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【当事者が教える】聴こえない人のコミュニケーションの取り方

四葉のクローバーを渡そうとする少女

皆さん、こんにちは。初めまして。

 

突然ですが、私は聴力障害があります。

 

今は障害者雇用制度で、多くの障害者を雇用してくれる企業が増えてきた様に感じられますよね。

 

一緒に働くうえで、障害のない方と障害のある方、お互い経験がない故に戸惑いが生まれることもあるんじゃないかと思います。

 

そこで、私が働いていた前職で感じた聴こえる人と聴こえない人の文化の違いについて書かせて頂こうと思います。

 

この記事を通して少しでも聴力障害とは何かを知っていただき、お互いに働きやすい環境になっていくことを願います。

 

仕事中に温度差を感じたこと

聴こえる方は声だけで、声の大きさやトーンでなんとなくの雰囲気や感情を読み取れますよね。

 

名前を後ろから呼ばれたときに、怒った口調なのか、嬉しそうな口調なのか。

 

勿論、口調だけではありません。

 

声のトーンでも、怒られる褒められる悲しんでいるなど相手の感情がわかります。

 

このように、顔をみなくても声だけで感情を感じ取れることができる。

 

つまり、コミュニケーションを取るのがスムーズなんです。

 

紡希
私は声で感情を読み取ることが難しいため、

もしムスッとした表情で話しかけられたら

「機嫌が悪いのかな?」

なんて不安になったりします。

 

本人にはそのつもりはなく、無表情なだけで声音は普通だったとしても耳が聞こえないため「この人はあまり感情が表情に出ないだけなんだな」という判断が難しいのです。

 

また、考えていることを多く語らない方が大多数だったのですが、そうすると感情が分かりにくく、掴みにくい。かと言って、何を考えてるんですか?なんて、聴くのも躊躇ってしまいますよね。

 

耳の聞こえる方はそこを声音で判断することが可能ですが、聴力に問題がある場合そこの判断が曖昧になってしまいモヤッとしたストレスがかかってしまうのです。

 

 

女性がモヤモヤしている。モヤモヤした吹き出しがある。

 

 

表情というコミュニケーション

コミュニケーションって言葉だけではないですよね。

 

手話や筆談は勿論ですが、表情は特に大切です。

 

もちろん、手話を覚えろとまでは思っていませんよ。

 

表情の次に大切なのは、目を見て話してくれる事

 

多くは筆談でのコミュニケーションが多かったのですが、その際も無表情でお褒めの言葉を書かれてもなんだか嬉しくないんです。

 

笑ってくれたり、身振り手振りで動作があるとないとでは、受け取り方も全然違います。

 

顔を見て、うんうんと頷いてもらえるとコミュニケーションを取れてる!と嬉しくなります。

 

紡希
逆になんのリアクションもないと、ちゃんと会話が成立しているのか不安になって困惑してしまうのです。

 

 

疑問を持っている人形

 

手話などのコミュニケーション

コミュニケーションの取り方は様々です。表情、声だけではありません。

 

動作という方法もありますよね。

 

外国の人に道を聞かれて、身振り手振りで伝える場面って見たことありませんか?

 

あんな感じで動作っていうのも重要なコミュニケーション方法のひとつですよね。

 

なかには読話といって話し手の唇の動きを読む方法もあるんですよ。

 

政治のニュースなどにたまに手話をしている方が移っていたりしますよね。

 

マイクに声は入らないのに、言葉を発しながら手話をしています。

 

その理由は読話をして内容を取り入れる方も大いにいるからです。

 

聴覚障害イコール手話が言語と思ってる人がまたまた多いですが、そんなことはありません。

 

紡希
だから、聞こえないからといってコミュニケーションを諦めないで欲しいんです。

 

 

緑色のハートを持つ手

 

仕事においてのコミュニケーション

私たちは、業務においても相手の顔や口を見ながら作業をしていたりします。

 

その際に手を止めてしまうことがありますが、もちろんわざと手を止めているわけではありません。

 

相手の唇をみて話を読み取ったり、筆談でコミュケーションをしなければならないので、どうしても作業を一時中断しなければならない時があるんです。

 

会議における当事者への配慮

また、会議などで人と人が話してる最中などに、話の内容が分からないので、

 

「申し訳ございません。ちょっと今の言っていたところが分からなかったので、教えて頂けないでしょうか?」

 

と本当は聞きたいのですが、会議を中断させてはご迷惑かな…。と、後回しにしてしまうこともあり、後で聞くと「え?今?」という雰囲気が流れたりします。

 

その人にとっては会議を止めてもいいからその時に聞いて欲しいという想いがあったのかも知れませんが、私にとっては結構勇気のいることだったりします。

 

事前に、「もし分からないことがあったら会議中でも話し中でも良いから聞いてね」など一言あると遠慮せずに発言できるようになると思いますし、こういった理由を健常者の皆様に知ってもらえるだけでも聴覚障害のある方は助かります

 

何より、お互いにスムーズにコミュニケーションが取れるようになるんじゃないかと思うのです。

 

ニコニコマークが会話している写真

 

聴覚障害者への意見交換が大切

片方だけが努力しても改善できる問題ではないかも知れません。

 

私の勤めていた会社に限る話かもしれませんし、聴覚障害がある人を積極的に雇用してる他の企業は、相互に理解し、共に仕事が出来る様に色々と意見交換をしながら、社会に貢献されてるかも知れません。

 

ですが、私自身は聴覚障害者と聴者との温度差で悩んでいたので、少しでも聴覚障害者だけではなく、どんなハンデキャップがある人とも、お互い積極的に意見を交換出来たらと思います。

 

「私はこう思うので、その様に対応してほしいです。」

「こう工夫してくれたら、もっと仕事がしやすくなります。」

 

などと意見交換をしながら改善し、共に相互関係で仕事がしやすい環境作りをつくることが今後、求められてると思います。

 

日本は、海外より何倍も遅延してる様な印象があります。

 

もう少し、俯瞰的に普段からコミュケーションの重要さが不可欠ということを心に留めて欲しいと伝えたいです。

 

紡希
以上、私の実体験でした。

 

聴こえない人とのコミュニケーションの際の参考になれば幸いです。

 

 

 

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紡希(つむぎ)

40代で生まれつき聴覚障害(聾唖)があります。ほんの少しでもハンデキャップがある、ない人関係なく、社会生活を生きて行けるよう、そのお伝いを微力ながらできたら。と思います。


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