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手話パフォーマーHANDSIGN独占インタビュー【YouTube動画あり】

  • 最終更新日:

YouTubeで1000万回も再生されているミュージックビデオ僕が君の耳になる。そして、今回「青年版の国民栄誉賞」と言われているJCI JAPAN TOYP 2020で大賞を受賞。

 

そんな今、話題のボーカル&手話パフォーマーHANDSIGN(ハンドサイン)さんにウェルサーチで独占インタビューをさせていただきました。

 

  • ダンス
  • 手話

 

という新しいジャンルを切り開くHANDSIGNさん。

 

日野
今回は、HANDSIGNのTATSUさん・SHINGOさんに活動のキッカケや挫折のエピソードなど赤裸々に語っていただきました。

 

障害のある方や生きづらさを抱えて悩んでいる方に向けて、勇気づけられるメッセージも伝えてくれた豪華な対談です!

 

最後にプレゼントもございますので、楽しんでお読みいただければ幸いです。

HANDSIGNが手話を取り入れたキッカケ

動画verでご覧になりたい方は、こちらから見ることができます。

 

 

日野
では、さっそくなのですが、HANDSIGNの活動を始めたキッカケ。

 

HANDSIGNの原点について教えていただければと思います。

 

TATSU
「オレンジデイズ」というTVドラマがありまして、それを観て手話に興味を持ったんです。

 

日野
自分も世代でしたので、あの頃は大学生活に憧れを抱いてました(笑

 

TATSU
当時、ダンスをやっていたので、そこに手話を取り入れたらカッコいいんじゃないかな?とか、自分の好きな音楽が聞こえる人も聞こえない人もみんなに届いたらいいなっていう気持ちで始めたのがきっかけです。

 

ぶっちゃけ当時は、軽い気持ちでしたね。

 

 

日野
そのようなキッカケがあったのですね。

 

ちなみに、手話のどんなところに惹かれたんですか?

 

TATSU
柴咲コウさんが耳の聞こえない女性の役で、妻夫木聡さんがどんどん手話を覚えていく姿が、障害がある人・ない人っていう感じがしなかったんですよね。

 

聞こえないから頑張って手話を覚えるとかじゃなくて、人と人との魅力に惹かれていって。その「話すツール」がたまたま「手話」だったんです。

 

すべてを超えて通じあえるものが手話ってスゴいと思って、そこに惹かれました。

なぜ実話を届けるようになったのか?

日野
HANDSIGNさんの曲は、実話をもとにしたものが多いですが、なぜ実話を届けようと思ったのでしょうか?

 

TATSU
活動して10年くらいは、聞こえない人のことは一切触れずにきたんです。

 

日野
えっ!そうだったんですか?

 

TATSU
はい。歌詞にするのに抵抗があったんですよね。

 

でもある時、聞こえない人と聞こえる人で実際に付き合ってて、結婚された方とあるイベントでお会いしたんです。

 

そこで、いろいろ話を聞いていたら「あっ。素晴らしいな…」って純粋に思ったんですよね。

 

「そういう人の話をいつかできたらいいな」ってずっと思ってた時に、元々いたメンバーが、「実は僕が大学時代に一緒だった子がこれから結婚するんです」って。

 

それってもしかして俺が観てた「オレンジデイズ」と一緒じゃん!って思ったんです。

 

 

日野
たしかに!

 

シンクロした出来事があったのですね。

 

TATSU
だから、もしこの曲を作ったら、僕みたいな人が世の中に増えてくれるんじゃないかなと思って、実話の曲を作ろうって決めたんです。

 

手話を知ってもらうキッカケ作り

日野
HANDSIGNさんの曲がキッカケで、手話に興味を持ったという方も多そうですね。

 

YouTubeを拝見していても、コメントなどですごく共感されている方も多いですもんね。

 

SHINGO
ミュージックビデオを観てくださった方からコメントをたくさんいただいているんですけど、「私も同じ体験した」っていう聞こえない方も多いんです。

 

あとは「僕が君の耳になる」の逆パターンで女の人が「私の耳になって」って告白したりっていうエピソードとかいろんなのが書いていただいて、本当に嬉しいですね。

 

