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特別支援学校5つの進路先!知的障害者の進路状況はどうなっているのか?

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知的障害者が特別支援学校の高等部を卒業した後に、どのような進路先・仕事があるのかあなたは知っていますか?

 

実はこれってあまり知られていないと思います。といいますのも、インターネットなどで調べようとしても、まとめられたものが少なく、調べにくくなってるのが現状です。

 

まず初めに、特別支援学校の進路先について、結論からお伝えしましょう。一般的に、特別支援学校を卒業した知的障害者の進路先には

 

  • 一般企業
  • 就労移行支援事業所
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型
  • 生活介護事業所

 

の5つが主な進路先となっております。一般企業ではどのような仕事をしていて、生活介護事業所ではどのような作業をしているのかを紹介しますが、その中でも今回は、理解することが難しい3つの事業所についてメインで書いていきたいと思います。その3つの事業所とは、

 

  • 就労移行支援事業所
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型

 

の順番で説明していきます。それぞれ特徴や形態が違ってきますので、気になる事業所からお読みください。

特別支援学校の進路先はどうなってるの?

冒頭でお伝えしたとおり、特別支援学校を卒業した知的障害者の進路状況としては、

 

  • 一般企業
  • 就労移行支援事業所
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型
  • 生活介護事業所

 

の5つが主な進路先となっております。それぞれ特徴や収入面なども違いますので、1つずつ事例を踏まえてお伝えしていきます。特に

 

  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型
  • 生活介護事業所

 

については、わかりにくいので、1つずつ詳しくお伝えしていきます。

 

どのような施設なのかのイメージの参考にしていただければ幸いです。まずは、一般企業からいきましょう!

知的障害者の進路先①一般企業

知的障害者の一般企業の進路先としては、

 

  • 飲食店(食器洗い、清掃など)
  • バックヤード
  • 品出し
  • スーパー
  • 清掃会社

 

などの事例が多いです。その中でも、接客業の仕事は比較的、少ないことが多いです。

 

知的障害者の進路先②生活介護事業所

2つ目の生活介護事業所とは、常に介護を必要とする方、つまり、重度の障害者が利用する施設です。主に日中に

 

  • 入浴
  • 排せつ
  • 食事等の介護
  • 調理
  • 洗濯
  • 掃除

 

などの生活等に関する相談や助言をしながら、援助や支援をしていく施設です。仕事の内容としては、

 

  • クッキー作り
  • 箱折
  • ラベル貼り

 

などが主な作業内容となっております。

 

 

知的障害者の進路先③就労移行支援事業所

一般企業と生活介護事業所についてお伝えしましたが、残りの3つは、ちょっとわかりにくい部分が多いので、1つずつ説明していきますね。

 

まず就労移行支援事業所について、特徴からどのような収入形態・どのような訓練があるのかを詳しく解説していきます。

 

(1)就労移行支援事業所とは

就労移行支援とは、障害者総合支援法によって定められたサービスです。

 

原則として、一般企業への就職することを前提とし、そのための知識や能力を身につけるために訓練していきます。就職するためにサポートしてくれ、就職後も長く仕事が続くようにしてくれます。

 

(2)期限

期限は24ヶ月(2年間)で、利用が可能です。就労移行支援は、この2年間の間に就職先を探さなければなりません。

 

従って、2年間しか利用することができないため、次の進路先がなかったとしても事業所を卒業せざる負えません。

 

(3)工賃・給料

就労移行支援は原則、事業所から給料や工賃が支払われることは基本的にはありません

 

一般の企業に就職するために必要なことを身に付けることを目的としています。仕事をしているという感じではなく「学校」で学んでいると考えて下さい。

 

(4)雇用契約

就労移行支援事業は訓練するための機関ですので、雇用契約を結ぶこともありません。

 

仕事ではなく、あくまでも訓練として考えて下さい。

 

(5)利用できる人

一般企業に雇用されることを目指している方です。身体障害・知的障害・精神障害などの障害がある方が利用できます。

 

障害者手帳の有無は関係がなく、就職が困難と自治体や医師から認められれば、利用することが可能です。

 

(6)訓練内容の一例

訓練内容は、施設によって様々ですが、よくある事例を4つお伝えしますね。

 

  1. 就職するまでの求人の探し方やハローワークの登録等の支援
  2. ハローワークや企業の面接練習
  3. 企業での実習
  4. 就職した後に仕事を続けることができるように支援

 

先ほど述べたように、各事業所によって訓練やサポートは、異なります。

 

以前インタビューさせていただいたトレパルさんではこのような訓練を行っています。

 

 

 

今回あげた訓練内容は一例としてお考え下さい。

 

また、以前こちらのサイトでもインタビューさせていただいた森さんが就労移行支援事業所の検索サイトを手がけております。就労移行支援事業所をお探しの方は、参考にしてみてください。

 

労移行支援事業所 検索サイトsalada

 

知的障害者の進路先④就労継続支援A型(雇用型)

次に就労継続支援A型について、特徴からどのような収入形態・どのような仕事が多いのかを詳しく解説していきます。

 

