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障がい者アートで地域に笑顔を|新潟県のうおぬまアールブリュット芸術祭

  • 最終更新日:
うおぬまアールブリュット芸術祭

新潟県十日町市で、2022年12月20日から24日まで障がい者アートの祭典「うおぬまアールブリュット芸術祭」が開催されます。魚沼という地で行われるこの芸術の祭典。

 

開催をするに必要な資金を集めるためにクラウドファンディングが行われ、無事に目標額を達成することができました。

 

ジュン
今回は「うおぬまアールブリュット芸術祭」実行委員会である久保田さんに、クラウドファンティングにまつわる話やアートを通じてどのような世界を広げていきたいかを聞いてまいりました。

アールブリュット芸術祭について

 

アール・ブリュット

 

ジュン
まずは、久保田さんの自己紹介をお願いいたします

 

久保田さん
私は普段は新潟県十日町市という所で、障がいがある方の地域生活支援を行っており、そこで事務局長を務めております。

 

新潟県十日町市にある十日町駅を中心に、その半径1km圏内に働く場所であったりとか、重度の方が通ってくる場所であったりとか、他の障がい者の方が住む場所、グループホームですね。それらを運営させて頂いております。

 

ジュン
その活動が、「 特定非営利活動法人支援センターあんしん」様での活動ですね。

 

久保田さん
はい、あんしんでの活動内容になります。

 

特定非営利活動法人支援センターあんしんのロゴ

 

うおぬまアールブリュット芸術祭とは

ジュン
ありがとうございます。それでは、今回開催される「うおぬまアールブリュット芸術祭」についてのご紹介もお願いいたします。

 

久保田さん
私は今回、このうおぬまアールブリュット芸術祭の実行委員会でクラウドファンディング担当を務めさせて頂いております。

 

後ほどお話をいたしますが開催するにあたり、資金難という部分があり、クラウドファンディングを行うことになりました。

 

クラウドファンティングを行うにあたり、いろいろ情報を集めたり、担当の方とやり取りをしたりとかするような形で関わらせていただきました。

 

ジュン
うおぬまアールブリュット芸術祭はどのような企画なのでしょうか?

 

久保田さん
うおぬまアールブリュット芸術祭に関しては、新潟県の魚沼地域と言う新潟県の真ん中辺の地域で行う企画です。そこで障がいがある方のアートの祭典をやろうと考え、昨年度から行なっている企画です。

 

地域に眠っているアート作品、ご本人たちからするとアートとは思っていない。本当に日々書いている落書きであったりとか、その方の生活習慣の中で生まれる絵なのか文字なのかよくわからないようなものものも、違う角度で見るとおしゃれだよねとか綺麗だよねみたいなものがいっぱいあるんです。

 

そういったものを取り上げていろんな人に知っていただきたいというところでスタートしています。

 

ジュン
この企画にある「アールブリュット」とはどのような意味なのですか?

 

久保田さん
アールブリュットの意味は「磨かれていない」っていう意味ですね。芸術作品と言うと芸術の学校出たりとか、先生について作品をよりよくしていこうと皆さん自分の力を磨いているかと思います。

 

ですが、アールブリュットに関しては、その人自身が本当に作りたいものとか、その人が生活していく中で何となく作っている物など、ちょっと一般的なアート作品とは違いますよっていうところで色合いが分かれています。

 

ジュン
芸術というと敷居か高いですが、普段関わっている部分でも十分芸術的なものがありますからね。

 

うおぬまアールブリュット芸術祭開催のキッカケ

ジュン
この芸術祭を開催しようと思ったキッカケは、何だったのですか?

 

久保田さん
この活動自体、全国色々なところで行われているわけなんですが、魚沼地域は少し田舎というのがあり、行われてこなかったんですね。

 

そのような中、普段から障がいがある方と関わる中で、アート作品を見て、「これもそうだよね」とか「あれもアートだよね」という感想を職員がもっていました。

 

それらの作品を世の中に出したいという思いがあり、これはやるしかないということで昨年スタートしました。

 

アール・ブリュット実行委員会の皆さん

 

ジュン
こういう企画ですと、大きな都市で行われている印象は確かにありますね。

 

久保田さん
人口が多い都市圏の方が色々多くの作品があったりするわけですけれども、田舎で掘り起こしをしてみるといっぱい作品が出てきたんですね。

 

なので、そういったものをより多くの方に知っていただくことによって障がいがある方への見る目が変わると言うか、どうしても「障がい者」というと支援する対象というような見られ方が多いと思うんです。

 

そうではなくて、障がい者でもこんな素晴らしい作品が作れる、こんな素晴らしい能力があるんだというのを知っていただきたいと思い、始めました。

障がいがある作家さんが認められる社会に

ジュン
芸術祭を通じて、どんなことをしていきたいのですか?

