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解離性障害と幻覚と被害妄想のヘビーな体験談|八壁ゆかりの崖っぷちブルース第11回(空白の2年間_中編)

  • 最終更新日:

おはよーございます!

今日も今日とて健忘炸裂★ 八壁ゆかりの『崖ブル』のお時間ですわよ!!

 

——って、今「きょう」ってタイプしたら変換候補のトップが『境界性パーソナリティ障害』で、三番目が『強迫性障害』だった八壁です。毎日がエブリデイで病んでます。

 

さて、本日は前回と同様、連載をストップしていた間に起きた事件や体験を綴っていこうと思っ……

 

ってたら、色々ありすぎて文字数爆発した。

 

よって! ここで「前編&後編」という構造を撤回し、「前編&中編&後編」という感動の三部作にリライトすることを宣言いたします!!

 

がー、結構ヘヴィビターな話題もありますので、

今重い体験談を読んで『食らって』しまいそうな方がいらしたらご注意ください。

 

ゆかり
あ、別にグロかったりはしません!

 

ただ、『恐怖』の度合いが完全に異次元レベル、たとえるならオリンピックと世界選手権とグランプリファイナルで二位に数十点の差を付けてレジェンドとなったフィギュアスケーター・羽生結弦さんの演技レベルなので、お気を付けください(地味に推し事する奴)。

 

前編では、解離性障害の症状やニコチン依存、性自認の揺らぎ、そして発達障害発覚について書きました。

 

▼参考▼

解離性障害の私が38歳にして発達障害も発覚!空白の2年間に体験したこと|八壁ゆかりの崖っぷちブルース第10回目(前編)

 

ゆかり
未読の方はこちらから先に読んでやっていただいてもいいですし、もちろんこの記事だけでも一話完結のアニメばりに分かり易くお話しするので遠慮無く進んでも良きかと。

幻覚の悪化をリアルに語る

結論から申し上げますと、幻覚、悪化してやがります。

 

以前の記事では『入眠時幻覚』という、眠りにつくまどろみの中で見る幻覚について語りましたが、嗚呼、なんということでしょう、最近は入眠時でなくても精神的負荷がかかると、視界が暗いだけで色々見えるようになってしまいました……。

 

“ゆかり”

しかもさぁ〜俺の場合さ〜、ほら俺、小説書いてるだろ?

 

その影響か知らんが『幻覚が設定込みで見える』んだよなぁ……

 

 

入眠時のみならず、まばたき一回でも

毎度お馴染み主治医の鼻毛先生(仮名)は、私の知能テストの結果を見て、

 

「言語性IQは人並み以上に高いなぁ、せやから小説書けるんやろなぁ」

 

と語りました。

 

『言語性IQ』とは、主に言語を使った思考力や表現力の知能です。

 

それが関係しているかは分かりかねますが、私は幻覚を見る時、『こういうシチュエーションでこの人はこういう人でこの後こういうことが起こる(大抵ネガティブ)』という風に、しかもそれが覚醒時の『まばたき一回』でも見えてしまうのです。

 

具体的な内容は(過激なので)割愛しますが、上に書いた『ネガティブ』というより、もはやホラーレベル、不快で胸くそ悪くなるものばかりで、たとえ今のようにデスクで原稿を書いている状態でも、もしメンタル面が不安定だと、ふと気を抜くと見えてしまいます。

 

(※余談ですが、私が見る幻覚は実写でモノクロだったりセピアだったりしますが、さらにはアニメ調や絵画風に見えることもあります)

 

「四六時中そんな状態だったら流石に八壁ヤバくね?」

 

と、もしかしたら私を案じてくれる読者さまもいらっしゃるかもしれません(い、いなくてもいいもんっ!)。

 

しかし、幻聴幻覚などは、『とある行為』を開始し、それを半年以上継続して習慣化したことで、減少傾向にあります。

それについては後述いたしますので、ひとまず他の出来事、否、『事件』について書かせてください。

 

精神的に安定したから減薬を提案されたら…

〜閲覧注意〜

 

2022年の4月のことです。世間は新型コロナウイルスのパンデミックで殺伐としておりました。もちろん、現在進行形ではありますが。

 

その頃、私は精神的に非常に好調でした。鼻毛先生も驚くほどアクティブかつ安定していたので、先生に『減薬』を提案されました。

 

 

“ゆかり”
『減薬』!!

