元SMAPの稲垣吾郎さん主演の舞台「No.9―不滅の旋律―」(「ナンバーナインふめつのせんりつ」と読みます。以下舞台「No.9」と表記します。)の再演を観てきました。2015年の初演以来、3年ぶりの再演です。
「No.9」とは、皆さんよくご存知の「第九」のことです。なぜか年末の風物詩ですね(なぜ年末かも解説します)。再演するということは、初演で評判が良かったからです。面白くないはずがないんです。実際に観てみて、
感情表現がおとなしい日本では、珍しいんです。いかに素晴らしかったかをお伝えできればと思います!
この演劇は、世界中が知っている天才音楽家ベートーヴェンの伝記的な内容のストーリーです。劇中では、ファーストネームである「ルートヴィヒ」と呼ばれています。
主演は、元SMAPの稲垣吾朗さんが、ルートヴィヒを演じてます。月に旅行予定で話題の剛力彩芽ちゃんも、ルートヴィヒの代理人マリアとして主演でした。真っ直ぐな、爽やかなキャラクターがそのまま生かされた役でしたね。さらに、好感度アップ!
私の勝手な持論ですが、後世にまで、名を残した方は、癖が強い方が多いです。たぶん、友達になったら、めんどくさい。幸い?残念ながら?既に御亡くなりになってます。人として、知るには、十分興味深い、かつ害はない。
クラシックや、音楽に興味がなくても、1人の人間として、ベートーヴェンに(ついでにモーツァルトも)興味を持って頂けたらと思います。相変わらず、パンフレット買ってないので、発達障害の私の主観的な推測だらけのレビューになります。長いので、目次のところから知りたいことだけ、選んで読んで下さい。
お好きなところからお読みください
舞台「No.9―不滅の旋律―」について
脚本は、中島かずきさんです。大人気の劇団☆新感線の座付作家です。舞台「No.9」は、海外の原作で、日本語に翻訳した作品かなぁ?と思っていたのですが、どうも日本作の舞台のようです。
演出は、白井晃さんです。KAAT 神奈川芸術劇場の芸術監督をされています。芸術性の高い演出をされる印象があります。公式サイトももちろんありますので、本家で詳しく知りたい方はこちらから拝見できます。→舞台「No.9不滅の旋律」の公式サイト
会場は、TBS赤坂ACTシアターです。名前の通り、赤坂駅前にある、赤坂サカス内にあるTBSが経営する劇場です。TBSテレビも赤坂サカス内にあります。
TBS赤坂ACTシアターは、ミュージカルから赤坂大歌舞伎・・・舞台芸術を幅広く配信する劇場という認識です。中島みゆきさんの「夜会」Vol.20(2019年1月30日ー2月27日)もこちらの劇場で開催予定です。
舞台「No.9ー不滅の旋律ー」のあらすじ
舞台は、1800年のウィーン(神聖ローマ帝国、現在のオーストリア)です。ルートヴィヒ(ベートーヴェン 稲垣吾郎)は、聴覚障害が悪化しつつあります。2人の弟カスパール(橋本淳)とニコラウス(鈴木拡樹)と一緒に住んで、ルートヴィヒは弟を守っているつもりみたいです。
気難しいルートヴィヒが唯一素直になれる、恋人ヨゼフィーネ(奥貫薫)とは、何度か結婚のチャンスがあるものの、結婚にはいたらず(じゃあ、最初から婚約するなよ~)、何度も振られるはめに。
ピアノ職人のシュトライヒャー家族、腕の良いピアノ職人であるナネッテ(村川絵梨)、ピアノと音楽しか愛さない妻ナネッテを無償の愛で包む夫のヨハン・シュトライヒャー(ヨハン1人目 岡田義徳)。
ナネッテの妹マリア(剛力彩芽)は、ルートヴィヒの作る音楽に惚れ込み、住み込みで代理人をし、生涯ルートヴィヒを支えます。アルコール中毒で、ルートヴィヒを虐待していた、父 ヨハン・ベートーヴェン(ヨハン2人目 羽場裕一)に対するトラウマによる幻覚に、度々悩まされます。
ヴィクトル(長谷川初範)や、うさん臭い発明家ヨハン・メルツェル(ヨハン3人目 片桐仁)と一緒に音楽家としての仕事をしていきます。ナポレオン軍の敗北をテーマとした曲「ウェリントンの勝利」で成功を修めるものの、依頼されて作った曲なので、ルートヴィヒは納得いかず。
弟カスパールが亡くなった後、ルートヴィヒの甥であるのカール(小川ゲン)を、カールの母親ヨハンナ(広澤草)から奪い取り、ルートヴィヒの音楽の後取りにしようと、無理矢理英才教育をする。そして、ルートヴィヒが魂を込めて作曲した「第九」の演奏会を迎える・・・
あらすじはこんな感じですが、舞台「No.9」の公式動画もありましたので、こちらもどうぞ!
