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アートセラピー(芸術療法)の歴史に迫る|いつから始まり日本に入ってきたのか?

  • 最終更新日:

私は、アートセラピーによって精神的に安定するようになった1人です。

 

夏目
アートセラピー(芸術療法)ってどうやって生まれたんだろう?

 

私の助けとなったアートセラピーのことを考えいると、ふとこの疑問が浮かんできました。

 

そこで今回の記事では、アートセラピーの歴史について触れていきたいと思います。アートセラピーの歴史について知ることで、芸術療法の意味とその役割について一層理解が深まると思います。

 

現代での芸術療法がどのように形成されていったのか、是非ともご覧ください。

アートセラピー(芸術療法)とは

アートセラピー(芸術療法)とは、絵や造形・踊りなど芸術を使ったの表現手段を使って、メンタルにもいい影響を与えていくという治療法です。

 

芸術療法といっても、いろいろな手段があります。

 

例えば、

 

  • 絵画療法
  • 音楽療法
  • 心理劇
  • 箱庭療法
  • 舞踏療法

 

etc…

 

夏目
芸術療法については、以前の記事でも詳しくお伝えしましたので、こちらの記事を参考にしてください。

 

『精神疾患の当事者が語る芸術療法とは?12つの種類と活用する目的まとめ』

 

今回は、そんな芸術療法がどのように生まれ、どう現代に伝わっていったのか歴史を紐解いていきます。

 

アートセラピー(芸術療法)の歴史

夏目
アートセラピーの歴史を語るにあたって、まずは絵画の歴史を「アートセラピー」という観点から振り返ってみたいと思います。

旧石器時代のアートセラピー

まず、絵が始まったと言われている旧石器時代。

 

旧石器時代には洞窟壁画がありました。洞窟壁画は、狩りの成功を願う祈りや宗教的な意味があったなど、いろいろな説があります。

 

 

夏目
もしかしたら、狩りに対する不安や怒りの表現だったのかもしれませんね。

 

中近世のアートセラピー

中近世では、キリスト教の絵画が発達しました。王様の祈りの奇跡体験の夢を絵画で表現したのが、画家のフラ・アンジェリコという作家です。

 

サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会

 

夏目
キリスト教に関する芸術が、その時代は芸術療法の代わりだったのです。

 

19世期のアートセラピー

19世期になると、象徴主義が発達し、この時代からより内面や思考状態を表現する時代になりました。精神医学者のジークムント・フロイトやカール・ユングの影響を得たダスタフ・クリムトという作家が登場し有名になったのがこの時期です。

 

また、19世期には後期印象主義が発達しました。

 

夏目
ひまわりで有名なフィンセント・ファン・ゴッホ もユングやフロイトの影響を受けた一人なんですよ!

 

ゴッホ が神経発作のために精神病院入院中に描いた「星月夜」は稀代の名作と言われています。「星月夜」は芸術療法から生まれた作品と言えるかもしれません。

 

ゴッホの「星月夜」

ゴッホの「星月夜」

 

 

20世期のアートセラピー

20世期になると超現実主義、シュルレアリスムが発達し、スペインの有名な画家「サルバドール・ダリ」もフロイトに影響を得た

 

夢を絵画化したとも言われています。より抽象的で複雑で深遠な表現が発見されました。

芸術療法にとっても、直接的でない表現が発達してきたと言えるでしょう。

 

1920年代のアートセラピー

1920年代になると、正式に美術教育を受けていない人々や障害のある人たちが、活躍しはじめました。

 

ルイス・ウェイン山下清などが有名です。

 

ルイス・ウィルソンの絵画

統合失調症にかかったルイス・ウィルソンの絵画

 

夏目
このように絵画の歴史を見ても、いろいろと推測ができるので、過去の人たちがどんな想いで絵を描いていたのかを妄想するのも面白いですね。

 

現代のアートセラピー(芸術療法)への変遷

では、絵画などの芸術がどのようにしてアートセラピーとなったのか?

