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ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いって?今さら聞けない基本を丁寧に教えます

  • 最終更新日:

あなたは、「ユニバーサルデザイン」という言葉はご存知ですか??最近は、徐々に認知されてきている言葉だとは思いますが、どの様な言葉かを知らない人もいるかと思います。

 

「ユニバーサルデザイン」とは、国や文化、言葉、性別、年齢、障害の有無に関係なく、すべての人が使えるデザインのことを言います。では、ユニバーサルデザインは、バリアフリーと、いったい何が違うのでしょうか?

 

「ユニバーサルデザイン」「バリアフリー」の言葉が混同されて使用されている場面が多くありますので、各々についてお伝えするだけでなく、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いについても事例を交えながら、分かりやすく説明していきます。

 

この記事を読むことによって、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いがわかり、より多様性について理解した人になることができます。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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バリアフリーとは

まず最初に「バリアフリー」について、お伝えします。バリアフリーとは、英語だと(Barrier free)と書きます。ウィキペディアさんでは、

 

「バリアフリー」とは、対象者である障害者を含む高齢者などが、社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障害を取り除いた事物および状態を指す用語である。

 

と記載されております。つまり、バリアフリーとは、最初は建築用語で、「障壁(バリア)を取り除く(フリー)」という意味で使用されていました。障害者や高齢者普段生活してく中で、少しでも過ごしやすくするために、障壁となっているものをなくしていくという考え方がバリアフリーなのです。

バリアフリーが使用されるようになったきっかけ

「バリアフリー」という言葉は、1974年(昭和49年)国際障害者生活環境専門家会議「バリアフリーデザイン」という報告書が出されたことから使用されるようになりました。当初は、建築内の段差を減らしたり、物理的な障壁をなくしたりという意味で使用されていました。

 

バリアフリーの例

では次に、バリアフリーの言葉を使うときの例を挙げていきます。

 

(1)体が不自由な人がいるため、手すりを設置する。

(2)車いすや杖を利用している人がいるので、スロープを設置する。

(3)車いすが利用しやすいように道の幅を広げる

(4)目の不自由な人のために点字を作る。

 

などといった事例があります。このように、バリアフリーは、高齢者や障害者、あるいは困っている人のために、生活していく上で障壁となっていることをなくしていく考えです。

 

ユニバーサルデザインの意味

次に、「ユニバーサルデザイン」についてお伝えします。ユニバーサルデザインは、英語だと(Universal Design)書きます。ウィキペディアさんでは、

 

「ユニバーサルデザイン」とは、文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わずに利用できることを目指した建築(設備)・製品・情報などの設計(デザイン)のことである。

 

と記載されております。つまり、ユニバーサルデザインとは、国籍・文化・言語・性別・年齢・障害のあるなしに関わらず、すべての人が使用できることを目指したデザインということです。

 

「できるだけ多くの人が利用できる製品・建物・空間をデザインしていくことが必要である」と定義されています。こういったことから、ユニバーサルデザインという言葉には、初めから誰もが使いやすいものを考え、製作していくことを意味しています。

 

ユニバーサルデザインの提唱者

ユニバーサルデザインの提唱者は、アメリカのノースカロライナ州立大学デザイン学部・デザイン学研究科(College Design)のロナルド・メイスです。ユニバーサルデザインという言葉を、1985年に定義したとされています。

 

ロナルド・メイスは、9歳の時にポリオ(急性灰白髄炎)という感染症にかかり、病院に1年間入院した後、車いすで生活をしていました。自身も障害を抱えていたこともあり、「すべての人が人生の時点で何かしらの障害が生まれる」という発想があったのです。

 

つまり、障害を抱えた際に初めて便利なものを作るのではなく、初めから誰もが使えるようにしていくことが大切だと考えていたことからユニバーサルデザインが提唱されました。

 

ロナルド・メイスをより詳しく知りたい方のためにUDC(ユニバーサルデザイン・コンソシアム)さんのリンクを掲載しておきます。

 

ユニバーサルデザインが使用される例

いったいユニバーサルデザインとは、どんなものなのかが、まだイメージできない方もいらっしゃるかと思いますので、ユニバーサルデザインとして作られた物を3つ挙げます。

 

1:ドラム式洗濯機

通常の洗濯機の洗濯物を入れる口は、上についておりますが、ドラム式洗濯機は、見てわかるように口が横にあります。これは、子ども・車いすの方・高齢者など、すべての人が使用しやすい設計になっているので、ユニバーサルデザインの事例の1つです。

 

 

2:多目的トイレ

駅や商業施設などに行くと、だいたいある多目的トイレ。今は「誰でもトイレ」とも呼ばれているところが多いです。この多目的トイレは、入口の幅が広く、開閉しやすいので、車いすを使用していても使用しやすいのが特徴です。

 

また、便座に移るまでの幅が広いので、杖をついている人・子ども連れの方なども使用しやすい設計になっているので、これもユニバーサルデザインの事例の1つです。

 

3:自動ドア

自動ドアは、今の世の中、ありきたりになってしまっているので、逆に思いつかないかもしれませんが、これもユニバーサルデザインの1つです。

 

ドアに近づくだけで開いてくれるので、子ども・車いす利用者・高齢者などにも使用しやすい設計になっています。

 

 

あとは、当時マッチでしか火がつけられず、片手がない軍人が発明したライター、最近では、UDフォントといって、フォントもユニバーサルデザインのものがあったりします。

 

ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインがどのようなものかイメージが掴めてきましたでしょうか?このユニバーサルデザインを理解するにあたって、頭に入れておいたほうがいいことがあります。