NO.9題材のベートーヴェンについて
フルネームは、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven(1770-1827)です。日本では、「楽聖」と言われてますね。
ベートヴェンが生まれた神聖ローマ帝国は、今は存在しないのですが、現在のドイツのボン出身です。モーツァルトに憧れて、16歳でウィーンに旅行し、22歳頃にウィーンに移住しています。モーツァルトは先輩なんですね。
肖像画からも、滲み出てますが、激しい気性です。最も有名だと思われる下の画像は、ドイツの画家 ヨーゼフ・シュティーラー(1820作)の肖像画です。
べートーヴェンのウィキペディアより引用
「No.9」劇中に、マリア(剛力彩芽)というベートヴェンの代理人(ベートーヴェンのマネージャー?)をした女性が出演します。調べてみたら、マリアという人物は、ベートーヴェンのお母様以外に存在しないようなので・・・代理人マリアは、劇中のリメイクのようです(あくまで推測ですが)
ベートーヴェンはアスペルガー?
舞台「No.9」を観る限りは、自閉症スペクトラム(アスペルガー)と推測しました。
こちらも、舞台「No.9」の劇中からなのですが、統合失調症と推測されます。何度も、アルコール中毒症の父の幻覚を観てます。
他人に対する評価は、天才とバカに二分して、中間がない。アップルの創始者であるスティーブ・ジョブズと、ベートヴェンの他人への態度が非常に似ている。(スティーブ・ジョブズは診断していないのですが、アスペルガーの疑いです)
自分の望むような仕事をしない部下には、罵詈雑言・・・完全なパワハラ・・・アップルの創設者であるのに、1985年(30歳頃)に解任されちゃうなんて。アップルに復帰した頃には、性格まるくなったようですが・・・
※私のスティーブ・ジョブスに関する知識は、ヤマザキマリさん作の漫画「スティーブ・ジョブス」からの印象です。
ベートーヴェンと聴覚障害
ベートーヴェンの激しい気性は、鉛中毒という説が濃厚のようです。ローマ帝国では、水道管に鉛が使用されていたようです。ベートーヴェンは聴覚障害を持っていたと言われておりますが、慢性鉛中毒は、神経障害があるので、精神錯乱・聴覚障害もありえます。
早い時期から難聴だったんですね。難聴の原因も、鉛中毒説が有力と言われています。20歳後半で難聴悪化、28歳で最高度難聴者、40歳頃全聾・・・56歳で肝硬変で死亡。ほとんど聴覚に頼らず、音楽家として一生を終えたみたいです。
ベートーヴェンの激しい気性は、
- アルコール中毒の父からの虐待のトラウマ
- 鉛中毒
- 難聴のストレスと不安→聴覚障害ですね
- 天才音楽家としてのプレッシャー
- アルコール中毒(舞台「No.9」劇中では触れられていません。)
- アスペルガー←個人的な推測
- 統合失調症←劇中からの個人的な推測
らへんが原因なのかな〜と、考えました。もちろん個人の勝手な推測なので、話半分で…
No.9演出家 白井晃さんについて
舞台「No.9」の演出は、白井晃さんです。白井晃さんは、KAAT 神奈川芸術劇場の芸術監督(以下、KAAT)をされている、演出家・俳優です。
KAATでは、白井晃さんが、2014年にアーティスティック・スーパーバイザー(芸術参与)、2016年に芸術監督に就任されてから、年々、益々、面白い舞台をやってくれるようになりました。かつては、「劇団 遊◎機械/全自動シアター」を主催してました(2002年に解散)。
最近は、俳優として演じることは少なくて、演出家として活躍されていることが多いです。芸術性が高い作品が多いです。
舞台「No.9」では、2台のピアノの生演奏、2人のピアニスト(末永匡 富永峻)でした。2台のピアノなので、重厚な音色が、素晴らしかった。
