先日、車椅子ライフデザイナーの
白倉栄一さんが開催されている、
「車椅子バリアフリーベーシックセミナー」
に参加させていただきましたので、
その内容をシェアいたします。
バリアフリーの概念が、発想の転換で
生活環境だけでなく、ビジネスにも繋がる
考え方を教えていただきました。
今回は、ベーシックセミナーなので、
車椅子利用者の生活におけるバリアを
知るところから、そのバリアを取り除くことが
生活の向上だけでなく、ビジネスにも繋がる
ことについて、事例を含めて知れましたので、
まとめていきますね。
お好きなところからお読みください
バリアとは一体どんなこと?
まず、バリアフリーの必要性について知る前に、
障害者の方々がどのようなことに
バリアを感じているのかをお伝えします。
4つありますので、
1つずつ説明していきますね。
1:物理的なバリア
物理的なバリアとは、おそらく
多くの方がイメージしていることで、
機械や建築、都市環境によるバリアです。
例えば、
- 段差
- トイレ
- 手すり
- 駐車スペース
などですね。
あとは、大きな交差点に点字ブロックが
ないので、横断するのが怖い
という意見もありました。
2:制度的なバリア
これは障害者という理由で、
制度上の問題がバリアとなっているケース。
例えば、
- 障害があるから資格がとれない
- 点字で試験がうけられない
- 盲導犬でお店に入れない
といったものが、この制度上の
バリアに当てはまります。
3:文化・情報面のバリア
文化や情報面におけるバリアとは、
主に視覚障害者や聴覚障害者など、
点字や手話サービスなどによる
情報保証が欠けてしまうことです。
例えば、
- 列車事故の車内放送が耳の不自由な方に届かない
- テレビ放送に手話や字幕がない
- Jアラートや緊急避難勧告が聴覚障害に伝わらない
といったようなことです。
4:意識上のバリア
意識上のバリアとは、無理解や偏見、
差別などによって起こるバリアとなります。
これは例えば、
- 点字ブロックの上に自転車を置く
- 歩道などの道路幅を物でふさぐ
- 車いす専用駐車スペースに健常者が駐車する
といったようなことです。
このように健常者にとっては
気付かないかもしれませんが、
障害者には4つのバリアが
生活の中に存在しているのです。
車椅子バリアフリーがなぜ店舗に必要なのか?
さて、ここからが本題ですが、
バリアフリーにすることが
なぜ店舗に必要なのかをお伝えします。
これはビジネスにも繋がってくることです。
まず、ここで考えてみましょう。
車椅子ユーザーと一緒に合計8名で
懇親会に行くことになりました。
必然とバリアフリー対応している
お店を探しますよね?
一人単価4000円だった場合、
バリアフリー対応しているというだけで、
28000円の売上がアップします。
最近は、学校も車椅子ユーザーが
増えてきております。
そうなると、必然的に学校側は、
修学旅行のときなどには、
バリアフリー対応の旅館を探しますよね?
対応していないところは、
知らない間にいつもの
上お得意さんがいなくなってしまう
可能性もあるということです。
バリアフリー対応していない店舗は、
このようなお客様を逃してしまっているのです。
数字から見るバリアフリーの必要性
日本における身体障害者の数は、
100人に約3人と言われています。
その数、約4000万人ですね。
それだけでなく、高齢化社会に伴い、
車椅子ユーザー数も増えることは
ほぼ確実でしょう。
つまり、
バリアフリー対応していない店舗は、
このような方たちから選ばれないので、
かなりの機会損失となっているのです。
…
…
…
これはほんの一例ですが、
バリアフリーにすることによって、
障害者・健常者、関わらず
お店に足を運ぶことができます。
これは、バリアフリー化をしていない
お店が多い、今だからこそチャンスなのです。
バリアフリー対応しているからこそ、
それが話題となって、お客様に選ばれる。
つまり、そこのお店じゃなければ
いけない理由が生まれてくるのです。
そうすれば、お客様もリピートしやすいですし、
口コミもどんどん広まっていきます。
もちろんお店の対応が悪ければ、
話は別ですが(笑)
【はま寿司のバリアフリー】
盛岡の車椅子でも入れるスナック
セミナー内で紹介されていた
素晴らしいスナックが盛岡に
あることを知り、調べてみました。
スナックですか?(笑)
と思わず突っ込んでしまったのですが、
話を聞くと素晴らしいお店でした。
入り口にはスロープと自動ドアで
店内も車椅子でも移動しやすいよう
幅広い設計となっております。
車椅子専用のトイレもあります。
しかも、身体が汚れた時に洗えるように
シャワーもついているという環境。
バリアフリーの設備が充実することによって、
障害者でも気兼ねなく楽しめることが
できるというコンセプトのお店。
えびぃずでは、健常者と
障害者の方々が共存して、
楽しんでいるとのことです。
ちなみに、「えびぃず」の看板です。
なんと看板に車椅子のマークを
つけているのです。
こういう障害者にも優しいお店だと、
スナックに普段行かない人でも、
居酒屋やレストランではなく、
「スナックに行こう!」となり、
先ほどもお伝えしたように、
「選ばれるお店」
になってきますね。
そうすれば、自然とお客さんも喜び、
売上もアップしていくかと思います。
「えびぃず」についての詳細は、
こちらにまとまっておりました。
→ えびぃず
編集後記
いかがでしたでしょうか?
今回は、ベーシックセミナーということでしたが、
知らないこともかなり多く、
とても勉強になりました。
バリアフリーにするということは、
みんなが生活しやすくなることにも
繋がってくるということです。
今や駅でのエレベーターは、
高齢者やキャリーバッグを
持っている方がほぼ利用しています。
駅でちょっとアンテナを立てて
見てみればわかるかと思いますが、
階段よりもスロープを歩く人が多いです。
つまり、
障害者が住みやすい世界というのは、
みんなが住みやすい世界になるのです。
以前の記事でもお伝えしましたが、
障害者のアイデアはとても貴重です。
関連:ヒルコ神とは障害者でえびす様の由来!富や福は障害から生まれたという説!
白倉さんもおっしゃっていましたが、
まずは小さなことからアンテナを
立てていくことが一歩だと思いました。
例えば、左利きの方というのは、
不便に思うことが多いかと思います。
自販機も右側にお金を入れるところが
ありますし、駅の改札も切符を入れる
ところは右側ですね。
こうした不便と思っているところに気付き、
身近なところから提案できるようになれば、
おのずと過ごしやすい世の中に
近づいていくのかなと思いました。
バリアフリーにすることが、
生活の向上だけでなく、
ビジネスにも繋がってくるのが
見えてきたのであれば幸いです。
バリアフリーに関しては、
最初はわからないことも多いかと
思いますので、お気軽にお問い合わせください。
→ お問い合わせ
また、白倉さんも車椅子関係の
役立つ記事をアップしてくれていますので、
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
1人でも多くの人が、
バリアフリーを意識し、みんなが
過ごしやすい世界になれればと思います。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
あなたのご意見や感想なども
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日野信輔
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