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【障害がある方向け】自宅から始まる就労準備|在宅ワークスクール加賀の体験談

  • 最終更新日:
オフィスの内部を背景に、白い枠内に『自宅から始まる就労準備 在宅ワークスクール加賀 体験談』と書かれている。

私は現在、数多くある就労移行支援事業所の中で、石川県加賀市にある「在宅ワークスクール加賀」を利用しています。

 

就労移行支援事業所は、障害のある人が就職に必要なスキルを身に付け、職場に適応できるよう利用者一人ひとりの特性や希望に合わせた幅広い支援する施設です。

一般的な就労移行支援事業所では、通所しての集団学習やグループワークが主流ですが、在宅ワークスクール加賀は、自宅からオンラインで訓練に参加することができるのが特徴です。

もともとリモートワークを希望していた私にとって、まさに理想的な場所でした。

 

本記事では、在宅ワークスクール加賀での利用の様子を体験談に交えてご紹介します。

 

ジュン
利用を初めてからの約1年を通じて感じた魅力をお伝えします。

在宅ワークスクール加賀を利用することになったきっかけ

大きなガラス窓から外の景色が見えるオフィスの一角。木製のテーブルに椅子が並び、パソコンのモニターとホワイトボードが設置されている。

 

私は数年前、発達障害における精神的負担のため、当時勤めていた食品工場を退職しました。

その後はフリーランスとして働き続けていましたが、障害と付き合いながら1人で続けることに限界を感じていました。

 

そんなとき、私がウェルサーチのライターとして活動していたご縁で「在宅ワークスクール加賀」のことを知ったことをきっかけに、在宅でフリーランスのスキルを身に付けられるという環境に魅力に惹かれ、202311月下旬の体験入所を経て202312月から本利用を開始しました。

 

ジュン
一人のまま突き進んでいたら、壁を越えられないままだったと思います。

人生さまざまな転機がありますが、このきっかけが私にとって人生の大きなターニングポイントとなりました。

在宅ワークスクール加賀の特色

白い木目調の背景に、木製のタイルで作られた'MERIT'(メリット)という文字が並んでいる

 

在宅ワークスクール加賀の特色は名前の通り、「在宅」で訓練を受けられるです。

 

通常であれば、毎日事業所に通いながらプログラムをこなしますが、在宅ワークスクール加賀では自宅のパソコンからオンラインで訓練を受けられるのです。

 

ジュン
オンラインで訓練を受けられる6つのメリットを紹介したいと思います。

 

通所の負担がない

在宅ワークスクール加賀は自宅で訓練を行えるため、通所のための時間や交通費、体力的な負担が軽減されます。

特に、身体的な障害のある人や交通の便が限られている人にとってありがたいことです。

在宅ワークの実践スキルが身に付く

オンライン環境でのコミュニケーションの取り方や自己管理能力の育成などを身につけていくことができるため、在宅就労への円滑な移行が期待できます。

集団訓練が苦手な人も安心

私のように発達障害のある人でも、人目を気にせず自分のペースで落ち着いて訓練に取り組めます。

オンライン環境なら、対面よりもコミュニケーションへの心理的な負担が少ないでしょう。

多様なスキルが学べる

実際の在宅ワークに近い形式で、基礎的なPC操作だけでなく、プログラミングやWebデザイン、動画編集といった専門的なカリキュラムを、自分の興味や目標に合わせて選択できます。

実際の業務のサポートが受けられる

現在私は動画編集を学びながら、実際にクライアントからの案件を事業所を通して受けています。

フリーランスを志望する人には、クライアントとのコミュニケーションに関するサポートも受けられるため、実践的な業務の中で安心してスキルを磨くことができます。

専門家のアドバイスを受けられる

それぞれの分野で活躍する専門家が講師として在籍しており、課題のアドバイスをもらうことができるので、より効果的な学びになります。

 

在宅ワークスクール加賀での一日

この画像の代替テキストは以下の通りです: 「白い壁に掛けられたシンプルなデザインのアナログ時計。時計の下には『Time』という文字が書かれている。」

ジュン
在宅ワークスクール加賀での基本的な1日の流れは次の通りです。

 

訓練開始|10:00

Zoomで利用者とスタッフが集まり、連絡事項の共有や、利用者の健康状態の確認を行います。

Good & Newと呼ばれる、24時間以内で起きた良いことや新しい発見を報告し合う取り組みも設けられています。

午前中訓練|10:00~11:45

利用者の希望や適性を考慮して決められた課題を自習形式で取り組みます。

難しい内容があればいつでもスタッフに質問できる体制が整っています。

昼休憩|11:45~13:00

各自のペースで自由に過ごすことができます。

私の場合は昼食を取った後でアイマスクをして目を休めるといった休憩方法を実践しています。

午後の訓練|13:00~14:45

午前中と同様に与えられた課題に取り組み、進捗状況の確認やアドバイスを受けます。

訓練終了後には終礼の時間があり、一日の振り返りや明日の目標などを共有します。

在宅ワークスクール加賀でのエピソード

ジュン
ここで、本利用を開始して印象的だったエピソードを3つご紹介したいと思います。

自分にあった環境作り

発達障がい特有のこだわり。

自分もやはり思っている以上にこだわりが強い人間です。

 

環境が少し違うと何事も集中できない。人の話し声があるとそちらに気を取られてしまう。周りの人の存在があるだけで気が散ってしまう。企業に勤めていた頃はこのような悩みの種で、仕事に集中できずに失敗するという悪循環に悩まされていました。

 

その他にも、他人のペースに合わせて仕事をしなければならないことも苦手であり、仕事内容自体は問題ないのに仕事を続けられませんでした。

 

仕事をしたくないわけではない。

 

でも、他人と何事も協調してすることが苦手という障がいの特性が、自分を引きこもらせていました。

 

それならどうしたらいいのか?

