オーストラリアの知的障害の俳優陣が演じる劇団をご存知でしょうか?
それは、
「バック・トゥ・バック・シアター(Back To Back Theater)」という劇団です。
知的障害のプロの俳優が出演すると言うので、当日思い立って観にいきました。
私は発達障害なので、精神障害者つながりですね。
今回の芝居の題名は、
バック・トゥ・バック・シアター
「スモール・メタル・オブジェクツ」
東京芸術劇場の東京芸術祭2018(9月1日㈯〜12月9日㈰までの100日間)のプログラムの1つです。
知的障害者のプロの俳優がやる芝居とは、いったいどのようなものだったのか?
結論をいうと、新しい形の芝居でしたので、とてもおもしろかったです!
また、発達障害の私が思ったリアルな感想もお届けしたいと思います。
お好きなところからお読みください
オーストラリアの知的障害者の俳優とは?
バック・トゥ・バック・シアター(Back To Back Theater)というのは、オーストラリアにある知的障害の俳優を6名在籍している劇団のようです。
どんな芝居をするのか?
と気になり、観に行きました。
HPはこちらになりますが、オーストラリアなので、すべて英語です…
「スモール・メタル・オブジェクツ(small metal objects)」というのは、芝居のタイトルですね。
ちなみにこちらも英語です…
チラシはこのようなものでした。
クリックで拡大
ストーリーは、知的障害の俳優演じる2人の男性の友情と、怪しい取り引き(ドラッグっぽい)と言った感じでしょうか?
今回は、
- サイモン・ラフティ
- ソニア・テューベン
の2名の俳優が来日。
他に、ジム・ラッセルとうみうまれゆみ(オーストラリア在住のダンサー)の計4名で演じました。
会場は池袋西口公園すべて
会場は、東京劇術劇場前の池袋西口公園です。
そして、なんと!
舞台は、池袋西口公園周辺全て!
観客は、公園の端に作った観客席から観劇というものです。
観客は、席に付いている専用のヘッドフォンから台詞を聴きます。
俳優は主に英語、少し日本語で話すので、同時通訳の声もヘッドフォンから聞こえます。
Back To Back Theaterのおもしろさ
「Back To Back Theater」は、ちょっと普通の劇とは違いますので、そのおもしろさの工夫を解説していきたいと思います。
知的障害者の俳優は、マイクをつけています。
しかし…
ミュージカルで使うようなマイクですね。
そこそこ大きかった(ピンポン玉ぐらい?)ですが、通行人は、マイクに気付かないでしょう。
ただ単に外国人が道端で会話しているようにしか、見えないです。
この「Back To Back Theater」のすごいところは、
公園内の通行止めは、なし
ということです。
だから、一般の通行人の方も普通に道を歩いているんです。
主役がどこにいるかわからない?
さぁ、とうとう芝居が始まります。
観客はヘッドフォンをして、全員公園を眺めているので、通行人は観客を観ます(笑)。
そして、台詞がヘッドフォンから聞えてきました。
でも、俳優は見えませんので、どこにいるかわかりません!
ですので、観客は視界全体を探します。
あそこにいるかも!
「ウォーリーをさがせ!」
状態です(笑)
と思っていたら、予想的中!!
セブンイレブン前の遠くの方に、チラシに写真が掲載されていたサイモンとソニアを発見しました。
2人で会話をしながら、本物の信号を渡って、観客席の方に近付いてきます。
これだけで、既に楽しい。
3人目の俳優の声が聞こえます。
視界にはいない・・・
探す・・・
探す・・・
探す・・・
観客席に近い左側にいました。
周りに溶け込んでいるので、通行人の外国人が携帯電話で話しているのかと思った。
「灯台もと暗し」。
知的障害者の俳優と一般の人が入り混じっている?
そして、物語は続いていき、人を探している場面です。
俳優は、「本物の」通行人に、日本語で尋ねます。
「こんにちは!
あなたは○○ですか?」
通行人は、単に外国人に質問されたと思っているようで、普通に答えています。
観客席・・・
笑いますよね。
「観客参加型」でなく、「通行人参加型」の芝居は新しいですね。
「Back To Back Theater」の『small metal objects』は、動画もありましたので、参考までにどうぞ。
こちらも英語ですが、イメージはしやすくなるかと思います。
【small metal objects】
知的障害者の俳優の劇を見て感じたこと
「Back To Back Theater」の芝居を観て、発達障害の私が率直な意見として思ったことは、
聞き取りにくい!
ということです。
オーストラリア英語だからか?
障害の影響か?
私のヒアリングが未熟だからか?(これがほとんどだけど・・・さ)
理由はわかりませんが、
- 活舌が悪い・・・
- 聞き取りにくい声・・・
まさしくこれが「リアル」ですね。
舞台俳優さんの台詞は、聞きとり易いのですが、出演者全員が、活舌が良い、通る声・・・
ですので、実際には、ありえない設定です。
芝居が終わった後は、観客ではない、たまたま公園で休んでいた方々も、笑顔で、拍手していました。
芝居が終わる頃に、事情がわかったのでしょう。
何も知らない状態で観たら、戸惑いますよね(笑)
今回は、屋外だったので、荒天中止と記載があったのですが、
- 地下街
- 地下鉄
- 駅のコンコース
- デパート
など、これなら舞台装置なしでどこでもできますね。
ヘッドフォンを用意するのは大変だけど、
障害者繋がりということで観た芝居・・・
観劇後に私が感じたことは、
アイディア次第で
障害者の活躍の場はある!
と改めて思いました。
このような活動をより多くの方に知っていただきたいと思い、今回は記事にしました。
薬剤師 しまちゃん(発達障害)
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