作品としてまた違うストーリーで皆さんに観ていただくことで、「こういう世界があるんだ」って知るキッカケがもっと増えればと思っています。

 

 

日野
HANDSIGNさんのようなエンタメから福祉を知るキッカケを提供されている活動は、福祉に携わる身としては、スゴく嬉しいですね。

 

TOYP2020で大賞を受賞

日野
今回、「青年版の国民栄誉賞」とも言われている『JCI JAPAN TOYP 2020』でグランプリの受賞おめでとうございます。

 

YouTube拝見させていただいて、TATSUさんからは受賞のコメントがあったのですが、SHINGOさんからもこのグランプリを受賞されたことについて、感想をいただければと思います。

 

SHINGO
そうですね〜、15年間こうやって活動してきた中で、出会ってきた昔のメンバーだったり、元々の仲間だった人たちだったり、ダンスを教えてくれた先生だったり、手話を教えてくれた先生だったり、いろんな人のサポートがあって、ここまでやってこれたことを改めて体感しました。

 

それをTOYPという社会的な賞で称えていただく機会は、これまでなかなか無かったので、1つの僕たちの誇りというか自身にも繋がりました。

 

また、他の活動をされている方のお話とかもこのイベントをきっかけに見る機会があったので、より僕たち自身の世界も広がったかなという気持ちがあります。

 

 

日野
ありがとうございます。

 

手話がメジャーでない頃から15年間に渡って、ボーダレスの新しいエンターテイメントを続けてきているのは、とても素晴らしいです。

 

TOYP2020の大賞、本当におめでとうございます。

TOYPとは

TOYPとは、The Outstanding Young Persons=傑出した若者たちという意味で、国際青年会議所(JCI)が主催されている世界的なグランプリです。

 

うぇるさーる
過去にアメリカでは、ジョン・F・ケネディー氏、日本では、サッカーの三浦知良氏などの著名人も受賞されております。

 

  • 環境
  • 医療
  • 経済
  • 政治
  • 科学技術
  • 文化・芸術
  • スポーツ

 

などの様々な分野で、社会に持続的なインパクトを与えうる20歳〜40歳までのスゴい若者を発掘し、さらなる活躍を国民みんなで応援しようという企画。

 

HANDSIGNの原動力とは

日野
HANDSIGNさんの活動を通して、多くの方と出会ってきたかと思います。

 

まだ手話もメジャーではない15年前から活動を続けられた原動力って何なのですか?

 

TATSU
聞こえない女性からいただいた言葉なんですけど、僕らを観て、手話も付いているし、音楽に対して意識が変わって、ある時、お母さんと一緒にライブに来てくれるようになったんです。

 

お母さんは聞こえるんですけど、「この人生でまさか聞こえるお母さんと一緒に楽しめるものができると思わなかった。」って言われたときには、改て手話ってスゴいなって感じました。

 

日野
多くのろう者にとっては、本当に夢だと思っていた「一緒に音楽を楽しむ」ことが実現できるのは、とても嬉しいと思います。

 

TATSU
あとは僕ら今、神奈川県とか全国の学校を回ってるんです。

 

神奈川県の中学校でライブをやった時に、耳が聞こえる女の子なんですけど、僕らを観て、手話に興味を持ってくれたんですよね。

 

それで手話サークルがある高校に行って、手話サークルの部長になって、今は手話に関する仕事に就いて、僕らの手話とダンスと歌の活動から中学生とか高校生に人生のいろんな道の中の1つになれたことがスゴく嬉しかったです。

 

 

日野
若い子たちに夢を与えているのが、本当に伝わりますね。

 

TATSU
あとは僕たち2人、ろう学校で臨時教師を半年間やってたんです。

 

その時にダンスを教えていて、めちゃくちゃ頑張る男の子がいたんですけど、その子がある時、「僕、将来の夢ができました。ダンスの先生になることです!」って言われたのは、やっぱり感動しましたね。

 

最初は、ダンスをやったことがない段階から、だんだん好きになっていって、最終的には僕のようなダンスの先生になりたいと言ってくれた時は、嬉しかったですね。

 

日野
実際に手話やダンスを習うだけじゃなくて、それらを使った職業を目指すようになるなんて、HANDSIGNさんの活動の影響力がすごいです。

 

HANDSIGNでの活動で挫折も経験

日野
聞けば聞くほど、素敵なエピソードが出てきますね。

 

いろいろな賞を受賞されたり、一見、順風満帆に階段を登ってきたように見えますが、挫折など経験されたこともあるのでしょうか?

