NPO法人 日本障害者アイデア協会の本郷です。
当協会は、バリアフリーアイデアの研究および情報発信を行っている団体です。
今回は、当協会が都内各所で実施している東京オリンピック・パラリンピック教育支援プログラムにも採用された「バリアフリー授業」の様子をレポートします。実際にバリアフリーのアイデアを考えるだけでなく、バリアフリーグッズを作るというところまで授業ではやっております。
教育の上でも重要になってくる小・中学校のときから、障害理解とバリアフリーの大切さを知ってもらえる授業となっておりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
※記事の下にバリアフリー授業の解説動画もございます。
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学校教育での2つのバリアフリー授業
当協会では、小学生・中学生向けに、以下の2つのバリアフリー授業を提供しています。
- バリアフリーアイデアを皆で考えよう!
- バリアフリーグッズを作ってみよう!
これらは、東京都教育委員会の「東京オリンピック・パラリンピック教育支援プログラム」に採用された出張型・出前型の授業で、これまで1000人を超える小学生に実施しています。
バリアフリーアイデアを皆で考えよう!
1つ目の「バリアフリーアイデアを皆で考えよう!」は、例えば以下のようなテーマを子供達に提示し、バリアフリーのアイデアを子供達に討論してもらう授業です。
- テーマ例1:目の見えない人が着替えをするときに感じる「困り事」を洗い出し、それを解決するアイデアを考える。
- テーマ例2:片手が不自由な人が文房具を使う際に感じる「困り事」を洗い出し、それを解決するアイデアを考える。
「障害者が身近な場面でどのようなことで困っているのか?」を「障害者の身になって考える」ことにより、障害者への理解とバリアフリーの大切さを伝えるもので、主に小学校高学年および中学生を対象とした授業です。
バリアフリーグッズを作ってみよう!
2つ目の「バリアフリーグッズを作ってみよう!」は、SMA(脊髄性筋萎縮症)という難病を抱える大山さんが考案した「超軽量タッチペン」の開発ストーリーを子供達に話した上で、その超軽量タッチペンを工作してもらう授業です。
超軽量タッチペンの開発ストーリー
SMAという病は、筋肉が日に日に萎縮していく難病です。筋肉の萎縮により大山さんの手は鈎上に曲がっているため、スマートフォンやタブレットPCを操作する際にタッチペンが必要になります。
しかし、大山さんの筋力は極端に弱いため、
市販のタッチペンは重たくて持てない!
と困っていました。
軽量のタッチペンを探したのですが、どこにも売っていない…「それなら!」と、大山さんは自ら試行錯誤を繰り返し、ストローと特殊フィルムを貼り合わせることで、このアイデアグッズを完成させました(開発ストーリーの詳細は後日改めて紹介します)。
工作という楽しい作業を通して「障害者が思いがけないところで困っていること」や、アイデアで困難を乗り越えた大山さんの「諦めない心の大切さ」を伝えるもので、主に小学校低学年を対象にした授業です。
大山さんがタッチペンを使ってみた感想もございます。
2つの授業の概要は以上の通りです。
次回からは、授業の具体的内容や子供達の反応等についてお伝えします。
(つづく)
バリアフリー授業シリーズ
1:学校教育でバリアフリー授業!アイデアを考えてグッズを作ってみよう!
2:バリアフリーがなぜ必要なのか?授業で学ぶ「当事者意識」とは!
3:障害者の気持ちになって考えることの大切さをバリアフリー授業で学ぶ
◆参考リンク
詳細は、NPO法人 日本障害者アイデア協会HP「バリアフリー授業紹介ページ」をご覧ください。
・バリアフリー授業の様子を私が動画でも解説していますので、以下も参考にして下さい。
バリアフリー授業動画解説(前編)
バリアフリー授業動画解説(後編)
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