アンサンブルは、コーラスの方なんです。ソプラノ・アルト・バス・テノールの計20名!最後「第九」が完成したシーンでは、美しい大合唱は圧巻です。
カーテンコールでは、俳優13名+コーラス20名の計33名で、楽しそうに大合唱!終止情緒不安定だったベートヴェン(吾郎ちゃん)も、最後は笑顔で歌ってました~。それはそれは楽しそう。
舞台装置は、天井からロープで支えられています。ピアノの弦を連想させます。劇中で、終止、大量の五線譜が舞う!これも圧巻ですね。白井晃さん演出の舞台は、舞台装置を眺めるだけで、感動します。絵画を観ているよう。
俳優としても、大好きなので、個人的には俳優活動を年に数回はやって頂きたい。演出家として、受賞歴多です。舞台「No.9」の初演2015年に、授賞されています。
受賞歴
- 平成6年度文化庁芸術祭賞:遊◎機械/全自動シアター
- 第9回読売演劇大賞優秀演出家賞(2002年):遊◎機械/全自動シアター「食卓の木の下で」「ムーン・パレス」「ラ・ヴィータ」
- 第13回湯浅芳子賞翻訳・脚色部門(2005年):「偶然の音楽」の脚色
- WOWOW presents 「勝手に演劇大賞2013」作品賞・演出家賞:「音楽劇ヴォイツェック」
- WOWOW presents「勝手に演劇大賞2015」 作品賞・演出家賞:「No.9-不滅の旋律-」
最近の白井晃さんが演出した舞台「華氏451度」について
最近では、舞台「華氏451度」(かしよんひゃくごじゅういちど)を演出されています。「華氏451度」(原題 Fahrenheit 451)は、アメリカの小説家レイ・ブラッドベリ Ray Bradbury(1920-2012)が書いた小説です(1953年出版)。
監督は、フランスのフランスソワ・トリュフォー( François Truffaut)で、「華氏451」(かしよんひゃくごじゅういち)(原題 Fahrenheit 451)が、イギリスで映画化(1966年公開)されています。
映画「華氏451」のDVDもあるみたいです。もしご興味あれば、ぜひご覧ください。
2018年に、上演脚本 長塚圭史さん、演出 白井晃さんで、舞台化されました。長塚圭史さんは、脚本・演出・俳優をこなすマルチな演劇人です。文化庁の新進芸術家海外留学制度で、イギリス留学の経験があるので、翻訳もできるのかと。
「華氏451度」とは、紙が燃える温度、日本の温度の単位では、摂氏233度です。近未来に、書籍が廃止され、書籍を発見すると、ファイアマンが焼却処分、焚書(ふんしょ)(書物を焼却し、権力により学問・思想を弾圧する手段)するという設定の話です。英語で、firemanとは、「消防士」という意味なので、その舞台上では全く逆の意味、「燃やす人」になっているという、皮肉が含まれています。
舞台の奥行き、高さを十分に使い、観客席側を除く3面に背高い本棚。本棚には、いっぱいの本。本が実際に落ちてきます。その舞台装置観るだけでも、圧巻の舞台でした。
NO.9脚本家 中島かずきさんについて
大人気の劇団☆新感線の座付作家です。劇団☆新感線所属の俳優さんは、古田新太さん、橋本じゅんさんが、テレビや映画でも大人気ですね。
メディアにはあまり出演されていませんが、粟根まことさんが、個人的には大好きです。
劇団☆新感線は、2017年に豊洲市場の向かいにオープンした、IHIスーテージアラウンド東京でオープン以来、「髑髏城の七人」Season花 Seson鳥 Season風 Season月(下弦の月、上弦の月) Season極と「メタルマクベス」disc1 disc2 disc3 と・・・2年間も公演して話題でした。
IHIステージアラウンド東京は、劇場の中央にある観客席が360度回って、ステージが観客席の周り360度にある、特殊な劇場です。このような劇場は、オランダのアムステルダムにあるそうですが、世界で2軒目になります。