 

環境が問題であれば、自分に合った環境を作り出せばいい。

 

自分に合った仕事は何なのか?

自分に合った環境は何なのか?

 

加賀で訓練をしていくうちに自分一人では気付かなかった部分も、スタッフの方々と対話を続けていくことで、

 

『自分は一人で集中できる仕事に向いている』という気づきを得ました。

 

一人で仕事をするのが得意な長所を活かしながら対人が苦手な短所を克服するために、オンラインでのコミュニケーションスキルを伸ばしながら、対面での作業を極力減らして訓練をこなしています。

 

世の中にはみんなで力をあわせてする仕事が得意な人がいれば、私のように一人で仕事をするのが得意な人間がいます。それを違いとして認められたことが何よりも安心感に繋がりました。

 

自己流から実践的スキルへの飛躍

在宅ワークスクール加賀に入る前、私は自己流でライティングや動画編集のスキルを学んでいました。主に学ぶ教材としては、YouTubeや書籍などを片っ端から見たり読んだりする感じです。

 

ある程度までは技術を身につけることができましたが、実際に仕事として動画や記事作成を請け負うためには足りないものだらけで、ケアレスミスも多く、満足な成果物をあげられない日々が続いていました。

 

自分に足りないものは何だろうと考えますが、何も思いつきません。

 

事業所に入所したのちに動画やライティングの技術を磨きながら感じたのは「フィードバックの大切さ」です。自己流だったときは闇雲に学んでいましたが、そこに抜けていたのは「依頼する相手がどのような目線で成果物を見ているか」でした。仕事というのは、相手があってこそなのです。

 

求める成果物を相手はどのような目線で見ているのか?

 

自分ではとても素晴らしい成果物を制作したつもりでも、相手が欲しいものはどのような物なのかという目線がなければ、それはただの自己満足です。人とのやりとりが苦手な私にとって、「相手の気持ちを読み取る」という部分も苦手な分野でした。

 

しかし、チャットツールでのやりとりを実践的に訓練することで、少しずつですが相手がどのようなことを求めているのかがわかってきました。今ではクライアントとのやりとりで、しっかりと相手の要望を汲み取りこちらからよりよいものを提案できるまでにスキルアップできています。

 

さらにADHDなどの注意不足で失敗する部分を指摘してもらえることで、自分はどのような時に失敗をしてしまうのかも理解できてきたのも大きく、注意するポイントをしっかり押さえることでミスが大幅に減りました。

 

今でもやはり障がい特性による失敗はしてしまいますが、それでも案件をする上で自分と相手の理解ができているので、安定的に案件に取り組めるようになりました。

 

新しいスキルの取得

加賀に入る前、動画編集の道を主に目指していたので、ずっと動画編集の技術のみを磨いていました。ある程度のスキルは身についたのですが、独学によるスキル取得では偏りが多く、実際に仕事としてやっていく上で不安が残るばかりでした。

 

自分でスキルを学ぼうとすると、何が足りないのかわからない。どうしてしっかり学んだのに世の中には通じないのだろうかという無力感がありました。

 

在宅ワークスクール加賀に入った当初、動画編集の技術を磨きたいとは伝えましたが、まずはデザインの勉強をすることになりました。デザインについては表面的に知ってはいましたが、いざしっかり学んでみると新たな発見が多くありました。

 

デザインを学んだことで、獲得できる案件を幅が広がったことも大きいのですが、それに加えて動画編集にも生かせることにも気付きました。人にみてもらうには、どのようなデザイン適切なのか?これは動画編集だけをやっていたら絶対に知らなかったことだと思います。

 

偏った勉強法から、しっかりと訓練を通じて幅広い知識を得ることで動画編集の技術が格段にあがって自信もつきました。

 

もちろんライティングの案件にも、デザインの技術は活きてきます。画像はどのようなものを選んだらいいのか?アイキャッチはどのようなものにすれば見てもらえるのか?

 

デザインを学んだことで、単純な技術の取得だけでなく、全体的なスキルアップにも繋がったのです。

 

夢や目標を叶えたい人へ

青い空と白い雲を背景に、無限大マーク(∞)のシンボルが描かれている。その周りには携帯電話、音楽、食べ物、本、パソコンなど、さまざまなアイコンが白で描かれている。

 

私の在宅ワークスクール加賀での体験談をご紹介させていただきました。他の就労支援移行事業所でも同様ですが、「入所したから安心」というわけではありません。

 

障害のある人にとって、支援を受けるだけでなく、その支援を通じて「自分がどうなりたいのか」を明確に意識することが大切です。

 

あなたの思い描く将来像はどのようなものでしょうか。在宅で働きたい、専門的な技術を身につけたいといった目標を持っている方は、ぜひ一度在宅ワークスクール加賀に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

 

私の体験が、少しでも障害のある方々の目標の実現に繋がれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。


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