 

大進歩!!!

 

と、俺は喜んで応じ、鼻毛先生と薬品の変更を緻密に相談し、新たに処方された薬を飲み始めた——

 

ら……!

 

処方薬の変更で死を覚悟した件

最初は微熱と熱感でした。微熱は具体的には36.8℃から37.1℃という雑魚レベルでしたが、平熱が低いので、非常に辛かったです。

 

熱感とは、辞書から定義をそのままコピペすると、

 

全身または炎症のある局所に感じられる、熱っぽい感じ

 

で、私の場合は全身でした。

 

ですから、私の体感としては「こりゃ相当発熱してるぞ、やべぇ!」だったのですが、実際は上に挙げた程度の微熱。不気味でした。

 

これが五日ほど続き、流石に「コ、コロナか……?!」と思って発熱外来で検査を受けたところ、結果は陰性でした。

 

じゃあコレなに?!

 

と、さらに恐くなりました。

 

“ゆかり”
「ただの風邪かもしれないから、ちょっと休もう」

 

 

そう思って家事を夫に丸投げして休んだのですが、段々変な症状が出てきました。

 

一カ所にいるとそわそわして、身の置き場がない、というものです。

 

具体的に言えば、休んでいるベッドと、喫煙テーブルのあるキッチンの二カ所を、ぐるぐると行ったり来たりして、夫に「具合が悪いんだからベッドで寝てて」と言われても、ベッドにいると落ち着かず、気晴らしに煙草を吸いに行っても二口くらいでまたそわそわしてきて煙草の火を消しベッドに戻る、という往復が一日百回ペースで続きました(盛ってないよ)。

 

聴覚過敏で精神的ダメージ大

それだけでも辛いのに、今度は「聴覚過敏」という、音や声に敏感になって精神面にダメージを食らうというもとからあった症状が激化、家の前を通る人の声や車の音が、

 

“ゆかり”
痛いっ!

 

と感じられるようになったのです。

 

私はもともと、掃除機ドライヤーの音、人の声であれば「若い母親が子供を叱る声」「中年男性の集団の笑い声」などが特に苦手で、常時ノイズキャンセラの強いヘッドホンを使用していました。

 

ですからその時もヘッドホンをし、爆音で音楽を再生したのですが、向かいの通りにあるお店の客引きの男性の声が『耳にひっかかって』、その人の声や、店の開店準備・閉店準備の音、車の走行音、登下校する小学生の声などが、すべて『痛み』として聞こえるようになりました。

 

普通に考えれば、ちょっと変な話ですよね、『音が痛い』だなんて。

 

しかしながら、その時の私はどうやら普通ではなかったようで、痛い痛いと言いながら、道に面しているベッドルームから、奥のキッチンに避難しました。

 

もちろん、この時も微熱があり、目眩や熱感も健在でした。しかしそれでも痛いよりはマシ、と思い、夫が「ベッドで寝てなきゃダメだよ!僕も一緒にいるから!」と諭してくれても、ベッドで長時間休むのが困難になりました。

 

極度の被害妄想まで

その直後、他の症状に加えて、『極度の被害妄想』が発生しました。

 

たとえば、夫が、食欲皆無になってしまった私のために手料理を作ってくれても、

 

“ゆかり”
実は何か裏があるんじゃないか?

この人は本当に私のためを思って作ってくれたのだろうか?

