ウェルサーチの発信でも、かなりの反響があった障害者の雇用支援を目的としたe-Sports大会「ePARA2019」が2019年11月24日(日)に開催されました。
Welsearch(ウェルサーチ)でも協賛・サポートさせていただき、一緒に大会を盛り上げていきました。
午前中の部では、手足がない乙武洋匡さんも参戦した「ぷよぷよeスポーツ大会」。午後の部では、障害当事者でプロのプレイヤーも目指している方なども参戦した「鉄拳7」のトーナメント戦。
遠方からも参加され、大いに盛り上がり、感動なドラマもあり、とても濃厚な第1回大会となりました。
障害者も健常者も関係なく楽しめるだけでなく、障害者の新たな才能も見ることができた今回のePARA。障害者の雇用をテーマにしたeスポーツ大会とは、いったいどのような大会だったのか、1日の全貌を公開します。
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障害者雇用をテーマとしたeスポーツ大会
障害者のeスポーツと聞くと、「流行りにのっかったeスポーツを障害者がやっているだけなんじゃないの?」と思うかもしれませんが、ePARAの目的は、「障害者の新たな才能を企業に見てもらい、雇用につなげる」ということ。
具体的には、
- 「障害」という個性があるだけで、健常者と変わらない
- eスポーツが得意な障害者が、企業からスカウトを受ける仕組みを作る
- 障害の有無で人を判断するのではなく、一人ひとりを尊重した世界を実現させる
ということを理念に掲げ、活動されております。
ePARAの代表は、NPO法人市民貢献支援協会の理事であり、品川区社会福祉協議会の品川成年後見センターに勤務する加藤大貴さん。
加藤さんは、後見分野で障害者と関わっていく中で、「障害者も健常者も、まったく変わらない!」ということを体感。また、障害者雇用の現場で、
- 一日中シュレッダー係をしている
- HPを見るだけの仕事
- 「いるだけでいいよ」といった声も
などの現状があるということを知り、企業がきちんと障害者、一人ひとりの個性を把握し、活躍できる場を増やしたいという思いで、この障害者雇用をテーマにしたeスポーツ大会「ePARA」が誕生しました。
就活支援をされている株式会社スパークさんがメインスポンサーとなり、多くの企業・団体さんがご協力いただきました。
アンバサダーは乙武洋匡さん
ePARA2019のアンバサダーは、『五体不満足』で有名なタレントの乙武洋匡さん。(後述しますが、乙武さんもゲーム対決に参加しました)
「eスポーツ」を障害のある人にとってもワクワクできるものにしていきましょう!
ePARAが開催される前から、多くの方から興味を持っていただき、盛り上がっておりました。では、実際に当日のeスポーツ大会がどのような雰囲気だったのかをお伝えしていきましょう!
障害者eスポーツ大会ePARA午前の部
ePARA代表の加藤さんの挨拶から始まり、開会式がスタートしました。
参加者の方々もeスポーツ大会を経験するのが初めてという方が多かったので、最初は緊張している様子。
午前の部のメイン対決は、「ぷよぷよeスポーツ大会」です。いったいどんな対戦を繰り広げたのでしょうか?
ぷよぷよeスポーツ大会
午前中の対戦は、エキシビジョンマッチとして「ぷよぷよeスポーツ大会」!
今回は「ハンドスイッチ」という医療機器でもある身体障害者用入力デバイスを利用。このデバイスは、左・右・下・回転の4つのボタン操作をスイッチのみで操作できます。
しかし、今回は、うまく稼働せず、急遽ゲーム周辺機器メーカーの「HORI」様からお借りしたアーケードコントローラーを利用しての対決となりました。
乙武洋匡さんvs寺田ユースケさん
1戦目は、乙武洋匡さんvs車椅子YouTuberの寺田ユースケさんによる師弟対決!
と、大会前から拝見するのを楽しみにしていましたが、こんな感じで操作していました。
対戦に熱中している両者
動画の方がわかりやすいと思いますが、かなり盛り上がってます(笑
コスプレイヤーさんから対戦後のインタビュー
画面だけみたら、手足がない人が操作しているとは、思えないですね!
鳥越勝さんvs吉成健太朗さん
エキシビジョンマッチ2戦目は、筋ジストロフィー当事者でYouTuberでもある鳥越勝さんvs国立八雲病院からのオンラインで参加の吉成健太朗さん。
筋ジストロフィーや重度障害者の専門医療を手がける北海道にある国立病院機構八雲病院。障害者の支援の一環として、eスポーツも取り入れており、障害に合わせてあご・視線などでも操作ができるコントローラーも作業療法士の方が改造して使ったりもしています。
武蔵野市加藤家vs戸田市加藤家
エキシビジョンマッチ最終戦は、なんと加藤家対決!ePARA代表の加藤さん家族vs視覚障害の旦那さんと半身麻痺の奥さんの加藤家夫妻。
今回のぷよぷよeスポーツ大会の見どころは、障害者も健常者も子どももゲーム素人も誰でもコミュニケーションを取りながら、楽しめるところ。以下の写真からも楽しさが伝わるのではないでしょうか?