 

TATSU
やっぱりメンバーがいなくなっていった頃ですかね。

 

元々は2人で始めたんですけど、メンバーが増えて、辞めて、増えて、辞めて…結局2人に戻ってきたんですけど、相当しんどかった時もありましたね。

 

挫折を乗り越えられた理由

日野
そのような経験もされてきたのですね。

 

それを乗り越えられた理由って何だったんですか?

 

TATSU
幼なじみの相方2人の団結力だったりとか、そういうものがあったから、頑張れてこれたかな。

 

あとは、ファンの人たちの声とか支えてくれる人たちがいたから、本当に15年間やってこれたかなって思いますね。

 

日野
本当に強固な絆なんですね!

 

SHINGO
あとは2人とも「挑戦」が好きなのかなって振り返ると思いますね。

 

やってみたら評判がよかった。じゃあ、続けようっていう気持ちになって、それから続けていったらアポロシアターで賞がいただけた。

 

それがずっと続けようって思える気持ちを押し続けてくれて、また今回15年間やってきたことをTOYPでも大賞っていう形でもらえたり。

 

もちろん遠回りして、いろんな事やってた時期もすごくあるけど、なんか挑戦することはずっと好きなのかなって思うので、諦めようって本気で思ったことはまだないですね。

 

 

日野
ありがとうございます。

 

これを読んでいただいたいる方も何かしらの障害だったり、生きづらさを抱えている方が多いので、そういったお話はとても勇気づけられると思います。

 

障害のある方に伝えたいこと

日野
ウェルサーチの読者さんは、障害のある方や生きづらさを抱えている方が多いのですが、その方たちに向けて伝えたいメッセージなどいただければと思います。

 

TATSU
かしこまりました。

 

これは、聞こえない方と飲んでいる時に話したんですけど、「聞こえないからちょっと無理だな…」とか思っちゃう人もいるんですよね。

 

僕らも15年やってきたから、やっとわかってきましたけど、ハードルを上げすぎると難しいのかなって思います。

 

何をやるにしても「最初の1歩」って一番難しいんですけど、この「1歩」ができちゃえば、意外とその後はスムーズにいくんですよね。

 

日野
たしかに最初の1歩ってすごくエネルギーいりますし、不安な部分もありますからね。

 

TATSU
ですので、「聞こえないを理由にして、やらないのはもったいないよ」っていう話もしたんですよ。

 

だから「1歩」出るような気持ちを持てるといいのかなって思います。

 

活躍されている方のエピソードを知ることも重要

TATSU
あとは、表に出てくる障害のある人たちを見てると、障害を個性にしてることがスゴく多かったりします。

 

今、障害に対してネガティブに思っている方たちも、ちょっと視点を変えて覗いてみると、障害を個性にして、モデルになったりとか、いろんなことをしてる方ってけっこういます。

 

だから、もし辛くなったら、そういう方たちの人生を見てみると、「この人も苦労をしたけど、今こうして輝いているんだな」って勇気づけられます。

 

日野
「○○さんだからできたんじゃ…」と思う方もいらっしゃいますが、今、活躍されている方々も最初は同じような状況の方も多いですからね。

 

TATSU
僕も逆にそういうのを見ると、「この人こんな辛い思いをしてるけど、こんだけ這い上がってここまで成長したんだ。スゴいな。」って思って、僕もそれに感化されたりします。

 

どんな形でもいいから、一歩進めると変わるかなって思います。

 

エンターテイメント×福祉

SHINGO
今はまだうまくいっていないけど、頑張ってる方もたくさんいらっしゃると思うんですよね。

 

僕らは耳が聞こえない人に特化してるんですけど、そういった方々をモデルにした曲を出して、知ってもらうキッカケを作ったりしてます。

 

あとは、ダンスをずっとやっているので、聞こえない人にもダンスを届けて好きになってもらったりとか。

 

障害のある方たちのエンターテイメントも今スゴい広がってて、「エンターテイメント」×「福祉」みたいな事業にどんどん僕らも協力できたらなっていう気持ちがありますね。

 

 

HANDSIGNの活動を通じて実現したいこと

日野
最後に、HANDSIGNの活動を通じて、実現したいことをお聞かせいただければと思います。

 

TATSU
「カルチャー」を作っていきたいっていうのはありますよね。

 

「手話」と「ダンス」と「歌」で1つのカルチャーを作りたい。例えば、僕は世代じゃないんですけど、「ボディコン」ってあったじゃないですか?

