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福祉と地域が心豊かに関わる縁側|仙台のアンダンチをインタビュー

アンダンチ

今回は、福祉と地域を結びつける活動をされている「アンダンチ 医食住と学びの多世代交流複合施設」の代表者して・福井さんをお招きしました。

 

複合施設の面白さ、複合施設だからこそできること、その理念についてお聞きしました。私はそのコンセプトをお聞きして、深く感銘を受けてしまいました。

 

うぇるさーる
日本でも珍しい活動なので、あなたの心の中に「なるほど」「面白そう」という好奇心を芽生えさせてくれるお話ではないかと思います。

 

ぜひ、最後までお読みください。

仙台にあるアンダンチとは?

うぇるさーる
本日は、よろしくお願いいたします。

 

福井
よろしくお願いいたします。

 

今回のインタビューは、動画でも視聴可能です。

 

うぇるさーる
まず最初に、アンダンチはいつから運営されているんでしょうか?

 

福井
えっと……アンダンチは仙台市若林区なないろの里という新しい地域に、2018年の7月から出来ていますね。

 

うぇるさーる
事業内容をお聞きしてもいいですか?

 

福井
はい。喜んで。

 

事業内容はですね、サービス付き高齢者向け住宅があり、看護小規模多機能型居宅介護事業所・訪問看護ステーション

 

そして、障害者就労継続支援B型事業所があります。

 

企業指導型保育園で、保育園があって、飲食店であんだんち食堂という地域向けのレストランを行っています。

 

 

うぇるさーる
盛りだくさんですね。

複合施設というやつでしょうか。

 

どうしてそんなにたくさんの事業をやることになったんですか?

 

アンダンチ全景

アンダンチの始まりに迫る

福井
未来企画は、介護事業として小規模多機能型居宅介護事業所を2015年7月から始めているのですが、在宅支援のサービスですので住まいの必要性も感じ、高齢者在宅を作ろうという風に決めました。

 

うぇるさーる
なるほど。

 

福井
一方で、より医療とか、介護の情報発信する場で一般の方が医療介護のリテラシーを上げていくような活動が必要だなと思ったんです。

 

その場に飲食店だったりとか障害者の就労支援で障害の方の働く場も作り、いろんな人が交わる場づくりをしていきたい、というのを考えていて。

 

うぇるさーる
はい。

 

福井
いろいろ僕らが事業した感覚で「こうゆうのがあった方がいいよね」とか「もっとこういう方法でやっていきたい」というのを詰め合わせて作っていったのがアンダンチになります。

 

目指しているコンセプトについて

うぇるさーる
なるほど。

 

一般の方も関われるように飲食店を置く。障害者も関われるように就労支援を置く。

 

素晴らしいと思います。関わらないと知らないことって多いですもんね。

 

介護や就労支援のことは良く分からなかい方も多いですし。

 

福井
それが今は一般的なんだと思います。

 

 

うぇるさーる
そこから一歩踏み出したのが、アンダンチですね。

 

そのコンセプトは何なんでしょうか?

 

福井
アンダンチのコンセプトは、障害があってもなくても「心豊かに暮らしましょう」というところを掲げています。

 

地域の方もどんどん来ていただきたくて緩やかにつながる地域の縁側みたいな場所を目指して行っています。

 

アンダンチ

 

アンダンチってどんなこところ?

うぇるさーる
アンダンチでは、

 

  • サービス付き高齢者住宅
  • 看護小規模多機能事業所と訪問看護ステーション
  • 保育園
  • あんだんち食堂
  • 就労継続支援B型

 

と複合施設になっておりますが、1つずつ概要をお聞きしたいと思います。

アンダンチのマップ

アンダンチレジデンス

うぇるさーる
介護福祉サービスのアンダンチレジデンスについてお聞きしたいんですが、どんな施設でしょうか?

