2019年10月30日(水)に開催された総務省が主催されている日本全国から尖ったアイデアを募って、支援する異能ベーションプログラムのジェネレーションアワード。(表彰式)
福祉業界問わず、さまざまな業界から尖ったアイデア全国から総勢14,488件もの応募があり、その中で弊社の企業賞を受賞したのが、なんとN高等学校の生徒のアイデアだったのです。
そのアイデアとは、
『筋電義手普及の問題の解決に向けた、マイクロホンを用いた筋電位によるバーチャル筋電義手とそのアプリケーションの開発』
…
…
…
しかも、内容もターゲットが明確に想定されており、課題となっていることを明らかにして、その解決策を投じるものだったのです。
そこで今回は、この異能ベーションに投稿されたアイデアがどのような経緯で生まれ、どんな考察があったのかN高の生徒にインタビューさせていただきました。
お好きなところからお読みください
異能ベーションのジェネレーションアワード2019
異能ベーションプログラムとは、文字通り「異能」な人たちを発掘して、支援しようという総務省が主催されているプログラムです。
独創的な発想を持ちっているが故に、いわゆる「ちょっと変わった人」と呼ばれる人たちのアイデアを支援して、日本の新しい未来をつくっていくものです。
「異能vationプログラムは、ICT分野において破壊的な地球規模の価値創造を生み出すために、大いなる可能性がある奇想天外でアンビシャスな技術課題への挑戦を支援します。
既存の常識にとらわれない独創的な「変わった事を考え、実行する人(通称「へんな人」)」の、「なにもないゼロのところから、イチを生む」失敗を恐れない果敢な挑戦を支援するとともに、そうした方々が交流し、異能と異能が掛け合わさることで、さらなる独創的な発想が生まれるような環境を提供します。
人類史上、既存の枠にとらわれない破壊的なイノベーションを起こしてきたのは、こうした奇想天外でアンビシャスな技術課題に挑戦する「へんな人」でした。異能vation プログラムは、こうした人たちがのびやかに活躍することが日本の新たな未来を創る、と信じて取り組んでいるものです。」
引用:異能vation
と公表されております。
推進大使の古坂大魔王さんがMC
この異能ベーションプログラムの1つである「異能ジェネレーションアワード」という授賞式で、ウェルサーチを運営している株式会社Nextwelが協賛企業として参加しました。
驚いたことに2019年は、全国から総勢14,488件のアイデアが集まりました。
国が主催されているプロジェクトで5歳〜60歳以上の幅広年代の方々が参加するプロジェクトは、この異能ベーションだけみたいです。
異能ベーションに関して、詳細を知りたい方は、こちらからご覧ください。
世界で活躍する豪華な審査員の方々
企業特別賞を受賞したのは高校生
弊社が企業特別賞として協賛させていただいたアイデアは、なんとN高等学校の生徒によるものでした。
題名は、『筋電義手普及の問題の解決に向けた、マイクロホンを用いた筋電位によるバーチャル筋電義手とそのアプリケーションの開発』
簡単に言いますと「どこに居ながらでも、より安価に簡易的な義手リハビリができるARアプリ」ということになります。
全国の筋電義手の普及率は、わずか1%ほどにも関わらず、義手使用者の76%は「筋電義手を使いたい」と考えているのです。
しかし、筋電義手普及の問題には、
- 高価なので成長に伴った買い替えが困難(150万円ほどする)
- リハビリ施設の数が少ない上に、定期的に通院しなければならない
- リハビリに対しての意欲的な要因(子ども)
があり、中々手軽に手に取れるものではなく、リハビリも困難なのが現状。
特に子どものリハビリが厳しい側面が多く、子どもの未来を創るようなものに仕上げております。
筋電位バンドとアプリケーションにより課題を解決
このような課題を筋電位バンドとアプリケーションを使って解決するものです。
こちらが筋電位バンドのデモ画面
このようにして、
- アプリなのでリハビリのコストを大幅削減
- 自宅で筋電義手の模擬動作訓練が可能
- ゲーム要素を入れてモチベーション維持
を実現し、義手の方たちの未来の選択肢を広げるアイデアを提供してくださりました。
ウェルサーチ代表とN高の生徒たち
チームのメンバーは、
- 佐藤直人さん
- 堀口リオンさん
- 松田瑚洸瑠さん
- 張さん
- 大塚喜晴さん
の5名。今回は、代表して佐藤さんに取材させていただきました。
異能ベーション特別賞のアイデアが生まれた経緯
※
※『プロジェクトN』とは、N⾼等学校 通学コースで行っている課題解決型授業で、実社会の問題をテーマにし て、個⼈やグループで課題を考えて解決策などを発表していくカリキュラム。今回は、「ICTサービ ス」をテーマに、「⾝体的なハンディキャップを抱えている⼈を⽀援するアプリを、⽴案・提案する」という内容でした。
ちなみに、こちらが『engadget』というメディアで掲載されている、今回の学内でのプレゼン大会のレポート記事になります。
N高全キャンパス対抗の発表大会
そこでどのようにして、このアイデアに至ったか教えていただいてもいいですか?