 

そこを考えるにあたり、この3人に行き当たりました。

 

アートセラピーの先駆者として、

 

  • マーガレット・ナウムブルグ(米国)
  • エイドリアン・ヒル(英国)
  • エドワード・アダムソン(米国)

 

の名が挙げられるでしょう。

 

夏目
簡単に1人ずつ概要をお伝えしましょう。

 

マーガレット・ナウムブルク

マーガレット・ナウムブルクは、1940年代から1950年代にかけて活躍し、精神医学と芸術療法のかかわり合いのなかで、アートセラピーを見出しました。

 

 

エイドリアン・ヒル

エイドリアン・ヒルは、自らが結核患者でしたが、他の患者にも絵画活動を促し、そこから芸術療法が隆盛しました。

 

このエイドリアン・ヒルが絵を描くことによって、治療にも繋がるといった説明をする際に「アートセラピー」という用語を最初に使用した人だと言われております。

 

アートセラピーによって、患者が不運に対する強い防御を確立することができると言っていたのです。

 

エドワード・アダムソン

エドワード・アダムソンは、1946年に、ロンドンの精神病院で、オープンスタジオ形式のグループアートセラピーを解説しました。

 

エドワードアダムソン百科事典 site:ja.wikiqube.net

出典:Wikipedia

 

それが、多くの精神病院で行われるようになりました。

 

エドワード・アダムソンは、より多くの人が参加できるようにオープン・アートスタジオを設立して、アートセラピーを広めていた人物。

 

夏目
当時、精神病院にいる患者さんは、とても差別が激しく、最小限の尊厳と財産でしか生きれなかったとのことです。

 

とても厳しい時代だったのですね。。。

 

そのような状況の中、オープン・アートスタジオの活動は、急進的なものだったと言われてます。

 

エドワード・アダムソンは、このように語っております。

 

芸術を通して自己を表現することで”癒された。重要だったのは、創作するという行為だった。」

 

 

アートセラピーの領域

アートセラピーは、教育領域と医療領域で発展しました

 

教育領域では、子供たちが、医療領域では、兵士や監獄の囚人たちの更生のために用いられました。

 

夏目
これにより、不安やトラウマからの解放が目指されたんですね!

 

1960年代には、米国英国で芸術療法学会が設立されました。

 

アメリカでは、1971年には3カ所だった養成コースが、現在は30カ所以上、米国では10カ所以上の大学院で学べ、政府認定の資格の取得ができるようになったのです。

 

そして、1969年には日本芸術療法学会が設立。

 

このようにしてアートセラピーは、日本にも入ってきたのです。

 

日本での問題点は、養成コースのある高等教育機関は少なく、民間企業開設の養成コースでの資格取得が一般的で、普及が遅れている点です。

 

夏目
私自身、アートセラピーが非常に効果を感じられたので、もっと広まってほしいと思います。

 

アートセラピー

 

アートセラピー(芸術療法)の歴史まとめ

いかがでしょうか?

 

絵画の歴史をアートセラピーという観点からお伝えさせていただきましたが、「アートセラピー」という言葉が生まれたのは最近のことで、まだ100年も経っていないのです。

 

以前の記事でもアートセラピーの種類をお伝えさせていただきましたが、アートセラピーは本当にいろいろな手段があります。

 

あなたの趣味や好きなことに合ったアートセラピーが見つかり、少しでもメンタルが安定することを祈っております。

 

 


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夏目作弥

精神疾患の当事者であり、福祉業界で働いています。当事者と支援者を両方、経験している立場から、旧弊から解放された考え方を綴っています。患者の自由、自主性を尊重し、強みを活かし、地域で生きていくことを理想とするという考え方が基本にあります。「ささやかだけど大切なこと新聞」というエッセイを作業療法室で連載しています。しょうがい者を生み出し、しょうがい者に辛い資本主義のありかたを根本から見直すべきだと考えています。芸術療法、詩歌療法、マインドフルネスウォーキングを取り入れています。座右の銘は「人生の意味は素敵なことをすること」「働けば魂は磨かれる」。


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