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思春期のうつ体験記|家族の対応で嬉しかったこと・嫌だったこと

  • 最終更新日:

思春期に精神疾患を発症するケースは少なくありません。うつ状態や摂食障害、リストカットなど、症状を抱えたお子さんにどう対応したらいいのか悩んでいる親御さんもいらっしゃると思います。

 

筆者も中学時代から双極性障害の兆候が表れ始め、高一の時にうつ状態が重くなり、精神科に入退院を繰り返すようになりました。同時に当時は摂食障害もあり、リストカットで自殺を図ろうとしたこともありました。

 

そういった体験から、家族にしてもらって、嬉しかった対応と、嫌だった対応を挙げていきたいと思います。

 

お子さんの性格によって、してほしいこと、してほしくないことは変わってくるかもしれません。また、発達障害などもあれば、特性に合った支え方があると思います。

 

“kanon”
今回は当事者の一例としてお読みいただければ幸いです。

家族の対応で嬉しかったこと

家族の対応で嬉しかったことは、以下の3つです。

 

  1. 入院中お見舞いに来てくれた
  2. 病気を忘れて家族で楽しむ時間を作ってくれた
  3. 友達の役割もしてくれた

 

“kanon”
一つずつお話ししていきますね。

入院中にお見舞いに来てくれた

何気ない時間が気分転換や癒しになった

高校時代は入退院を繰り返していましたが、日曜は両親がお見舞いに来てくれました。外出許可が出た時はファミレスに行って食事をすることもありました。

 

入院生活はやることがなく暇で、特に若い子だとうつでも活動性は残っていたりもするので、非常に苦痛です。こういう何気ない時間が、気分転換や癒しにになりました。

 

差し入れも嬉しかった

病室にスマホの持ち込みが不可という病院もあります。音楽プレーヤーや雑誌など、暇を潰せるものを持ってきてもらえた時はとても助かりました。

 

手紙や写真なんかも辛い時に手元にあるといいですね。また、お洒落なパジャマやスリッパなどが嬉しい子もいると思います。

「病院なのに?」と思うかもしれませんが、病棟に同世代の子がいたりして、結構そういうところを気にしたりするものです。

 

“kanon”
どんなものが好きなのか、本人に聞いてから持っていくと喜ぶと思いますよ。

 

過酷な状況下でも心の支えになってくれた

また、精神科の入院は一般病棟と違って、病状が悪化すると保護室という鍵の掛かった個室に入れられることもあります。

 

私も、合わない抗うつ剤で激しい躁状態になり、保護室に監禁状態になったことがありました。10日間もの間、保護室で、ベッドに拘束されている時、母がお見舞いに来てくれたのですが、面会謝絶で会わせてもらえませんでした。

 

顔を見ることはできませんが、ドアの外から母が「〇〇君(恋人未満だった男の子)から年賀状が来てるからね!!」と叫んでくれました。

 

“kanon”
「保護室から出たら嬉しいことが待っているから、今は辛抱だよ!」という母の愛情を感じました。

 

病気を忘れて家族で楽しむ時間を作ってくれた

うちの家族は全員歌うことが好きで、発症後も病状が安定している時は、よくカラオケに行きました。

 

“kanon”
思春期だと親と腹を割って話すというのはなかなか難しい場合もあります。

 

でも、歌は直接話さなくてもそれ自体がコミュニケーションになりました。

 

両親が若者に流行っている曲に詳しくなったり、逆に私が親世代の曲を知ることができるのも楽しい経験でしたよ。

 

うちはたまたまカラオケがコミュニケーションになりましたが、もちろんこれは歌じゃなくてもいいんです。お子さんがゲーム好きなら一緒にゲームをしてみるとか、サッカーや野球が好きなら一緒にテレビを観て応援してみるとか。

 

とにかく、病気を忘れて家族みんなで何かを楽しむ時間は癒しになります。特にお子さんの好きなことや得意なことだと、自己肯定感を支える糧になります。

友達の役割もしてくれた

母はわりと若者文化に興味を持つタイプだったので、一緒に原宿へ遊びに行ったこともありました。古着屋さんを見たり、好きなバンドのポスターやキャラクターグッズを買ったり、楽しかったです。

 

“kanon”
世代が違うとなかなか話が合わないこともあるかと思いますが、歩み寄って若者文化に触れてみるのもいいと思いますよ。

 

病気になると、学生生活を謳歌している友達とは疎遠になることもあります。「なんで自分だけが…」と苦しい思いをするため、自ら距離を置いてしまうこともあります。

 

そんな時、家族が少し友達の役割もしてくれたら、孤独が和らぎます。若者向けのテレビ番組やYoutubeチャンネルを観て、お子さんの世代の世界を知ってみるのもいいかもしれません。

 

家族の対応で嫌だったこと

家族の対応で嫌だったことは、以下の3つです。

 

  1. 摂食障害なのに毎日たくさんお菓子を買ってきた
  2. リストカットをした時にじっくり話を聞いてもらえなかった
  3. 等身大の自分を受け入れてもらえなかった

 

“kanon”
一つずつお話ししていきますね。

摂食障害なのに毎日たくさんお菓子を買ってきた

父は「お腹いっぱい食べること=幸せ」という概念が非常に強い人でした。

 

当時は双極性障害と共に摂食障害も併発していたのですが、父は病気について調べるということもなく、毎日菓子パンやチョコレートを私にたくさん買ってきました。

 

“kanon”
父にとってはこれを食べて元気になってほしいと思っていたのでしょうが、私にとっては地獄でした。

 

