社し、「愛の家」ブランドでグループホームを全国に展開し、取締役運営事業本部長に就任。2010年に、株式会社日本介護福祉グループへ入社。「茶話本舗」ブランドで小規模デイサービスをフランチャイズ展開し、取締役副社長に就任。2013年に、株式会社日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。一般社団法人日本介護ベンチャー協会の代表理事、介護業界最大級のイベント「介護甲子園」を運営する一般社団法人日本介護協会副理事長、その他にも多くの介護関連企業・団体の役員・顧問を務めている。

 

斉藤正行さんが介護業界に入った経緯

日野
まず最初に、どのような経緯で介護業界に入ったのですか?

 

当初は、ビジネスの将来性を感じて入ったものの、住み込みで働きながらご高齢の方々と話していくうちに、介護職に魅了されていきました。

 

労働の対価としていただくお金以上に、やりがいを感じたのと同時に、介護業界が抱える課題や問題点が浮き彫りになりました。

 

まずは業界につきまとうネガティブなイメージを払拭して、明るい仕事であることを知ってもらいたいです。

 

ITバブル時にIT長者に憧れる人が増えていったように、介護職に憧れる人が増えて、そして健全な福祉の意思を持った事業者が増えていけばいいと思っています。

 

介護業界の9割の事業所が採用に困っている

日野
介護業界が抱えている問題を1つ挙げるとしたらなんですか?

 

人材の問題ですね。日本は4人に1人が75歳以上の高齢者のため、介護人材の不足は危機的状況を招きます。

 

2025年には介護職員が250万人は必要と試算されていますが、約40万人が不足する見込みです。 介護職にはどうしても3K(汚い、きつい、危険)が付きまといます。

 

3Kだけではなく、給与水準が低いというイメージが先行してしまっているため、新しい優秀な人材は入ってきにくいです。

 

たしかに、介護職はお給料が低いというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、大手介護事業者に入れば、勤続年数を重ねれば役職にも就けます。

 

そして、介護職ならではのやりがいはあります。 自分のキャリアプランをしっかり考えて、介護職の将来性を感じてもらえれば嬉しいですね。

 

いくらお給料が良くても、看護師の方と同じように辞める人は辞めます。だから介護業界のイメージを変えて、働きやすい職場環境を作っていく必要があります。

 

介護業界のリブランディング(再構築)を行なっていくために、介護甲子園を行なっています。

 

介護甲子園では「人を育み未来につながる 魅力ある社会をつくる」をスローガンに掲げて、毎年全国から選考した事業所が数千人の前でプレゼンテーションを行ってもらい、介護の仕事の魅力を伝えていますよ。

 

就職する時や、自分のキャリアを考える際に介護職を選択肢に入れてもらいたいですね。

 

 

日野
介護甲子園については、YouTubeでも動画がアップされておりますので、シェアいたします。

 

第8回「介護甲子園」ダイジェスト

 

介護業界の未来はどうなるのか?

アジア諸国は、日本の介護制度をそのままモデリングしてくる可能性は非常に高いでしょう。

 

というのも、アジア諸国は日本と比べて人口構造が10~20年遅れているだけで、いずれ高齢化社会を迎えるからです。

 

ヨーロッパも高齢化を迎えておりますが、ヨーロッパの場合は、何十年とかけて高齢化になっています。でも日本の場合、急激に人口が増えて高齢化社会になっているのです。

 

これは、アジアも一緒なんです。しかもアジアの場合は、経済発展をする前に人口減を迎える可能性もあります。

 

また、税金は高いがそのぶん、充実したサービスを受けられる北欧三国(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)の「高負担・高福祉」制度ではなく、日本のような「中負担・中福祉」制度もアジア諸国は参考にすると思いますよ。

 

そういった意味で、日本の介護における取り組みはアドバンテージを持っていると言えますね。

 

資本主義の中に、上手に福祉を盛り込んだ国という立ち位置を日本が獲得できれば、介護産業をアジア諸国に展開できます。

 

そして、アジア諸国の介護制度が成熟した時には、次はアフリカ諸国に展開できるようになるわけです。

 

その結果、介護業界が盛り上がれば、その周辺産業(不動産、福祉用具、建築など)も同時に盛り上がります。

 

 

介護というと、「まだ自分には関係ないことだ」と思っている方が多いですが、自分がやっている仕事と「介護ビジネス」とを上手に絡ませることができないか?と考えてもらいたいですね。

 

介護業界が発展すれば、新しい産業も生まれてくるかもしれません。 介護問題は非常に様々な要因が絡まっていますが、解決した後の介護業界の未来は明るいと感じています。

 

斉藤正行さんのこれからの活動は?

日野
斉藤さんのこれからのお取り組みを教えてください。

 

現行の制度に対して、現場からの意見をもっと取り入れてもらうような働きかけをしていきます。 2000年に介護保健法が施行されてから、制度上の不備はいくつかあります。

 

介護現場と一言でまとめても、

 

  • 社会福祉法人
  • 株式会社
  • 医療法人
  • NPO

 

などがそれぞれ存在しているところを含めて、難しい部分は様々あります。

 

介護という産業を守り、高齢化社会を支えていくための持続可能な業者間の垣根を超えていく必要ですね。

 

2018年に立ち上げた一般社団法人)全国介護事業者連盟では、様々な経済・労働・介護・医療団体 と連携しながら介護事業の現場意見を国に意見提起していきます。

 

全国介護事業者連盟の概要図

 

現場の意見を制度に反映させれば、働き手としても大きなメリットがあるかと思います。 人材確保が難しいことと定職率の低下問題を解決させていくための動きは非常に重要です。

 

国の制度が改正され、事業所の取り組みが変われば、働いている方々がもっとやりがいを感じるようになり、人生が豊かになるはずで

す。

 

介護職の処遇を改善しステータスが向上していけば、人材確保難や定職率の低下問題は徐々に解決していくのではないか?と考えています。

 

机上の空論的な話ではなく、地域社会・現場の実情を踏まえた上で介護業界を盛り上げ、そして誰もが安心した老後生活を実現していきたいです。

 

日野
斉藤さん、お忙しいなかありがとうございました。

 

全国介護事業者連盟では、介護事業所に対して最新の情報を提供されております。一般会員は無料で参加することができますので、介護事業所は、ぜひチェックしてみてください。

 

一般社団法人)全国介護事業者連盟

 

インタビューを終えて

日本の経済や人口統計のデータを見据えて、計画を立てるやり方は非常に勉強になりました。

 

斉藤さんは、介護業界の課題を解決するという枠組みではなく、「日本が抱えてる課題を解決する」 という高い視座とお取り組みをされています。

 

来たるべく高齢化社会を向き合い、暮らしやすい日々を送っていくためには、介護従事者・事業所・ 国や地方自治体が一体となって取り組んでいかなくてはなりません。

 

高齢者の方のご家族が正しい知識を持ち、正しい接しかたを伝える部分で何かご協力できたら幸いだと思いました。

 

理念とビジョンと念密な計画を練られてご活動されている斉藤さんにますます目が離せませんね。


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ウェルサーチ 障害者・編集チーム

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