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それは、「ユニバーサルデザイン7つの原則」というもの。これはどういうものかと言いますと、以下の7原則から構成されています。

 

1:すべての人が公平に使えること

英語では、「Equitable use」と言われております。すべての人・誰もが利用することができ、簡単に入手することができること。

 

2:使用するうえで柔軟性があること

英語では、「Flexibility in use」と言われております。好みや状況、能力に合わせて使用することができる柔軟性があるということです。

 

3:使用方法が簡単でわかりやすいこと

英語では、「Simple and intuitive」と言われております。能力や経験などに関係なく、使い方が分かりやすいということ。

 

4:必要な情報がすぐに理解できること

英語では、「Perceptible information」と言われております。必要な情報がすぐにわかり、視覚・聴覚などの感覚の能力にも関係なく使用することができるということ。

 

5:うっかりミスをしたとしても許されること

英語では、「Tolerance for error」と言われております。うっかり間違えてしまった時にでも、危険な結果にならないように設計されているということ。

 

6:身体にあまり負担をかけずに使用することができること

英語では、「Low physical effort」と言われております。効率的に使用することができ、身体への負担が少ないということ。

 

7:大きなスペースがあり、アクセスしやすいこと

英語では、「Size and space for approach and use」と言われております。誰もがアクセスしやすく、広い空間やスペースが確保され、操作することができるということ。

 

以上7つの原則がユニバーサルデザインにはあります。まとめておきましょう。

 

UD7原則

  1. すべての人が公平に使える
  2. 使う際に柔軟性がある
  3. 使用方法が簡単でわかりやすい
  4. 必要な情報がすぐわかる
  5. うっかりミスや危険がない
  6. 身体的な負担が少ない
  7. 大きなスペースでアクセスしやすい

 

ユニバーサルデザインについては、東京都の足立区の資料が小学生にもわかりやすく説明されていますので、参考にしてください。

https://www.city.adachi.tokyo.jp/toshi/machi/machizukuri/documents/kyouzai.pdf

 

 

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインとバリアフリーについて、理解できたかと思います。それでは、次にこの2つの違いをお伝えします。わかりやすく表で示すと、以下のように挙げられます。

 

ユニバーサルデザイン バリアフリー
対象者 誰でも、すべての人 高齢者・障害者・困っている人など
考え方 誰もが使いやすいように初めから設計 高齢者・障害者が困っていることに対して、特別に設計する
年代 1985年 1974年

 

心のユニバーサルデザイン

今までは物や環境等といったハード面に対して、ユニバーサルデザインやバリアフリーのことを書いてきました。実は、ソフト面でのユニバーサルデザインというものもあるのです。

 

それは「心のユニバーサルデザイン」と言われております。この章では心のユニバーサルデザインについて書きます。

 

心のユニバーサルデザインは、まだあまり知られていない言葉だと思いますが、これからの世の中にはとても必要な考え方ですので、ぜひ、日々の生活の中で意識して取り組んでください。

 

1:ゆずりあい精神

ゆずりあう気持ちを大切にし、困った人が使うことができるようにしましょう。

 

2:困った人がいたら勇気を出して声をかける

困った人がいたらまずは声をかけて下さい。もしかしたら、断られることもあるかもしれません。しかし、声をかけないと本当に困っている人を助けることができません。

 

本当に困っている人を助けることができるのはあなただけかもしれませんので、ぜひ勇気をだして声をかけてください。

 

3:自分にできることでお手伝いをする

自分のできる範囲でお手伝いをして下さい。自分にはできないことがあれば周りの人に手伝ってもらうことも必要です。一緒に仲間を探してくれるだけでも相手は嬉しいはずです。「無理せずにできることをする」ということを忘れずにしてください。

 

4:事前の心がけが必要

他の人が困る行動を自分がしてしまうことがあります。自分のことだけではなく、相手がいることを考えて行動し、相手には優しく接するように心がけて下さい。

 

 

心のユニバーサルデザイン・バリアフリーは、2020年のオリンピック・パラリンピックを見据えて、国の内閣府も推進している取り組みの1つです。ウェルサーチを運営している株式会社Nextwelも東京都『心のバリアフリー』サポート企業に登録されました。

 

 

最後に心のユニバーサルデザインの4つの項目について、まとめておきましょう。

 

心のUD

  1. ゆずりあい精神
  2. 困った人がいたら声をかける
  3. 自分にできることで手伝う
  4. 事前の心がけが必要

 

最後に

いかがでしたでしょうか?今回は、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いがわからず、混同されて使用されていることを感じたために、例を挙げながら説明してきました。ユニバーサルデザインとバリアフリーは、近い存在でありながらも中身が少し違っていたことを理解していただけましたでしょうか?

 

ユニバーサルデザインやバリアフリーで作られたものが、数多く世の中には存在しています。身近な所で探してみると新しい発見があるかもしれませんね。ぜひ、アンテナを貼って見つけてください。

 

一人ひとりがユニバーサルデザインを意識することで、すべての人が住みやすい町となり、あなたにとっても居心地が良く、安心して過ごすことができる町へと変わるはずです。あなたの子供や孫のためにも、今のうちから「優しい気持ちをもつ町」を作っていきましょう。

 

 


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柳澤智敬
特別支援学校の知的障害の学校で中学部を3年間、高等部を7年間、教員として働いています。教員として、生徒たちを指導する傍ら、「きれいな街は、人の心もきれいにする」がコンセプトのグリーンバード横浜南チームのサブリーダー、空き家を活用した居場所作り『たすけあいハウス』の管理者、障害者の起業支援の『BPKSーJAPAN』の副理事をしています。詳しいプロフィールはこちら→柳澤智敬


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