元気な時はまだ我慢できますが、うつ状態だと過食が止まらなくなり、数か月で20kgぐらい太ってしまうこともありました。

 

お子さんが摂食障害の場合は、絶対にこういった対応はしないであげて下さい。拒食や過食嘔吐の場合は痩せすぎが心配かもしれませんが、書籍を読んだり、主治医に聞くなどして、まずは病気の知識を得ることが大切です。

リストカットをした時にじっくり話を聞いてもらえなかった

仕方ないと思いますが、リストカットしている私を発見した時、元々パニックを起こしやすい母は完全に取り乱し、父はもう関わりたくないといった感じでした。

 

よく「リストカットは大人の気を引くためだ」なんて言う人がいますが、そんなことはありません。

 

“kanon”
この頃の私は、本気で「手首を切れば死ねる」と思っていました。

また、致死率の高い手段はまだ怖いから、自殺の練習のように捉えていた時期もありました。

 

それだけ、苦しみを抱えているということです。普段抱えているものが、形となって表れているだけです。

 

できることなら、処置をして、話を聞いてあげて下さい。また「リストカットすれば話を聞いてもらえる」とならないためには、日頃から気軽に相談できる関係を築いてあげて下さい。

 

そして、リストカットに代わるような、苦しみの吐き出し方を一緒に考えてあげましょう。

 

 

参考までに、八壁さんの自傷行為をやめたキッカケの記事も紹介させていただきます。

 

等身大の自分を受け入れてもらえなかった

「今は病気だけど本来は優等生」というプレッシャー

高校受験前は状態が安定していたこともあり、なんとか進学校に入ったものの、入退院を繰り返して、勉強どころではなくなりました。

 

でも、両親は「今は一時的に病気だけど、本来は優等生だから、またすぐ元に戻る」と思っていました。私にはそれが何よりも重荷でした。

 

私の意識としては、中学時代から躁鬱の波があり、成績も不安定で、自信を持てる要素は一つもないと思っていました。

 

“kanon”
生きづらい中、期待に応えるために、身を削って無理をしているという気持ちでした。

 

でも、特に父は「私の一番調子のいい時」が「本来の私」であると考えていました。私がドロップアウトしてから長い月日が経ち、数年前に亡くなるまで、その意識は変わらずに持っていました。

 

「自慢できない娘でも許してほしい」という本音

しかし、双極性障害は風邪のように一時的な病気というわけでもなく、今も完治とは程遠い状態です。結局は、躁鬱の波も私を構成する一部です。

 

当時は「例え娘が本質的に自慢できないような人間でも、生きていることを許してほしい」というのが本音でした。

 

“kanon”
父が愛しているのは、等身大の私ではなく、私のごく一部なのだろうか?

 

そう思うことが何より辛かったですね。

 

「親の期待に応えなければ」という思いと「病気で苦しい」という思いの板挟みでした。

 

本人よりも先に、親が病気を受け入れることが大事

辛い話になってしまいますが、精神疾患は一時的なもので終わるとは限りません。特に統合失調症や双極性障害、パーソナリティ障害などは、長い間付き合っていくというケースが非常に多いです。

 

思春期でまだ精神的に未熟な本人よりも、先に親御さんが知識を蓄えて、受け入れることが大事です。発症前と同じような期待は、負担でしかないとわかってあげて下さい。

 

また小さい頃から無理をしていた可能性も一度考えてみて下さい。易々と90点を取る子もいれば、必死で勉強してやっとという子もいます。

 

“kanon”
すごく背伸びをして、無理して頑張ってきて、うつになってしまうということもあります。

 

「今まで本当によく頑張ってきた」ということを理解してあげることも大切です。

 

思春期うつの対応まとめ

思春期に精神疾患を発症した時に、家族の対応で嬉しかったこと嫌だったことについて、体験談を踏まえてお話ししました。

 

まとめますと

 

嬉しかったこと

  1. 入院中お見舞いに来てくれた
  2. 病気を忘れて家族で楽しむ時間を作ってくれた
  3. 友達の役割もしてくれた

 

嫌だったこと

  1. 摂食障害なのに毎日たくさんお菓子を買ってきた
  2. リストカットをした時にじっくり話を聞いてもらえなかった
  3. 等身大の自分を受け入れてもらえなかった

 

という感じです。

 

今回は家族ができることを書きましたが、親御さんだけで抱え込まないことも大切です。

 

もちろん、カウンセラーなどの専門家に頼ることも有効です。お子さんがカウンセリングに行きたがらない場合は、親御さんだけで相談に行っても大丈夫ですよ。

 

なかなか治療が進まなかったり、自傷行為や進学についてなど、心配な面はたくさんあると思います。
でも、本人はさらに何倍、何十倍も辛いです。

じっくり構えて、ゆったりとした心持ちで支えてあげて下さい。

 

“kanon”
最後までお読みいただきありがとうございました。

 


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kanon

双極性障害Ⅱ型の♀です。パートナー(アスペルガー傾向の♂)と凸凹な二人ですが楽しく同居中です。 基本、面白いこと楽しいことが大好きなので、いつも元気でいたい! でも、天気だっていつも晴れじゃないし…と折り合いをつけて暮らしています。 手に職を付けようと、Photoshop、Illustrator、Webデザインを独学で習得したものの、全然お金にならず、心が折れている時にWelsearchに出会いました。 不得意なことがあっても、健常者のような働き方ができなくても、誰もが等身大で伸び伸びと生活できる社会がいいなあと日々考えています。


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