今回は、発達障害の当事者で合同会社タスカルの代表の曽根原重雄さんにインタビューさせていただきました。
曽根原さんは、主に高齢者向けに
- 不用品回収
- 家事代行
- 遺品整理
- 身体介護
などの便利屋として、ご活躍なさっています。第1回目のインタビューでは、合同会社タスカルの事業内容や曽根原さんがなぜ発達障害で起業したのかについて、語っていただきました。
発達障害・ADHDの特性上、マルチタスクなどができなかったり、仕事を覚えることができなかったので、仕事がなかなか続かなかった曽根原さん。
そのような状況の中、どのようにして起業まで至ったのでしょうか?
お好きなところからお読みください
合同会社タスカル 代表 曽根原 重雄さん
合同会社タスカル代表
曽根原 重雄さん
合同会社タスカルとは?
はい。合同会社タスカルとは、2017年4月21日に設立された便利屋をしている企業です。主なサービス内容などは、下記をご参照ください。
この他にも、例えば、
- 庭の草刈り
- 買い物代行
- エアコンの取り外しや掃除
などお客様のご要望があったら、それに合わせております。ちなみに、エアコンの取り外しは部屋の掃除をしていた際にお客様から突然お願いされ、YouTubeでやり方の動画を見ながら進めておりました(笑)
イメージ的には、「こんなこと業者に頼んでもいいのかな?」といったところまで、お客様のニーズに合わせているのですね。
そうですね。隙間産業的な活動のように思える内容で、一般的には『不便だけど世の中そんなもの。』と思ってそのままにしてしまうような物事まで担ってます。
お客様にとって必要なことを提供し、相手に「助かった!」と思ってもらえるような活動を展開できるよう励んでおります。
こういうのがあったら、とても助かるかと思います。
ありがとうございます。あと、ヘルパーとしての介護者を体験したことにより、見えてきたことがあります。
それは、補助金では賄えないけれども、本当は必要で、提供したら喜ばれることを見つけ出して提供することです。こういうところまで目を配ることにより、おかげ様でお客様にはとても喜んでもらえています。
発達障害で仕事が続かずストレスに…
障害者で起業するというのは、まだ今の時代では一般的ではないと思いますが、なぜ起業しようと思ったのですか?
はい。私は、今までにいろいろな仕事をしてきましたが、結局続かなかったんですよね。仕事ができなくて、ストレスになってしまったりもしました。
起業といいますか、自力でビジネスをやっていこうと思ったきっかけがあります。某運送会社で仕事をしていたときにたまたま上司の給与明細を見たんです。
そしたらすごく安くて、「数年後の僕はこんな感じなのか…」と未来がイメージできちゃったんですよね。そこから副業を始めて、自分でビジネスすることの大切さを思い始めました。
でも、当時は何をしたらいいかがわからなかったので、いろいろな職を転々としていました。その中で、キャバクラのドライバーもやったことがあります(笑)
すべての職場で
- 技術もない
- 仕事ができない
- 覚えられない
ということで、いつも上司に怒られてたんですよね。そういう日が毎日でしたので、仕事に行くこと自体がストレスになってしまったんです。
そこでわかったことは、「運送会社で長く勤務できていたのは、単純作業だから僕でもできていたんだ…」ということで、自分のできなさを実感しました。
もちろんその時は、自分が発達障害だなんて思ってもいませんでした。
とあるきっかけで発達障害・ADHDだと発覚した
そしたら、いつ頃から発達障害だとわかったんですか?
ADHDだとわかったのが、介護の仕事をしていた時です。ADHDの症状が出始めて、
と言われ、病院に行ったら、発達障害・ADHDと診断されました。そして、その症状が露呈されたのが、警備員の仕事をしていた時です。
はい。なぜかというと、2つ同時にできないということが露呈されたんです。警備をしている時に後ろからトラックが来て、一緒にいた人から
「危ない!避けろ!」
と言われたのですが、警備で人を見ていたので、避けるという動作ができなかったんです。
幸いギリギリ避けることができましたが、上司に「帰れ!」と言われ、その言葉を鵜呑みにして帰ったんですよね(笑)
そしたら、「なんで帰ったんだ!!」って怒られちゃったんです。まぁ、そこの会社も結局仕事が続かないで辞めました。
発達障害でも起業できる!
それで、起業するきっかけとなった出来事ですね。友人の両親が続けて亡くなったという時期があったんです。
その友人が遺品整理をしていたら、2トン車が2台で50万と言われたみたいなんですよね。
はい。それでとっさに「僕が30万でやります!」って言ったんですよ。と言いますのも、その当時から友達の手伝いをしたり、軽い便利屋みたいなことをやっていました。
こんな感じで、友達の手伝いをしていたら「これは仕事になるな!」っていうのがわかったんです。それでたまたまその当時いろいろと相談している方に「役員になってください」って頼んだら、引き受けてくれて、もうやるしかなくなり、勢いで起業しました。
はい。起業して、便利屋をしているとこれが発達障害だからこそできるんだなというのが、わかりました。
今回はちょっと長くなってしまいますので、次に詳しくお聞かせください。
編集後記
曽根原さんインタビューありがとうございました。発達障害という症状から
- 仕事が覚えられない
- マルチタスクができない
など仕事ができないということが多かった曽根原さん。
いろいろな仕事を経験したが、なかなか続かなく、仕事に行くことがストレスにまでなってしまうほどに…しかし、今では多くの方から「手伝ってくれ」と依頼がくるほどになっております。
なぜこれほどまでに変われたのか?次回は、発達障害だからこそ便利屋として起業できたという理由について迫っていきます!
【曽根原重雄さんインタビュー】
1:発達障害で仕事が続かず起業した曽根原重雄さんインタビューvol.1
2:ADHDの強みを活かして合った仕事を見つけた!曽根原重雄さんインタビューvol.2
3:発達障害で生き方が分からない人に聞いてほしい!曽根原重雄さんインタビューvol.3
最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたのご意見や感想などもぜひお聞かせいただけますと幸いです。
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ウェルサーチ 障害者・編集チーム
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