大学生が視覚障害者の生活を便利にするグッズを開発されたということで、開発秘話をインタビューをさせていただきました。
なんと、Sカレという学生のプレゼン大会の「社会課題を解決する印刷製品」というテーマで優勝された企画。
開発されたグッズは、誰でも触ってわかる識別シール「凸ペタシール」です。
お好きなところからお読みください
法政大学 西川英彦・本條清一郎ゼミの学生が開発
今回ご紹介する「凸(デコ)ペタシール」を開発されたのが、法政大学の経営学部の西川英彦・本條清一郎ゼミの
- 増山由羅さん
- 平本裕也さん
- 内田彩都さん
- 宮越萌実さん
の4名からなるチーム『凹ni-Que(ユニーク)』。
動画でも見れますので、お好きな方でご覧いただければと思います。
視覚障害者の便利グッズを開発
法政大学の経営学部の西川英彦・本條清一郎ゼミのチームの名前が凹ni-Que(ユニーク)の4名の皆さんに今日はお越しくださいました。ありがとうございます。
そのテーマが、『社会課題を解決する印刷製品』で、企画された商品が、「視覚障害者にまつわる商品」なのです。
ちなみにSカレというのは、どんな大会なのですか?
Sカレ2020は25大学29ゼミ、計403名の大学3年生がゼミ対抗で7つのテーマに対して商品企画をFacebookで公開して、いいねで支持を集め、コメントで改善してそこから発売を目指す大会となっております。
2020年12月6日にオンラインで冬カンと言う商品化の権利を最終プランで競い合って、私たちは、去年の冬カンで総合優勝をしました。
私たちのゼミは法政大学経営学部にあるゼミで、主にマーケティングであったりとか商品企画を学んでおります。
貼るだけで識別できるデコペタシールとは?
実際に優勝された商品が視覚障害にまつわる商品ということですが、どういった商品なのでしょうか?
これは、視覚障害者の方であったり、目が不自由な方という人達が同じ形をしたものの識別が出来ないと言う視覚障害者の声から生まれた商品になっています。
印刷技術で作り出した6種類の手触りのシールで、貼るだけで識別が出来る商品になっております。
誰でも簡単に貼れる
シールを剥がしづらいという視覚障害者の方々の声から、このようなデザインを採用させていただきました。
これによりシールが1枚づつ出てくるので、シールを剥がす手間というのがなくなるという風に考えております。
わかりやすいデザイン
これは私たちも知らなかったのですが、点字の識字率が1割程度というのをこの活動を始めて知りました。
だれでも使えるように点字ではなくて、模様の方がわかりやすいよねというところで、点字ではなく、触ったときに簡単にわかるような6種類の手触りパターンを今回の商品に採用致しました。
様々なものに貼れる
せっかくこのシールがあるなら、色々なところに貼りたいという声がありましたので、撥水加工であったり強粘着ラベルを採用することで剥がしにくいラベルにしております。
実際には色々な使い方を想定しておりまして、調味料であったり薬であったりカードであったり、リモコンであったり、似たような形のものに色々貼って頂けるかなという風に考えております。
本当に視覚障害者の方にとって、すごい便利なものなのかなと思いますし、暗闇とかでものを探したい時とか視覚障害の方でなくてもこういうのもあったら便利なのかなと思いました。
あとは、視力が弱まっている高齢の方であったりとか色んな方々にとっても便利なものになりそうですね。
なぜ視覚障害の社会課題に着目したのか?
その時にチームメンバーの増山が、障害者の方がレジでカードを見つけられずにレジ前で広げていて困っているというところを発見したんです。
この小さい日常の困ったというのも視覚障害者にとっては、社会課題であったりすごい不便だなと感じる事ではないかという気づきから、実際に視覚障害者の声を取ったりして自分達の暮らしの中でも社会課題なんだという納得感を持ってはじめました。
コロナ禍での対応
そういった視覚障害者の方と、コロナ禍で出会うというのが結構大変な点ではありました。
でも、この活動の中で色んな方にヒアリングとかもされたんですよね?
活動をしてきてよかったこと
後はこの活動自体を当事者の方とたくさんお話ししていく中で、活動自体がうれしいとか、なかなか理解されない視覚障害者の生活を大学生が発信してくれることがうれしいとか、「ありがとう」っていう言葉をいただけたことです。
商品だけじゃなくてこの活動を感謝されること、すごい嬉しかったです。
障害者と接してからの気持ちの変化
実際にこの商品を開発するにあたって、いろんな当事者の方とか福祉の方々と接してみて、接する前と接してみた後の気持ちの変化があれば、学生の率直な意見聞きたいですね。
身近にいる存在ではなかったので、自ら知りに行こうともあまり思えてなかったっていうところもありますし、街中で見かけても声をかけようっていう風には思えなかったかなと正直なところ思います。
でも、この活動を通じて当事者の方々とたくさん関わる中で、皆さん本当に温かくて、自分が抱えている障害に対してもすごい前向きにとらえて、前向きに生活しているなっていうことを感じました。
実際私たちの活動に対して積極的に背中を押してくれたり応援してくれたり、インタビューした後も積極的に関わってくれたりというところで、すごいたくさん温かく応援してくれたなというところもあります。
見えていないことを楽しんでいる姿
例えば私たちが印象に残っているのは、おにぎりの具材選びとかレトルトカレーであったり、スパゲッティのソースの味って見えないからわからないのを、楽しみながら運試しのように選んでいるんだっていう話を聞いたりして、それをすごい楽しそうに話していただいたんですよね。
だから、見えないこともポジティブに捉えて楽しんでいるというところを私たちは感じることができて、印象がすごく変わりましたね。
関わる前は「どんな世界なんだろう?」ぐらいしか思わなかったんですけれども、実際に関わってみて、こんなに明るくて優しいというのをすごい感じられたかなと思っております。
そうですよね、関わってみないとわかんない部分って言うのがあると思いますので、その点でもウェルサーチでは、福祉に関わってない人でも認知できるような活動もしておりますので、皆さんのような若者がこういった活動をしてくれることは、すごい嬉しいと思です。
視覚障害者からの反響
その中でも印象的だったのは、自分たちの生活の中で困っていることだったけど、自分でも気づかなかった内容だった。でもやっぱり当たり前に困っているよねみたいな、その所に気付かせてくれたみたいな声を、一番最初に言われました。
「これは頑張っていかなきゃな!」っていうのをとても印象深く残っているので、反響というか、僕の思い出みたいな話になってしまったんですけれど(笑)
視覚障害者の方たちと一緒に創りあげたい
今後もたくさんの視覚障害者の方と一緒に共に、この商品を作り上げていくというのが現在の目標となっております。
心から感謝をしてもらえるような商品を作りたいっていう思いがあるので、今後もたくさんの方と関わって、この商品を育てあげていきたいなという風に思っています。
もっと便利なグッズにしていくために
そして、まだまだ情報が足りないと思っているので、ぜひご協力であったり支援というものをしていただけたらなという風に思っております。
ぜひ、一緒に協力し合って商品化も進めていければと思います。ありがとうございました。
日野信輔
最新記事 by 日野信輔 (全て見る)
- 聴覚障害者とのコミュニケーションツールを学生が開発!ノートラブルとはどんな商品なのか? - 2022年8月2日
- TENGAの障がい者支援「able! project」に迫る!川越のB型事業所をインタビュー - 2022年6月29日
- バリアフリー映画を当たり前のものに|パラブラ代表の山上庄子さんインタビュー - 2022年3月17日
この記事へのコメントはありません。