 

という風に何事も悪い方悪い方に思考回路がぐるんぐるんしてしまうのです。これほど酷い症状は久方ぶりでした。

 

夫は本当に私のことを思い、料理のみならずあらゆるケア、看病をしてくれていたのですが、私にはそれが『善意・好意からのアクション』と受け止めることができなくなり、ますます精神的に追い詰められました。

 

——そして、限界に達した私は、ついに最悪の状態に陥ります。

 

“ゆかり”
夫が誰だか分からなくなったのです。

 

解離性障害の症状で結婚の記憶も飛ぶ

それに続いて、

 

結婚して実家を出た記憶を、一時的に失いました。

 

 

この連載を読んでくださっていらっしゃる方は、私のメインの精神疾患が「解離性障害」だとご存知かと思います。この疾患には、そういった症状が起こることがあります。

 

ですから、私は、

 

“ゆかり”
体調がめちゃくちゃ悪くて動けないのに、知らない男性に看病されている。

 

というわけの分からない認識になってしまったのです。

 

しかもその「見知らぬ男」は、しきりに「僕がいるから大丈夫」、「僕がいるから心配しないで」といった言葉を放り投げてくるのです。

 

「そんなん知らん奴に言われたら余計に恐いわーーー!!!」

(八壁の心情)

 

でも、想像してみてください。
もし仮に、貴方が私の立場だったら、どう思われるでしょう?

 

絶対、必ず、パニックになり、逃げ出して家族のもとに帰りたくなる、それが自然な発想ではないでしょうか。

 

私も、そうなりました。

 

ですから、夫が離席している間に、私はスマホを恐る恐るいじり、普段はLINEなどで都合を聞いてから通話する母親に、いきなり電話をかけました。

 

家族にヘルプを出したら

“ゆかり”
ねえ母、今凄く体調が悪いんだけど、知らない人に看病されてて、で、その人は自分のことを私の夫だって言うんだけど、え、私、結婚したの?

 

これには母親も、私の昔の症状を思い出してすぐさま対応してくれました。

 

「あんな、あんたは今東京におるんよ、千葉やなくて。大好きな人と結婚して、東京に住んどる。ちょっとその人に電話代わってくれへん?」

 

私は呆然とすると同時に、母親すら自分ではなく「見知らぬ男性」を信じている様子に恐くなりました。そしてスマホを『自称夫』に渡すと、会話が聞こえてきました。

 

『ゆかり、今記憶おかしくなっとるけど、旦那ちゃん大丈夫?何かこっちでできることあらへんかな?』

 

(※八壁母は声がでかいのでスピーカーモードにしなくても声が聞こえます)

 

「大丈夫です。僕がいますし、今すぐ必要なものは何もありません」

 

夫はそう言い切りました。

 

『分かったわぁ、迷惑かけて申し訳ないけど、私らはそっちによう行けんから、くれぐれもよろしく頼みます』

 

それだけで通話は終了しました。

 

私は、両親が助けに来てくれると思っていたのに、実際彼らはそうせずに、この『自称夫』の男性に私の世話を一任したのです。

 

なんじゃそりゃああああ!!

 

なんて、今でこそコミカルに書けますが、その時は本当に本当に恐かったです。

 

“ゆかり”
自分の言ってることが他者に通じず、両親まで私より『知らない人』を信用する。

 

何を主張しても相手にされない……

 

という状況で、もしかして自分はこれからこの『自称夫』の男性にすべて支配されてしまうのではないか……?とまで思い詰めました。

 

 

しかし一方で、夫は動じずに(それもどうかと思いますが・苦笑)、かいがいしく私の看病をしてくれたので、私は少しずつ、『自称夫』くんと話し始めました。

 

主治医の鼻毛医師は何していた?

さて、ここまで書いてみると、

 

「そんな大変な時に鼻毛先生はいったい何をしてるんだろう?」

 

と思われるかもしれません。

 

それが私の不運でした。ちょうど鼻毛クリニック(仮名)の連休日に、これが起こってしまったので、電話診察まで丸二日ほど待たなければならなかったんです。

 

そしてようやく電話で状況を話すと、鼻毛先生は薬の飲み方の調節、そしてFAXで新しい薬の処方箋を最寄りの薬局に送ってくれました。

 

夫は私のおくすり手帳を見て、ネットで調べたりして、彼なりに理解しようとしてくれました。それから、体調不良と恐怖で部屋の外に出られない私の代わりに薬を取ってきてくれました。

 

そして、それに含まれていた頓服を飲むと、私はほんの20分ほどで回復しました。

 

もちろん、体調は悪かったですし、夫への『誰か知らんが優しい人』感覚はまだありましたが、原因が分かって安堵したのです。

 

一連の症状の原因を自己分析!