TBS赤坂ACTシアターと同様に、IHIステージアラウンド東京も、TBSが経営する劇場です。劇場を経営しているテレビ局は、TBSさんだけではないでしょうか?エンターテイメントに力を入れている会社ですね。
TBSのバラエティー番組(「クレイジージャーニー」「キングオブコント」)やドラマ(「義母と娘のブルース」「下町ロケット」)は、斬新だったり、個人的に好きな番組が多いのも、納得です。
IHIステージアラウンド東京のこけらおとし公演の「髑髏城の七人」は、中島かずきさん作です。劇団☆新感線の大人気シリーズで、何度も脚本・演出を変えて、再演しています。公演の度に、出演俳優さんのキャラクターに合わせたり・・・全く異なる脚本を書き直しています。大変な労力とお察しします。
IHIステージアラウンド東京こけらおとし公演「髑髏城の七人」の記者会見での中島かずきさんのコメント動画がありましたので、参考まで(舞台「No.9」の中島かずきさんのコメントはなかった)
機材トラブルのため、公演中止となり、私が観れなかった(泣)「髑髏城の七人」Season風の舞台の様子
俳優 稲垣吾郎さんについて
ベートーヴェンのような、激しい役をやるとは思わなかった。癖っ毛似合うし、イケメンだし、はまり役でした。
元SMAPの方々は、アイドルとしてだけではなく、俳優としても評価は高いと認識していますが…なぜか、稲垣吾郎さんだけ、俳優の印象はない。SMAPは、国民的グループと称された伝説のアイドルであることは、周知の事実ですね。
- 歌は、ほとんどヒット
- バラエティー番組も面白い
- トークも面白い
- 演技は上手い
アイドルに留まらない、非の打ち所がない「芸能人」ですね。1988年結成して、ファンだけでなく、世界中に惜しまれつつ2016年に解散しました。
歌は大ヒットしているけど、正直あまり歌は上手じゃないんだよね(あくまで個人的意見です。ファンの皆様ごめんなさい)。圧倒的に、俳優としての才能があります。
今年2018年は、元SMAPが、俳優として活躍しています(中居くん除く)。SMAPとしての活動がなくなったからかもしれないけど・・・特に、稲垣吾郎さん始め、ジャニーズ事務所を退所した3名は、舞台出演が多かった。
稲垣吾郎さんのウィキペディアを確認したら・・・テレビドラマ、映画、舞台出演多数です。
吾郎ちゃんの印象と言えば・・・妻子ある男性 ヒロ君との半同居生活・・・しかない(笑)私個人が、稲垣吾郎を俳優と認識したのは、今回の舞台「No.9」が初めてかもしれないです。でも、調べてみたら2018年だけでも、2本の舞台出演がありました。
No.9のポスター
俳優 稲垣吾郎さんの2018年の舞台出演
2018年は、2本の舞台に主演していました。
FREE TIME, SHOW TIME「君の輝く夜に」
作・演出 鈴木聡 (2018年8月)
舞台「No.9ー不滅の旋律」再演
脚本 中島かずき、演出 白井晃(2018年11月-2019年1月)←公演期間長い方です。
以上です。舞台で主演に選ばれるって、凄いことなんです。舞台は、生で直接観客が観るので、演技が下手だと・・・バレバレ。声量ないと、演技が上手かったとしても、台詞が聞こえない。舞台公演のスケジュールを観るだけで、俳優の力量がわかるんです。
吾郎ちゃんは、クールで、爽やかなイメージしかなかったので、ベートーヴェンのような、激しい役をやるとは思わなかった。癖っ毛似合うし、イケメンだし、何より演技が上手くて、はまり役でした。認識を改めました。
ベートーヴェンと「第九」
舞台「No.9」の劇中では、ベートヴェンが作曲した曲は、
- 「ウェリントンの勝利」
- 「第九」
の2曲が紹介されています。お恥ずかしながら、「ウェリントンの勝利」は知らなかった。
ベートヴェンの曲で、誰もが知っている曲と言えば、
- 「運命」
- 「第九」
