おはよーございます、八壁ゆかりです。今日は昔話をしに来ました。
え、来んな? は?! もう来ちゃったよ!! 来ちまったからには書くよ!!!
……という妙なテンションで始めてみましたが、主治医によると今コロナで多くの人が調子を崩している、彼の言葉を借りるなら「おかしくなっている」そうで、それは障害者であろうと、普段メンタルが健康な方でも同じだと思います。だから私もちょっとおかしくなってるんですよ。
で、「昔話」。色々ありますよ。
- 自傷行為に始まり
- NYでの生活や閉鎖病棟での体験
- ニート期間・就労支援機関で様々な人種と触れ合った経験
- アムカしすぎて10針縫った&医者に説教された話
- ここには書けない(?)中毒症に関する伝説(レジェンド)
- 開放病棟への入院経験
そして今日お話しするのは、精神障害者のわたしが「ろくに続いたことのない就労(バイト)」です。
今でこそ、精神疾患を隠さずこうしてライター業などをいただいておりますが、私が若かった頃(大昔ですね★)は、まだまだ精神障害に対して偏見や忌避が蔓延していました。ですから、クローズ(隠して)で働くしかなかったのです。
加えて、私は自律神経がおかしくて、長時間立っていられないんですね。
つまり、バイトを探す時、条件をかなり絞らなければならなかった。さらに私の実家『哀愁のチバラキ』は「首都圏」と名乗るには恐れ多いほどの僻地で仕事がない!
一瞬都内に住んでた頃のバイトもダメージ以外の何ものでもなかった!
というわけで、クローズ(障害を隠して)の就労体験談を今日は語ります。
少々キツいことを言われた経験も書きますので、敏感な方はお気をつけください!
お好きなところからお読みください
精神疾患を隠して働いたバイト4選:クローズのメリットとデメリット
さて、ワタクシ八壁は齢15で発病いたしましたので、学生時代のアルバイトからこっち、一度もフルタイムで働いたことがございません。
しかも職務経歴書にバイト歴を書こうにも、すべて「一身上の都合で退職」ってコレ全部メンタルもたなくなって辞めてるからね!!
クローズで働いたバイト
- 最長記録のコールセンター
- 最短記録の接客業
- 特技を活かした英会話教室
- 精神的にキツかった喫茶店
では、1つずつ紹介していきます。
最長記録の就労:コールセンター
はい、いきなり最長に行きます。
『最長記録半年』ですが、この間に1ヶ月休職しているので、実質4ヶ月半ほどになります。
業種は、コールセンターでの受信業務で、平日の夕方から夜にかけて、たった4時間。しかもコールセンターという職場環境ゆえに、2回は休憩をもらっていました。
クレーム客からの受信は最初だけ恐かったのですが、慣れればマニュアル通りに対応できるようになっていきました。
また、実はこの職場で私は『仲間』を見つけていたのです。年上の女性で、夏場の喫煙所で一緒になった時、彼女のアムカ(アームカット)の傷跡に気づいたのです。私は当時自分の傷を隠していましたが、思わず声をかけると、彼女は、
「え〜、そうだよ〜。私、統失(統合失調症)だよ〜」とあっさりカミングアウト。
「もしかして八壁ちゃんも?」と聞かれたので、素直に白状しました。
たった4ヶ月半とはいえ私的には最長記録、それは上記の女性が時折サポートしてくれたことも大きかったかもしれません。
最短記録3時間:接客業
英語のスキルを活かせて、かつ立ち仕事ではないバイト、という条件で始めたものでしたが、だいぶ説明足らずな上に、「立ち仕事」ではありませんでしたが、実質「立ったり座ったりで結局自律神経やられる系」の業務でした。
初回は4時間の予定でしたが、もう、立ったり座ったりして1時間で目が回り、しかもあの巨大な空港のカウンターを歩き回る仕事。
その上、『立ってられないから座らせてくれ』という旨を、上司からではなくペーペーの私から先輩たちに言え、と命じられたのです。
2時間半が経過した時点で嘔吐が止まらなくなり、視界の端がなんか銀色のキラキラしたもので埋め尽くされ、
という命の危機を覚え、一瞬早退しようと事務室に戻ってみたら、その翌朝にすでにシフトが入れられいました。
詳細を挙げればキリがないのですが、他の事情も含めそう判断した私は、3時間経過時点で退職願を申し出ました。ちなみに、英語はまったく使いませんでした。
だったら英語を使ってやろう!と思ったものの……
3つ目に紹介する就労先は、英会話教室。
