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障がい者保護者の方に伝えたい「積極的障がい者雇用のススメ・子どもは成長すると信じることが第一歩」(連載6回)

  • 最終更新日:

「支援される側」から「支援する側」へ|積極的障がい者雇用のススメ

 

【最終回】「障がい者が企業の戦力的なパートナーになる」というと、驚く方がまだまだ少なくありません。本連載では、福岡で障がい者メンバーとチームを組んでITを活用した仕事を続ける就労継続支援A型事業所「カムラック」を運営する賀村さんの書籍『日本一元気な現場から学ぶ 積極的障がい者雇用のススメ』から、障がい者とのパートナーシップの実践をお伝えします。

 

本連載は書籍『日本一元気な現場から学ぶ 積極的障がい者雇用のススメ』(著:賀村研/2016年9月発行)の一部を抜粋・再編集し収録しています。

 

 

保護者に求められる支援とは

障がい者のお子さんを持つ保護者の方のなかには、「いつまでも子どもが心配」と感じている人も少なくありません。

 

たしかにこれまでずっとケアをしてきたのは保護者の方ですから、そのお気持ちも無理はないでしょう。しかしまた、過保護になりすぎて、障がいを持つお子さんが自立できないケースがあるのも事実です。

 

まずは、お子さんが成長するということを信じることが大切です。

ほかの障がい者の方の話を聞いたり、活き活きと働いている障がい者の方を実際に見てみたりするとイメージができるかもしれません。

 

あとは、食事や睡眠など体調面の管理を手伝ってあげてほしいと思います。仕事に集中できる環境作りを意識してください。

 

ときには、お子さんから仕事の愚痴を聞くこともあるかもしれません。人間は弱音を吐いてすっきりすることもありますから、聞く機会は大切にしてほしいと思います。

しかし、すべてを鵜呑みにはしないでください。仕事をする誰にだって、少なからずストレスはありますよね。一時的に弱気になっていることや苛立ちを過剰に捉えてしまうと、お子さんの成長の機会を奪ってしまうことにつながる危険性があるからです。

 

子どもの限界を決めない

「パイレーツ症候群」という保護者の方の心情に、悩まされたことがあります。

 

自立しようとする子どもをお母さんが自ら崩してしまうというものです。「うちの子は私が一番わかっている」「私と一緒にいるときが一番幸せなはず」と子離れができず、子どもに依存している保護者が引き起こす現象です。

 

障がいを持つ子は保護者と一緒にいる時間が長くなりがちなので、特にそうしたことが引き起こされがちです。しかし、保護者はずっと子どもと一緒にいられるわけではありません。生きている以上、いつか別れがきます。
そう考えると、お子さんが1人で生きていけるような術を身に付ける支援をしていくことこそが重要だと考えられるのではないでしょうか。

 

また、保護者のなかには、よかれと思って「症状を理解してください。うちの子にはできませんよ」「この子はこんな障がいを持っているのだから、無理をさせないでください」と障がいを持っているお子さんの限界を決めてしまうことがあります。

 

 

こうした障がいや症状によって限界を決めてしまうことは、お子さんはもちろん、同じような障がいを持っている方にも影響を与える場合があります。同じような障がいを持っていても、人によって能力やスキルは違うということを、私はカムラックを運営するなかで見てきました。ですから、「この障がいだからできないはず」と決めつけてしまうのは間違いです。

 

もし、こうした発言が公になれば、お子さんだけでなく、同じ障がいを持っている人の可能性すらつぶしてしまいかねない。それだけの責任がある発言なのです。

 

私は、保護者の方にも一緒になって、障がい者が仕事上の戦力となることを信じていただきたいと思います。心配になる気持ちもわかります。しかし、きっと信じてみることで、お子さんの喜ばしい変化を見ることができるはずです。

 

(本連載は今回で終了です)

 

本連載シリーズの記事一覧はこちら。

「支援される側」から「支援する側」へ|積極的障がい者雇用のススメ

 

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