 

日野
バブル期のイメージによく出てくるアレですね。

 

TATSU
はい。

 

その次に「パラパラ」がきてたり、「トランス」がきてたり、ダンスでも「カルチャー」が出てきましたが、クラブでパラパラの手話みたいな、そういう文化があってもいいのかな。

 

DJがいて、聞こえる人も聞こえない人もクラブで同じような曲を手話でやったりとかっていう、そういう文化を作っていきたいですね。

 

日野
障害のある人もない人も一緒に楽しめる。

 

そういった未来がなんかイメージできました。

 

手話がTVでも一般的に

TATSU
あとは、ニュースで小池都知事の横で手話とかよく見るじゃないですか?

 

あれが歌番組にもあってもいいんじゃないか?とか、もうちょっとエンターテイメントとして手話を発信していきたいですね。

 

そのためには「僕が君の耳になる」みたいな音楽とダンスをもっと広めることによって、手話って意外と入りやすいんだなって思ってもらう。

 

そういう世界にできたらいいかなって思ってます。

 

 

HANDSIGNがキッカケで手話を覚える人も

日野
HANDSIGNさんの歌とか曲を見て、手話を覚えたいって人も多いんですか?

 

TATSU
多いですね。特に中高生がものすごく多いです。

 

Tik Tokでも手話を歌にのせてやる人がめちゃくちゃいるんです。

 

それがパラパラじゃないですけど、もっと幅広い世代に広まればいいかな。

 

日野
そういった自然な形で手話が広まると嬉しいですよね

 

SHINGO
エンタメ業界の人と初対面で「手話やってる」って話をすると、だいたい「アメリカのラッパーで隣にカッコいい手話の人がいてさ!」みたいな話になることが多いんですよ。

 

そんな感じで日本の音楽シーンとかにも、礼儀正しいような手話じゃなくて、「ハジケてね?あの人!」みたいになれば。

 

あとは、DOZAN11(三木道三)さんと「Lifetime Respect」をやらしてもらったんでけど、他のアーティストさんとのコラボをきっかけでどんどん広めていきたいなって思います。

 

 

TATSU
昔に比べると、手話に興味を持ってくれるアーティストさんも増えたかなって思います。

 

僕らが始めた15年前に比べたら、全然広まってきましたね。僕らも「手話」と「ダンス」と「歌」でどこまでいけるかっていうのは、僕らの挑戦ですけどね。

 

日野
いや〜、終始すてきな話をありがとうございました。

 

HANDSIGNさんの取材を終えて

いかがでしたでしょうか?

 

「僕が君の耳になる」は、YouTubeでも1000万回も再生されていて、青年版の国民栄誉賞であるTOYP2020でも大賞を受賞されたり、今話題となっているHANDSIGNさん。

 

こうした輝かしい活躍だけでなく、当時の悔しい想い、挫折を乗り越えた体験という貴重なお話まで聞けて、勇気づけられた方も多いのではないでしょうか?

 

福祉に携わっている身としては、HANDSIGNさんのようなエンターテイメントから自然な形で福祉・障害者の認知が広まるのは、とても嬉しいものです。

 

日野
ぜひ今後もみんなでHANDSIGNさんを応援していきましょう!

 

そして、福祉をもっと一般的なものになって、誰もが過ごしやすい世の中に近づければ嬉しい限りです。

 

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日野信輔

日野信輔

株式会社Nextwel代表取締役。Welsearch編集長。ソーシャルビジネスに特化したWebマーケター。障害者プロデュース・福祉事業所やNPOの伴奏支援などしております。得意分野:工賃アップ/障害者の仕事づくり/集客。詳しいプロフィールはこちら→日野信輔


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