今回、障害理解のためのおもしろい授業をされているクラーク記念国際記念高校・東京キャンパスの現場を突撃取材させていただきました。
以前、ウェルサーチでもインタビューさせていただいた障害者作家のデザインを取り入れて、商品展開をしているアパレルブランドNODD(ノッド)が、生徒たちと一緒に歌詞を作るという授業。
NODDは、クリエイターに支払う仕事としての対価を売上の5%ロイヤリティとして、障害者のクリエイターに渡しております。
NODDさんの障害福祉に関する社会貢献活動の話を聞いた若者たちが、どのように気持ちが動いていったのか?
若い感性がこれからの時代を大きく変えてくれる可能性が秘められておりました。
お好きなところからお読みください
クラーク記念国際記念高校とは
クラーク記念国際高校は、1992年に開校し、クラーク博士の精神を教育理念とした学校です。クラーク家から認められた唯一の教育機関として、全国にキャンパスがあります。
その名言のように、
夢に向かって挑戦する精神を、可能性あふれる若者たちに伝え、一人ひとりの個性を大きく羽ばたかせていきます。
とHPでも記載されております。
ちなみに校長は、エベレスト3度目の登頂に成功した元プロスキー選手の三浦雄一郎氏。
北海道にあるクラーク博士の銅像
東京キャンパスでの授業
今回は、高田馬場にある東京キャンパス・パフォーマンスコースの生徒さんたちへの授業。
実際の授業風景(受講生は、もっといます)
この状況だからこその楽曲制作
2019年10月にNODDさんが、パフォーマンスコースの生徒たちの前で講演授業を行ったことがキッカケで、生徒たちと楽曲制作をすることになりました。
この講演の内容を踏まえて、生徒たちが作詞を考えてる最中だったのですが、新型コロナウイルスの影響で一度この企画が停止…
あえて、この状況を踏まえた歌詞づくりをさらにリモートで進めたら面白いのではないか?という話になり、今回の授業になったとのことです。
高校生に障害理解の授業をするNODD
講演授業では、人との関わりの変化が起きている今、障害者との関わり(言葉、文章ではなく、感覚での自由な関わり・コミュニケーション)を見つめ直すことで、自分たちの新しいコミニケーションの仕方のヒントが落ちているはずと生徒たちには問いかけたNODDのお二人。
それを歌詞にしていくという授業となっております。
熱く講義をするNODDのお二人
NODDは、ブランドのデザインワークのモチーフとして、障害のある芸術作家のアートを活用しています。
それはなぜか。そこには、私たち自身の考えの及ばない領域の感性や表現がそこにあるから。
対等なパートナーとして、共に刺激しあい、新たなクリエイティブを世に放ちたい。
与えるのではなく、共に創る。デザイナーだからこそできる、平等な社会のひとつのあり方を私達は提供します。
障害者アートとは?
まず初めに、NODDさんが関わっている「障害者アート」の現状についての話。
- 親なき後の生活
- 差別
- 仕事の不成立
- 低賃金
- 障害者の働き方
など、障害者にまつわる現状の問題についても、知っていただきました。
NODDの事業モデル
NODDさんの社会貢献型の事業モデルを図にしたものは、以下になります。
障害者アートを使った商品例
実際に障害者アートを使って、商品化された事例をお伝えしていきました。
題材となったのが、このアート。
油絵なのですが、これの何がすごいのかわかりますか?
職員の方が油絵の画材の使用法を教えてあげようとしたら、絵の具を「塗る」のではなく、絵の具で層を重ねていった利用者。
絵の具の使い方を決めつけてしまっているのは、我々の固定概念だったということを気付かさせてくれた商品。
「モノの使い方やとらえ方はもっと自由である!」という事をプロのデザイナーでもあるNODDのお二人も思い知らされたエピソード。
このようにNODDさんの活動・商品事例を通じて、障害理解について生徒たちに現状を知っていただきました。
今回の授業は、NODDさんの活動や障害理解についてがメインでしたが、これから何回かに渡って実際に生徒さんたちと歌詞を作っていくとのことです。
生徒たちからの感想
今回の授業を聞いた生徒たちからは、このような感想が出てきております。(一部を紹介します)
- わたしたちにもできることは何だろう?と考える機会になった
- 普通ってなんだろう?って思いました
- コミュニケーションは言葉だけではない!
- 芸術に対しても見る目が変わりました!
- 障害者とNODDがお互いにメリットがある!
- 商品がかっこいい!
- 自分も挑戦してみたい!
などの感想がズラリ!
NODDさんの障害理解の授業まとめ
いかがでしょうか?
普段、障害者との接点があまりない生徒さんたちなので、NODDさんの活動や障害者の現状を聞いた生徒たちがどのように反応するのか、とても気になっておりました。
終わってみたら、チャリティ意識や障害理解が深まった生徒たちが心を動かされ、「自分も挑戦してみたい!」といったご意見なども見れて、とても嬉しく思います。
特に福祉業界は狭いので、これが重要なのだと改めて感じました。
知ってもらったら、そこから何か変わるキッカケにも繋がってきますからね。
また、これからの未来に、とても期待が持てる若者たちで希望がありますね。
NODDさんの活動についてもっと詳しく知りたい方は、以前インタビューさせていただきましたので、こちらからご覧いただけます。(ウェルサーチ限定の特別クーポンもプレゼントしております。)
このような貴重な機会をくださった、NODDさん・クラーク記念国際高校の先生方・生徒さん、本当にありがとうございました。
障害理解が広まった生徒たちとできあがった歌詞も楽しみにしております。
できあがりましたら、また記事も追記させていただきますので、楽しみにお待ちください。
【協力】
公式HP:クラーク記念国際高校
公式HP:NODD
日野信輔
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