- 「エリーゼのために」
は、すぐに思い浮かぶと思います。その他にも、聞いたことある曲は多数あるはず。「エリーゼのために」はピアノ曲です。ベートーヴェンは「テレーゼのために」というをタイトルを付けたのに、ベートーヴェンの字が汚なかったとか・・・
実際に、べートーヴェンはテレーゼ(Therese)さんを好きだったらしい。結果は、振られて、テレーゼさんは別の男性と結婚。
「運命」の正式名称は、「交響曲 第五番 ハ短調」です。「第九」の正式名称は、「交響曲 第九番 ニ短調作品125」Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125 (ドイツ語)になります。ベートーヴェンが作曲した交響曲は、第九が最後になります。
交響曲には珍しく、合唱が入ります。通称「歓喜の歌」年末の風物詩ですね。
「第九」が年末に演奏される由来
「第九」は、ベートヴェンが1824年に作曲した、ベートーヴェン最後の交響曲です。「第九」が年末に歌われるようになったのは、大晦日に翌年の平和を願うという意味があるそうです。
1918年に第一次世界大戦が終結し、ヨーロッパは平和になりました。ドイツのライプティヒでは、1918年12月31日午後から、「第九」を演奏し、歌って、平和を願う習慣が、現在でも続いているそうです。
日本では、1940年(昭和15年)12月31日に、紀元二千六百年記念行事(神武天皇即位から2600年経った記念)の一環として、ポーランド出身の指揮者 ヨーゼフ・ローゼンシュトック Józef Rosenstock が、新交響楽団(現在のNHK交響楽団)を指揮して、「第九」のラジオ生放送をしたそうです。
って思っていたら、日本語訳がありました。歌詞は、まさに「歓喜の歌」です。
歓喜の歌のコーラス部分の和訳があるWikipediaもご参考までに。
ベートーヴェンとモーツァルト
モーツァルトは、ベートーヴェンの先輩に当たるようです。ベートーヴェン(1770年頃-1827)は、モーツァルト(1756-1791)に憧れて、ウィーンに引っ越したようです。
周知の通り、モーツァルトも、ベートーヴェンも、天才の音楽家です。日本では、ベートヴェンは「楽聖」、モーツァルトは「神童」とも呼ばれています。
モーツァルトの肖像画が、ベートーヴェンの肖像画より若いので、ベートーヴェンの方が先に生まれたと思い込んでいました。日本で有名な肖像画は、バーバラ・クラフトによる肖像画(1819年)だと思うのですが、モーツァルトの死後に想像で描かれた肖像画なので、美化されているかもね(笑)。
バーバラ・クラフトによる肖像画(1819年)
モーツァルトのウィキペディアより引用
モーツァルトのフルネームは、本名 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart)(ドイツ語)です。神聖ローマ帝国(現在のオーストリア)のザルツブルグの出身で、25歳以降はウィーン(現在のオーストリア)で活動しています。35歳で死亡しています(死因は諸説あり)。かなりの短命ですね。
ミュージカル「モーツァルト!」について
ミュージカル「モーツァルト!」(原題 Mozart!)は、モーツァルトが活躍していたオーストリアのウィーンで1999年に初演されて、世界中で公演を繰り返している、大人気ミュージカルです。
劇中では、モーツァルトは、ファーストネームであるヴォルフガングと呼ばれています。なんと、日本では2002年の初演から、2018年まで8回も公演されています。いかに、おもしろいミュージカルかおわかり頂けると思います。
ミュージカル「モーツァルト!」の舞台映像
- キャッチーな音楽
- 情熱的な演技
- ピアノをモチーフにした芸術的な舞台美術
- ヴォルフガングがダメージデニムを履いていて、衣装が超かっこいい!