何が原因だったのか?

 

これは、大量の薬を服用してきた私の個人的見解、つまり素人判断ではありますが、

 

レキソタン(※成分名「ブロマゼパム」)という薬の離脱症状

 

だったのではないか、と考えました。

 

「離脱症状」とは、薬物やアルコールといったものを突然ストップないし減量した際に起こる一種の禁断症状で、私のケースでは、前述した「減薬」の際にレキソタンというベンゾジアゼピン系抗不安薬を一気にストップしてしまったことに起因していたのではないか、と思います。

 

レキソタンは、私が発病してから四半世紀、ずっと飲んでいた抗不安薬です。減薬前は毎食後5mg飲んでいたものをいきなり無しにしてしまったのです。

 

“ゆかり”
阿呆やな、自分。

 

と、我ながら思いました。

 

結局、一週間ほど何も食べられなかったので体重が4キロ近く減っておりまして、「これはラッキーである」とか思いましたがすぐリバウンドで戻りました。

 

これは大きな教訓になりました。

 

もし精神系のおくすりを服用されている方がいらしたら、「離脱症状」にはくれぐれもお気を付けください。医師の指示なく薬を飲むのを止めたり、逆に不安などに駆られて規定量より多く飲んでしまう、といった行為は、本当に危険です。ご留意ください。

 

閉会式:どんだけネタためてんだよ俺

というわけで、前中後篇の中編はこの辺でおしまいにします。

 

いや、まだネタはあって書きたいのは山々なのですが、次のネタがまた強烈なんです。

 

「またこんな非現実的でホラーな体験してんのかよ八壁の奴!」

 

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

 

“ゆかり”
ええ、しました。

 

としか言いようがございません!!(哄笑)(開き直るな)

 

でも、ご安心ください。次回は「原因不明のホラー体験」ではなく、「単なる人災」、そして私がここ半年で格段に安定した理由である『とある行為』について、非常にポジティブなご報告がありますので!

 

では、ここらでどろん。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

 

連載シリーズ:八壁ゆかりの崖っぷちブルース

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矢壁ゆかり
病歴25年目突入のパンク主婦、物書き。 精神疾患を抱えたまま、高校不登校時に「そうだ、ニューヨークに行こう(永住的な意味で)」と思い立ち、全日制高校から通信に移り英語学校へ。卒業後、単身ニューヨークに飛ぶものの、病状の悪化で帰国を余儀なくされる。今でも英会話は得意。 主たる精神疾患は解離性障害とそれに伴う解離性健忘、最近は統合失調感情障害も加わった。健忘が酷すぎるので、「記録魔」そして「保存魔」として首都圏で名を馳せつつある昨今。 幼い頃から小説を書いており、新人賞でもかすりはするが一歩とか二歩とか及ばないのでそろそろ及びたい次第。記事一覧はこちら→八壁ゆかり


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病歴25年目突入のパンク主婦、物書き。
精神疾患を抱えたまま、高校不登校時に「そうだ、ニューヨークに行こう(永住的な意味で)」と思い立ち、全日制高校から通信に移り英語学校へ。卒業後、単身ニューヨークに飛ぶものの、病状の悪化で帰国を余儀なくされる。今でも英会話は得意。
主たる精神疾患は解離性障害とそれに伴う解離性健忘、最近は統合失調感情障害も加わった。健忘が酷すぎるので、「記録魔」そして「保存魔」として首都圏で名を馳せつつある昨今。
幼い頃から小説を書いており、新人賞でもかすりはするが一歩とか二歩とか及ばないのでそろそろ及びたい次第。記事一覧はこちら→八壁ゆかり

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