 

久保田さん
この芸術祭を通じて障がいのある作家さん達が、公に認められる世界が広がっていくといいなと思っています。

 

普段は支援を受ける側、生活するにあたってご飯も自分で食べられないとか、言葉を話すことができない方とかいらっしゃるんですけれども、そのような方の作品自体が他の人に感動であったり、力を与えられる。

 

そういう世界が広がっていけばいいなと思っています。

 

ジュン
障がいのある方というと、どうしても支援を受ける側でなかなか自分で何もできないと感じる方もいらっしゃるかと思います。

 

そういう方に発表を通じて自信をもってもらうと。

 

久保田さん
そうですね、このような場に自分の作品が飾られる、自分の作品がこんな素晴らしい会場で飾ってもらえているというだけでも違うと思っています。

 

そういった機会を設ける一方、見る側もそこから色々なものを感じ取っていただきたいなという狙いがあります。

 

ジュン
この芸術祭を通じて、障がいのある方でもこんな素晴らしい表現ができるんだと知ってもらいたいですね。

 

新潟県の魚沼で芸術祭をする意味

ジュン
今回、魚沼でやることの意味はありますか?

 

久保田さん
魚沼地域、十日町市の「妻有(つまり)」という地域にて3年に1度「大地の芸術祭」という現代アートの祭典が行われています。

 

大地の芸術祭の清津峡渓谷トンネル

引用:大地の芸術祭

 

久保田さん
2000年からずっと行っていて、コロナでちょっと中止になったりしてたんですが、その大地の芸術祭が今年も行われて全国から現代アートに興味がある方が訪れます。

 

この大地の芸術祭は、博物館などに作品があるのではなく、里山の中に作品が点在しています。そういう芸術を受け入れる地域の中で、今回障がいがある方の作品展ができるところが非常に意味のあることなのかなと。

 

来てくださる皆さんは、普段からアートにに触れる機会が多くある方なので、そういう方にアールブリユットを見ていただけるというのは非常によいことなのかなと。

 

ジュン
地域的に芸術を受け入れてもらえるからこそ、見る方にも受け入れてもらいやすい部分はありそうですね。

 

久保田さん
今後大地の芸術祭とリンクしていけるといいなと考えております。また国宝の火焔型土器というのが十日町町に出土して、今博物館に飾ってあります。

 

本来であれば土器というのは、ただ煮炊きするための道具なわけなんですけれども、それを芸術的に作ろうと思った先人がいて、それが今現代の方が見てもそれが美しいと思えるようなものになっています。

 

そういう昔から美に対して感性が優れているようなここの地域で、芸術祭を行えるというところに非常に私たちは意味があると思っています。

 

 

クラウドファンティングをしてみて

ジュン
For Goodさんのクラウドファンティングにて、元々芸術祭を開催するために行ったものですが、他に何か広がったことはありますか?

 

久保田さん
普通にチラシを配るだけではなく、実際に寄付をお願いするようなことをやらせてもらって、それを通じて応援してくれてると言う方を自分たち自身も感じることができました。

 

今までも多くの方に来て頂いていろいろ感想をいただくんですが、お金を出してくださり、色々メッセージをつけて応援してくれるのがわかりました。

 

クラウドファンティングをやることによって、ただの興味のある方から進んでファンになって頂けたのかなっていうところで非常に意味のあるものだったかなと思います。

 

アール・ブリュット

 

ジュン
ちょっとした興味が、ファン獲得につながったわけですね。

 

久保田さん
私たちは10人ぐらいのスタッフでやってるんですけれど、スタッフそれぞれが動く事によって普段お世話になってる方がさらに協力的になってくれたり。

 

そういった意味でもクラウドファンディングをやって良かったなと思います。

 

クラウドファンティングをしてみてよかったこと

ジュン
クラウドファンディングをしてよかったことはありますか?

 

久保田さん
先ほどいった感じでファンになってくれた方が増えたことですね。後、私どもはB型の事業所を運営しているんですけど、そこで作ってるような商品が返礼品として役立ちました。

 

普段は何の気なしに作ってるものなんですけれども、そういった形で支援をしてくれた方に、「これ欲しいな」と言ってもらえる商品を渡せています。

 

そのことがそれを作っている利用者さんの励みになって、今まで以上に取り組んでくれたっていうのは非常に良かったかなと思います。

 

クラウドファンティングをして大変だったこと

ジュン
色々な方に本当によい影響を与えていますね。逆に大変だったことはありますか?

 

久保田さん
初めてのクラファンだったこともあり、通常の仕事をしながらの準備が非常に大変だったなと思いました。

 

ただ、For Goodさんが丁寧に説明してくださり、とても助かりました。

 

ジュン
写真や文章の準備も、どう魅力的なアピールにするのか難しい部分もありますからね。

 

久保田さん
それに関しては私一人で考えたわけではなくて、チームみんなでこう考えることができたので、より良い形に出来たんじゃないかなと思います。

 

ジュン
皆さんのお力あってこそですね。

 

クラウドファンティング後の開催準備

ジュン
無事クラウドファンティングが終わりましたが、開催までの準備はどのようになっていますか?