対戦後は、仲良くパシャリ!
ePARA午前中のLIVE中継
ePARAは、車椅子YouTuberの寺田ユースケさんが運営している「寺田家TV」にて、生放送しておりました。
その様子は、今でも視聴できますので、大会の雰囲気を味わいたいという方は、動画も見てみてください!
ePARA午後の部は鉄拳7
ePARA午後の部は、「鉄拳7」の対決。今回は4チームによるトーナメント戦。(1チーム3人制)
「初めて鉄拳をプレイする」という選手から、「プロの鉄拳プレイヤーになりたい!」という選手まで、さまざまな方が参加されておりました。
トーナメント表は、こんな感じ。
それだけじゃなく、副賞として、HORI様が提供する「Portable Gaming Monitor for Playstation4」と「ザ・レギャントーキョーのペアディナーチケット」。
この賞金・賞品を手に入れるのは、一体どのチームなのでしょうか?
参加チームの紹介をしていきましょう。
whereabouts
大阪・名古屋・埼玉の連合チーム「whereabouts」。今大会唯一の女性だけのチーム。
皆さん鉄拳は初めてのプレイですが、ゲーム好きということなので、格闘ゲームにどう活かしていくのかに期待!
BASE
ネットショップで有名なBASE株式会社に所属している方たちによる「BASE」チーム!
IT企業ということで、ゲームにも慣れているのでしょうか?対戦が気になりますね。
チーム寺田家
車椅子YouTuber寺田ユースケさん率いる、若いエネルギッシュあふれるチーム!
パラアスリートとして活躍されている若者2人と、ぷよぷよでは、乙武さんに惨敗してしまった寺田ユースケさん。
アスリートとしての運動神経が実際にゲームでも発揮されるのでしょうか?
カステラ(たこ焼き味)
東京・大阪・長崎の連合チーム「カステラ(たこ焼き味)。
長崎(カステラ)と大阪(たこ焼き)がチーム名とのこと。鳥越さん(写真右)はコスチュームから本格的(笑)
遠方からの参加ですが、実際の対戦はどうなるのでしょうか?
実況席も大盛りあがり
eスポーツ会場を盛り上げてくださったのは、こちらの方々!
写真右から
- 解説:プロゲーマー S.H.O.W (ショウ)さん
- メインMC:コーリーさん
- ゲスト:NOモーション。 星ノこてつ。さん
- MC:車椅子インフルエンサー中嶋涼子さん
動画を見ていただければわかりますが、実況席の方々のおかげで、とても盛り上がりました。
鉄拳7
対戦するゲームは、「鉄拳7」です。
1試合60秒の3ラウンド先取制で、3on3(先鋒・次鋒・大将)による勝ち抜き戦となっております。
ゲーム周辺機器メーカーのHORIさんが提供してくださったゲーム機器。
記念すべき第1回大会を制覇するのは、どのチームなのでしょうか?
ePARA午後のLIVE中継
鉄拳7の対決については、動画で見たほうが迫力なども伝わってくるかと思いますので、ePARA午後の部の放送をご覧ください。
MCや実況の方々のおもしろさも楽しめます!
初代ePARA優勝チーム
記念すべき第1回のePARAを制したのは、カステラ(たこ焼き味)チーム!
大阪から来た大将のむぎちゃん(写真左)が登場するまでもなく、圧倒的な強さをまぁくん(写真中央)が見せてくれました。
わざわざ遠方から来たのに、登場シーンがなかったのがとても残念でしたので、急遽チームの中の最強決定戦も開催。その最強決定戦を制したのは「むぎちゃん」。むぎちゃん強し!
その後、プロゲーマーS.H.O.W (ショウ)さんとの対決もありましたので、動画でお楽しみください。
長崎の就労支援事業所B型で仕事をしているまぁくん活躍されている姿を見て、親御さんも涙されており、会場もとても暖かい雰囲気に包まれました。
障害者eスポーツ大会「ePARA」まとめ
いかがでしょうか?ゲームというと、まだまだ「娯楽」という認識を持っている方が多いかも知れませんが、今やスポーツとなっている時代というのが、垣間見れたのではないでしょうか?
eスポーツは、メディアでも多く取り上げられておりますが、その流行りに乗っているわけではなく、障害者の活躍の場・新たな才能を企業の人に見てもらい、障害者雇用にも繋げているePARA。
今回のePARAも、日本で初めてeスポーツ選手の障害者アスリート雇用をされた「ゼネラルパートナーズ」さんや障害者の雇用創出プラットフォームを運営されている「ノウドー」さんなど、障害者雇用を支援されている企業さんもいらっしゃり、プレイヤーと仕事の話もされている方もチラホラ。
最後にみんなで記念撮影!
障害者の新たな才能や活躍を生で見て、障害者雇用の可能性がかなり広がったeスポーツ大会となりました。今回の大会は、プレ大会ということもあり、関係者しか呼べませんでしたが、2020年以降は、さらに大きくして、多くの方が参加できるようにしていきます。
日野信輔
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