もともと身体的なハンディキャップの方々に対しての理解が少なかったので、どんなハンディキャップがあるのか?どんな課題を抱えているのか?を探っていきました。
この他にもまったく違ったアイデアも出てきましたし、企画書を何回か書いたけどボツにもしたりしました。
そんな中、メンバーが課題を見つけてきてくれたのが『筋電義手でのリハビリができていない現状』だったのです。
筋電義手を選んだ決め手
自分自身、VR・ARにもともと興味があったので、筋電義手のトレーニングの考え方を広く見てみようと思いました。
そうすると代替できるアプローチできると思ったので、そこからこのアイデアをメンバーと煮詰めていきました。
ここまでのアイデアになるまで、いろいろな経緯があったのですね。
そういったバックボーンを聞くと、なおさら選んでよかったと思えます!
異能ベーションに参加してみての感想
異能ベーションに参加されてみて、実際、何かしらの賞は取れそうだなというような自信はありましたか?
それが全国の場に、どこまでいけるのかは不確かというのは感じづつ、自分たちを信じていました。
異能ベーションのジェネレーションアワードの会場
実際に他の方たちのアイデアを体験したり、聞いたりしてどう感じましたか?
その中で感じたことは、とことん自分の好きなことを突き詰めている人が多かったということ。
自分のやりたい技術を極めているのを見て、「自分ももっとやらなきゃな」という刺激をもらいました。
将来どんなことをしていきたいか?
※「ブロックチェーン」とは、ビットコインの中核となる「取引データ」技術のこと。
ちなみになぜ興味を持ったのですか?
情報って実は、昔まではただの情報でしたが、今は情報=石油みたいなもので価値があるものになっています。
その情報をコントロールできるような社会にしたいと思っています。
ユーザーが情報のやりとり(価値のやり取り)がしやすくなるようなサービスを作って、社会貢献をしていきたいです。
今や情報は、ネットですぐ見れてしまうからこそ、誰が発信している情報なのかが重要ですからね。
接点がPCのアプリでもできるようにし、ユーザーに対して、使いやすい接点を持つというのは重要だと改めて感じました。
やはりブロックチェーンに関しての仕事をしていきたいですか?
ブロックチェーンやフィンテックの分野で起業したいと思ってます。
今は日々アイデアを考えて、プログラミングをしています。
高校生でここまで考えられており、自分もとても刺激をいただけました。
うちも応援していますので、ぜひブロックチェーン技術を使って社会貢献してください。
異能ベーションの企業特別賞アイデアまとめ
いかがでしたでしょうか?
筋電義手に関する3つの課題
- 高価なので成長に伴った買い替えが困難
- リハビリ施設の数が少ない上に、定期的に通院しなければならない
- リハビリに対しての意欲的な要因(子ども)
を解決するためにここまで考え込まれ、アプリとして形づけられているものを高校生が考え、開発されたことに今でも驚いています。
それと同時に、若者が最新のテクノロジーを駆使し、社会貢献を意識されているのを聞けて、未来に希望を感じました。
ちなみに他にもN高等学校では、一般の高校生では体験できないようなことやスキルを身につけることができる授業が盛りだくさんです。
やりたいことを自ら見出す『プロジェクトN』
今回は、「身体的なハンディキャップを抱えている人を支援するアプリを、立案・提案する」という内容でしたが、N高等学校では、「プロジェクトN」といって、他にもいろいろな課題解決型のプロジェクトを実施されております。
例
- 省庁・日本テレビ放送網株式会社とコラボした『省庁ドラマ教材制作プロジェクト』
- アドビ システムズ株式会社とコラボした『クールジャパン冊子制作プロジェクト』
- 株式会社 SCRAPとコラボした『リアル脱出ゲーム制作プロジェクト』
- 西日本電信電話株式会社とコラボした『睡眠教育プロジェクト』
さらに、下記のようなITツールのスキルを身につけることもでき、企業で働くにも即戦力となるようなものも多く学ぶことができます。
日野信輔
最新記事 by 日野信輔 (全て見る)
- 聴覚障害者とのコミュニケーションツールを学生が開発!ノートラブルとはどんな商品なのか? - 2022年8月2日
- TENGAの障がい者支援「able! project」に迫る!川越のB型事業所をインタビュー - 2022年6月29日
- バリアフリー映画を当たり前のものに|パラブラ代表の山上庄子さんインタビュー - 2022年3月17日
この記事へのコメントはありません。