 

久保田さん
芸術祭が2022年12月20日からスタートなので、作品をどう飾るとより魅力的に見えるかというのをシミュレーションをしています。

 

芸術祭自体は、2022年12月20日から2022年12月24日まで開催されます。

 

ジュン
無事、盛況に進むことを願っています。

 

クラウドファンディングをやってわかったこと

ジュン
今回のクラウドファンティングを通じてわかったこと、気づいたことはありますか?

 

久保田さん
メンバーの違った面、こんな能力があるんだみたいなところを知ることができました。

 

今回のこのクラウドファンティングと、芸術祭をきっかけにまた地域のために違う活動ができるんじゃないかなっていうことを思いました。

 

アール・ブリュット

 

久保田さん
後日談になりますが、実は最終日のラスト2時間までは、正直目標達成は難しいかなと思っていたんです。

 

でも、For Goodさんから「最後は直接連絡が重要!」とアドバイスをいただき、それを信じてみんなで協力して頑張れました。

 

ジュン
どうしたら目標達成できるのか、何をしたらいいのかわからない不安に対して親身にサポートしていただけるのは、とても心強いですね。

 

うおぬまアール・ブリュット芸術祭の出展を通じて

ジュン
出展をきっかけに色々変わったこともあるかと思いますが、まずは出展する作品を作った皆様の心境などの変化がありましたら教えていただれけばと。

 

久保田さん
出展するにあたり、皆さん頑張って作品を作られて、作品が採用された時はすごい喜んでくれた方がいっぱいいらっしゃいました。

 

展示会自体はまだこれからなので、開催中、そして終わった後にどうなるかというのがちょっと分からないところではあるんですが、現時点では皆さん作品を採用してもらって非常に喜んでいる

 

これからも頑張ろうっていう感じになっていますね。

 

ジュン
最初の方にも少し話題にでましたが、やはり作品を作ってそれが皆さんにみてもらえるというのか自信にもつながりますね。

 

支援者も次の挑戦へ

ジュン
支援者側の方でも何か変化があったかと思いますが、その辺りはどのような感じでしょうか?

 

久保田さん
先ほども話させてもらいましたが、この活動をこれで終わらしちゃもったいないねというところで、この芸術祭を続けていこうというのもあります。

 

この繋がりでまたより良いことをやっていければなというのを、まだ全然頭の中の世界でしかないんですけれど、そういう話もでています。

 

ジュン
これが終わりではなく、まだまだ続いていく活動ですね。

 

この活動を通じて、実現したいこと

ジュン
これからも色々な活動をなされると思いますが、今後の目標はどのようなことがありますか?

 

久保田さん
まずは活動を今後もずっと続けていきたいというのがありますね。

 

後は魚沼地域には色々な魅力がありますので、そこもどんどん発信していきたいです。住んでいる方々も優しいですし、すごく住みやすい地域なんですね。

 

私たちも地域のために活動するなかで特にここがいいよと紹介していって、将来住んでもらいたいと思えるようになって欲しいですね。

 

実行委員会の皆様

 

ジュン
魚沼には魅力がたっぷり詰まっていますね。障がいとか関係なく住みやすい感じで。

 

久保田さん
都会のような便利さはないのですが、四季がはっきりしていて、食べ物も作れるし、水も綺麗なのも魅力ですね。

 

冬場、雪が多くなるのでその辺り大変だなと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、本当に住みやすい地域だと思っています。

 

この記事を読んでくださる方に伝えたいこと

ジュン
最後に、この記事を読んでくださる方にメッセージをお願いいたします。

 

久保田さん
2022年12月20日から24日まで開催される、この芸術祭に来ていただくのが一番嬉しいのですけど、もし芸術祭りに来られなかったとしても、魚沼という地域は非常に魅力的な地域ですので、是非遊びに来ていただきたいなと思います。

 

ジュン
ありがとうございました。

 

インタビューを終えて

うおぬまアールブリュット芸術祭にまつわるお話を聞かせていただきました。

 

クラウドファンディングは資金調達という手段以上に、仲間を増やし絆を深めていくという目的が強いなと感じ、このうおぬまアールブリュット芸術祭を通じて障がい者の活動がもっともっと世間に広がって素敵な世界になっていく、そんな印象を持ちました。

 

最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。

 

うおぬまアールブリュット芸術祭詳細

開催日2022年12月20日(火)〜12月24日(土)
開催場所越後妻有文化ホール・十日町市中央公民館「段十ろう」
開場時間9:00~
24日は15:00まで
入場料無料
電話025-752-4444
問い合わせうおぬまアール・ブリュット芸術祭実行委員会

 

 

Facebook:うおぬまアールブリュット芸術祭実行委員会 | Facebook

クラウドファンディング(募集終了):障がい者アートの祭典で、地域の笑顔を増やしたい! 

 

特定非営利活動法人支援センターあんしんについて

 

HPNPO法人支援センターあんしん 
所在地〒948-0076

新潟県十日町市住吉町1112番地3

TEL025-757-5511
FAX025-757-1144

 

 

 

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久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。


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