(1)就労継続A型とは

就労継続支援A型とは、障害者総合支援法の福祉サービスです。

 

難病や障害がある方が雇用契約を結び、一定の支援を受けながら職場で働くことができるところです。65歳未満の方がサービスを受けることができます。

 

(2)期限

期限は定められていません。

自分の意思で長く働くこともできます。

 

(3)工賃・給料

基本的には最低賃金の金額以上が保証され、勤務時間によって社会保険の加入も義務付けられています。

 

(4)雇用契約

雇用契約を結びます。

 

雇用契約に基づく就労ですので、通常の会社員と同じです。

 

(5)利用できる人

企業等に就労することが困難であり、継続的に就労することが可能な65歳未満の方が利用することができます。

 

下記のような要件を満たし、障害がある方です。

 

  1. 就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった人
  2. 特別支援学校を卒業し、就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった人
  3. 企業等を離職した人等で就労経験があり、現に雇用関係がない人

 

(6)仕事内容

就労に向けて必要な知識や能力を身につけていくために訓練をします。事業所によって、仕事内容は様々なものがあります。例として、

 

  • 梱包
  • データ入力
  • パン屋さん
  • クリーニング

 

などがあげられます。本人の能力や特性に合った仕事や事業所を見つけていく必要があります。

 

特別支援学校の進路先⑤就労継続支援B型(非雇用型)

最後に就労継続支援B型について、特徴からどのような収入形態かを詳しく解説していきます。

 

(1)就労継続B型とは

就労継続B型とは、障害者総合支援法に基づいてできた施設です。

 

通常の事業所や企業に雇用されることが困難で就労経験のある人が生産活動等を通して、知識や能力を身につけていくところです。

 

(2)期限

期限はありません。

 

就労継続B型では、雇用契約を結ばれることはありません。(そのため、「非雇用型」とも呼ばれています。)

 

(3)工賃・給料

平成28年の厚生労働省が出した工賃のにもらうことができる

 

平均工賃は、1万5295円

 

1時間にすると99円

 

と結果が出ています。ちなみに障害者の平均年収に関しては、こちらの記事で詳しく記載されておりますので、参考にしてみてください。

 

 

(4)雇用契約

雇用契約は結びません。

 

社会保険の加入義務もなく、最低賃金の保証等もありません。

 

(5)利用できる人

就労継続支援B型を利用できる人は、

 

  • 就労移行支援事業を利用したが、一般企業やA型等の雇用されなかった人
  • 一定の年齢に達している人
  • 生産活動に必要な知識や能力を向上・維持していきたい人

 

などが利用することができます。

 

以下に、具体的な例を挙げていきますので、参考にしていただければと思います。

 

  1. 就労の経験はあるが、年齢や体力によって一般企業に雇用されることが難しくなった人
  2. 就労移行支援事業を利用したが、B型の利用が望ましいとされた人
  3. ①・②に該当はしないが、50歳に達しているか障害基礎年金1級の受給者
  4. 障害者施設に入所している人については、市区町村が利用の必要性を認めた人

 

 

特別支援学校の進路状況まとめ

今回は、知的障害者の進路先として、

 

  • 一般企業
  • 就労移行支援事業所
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型
  • 生活介護事業所

 

の5つをご紹介しました。その中でも、分かりにくい3つの事業所についてメインで書かせていただきました。

 

進路先を決めるのは、本人と親が決めることになります。子供の進路を選ぶことはとても大変で、分からないことがたくさんあると思います。

 

その時には学校にる進路の教員に相談したり、事業所の見学したりすることをおすすめします。一人で抱え込まずにみんなを巻き込んで、色々と子供のために考えてあげてください。

 

進路に関して、何か不安や相談がありましたら、下記お問い合わせからいつでもご相談ください。

 

最後に、ウェルサーチが開催したイベント『ウェルトーーク!〜vol.2〜』で、ゲストでお呼びいただいた時のライブ配信されたYouTube動画を載せておきます。ここでは、特別支援学校の教員という視点から、

 

  • そもそも特別支援学校って何?どんなところ?
  • 特別支援学校に来る親御さんはどのような悩みが多いのか?
  • 特別支援学校に通う当事者はどのような悩みが多いのか?
  • 卒業後はどんなところに行ってるの?
  • 障害者雇用されるためのコツは?
  • 親御さん、企業が支援するための抑えておくべきポイントは?

 

などの質問にお答えさせていただきました。

 

 

進路先だけでなく、就職についてもお伝えさせていただきましたので、特別支援学校について、さらに理解していただくキッカケになれれば幸いです。

 

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特別支援学校の知的障害の学校で中学部を3年間、高等部を9年間、教員として働いています。教員として、生徒たちを指導する傍ら、「きれいな街は、人の心もきれいにする」がコンセプトのグリーンバード横浜南チームのサブリーダー、空き家を活用した居場所作り『たすけあいハウス』の管理者、任意団体「スノードロップ」の代表をしています。詳しいプロフィールはこちら→柳澤智敬


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