2019年12月14日(土)に、サイボウズ株式会社の東京日本橋タワー 27階にて、「OTAGAISAMAプロジェクト」の一環であるデンマーク視察の報告会をさせていただきました。
「OTAGAISAMAプロジェクト」とは、自立できる障害者を増やしていくため、
- 重度身体障害者
- 福祉、医療従事者
- 家族
- 支援者
のチームで福祉最先端のデンマークへ行き、デンマークの自立・教育プログラムを日本流に作っていくプロジェクト。
実際にデンマークを視察し、障害者が自立生活している姿を目の当たりにし、感じたこと・体験してきたことを発表させていただきました。
デンマークでは、どのようにして障害当事者が自立しているのか?そして、なぜ幸福度がこんなにも高いのか?のヒントをたくさん目にしてきました。
日本ではどのようにして、それが応用できるのか?考えるキッカケになれば幸いです。(報告会のレポート動画もプレゼントしておりますので、最後までご覧いただければ幸いです)
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福祉最先端デンマーク視察の報告会
今回、デンマークで視察させていただいた団体・場所は以下の通り。
- 障害者と健常者がともに学ぶ学校『エグモント・ホイスコーレン』
- エグモントの日本人留学生との交流
- パーソナルアシスタント派遣組織『LOBPA』
- 補助器具リサイクルセンター
- パーソナルアシスタント利用者であり、エグモント・ホイスコーレンの先生宅
- 市立の普通小中学校『Skovbakke skolen』
- ヘルパー養成学校『SOSU』
- 障害者雇用率90%以上の企業『Huset Venture』
- デンマークの「24時間介助制度」を勝ち取ったエーベルト・クロー氏が立ち上げた筋ジストロフィー協会
- バリアフリー視察!オーフスの街
この10個を視察させていただいて、実際に感じたこと・学んできたことを報告させていただきました。
すてきな会場で報告
今回、報告会の会場を貸してくださったサイボウズ株式会社のすてきなオフィス。バリアフリー・多目的トイレ完備で、車椅子ユーザーの参加者も多くいらしてくださいました。
なんと入り口から動物たちが出迎えてくれました。
『サイボウ樹パーク』
サイボウズのキャラクター『ボウズマン』
いざ報告会スタート
入場前。ちょっと緊張気味?
視察メンバーは、
- 重度身体障害者の山口和宏
- 家族であり医療従事者でもある山口典宏
- ヘルパーの日高滉人
- 介護士の横山綾子
- デザイナー、カメラマンの篠鉄平
- 福祉メディアを運営する日野信輔
の6名の自己紹介から始まり、OTAGAISAMAプロジェクトの概要をお伝えしました。
デンマーク視察のダイジェスト動画を見て、場が暖まったところで、次は、実際に体験してきたこと・学んできたことをチームごとに報告!
デンマークの障がい当事者の自立とは?
まず最初の報告は、株式会社LIFEクリエイトチーム。
- 代表の山口和宏
- 家族である山口典宏
- ヘルパーの日高滉人
による発表。それぞれの立場から見た「福祉最先端デンマークでの障がい当事者の自立」を実現させている、デンマークの制度や当事者の自立生活・教育プログラムについて発表しました。
デンマークの当事者はどう自立しているのか?
そもそも自立とは、どんなことか考えたことはありますか?
デンマーク視察して感じてきた今回の定義としては、「自分のニーズ(幸せ)を満たし、自己選択・自己決定できることにある状態」
デンマークで最大級のフェス「グリーンコンサート」を主催している筋ジストロフィー協会や当事者の方々と接してきて感じた「デンマークの自立生活」について報告。
キーワードは、「当事者が主体となっていた」ということ。それにより、仕組み(制度)・教育・予算・フォロー(相談)を自分自身で行っておりました。
デンマークの障害者ヘルパー養成学校
日本では、支援者の教育しかしておらず、当事者教育がないのが現状。しかも介護員養成研修は、高齢者の介護がメインとなっており、『障害者の理解』に関しては、130時間中3時間のみ。
一方、デンマークでは、支援者だけでなく、当事者にも教育をしているのです。そんな教育プログラムを提供しているデンマークの『SOSU』という機関についての報告。
デンマークの地域で自立するための制度
デンマークの地域で自立するための制度『BPA制度』について。
- B:Borgerstyret(市民が管理する)
- P:Personlig(個別的な)
- A:Assistance(アシスタント)
BPAとは、簡単に説明しますと、障がい当事者が雇用主となり、自分の好きなヘルパーを雇うことができる。そして、ヘルパーへの給料は、国が負担してくれるという制度。
この制度について、詳しく説明させていただきました。
デンマークの幸福度やバリアフリーなどの文化・環境
次に、八ヶ岳環境福祉デザイン室と株式会社Nextwelチーム。
- 介護士の横山綾子
- 福祉外から見るカメラマンの篠鉄平
- 福祉メディアを運営する日野信輔
による発表。デンマークの幸福度の高さから見る教育・文化背景やバリアフリーや実際の生活などの観点から視察のまとめを発表させていただきました。
エグモント・ホイスコーレンのパーティー
障害者と健常者がともに学び、生活する全寮制の学校『エグモント・ホイスコーレン』で参加させていただいた週末のパーティー。