 

福井
アンダンチレジデンスは、50部屋あって2人部屋が4つあるので、54名まで入居可能です。

 

うぇるさーる
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)だとお聞きしました。

 

福井
はい。サ高住ですが、ほぼ自立の方から要介護5の方まで暮らしています。

 

大きな特色としてはあんまり施設っぽさを出したくないので、暮らしとか住まいっていうところに重点を置きました。

 

デザイン性も考えて作ってきました。

 

アンダンチレジデンス

HOCカンタキ 

うぇるさーる
HOCカンタキという施設?もあるとお聞きしました。

 

福井
HOCカンタキは、看護小規模多機能事業所と訪問看護ステーションが一体となっている事業所となります。

 

うぇるさーる
事業所なんですね。

 

福井
そうですね。

 

特徴としては、365日24時間医療ニーズが高くても在宅で暮らし続けたいという方をサポートしています。

 

うぇるさーる
なるほど。

 

アンダンチレジデンスの隣にあるんですよね?

 

福井
ええ。だから、アンダンチレジデンス向けと思われがちなんですけど、基本的には地域に出ていくという風に考えているんです。

 

現在アンダンチレジデンスと併用している方は2名くらいで基本的には外の地域に出て行ってます。

 

看護師が6名、理学療法士が4名とSTさんが1名。あとは介護福祉士がやっているという事業所です。

 

カンタキ

多様性を受け入れられる保育園

うぇるさーる
保育園もあるんですよね?

 

それを聞いて少しびっくりしました。

 

福井
アンダンチ保育園は、企業主導型保育という部類になります。

 

基本的には福利厚生の面が強くて、19人定員で0~2歳時のお子さんをお預かりしている保育園になります。

 

 

うぇるさーる
なるほど。

 

入所している高齢者の方々との交流などもあるんですか?

 

福井
あります。

 

高齢の方もですが、障害の方とも普段から関わっているので、多様性を受け入れられるような人としての土台が作れれば嬉しいなと思っています。

 

うぇるさーる
そんな子に育ってほしい!

 

アンダンチ保育園

機能がある食堂とは

うぇるさーる
食堂もあるんでしたっけ?

 

福井
あんだんち食堂ですね。

この食堂は2つの機能があるんです。

 

うぇるさーる
むむ。機能とは?

 

福井
1つは【一般的な地域向けのレストランという側面】と【アンダンチ内のセントラルキッチン】のような形で全事業所向けに給食を提供しています。

 

 

うぇるさーる
給食ですか。

 

福井
こだわりは、寝かせ玄米という特殊な圧力なべで炊いた玄米のご飯と地産地消とか体に優しい無添加にこだわった食事の提供を一般的にも提供しています。

 

うぇるさーる
体に良さそうですし、美味しそうですね!

 

食べてみたいです!

 

圧力鍋で炊いた玄米を3、4日寝かせて作る「寝かせ玄米」。食べにくい・美味しくない、という概念をくつがえす、もっちもち食感とお米の甘みが特徴。

就労支援を始めた理由

うぇるさーる
就労支援も行っていますよね。

 

どうして就労支援も始めたんでしょうか?

 

福井
アスノバ就労支援は、複合施設にある就労継続支援B型ということもあって、その方の特性に合わせた仕事づくりをできないかなというところから始まりました。

 

うぇるさーる
その方に合ったというのは、重要ですよね。

 

福井
今、3つの班に分かれながら清掃業務とか、庭木の世話をする環境整備班と、あとは物販班で駄菓子屋の運用もしています。

 

うぇるさーる
駄菓子屋というのは珍しいかも!

 

福井
あとは、モノづくり班として自社製品であったりとか、古紙のリサイクル封筒作りや印刷業務などを行なっている事業所です。

 

アンダンチが上手くいっているのは、就労支援B型のアスノバがあるからだという風に思っていて、現在もすべての事業にかかわりを持ちながらやっているというところでは、アンダンチに無くてはならない存在です。

 

うぇるさーる
そうですか。

 

そういって頂けると利用者さんも嬉しいでしょうね。

 

福井
地域向けのイベントとかも彼等の活躍によって支えられている部分は多いかなと思います。

 

アスノバメンバーとヤギ

駄菓子屋 

うぇるさーる
駄菓子のお話がありましたが、そのお話も聞かせていただいても良いでしょうか?