ウェルサーチでもちょくちょく話題にしてますが、留学経験があって、英会話が得意です。
こちらで9.11の際に、アメリカにいた話をしています。
私の利用していたJR某線某駅チカで、個人経営の英会話教室のサポート業務を発見しました。
時給は低かったですが、
と意気込んで面接に行きました。
こぢんまりとした教室で、受付とソファ、奥にレッスンルームがあったものの、ここで大きな問題が。
トイレがあるバックヤードに行くには、レッスンルームを通過せざるを得なかったのです。
換言すれば、レッスン中などに自由にお手洗いに行けない、ということです。私の前任者が、向かいにあるスーパーのトイレを借りられるよ、と教えてくれましたが、受付のサポートという業務である以上、いつ来客があってもいいよう、易々と離席するわけにはいきません。
さらなる問題も勃発
さらに、地域密着型の教室だったので、お子様の生徒さんがほとんどで、それ即ち、お子様のレッスン終了を待つ保護者の方々が受付前のソファで繰り広げる会話に強制参加決定、という別料金をいただきたいレベルの仕事も加わりました。
「あの変な人、4丁目にも来てたわよ」
ある日、保護者の女性が眉を寄せて、前任者に言いました。
他の方も会話に加わって進んだ話を聞くに、どうやら挙動不審な男性が近隣に出没している。だから子供が心配。といった事情のようでした。
そこで前任者がこう言ったのです。
「ああいうのは精神病んでるのよ。関わらないのが一番!」
結局、試用期間中に辞めたくなる決定打があり(英会話スクールなのに、私がアメリカ英語しゃべってたらカタカナ発音で教えるようにと叱られまして)、そのバイトは3週間で終了。お先に失礼しまーす!
アットホームな職場の実態:自傷跡を見られてからの周囲の視線
最後の4つ目は、一番精神的にキツかった、都内某所での喫茶店でのアルバイトのお話。
自宅アパートから近く、一度友人と一緒に客として赴いた時、穏やかなオーナーを筆頭に店員さん同士が仲良さそうで、
と思い、後日バイト募集のチラシを見て履歴書を持参して再度訪問してみたらば、履歴書を出す前にシフト表を渡されました。いいのか、いいのか。
勤務時間は1日5時間の週3回。「学生でももう少し働くわよ」と言ったのはマネージャーの中年女性でしたが、そんな嫌味より私の問題は、ウエイトレスの制服にありました。
つまり、左腕の自傷跡が丸見えになります。当時はまだ傷も目立っていたので大ピンチ。
幸か不幸か冬の終わりだったので、
と無理矢理カーディガンを羽織って、最初は仕事を覚えました。
週3回の内2回はマネージャーと二人で働き、残り1回は、同い年だけど5年そこで働いている先輩アルバイトさんと一緒に店を回しました。
問題の半袖の時期が到来
そして初夏!!
上着を着るのが不自然な季節!!!
当時の主治医と相談し、包帯やテーピングはせず、傷跡丸出しで、なんてことない顔で出勤することになりました。
同僚2名の反応は分かれました。
マネージャーは何も言いませんでしたが、ノーゲストの時に新聞や雑誌を読みながら、誘導尋問じみた会話を始めるようになりしました。
たとえば、鬱病の特集記事を読みながら、
「まあ、最近はこういう病気を打ち明けるのも珍しくないわよねぇ?」
なんて意味ありげな流し目を寄越してきたり。
私は、「そうなんですか?」とあくまではぐらかしました。
一方で、世代柄徐々に打ち解けていっていたタメの先輩は、ある夜の閉店作業中に、
「あのさ、これ聞いていいか分かんないんだけど、その傷って自分でやったの……?」
と、おずおずと聞いてきました。
私は努めて明るく、
と言って笑いましたが、彼女は深刻な顔つきのまま続けました。
「だったらさ、今から二人だけで飲みに行かない?ちょっとその、もし、そのこととか聞いていいなら聞きたくて。折角仲良くなったから」
と声をかけてくれました。
しかし、私は丁重にお断りをしました。彼女と私の価値観が、あまりにも違いすぎることを、それまでの会話で痛いほどに理解していたからです(その後遊びに行ったりはしましたけどね)。
自称傷はなんとかなったものの…
そして私が業務に慣れると、今度は別種の問題が浮き彫りになりました。マネージャーとタメの先輩が、水面下で権力争いをしていたことが見えてきたのです。
彼女たち両方と一緒に働いていたのは私だけで、マネージャーと一緒の時はタメの先輩のディスを聞かされ、タメの子と入る時はマネージャーの愚痴をボディブローのごとく食らうようになってしまいました。
イエス!
