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超短時間勤務で障害者の働き方がどう変化するのか?〜発達障害当事者の意見

  • 最終更新日:

こんにちは。 アスペルガー当事者の宮本と申します。

 

あなたは障害者の雇用時間についてご存じでしょうか?

 

実は、2020年3月現在、週20時間雇わないと法定雇用率に含めてはいけないという法律があります。

 

一方で、2020年4月1日から改正障害者雇用促進法が施行される予定です。その中でも超短時間勤務制度という障害者にとっての新しい働き方が話題になっています。

 

この超短時間勤務が、障害者の働き方にとってどのような効果を発揮するのか?

 

発達障害の当事者である私が自分の症状やこれまで働いてきた経験を元に、説明していきます。

超短時間勤務と障害者の働き方

この「超短時間勤務」とは、最短で1日15分働けば、報酬が発生する就業モデルで、東京大先端科学技術研究センター(先端研)の近藤武夫准教授が提唱しているものです。

 

実はすでにやっている団体はあるのですが、法整備という段階までは中々簡単には動かなかったようです。長年、障害者が週20時間以上働くのが当たり前という考えに疑問を呈してきました。

 

実際に、この就業モデルを応用した展開も企業や地方自治体で導入されているケースがあります。

 

ソフトバンクの超短時間勤務

ソフトバンクは、「ショートタイムワーク制度」という名で、長時間勤務することが難しい精神障害者や発達障害者の方向けに、週20時間未満の短時間勤務でも就業できるモデル。

 

ちなみに2018年6月時点で、週165時間分・24人のスタッフを雇用されております。

 

引用:ショートタイムワークアライアンス 特設ページ

 

この「ショートタイムワーク制度」は、先ほどお伝えした東京大先端科学技術研究センター(先端研)の近藤武夫准教授と連携して、構想されております。

 

ソフトバンクは、この短時間勤務の就業モデルを広めて、障害などを理由に長時間働くことができなくても、特性を生かすことができる多様な働き方を実現させております。

 

川崎市や神戸市の超短時間勤務

川崎市神戸市が、週20時間未満の就労でも、障害者雇用にカウントされ、報酬が発生する地域システムを構築。

 

東京大学先端科学技術研究セ ンターと共同で行っている取り組みです。(川崎市は、NPO法人ピープルデザイン研究所も一緒に携わっております)

 

ちなみに川崎市に関しては、自治体初の取り組みになります。

 

引用:短時間雇用創出プロジェクト

障害者の法定雇用率のおさらい

ちょっとここで、障害者雇用の法定雇用率に関して、簡単におさらいします。

 

この法定雇用率というのは、50人以上の規模の企業に適用されます。2018年の改正では以下のようになっていました。

 

  • 民間企業:2.2%
  • 国、地方公共団体等:2.5%
  • 都道府県などの教育委員会:2.4%

 

となっています。つまり、45.5人に1人雇うことが義務化されているという事になります。

 

また、ただ障害者を雇うのではなく、障害の種類によっても別れてきます。身体障害、知的障害、精神障害などはそれぞれ別の枠でカウントされます。

 

また、雇う時間によって法定雇用率が変わります。

 

上記の超短時間勤務が生み出された原因にもなるのですが、基本的に20時間以上働かないと企業側が雇った事としてカウントされないのです。

 

つまり、現行の法律は、障害の症状や体力的に週20時間も働くことができない人にとっては、雇用されて働くチャンスが奪われてしまうのです。

 

だから、週20時間未満でも障害者雇用としてカウントされる仕組みが必要だということを、訴えているのです。

 

障害者雇用に関する詳細は、柳澤先生が解説してくれておりますので、そちらを参考にしてみてください。

障害理解がまだまだ浸透していない

これは私の体験によるものですが、私の働いてきた職場では障害者をどのように扱うべきか解っていない会社も多かった気がします。

 

宮本
週20時間働こうにも企業側がどのような指示を出せばいいのか戸惑っていたという印象を受けました。

 

あまり責任が重い仕事を任されても失敗したら問題ですし、かといって誰でもできる仕事だと単調で飽きてしまう傾向があります。

 