障がいなど関係なく、みんなが夜な夜な楽しんでバカ騒ぎしているしている様子を動画や画像を通して、報告。
エグモント・ホイスコーレンについては、こちらの記事で詳しく紹介しておりますので、参考にしてください。
デンマークの文化・教育
基本的にデンマークでは、人と比べたり、評価を気にすることはありません。だから、自分の大好きや心地よいことを追求することで人と比べない幸せが見えてくるという結論に至りました。
そして、デンマークの教育は、「やり直しをしてもいい」・「何度でも挑戦すればいい」という教育方法で、挑戦や経験の芽をつまいないことを重要視されておりました。
デンマークの幸福度や文化背景については、こちらの記事で詳しく紹介しておりますので、参考にしてください。
デンマークの障害者雇用
デンマークで視察させていただいた障害者雇用率90%の企業「Huset Venture」。
障がいがあっても専門的知識をいかして、一般の人と同じようなキャリアを追求できるような会社を作ろう想いから立ち上がり、一般的な仕事だけでなく、福祉の新規事業コンサルティングやネットワークづくり、市場開発などまで手掛けています。
さらに、行政とも連携しており、民間からも出資を受けているなどして、収益の確保もしっかりとされております。
対話を通じたワークショップ
報告会で皆さんにデンマークの現状を知っていただいた後は、参加者でワークショップ。
デンマーク視察の中で、多くの場所で聞いた『対話』。この対話が重要ということで、実際に対話を通したワークショップをしました。
テーマは、『自分の職業や立場の観点から、障害者の自立に協力できそうなこと』。
今回、福祉業界だけでなく、いろいろな業界の方が参加していただきました。福祉の枠を超えて、どのようなことが障害者の自立に協力できるのかを、チームごとに話し合いました。
福祉に関わったことがないという方もいらっしゃいましたが、皆さん和気あいあいとたくさんの意見を出し合っておりました。
ワークショップの様子はこんな感じ
ワークショップ発表
各チームごとに話し合っていただいた内容を、代表して発表していただきました。
最初に発表していただいたチームは、
- 就労支援
- 親御さん
- 福祉職員
- デンマーク教育
- 障がい当事者の友人
などの立場の方がいらっしゃるチームで、キーワードは「違和感を教えてあげること」。
教育・福祉・就労・友人など、どこかで誤解や偏見などが生じてしまうこともしばしば。この「違和感」を対話などによってなくしていき、お互いが気持ちよく関われる環境を作ることができるという発表をしていただきました。
その他にも、それぞれのグループごとに違った発表があり、
と思えるほど、素晴らしい発表をしていただきました。
ほんとうに狭い福祉業界ですが、福祉の枠を超えることによって、本当のユニバーサルな社会が実現できる未来が待っているのだと感じることができるワークショップでした。
デンマーク視察のお土産プレゼント抽選会
報告会の最後は、お楽しみ企画として、デンマークで購入してきたお土産のプレゼント抽選会!
メンバーが選んできたデンマーク土産をくじ引きで参加者にプレゼントさせていただきました。
福祉最先端デンマーク視察の報告会を終えて
2019年は、このデンマーク視察に向けてチームみんなが突っ走った1年間でした。
実際に福祉最先端のデンマーク視察で自立生活をしている当事者、教育・文化に触れられた経験は、とても貴重なものでした。
これから日本でどのようにして学んできたものを応用していくかは、皆さんと一緒になって「対話」を通じながら、進めていきたいと思います。
でも、こうやって多くの人と繋がることができ、一緒に協力したいと言ってくださる方も増えました。
まずは一区切りついたこと、いろんな方々にご縁いただいたことに感謝です。
ただいま。ありがとう。
デンマーク視察報告会にご参加いただいた方、本当にありがとうございました。当日、来れなかったという方のために、報告会のレポート動画もプレゼントしております。(もちろん無料です)
最先端福祉デンマークの自立生活を実現させている背景について、知りたいという方は、ウェルサーチの無料会員に登録するだけで受け取ることができます。
一緒に創っていきませんか?
『ジャパン・ノーマリゼーション・プロジェクト “OTAGAISAMA”』のFacebookグループでは、
- メンバー同士の情報交換
- デンマークの情報で知りたいこと
- 日本の福祉の良い点や問題点
など、皆さんとやり取りしながら企画を進めています。こちらのグループにて、皆さんの意見をいただきながら、みんなでプログラムを創り上げていこうといったものだからです。
もちろん参加は無料ですので、ぜひこちらのグループでも情報交換できれば幸いです。(もちろん情報を得るだけの参加でも大歓迎です)
デンマーク渡航では、最先端の福祉を学び取り、日本版のノーマリゼーション「OTAGAISAMA文化」を作っていきます。そして、真のユニバーサル社会を実現できるように動いていきます。
ぜひ一緒に作り上げていきたい方がいらっしゃいましたら、Facebookグループに参加したり、お気軽にお問い合わせください。
OTAGAISAMAプロジェクト
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