ディス・イズ・板挟み!!
もちろん私の心労は増し、段々とバイトに行くのが辛くなり、頼りの綱のオーナーは見て見ぬふり。
それでも頑張って職場に行っていた私は、まるで呪詛のように、
と心の中で唱えながら働きました。
が、やはり限界はやってきました。主治医が、「ストレス症状が酷すぎる。診断書を書くから辞めなさい」と言った時は、正直安堵しました。
マネージャーとタメの先輩がいない時間帯にオーナーに診断書と退職願を出しに行くと、受理はされたものの、
「マネージャーにはちゃんと挨拶してね、一番お世話になったでしょ」
と言われてしまい、
ここからキツい話になるので注意
そして私はマネージャーと話したのですが、以下、結構キツいことを言われたので、注意喚起しときますね。
「無理そう……」って方は素早くスクロールか目次で次のチャプターにジャンプだ!
「まあ、ドクターストップって言われたら、ねぇ?こっちは何も言えないわよ」
この台詞から始まり、マネージャーは詮索を開始しました。
診断書は精神疾患ではなく、自律神経失調症で書いていただいていたので、具体的な症状を聞かれ、過呼吸になりやすい、とあいまいに答えました。
「この前ご実家に帰ってたみたいだけど、ご家族と一緒でもなるの?」
私が首肯すると、
「おかしいわねぇ、普通ご家族と団らんしてたらそんな、過呼吸なんて、普通は起きないはずけど」
出ました素人判断。しかし、いい加減疲れていた私は、こう言いました。
その後もぶちぶちと色んなことを言われましたが、彼女はこう締めくくりました。
「こんな簡単な仕事ができなかったら、社会に出られないわよ」
皮肉なことに、これだけは、その後数年間呪いのようにつきまとう『予言』となったのでした。
クローズで就労することのメリット
さて、障害を隠して働いた経験としてろくでもない事例ばかり挙げてしまいましたが、もちろんメリットもあるんですよ!
まず第一に、『特別扱い(腫れ物・厄介者扱い)されない』こと!
これはオープンで働いている親族から聞いた話ですが、オープンですと、特に精神の障害の場合、過度に気を遣われたり、他の従業員と異なる対応をされるので悪目立ちするということがあり、それを嫌がる方も多い、と聞きました。
クローズ、つまり障害を隠していれば、もちろん扱いに差は出ません。ここは本当にその人次第だな、という感じですね。
障害者と見下されるケースも…
また、これは職場の雰囲気次第ですが、オープンですと、『障害者だから「下」に見られる』ことが多い、と同じ親族から聞かされました。これは非常に残念な話ですね。
身体的な障害でしたら事情は違うかもしれませんが、メンタルの方ですと、私自身も経験がありますが、軽く見られるというか、なめられるというか……。この辺の偏見はまだ根強いな、と痛感いたします。
で、これもまた、クローズなら発生しない現象です。
収入に差がでる
最後に、一番大きなメリットは、ズバリ、お給金に差が出る場合があることです。
正式に障害者枠で正社員として働くなら、当然労働時間と給与が「そうじゃない」方々と異なります。
アルバイトやパートで差が出るかは分かりませんが、ここはお金が必要な障害者(例:八壁ゆかり)からすると、クローズでいいから稼ぎたい!と思うことが多々あるはずです。
では次に、このような体験をしてきた私の現状をお話しいたします。
オープン&リモート就労で何が悪い
私は現在、精神疾患をオープンにして、かつ在宅での仕事をいただいています。
きっかけは、5年ほど前に知り合いの編集者の方から、「こういうことを書ける人を探しているんですが、書いてみませんか?」とお誘いを受けたことでした。
その方は私の精神疾患に関する書き物を読んでくださっていたので、もちろん事情はご存知で、オファーを受けることにした際も、「目標は連載完結ですから、八壁さんのメンタル最優先で進めましょう」と、様々な配慮をしていただきました。
また、一度だけ打ち合わせに行きましたが、WEB上での連載だったので、「通勤」の必要性もありません。
その時の私の率直な感想は、