単調な仕事でも我慢できる分には問題ありませんが、あまり我慢強くない障害者のほうがたぶん多いです。

 

私の場合だと、以前の勤務先でパワハラを受けていたので、そのトラウマから長時間働くのは難しくなってしまいました。

 

20時間以上の勤務は障害者には向いている人は少ない

私もそうなのですが、一見元気そうに見えても1週間後にはまったく違った状態で仕事をする障害者はかなり多いです。とにかく同じ状態を維持するのが困難という実情があります。

 

宮本
私の場合、躁鬱という症状があり、気分が極端に明るくなったり、逆に暗くなったりを繰り返す傾向があります。

 

躁の時は仕事ははかどりますが、人の忠告などを聞かなくなるケースがあります。逆に鬱状態の時は気分が暗くなり、周りの人に良い印象を与えるのが難しくなります。

 

仕事の効率も悪くなるのは解っているのですが、やはりコントロールが厳しいです。

 

躁鬱については、私の経験談をもとに詳しく特徴などをまとめさせていただきました。

 

 

フルタイムで2年半働いた経験はあるので、絶対に働けないという事はないですが、業務の効率化などを犠牲にしてまで長時間労働が必要だとは個人的には思えませんね。

 

それこそ会議で障害者に発言させるだけでも普段とは違った発見があるかもしれませんし、そういった配慮があると、私は嬉しいですね。

特性を理解してくれる人がいると当事者としては嬉しい

宮本
わがままだと捉えられてしまうかもしれませんが、企業に障害特性を理解してくれる人がいると、とても働きやすくなると思います。

 

例えば、アスペルガー症候群等の場合、IQ自体は高く、何か1つに突出されている方も多いです。

 

中には、情報を調べるのがすごく得意な人だったり、プログラミングをするのが得意な人だったり。こういった得意なことを見つけ出して、苦手なところはサポートしてくれるような体制が整っていると、能力を発揮する当事者は、とても多いでしょう。

 

宮本
障害が原因で、朝がどうしても起きれないなどありますので、フレックス制度などがあると気持ちが楽になる方も多いかと思います。

 

もちろん、特殊な能力がなくても清掃だったり、皿洗いでしたり、店番をするなど、短時間でも任せたい簡単な仕事もたくさん生み出すことができます。

 

 

超短時間勤務での障害者の働き方まとめ

いかがでしょうか?

 

現状の障害者雇用の制度では、週20時間以上働かないと、障害者雇用としてカウントされないです。

 

だから、働きたくても長時間働けない人のチャンスを奪ってしまい、才能を眠らせている可能性が多いのが現状です。

 

宮本
超短時間勤務が実際に浸透すれば、働けるようになる障害者も増えてきます。

 

そこで、企業も障害特性を理解していれば、その方の能力を発揮させ、戦力として雇うことができるのです。

 

実際に法律が施行されるのが4月なので、まだ不明瞭な点が多いですが、可能性が増えることは望ましいのでこの法律にはある程度期待しています。

 

宮本
個人的には、当事者の意見を取り入れるために座談会を開く企業もあるので、そういう求人も増えて欲しいところです。

 

ただ、この制度を本当の意味で使いこなすには、自分自身の資産価値があることを立証できないと高度な収入には繋がらないと思うので、己を高める訓練は変わらず必要ですね。

 

どんどん障害者も過ごしやすい世の中になっていくよう、これからの動きに期待したいと思います。


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宮本清久

現在はB型作業所で働く障がい当事者になります。面白そうなことは積極的に関わりたいと考える反面、対人関係はあまり得意ではないのでそのギャップに悩んでいる。学生時代は政治経済、日本史、簿記等を中心に勉強しました。他にも文章を書いたり簡単なノベルゲーム等を作る事もできます。過去に自動車会社で働いた際に適正のない仕事を無理に続けたことで鬱病を発症したものの、アスペルガー症候群という診断が出たことにより現在は無理に健常者と同じである必要はないと考えるようになっています。少し弱気ですが後押しがあれば動けるタイプなので色々な人と関わって成長したいと考えています。


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