 

福井
福のや」という駄菓子屋ですね。

 

高齢者住宅の入口にあるので、地域の方が気軽に来てくださいます。

 

うぇるさーる
入り口にあるんですか?

 

福井
高齢者住宅の1階ですね。

 

入居者さんが店員やってくれないかな、と思っていたんですけど「やりたくない」って話が出て、なかなか口説き落とせず、就労支援の方に全部委託をしている形になっています。

 

福のや

就労支援の力を借りて

福井
彼らの特色として、いろんな品出しとか在庫管理とかもしてくれるし、値札のつけ方を10円の飴とかでもやってくれます。

 

そのおかげで、彼らがやっていないときの店番も非常に楽になりました。

 

うぇるさーる
頑張り屋さんなんですよね。障害がある方々は。

 

福井
僕らの小さい時と値段も変わってるものもあるじゃないですか。そういう部分も分かりやすく変えてくれるので、非常に見やすいと評判で。

 

入居者さんもその後は、手伝いを依頼すると手伝ってくれるようになりました。

 

福祉と地域交流の理想

うぇるさーる
なんで最初渋ってたんでしょう?

 

福井
どうやら店番をやりたくなった理由は「値段を間違えたくなかった」というのがあったみたいなんですよね

 

うぇるさーる
なるほど!そういうことですか!

 

福井
で、それがクリアになったので、非常にいい形になって。

 

地域の小学生達の行き場所になりつつあると思っています。

 

うぇるさーる
高齢者と障害者と子供たちとの地域交流。

 

うーん、福祉も知れる理想的な多世代交流の場ですね!

 

手をつなぐ家族

マスコットと福祉の繋がり

うぇるさーる
マスコットなるものもいるとお聞きしましたが、ゆるキャラみたいな感じですか?

 

福井
いやいや(笑)

 

生き物ですね。2頭のヤギがいましてアンダンチのマスコットになっているかなと思います。

 

うぇるさーる
ヤギ!?

 

それまた、なんでヤギなんですか?

 

福井
東北工業大学で飼われていたヤギなんですが、ここに引っ越してきてもらってます。

 

なぜかというと仙台市の若林区は唯一仙台の中で4年制の大学がないエリアでして、僕らが掲げる「地域づくり」とか「街づくり」でいうと、大学生のフレッシュさとかパワーが必要なんです。

 

大学と関係が作りたいなていうのもあって、大学との関わりをヤギを介して取りました。

 

うぇるさーる
なるほど。

 

福井
ヤギプロジェクト」というサークルがあるんですけど、部長をしていた女子学生がインターンを経て、そのまま就職するというような面白い関係も生まれてたりとかもあります。

 

うぇるさーる
へえ!それはまた、新しい可能性ですね。

 

福井
土日とかも、若い親子が家で出来た野菜の葉っぱとか皮とか持ってきてくれて、そういう人たちが自然に来れるきっかけになっていて、福祉に触れるきっかけ作りにも活躍してくれているヤギ2頭です。

 

うぇるさーる
ヤギ様様!

 

二匹のヤギ

アンダンチの取材を終えて

サ高住にはじまり、果てはヤギの飼育にまで世界が広がっているアンダンチ。

 

駄菓子を買いに来たり、あんだんち食堂の寝かせ玄米を食べに来た人が、高齢者や障害者と交流を持つことで高齢者が元気になったり、障害者がやりがいを得たりする。

 

そして、高齢者や障害者と交流することで一般の方にも様々なことを知ってもらう

 

福祉と地域が関わるだけでなく、相乗効果の可能性が、お話を聞いていて目に浮かんできました。

 

あなたはいかがでしたでしょうか?

 

さて、次回の記事はヤギによってアンダンチに就職したスタッフの方にお話をお聞きしました。

そちらの記事も併せて読んでいただければ幸いです。

 

 

アンダンチ

公式HP:https://andanchi.jp/

 

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ウェルサーチ 障害者・編集チーム

Welsearchの障害者・編集チーム。障害を持ったさまざまな方がリアルの日常や施設・職場での体験を発信しております。障害者の生活や考えはどのようなものなのか?感じ取っていただければ幸いです。


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