という身も蓋もないものでした。
もちろん、連載テーマがとてつもなく重いものでしたので、原稿の執筆は熾烈を極めましたが、それでも私は文章を書くのが好きですし、好きなことでお金をいただける、という事実が、とてつもなく嬉しかったのです。
この仕事を機に、他の媒体からもたまーにライター業のオファーをいただくことになり、まあ「ライターです!」と名乗るレベルには全然至っておりませんが、元々小説を書いていた私は、「文章のスキルは金になるらしい」という大発見をいたしました。
他にも就労の可能性が
また、ライター業以外に、上京前にボランティアで英会話講師の経験があったので、スカイプなどを用いてのオンライン英語講師の単発のお仕事も経験しました。最初はスカイプだったので在宅でしたが、幸いなことにリピーターさんが付いてくださり、近場のカフェで直接レッスンもしました。
ついでですので宣伝させていただきますと、私のレッスンは基本マンツーマン、主にビギナーさん向け、あるいは「読み書きはできるのにスピーキングが苦手!」といった方に効果的かと思います。
私自身のレベルはというと、大抵毎日最低一時間はネイティブと話す日々を過ごしており、日常生活や彼らとの会話には支障はほぼありません。
ただ、もっぱらカジュアルな話ばかりしているので、友人達も細かい文法ミスなどは気にしませんし、いわゆる「ビジネス英語」はイマイチピンときてないかもしれません。
英会話はコミュニケーションツール
ただ、私は「英会話」を「必須科目」や「ビジネス上の利点」ではなく、「コミュニケーション・ツール」であり、英会話をただ楽しんでいただきたい! と強く思っております。
ですから私のレッスンは、「とりあえず声を出してみる」ことから始まります。あと発音指導には自信があります。めっちゃアメリカ英語ですが、ネイティブに間違えられることもある程度に、発音は勉強しました。
なんかもう、いっそここで生徒さん募るか?
ということで、英会話を真剣に学びたいという方は、いつでもご相談ください。ツイッターのDM、開いてますよっ……(小声)。
テレワークの普及と今後のビジネススタイル
私が今更説明するまでもなく、新型コロナウイルスのパンデミック故、日本でも「テレワーク」が(否が応でも)一般化しつつあります。
もちろん、職種によっては向き不向き・可能不可能がありますが、外に出る・通勤が負担となる精神障害者(例:八壁ゆかり)には、悪い流れではないかもしれません。一部では、コロナ収束後はテレワークが完全に浸透するだろうとも言われています。
「正社員のテレワークならともかく、障害者の在宅ワークでそんなに稼げるのか?」などなど不安や疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは個々人のスキル次第、そして社会のワーキングスタイル次第だと、私は個人的に考えます。
就労するにはやっぱり努力が必要
上に挙げた通り、幸いにも私には「書くこと」と「英会話」というスキルがありました。
「私・僕にはそんなスキルないよ!」という方にお知らせしたいのは、私はこの2つのスキルを「生まれ持っての才能」なんかではなく、「自力で会得した」という点です。今だって日々勉強です。
それに、特に「これ!」という磨きたいスキルがない方でも、ポイントサイト等(最近よく使います)でコツコツとお小遣い稼ぎはできますし、他にもモニターやアンケートといった、ネットを使った仕事は案外少なくないです。
まあ、この辺のバランス感覚は人それぞれかと思われます。
パートをしながらダブルワークで在宅の仕事をすることだって可能ですしね。
今後回復すれば話は変わるとは思いますが、今は、今の自分にできる精一杯のことをやって、将来に繋げていきたいと考えております。
長文でしたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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