誰が観ても、楽しめる要素しかないミュージカルです。モーツァルトの伝記的なストーリーですね。モーツァルトの天才っぷりよりも、ダメンズの部分にフォーカスした内容になっていました。
2018年には、主役モーツァルトを演じた、山崎育三郎くんを観たいがために、観劇しました。古田雄大くんとダブルキャストでした。古田雄大くんも人気のミュージカル俳優です。
山崎育三郎くんは、まだ日本でミュージカルが人気がなかった頃に、今はなきバラエティー番組「さんまのSUPERからくりTV」にミュージカル普及のために、頑張っていたんです。その姿が忘れられず・・・
山崎育三郎くんは、ミュージカル「モーツァルト!」に3回も出演してます。ヴォルフガングはもはや、山崎育三郎くんのはまり役と言っても過言ではありません。
ベートーヴェンとモーツァルトの共通点
いろいろ調べてみると、ベートヴェンとモーツァルトには、共通点が多数ありましたので、まとめてみました。
モーツァルトは、発達障害の疑いがあるなあと思いました。
・トランペット恐怖症:トランペットの甲高い音色を聴くと、蒼白になり、気を失いそうになったそうです。→聴覚過敏と推測されます。
・サヴァン症候群説:モーツァルトは、作曲する際、下書きをしない、譜面の書き直しがなかったそうです。
※サヴァン症候群とは、知的障害や発達障害などを持っている方が、ごく特定の分野に限って並外れた能力がある人です。例えば、一度聞いただけで音楽を再生できる、一瞬見ただけで細部まで再現して描くことができるなど。
ちなみに、ベートヴェンは書き直した譜面がたくさん残っているそうです。サヴァン症候群の方が、必ずしも発達障害ではありませんが。あと、ベートーヴェンは、結婚はしていなかったようですが、恋愛には不自由しなかったようです。イケメンだったとの説があります。
下記は、イケメンと思われるベートーヴェンの肖像画。クリスティアン・ホルテマン(1802年作)
べートーヴェンのウィキペディアより引用
2人の共通点
- 同時代に活躍した音楽家
- 激しい気性
- イケメン、かつ女性好き?女性にモテる?
- 父との確執
- 天才音楽家
- ピアニストでもある
- ウィーン在住
- 発達障害の疑い?(個人的推測なので参考まで)
ベートーヴェンとモーツァルトには、なんと共通点が、8点もみつかりました。
舞台「No.9ー不滅の旋律ー」の感想
劇中では、発明家ヨハン・ネポムク・メルツェル(Johann Nepomuk Maelzel)が良い味出してました。片桐仁さん!喜劇俳優!爆発したリーゼント・・・出てくるだけで爆笑。ドラマ「今日から俺は!」(日本テレビ 2018年10月〜)を連想させる。
発明家なのに、ベートヴェンに音楽の仕事を持ってくる、胡散臭い人なのですが・・・
- 補聴器(機械でなく、集音器ですね。拡声器を逆にした感じ)
- メトロノーム
を発明した凄い人なんです。劇中でも登場します。
難聴→聴覚障害者であるベートヴェンは、劇中で補聴器を利用してます。補聴器もメトロノームも、世界で初めて使用したのは、ベートヴェンと言われています。
これは、ミュージカル「モーツァルト!」を観た時も思ったのですが…観劇する前は、ベートヴェンもモーツァルトも、
- 天才的な音楽家で
- 生前から才能を世間に認められていて
- 収入もある
と思ってました。いや~才能あっても、生きるって大変です。才能あっても、収入あっても、楽な人生なんかない。一生懸命生きていたら、大変だよ。
ベートヴェンの場合は、現在と違って、難聴になっても、今みたいな高性能の補聴器ないし、耳が聴こえなくても、作曲できるくらい才能あっても、耳が聴こえなくなったら、指揮はできないから、辛いよね。
芸術家、音楽家や画家は、生涯にわたって、情緒不安定な方が多いのは、共通の認識だと思いますが・・・音楽家は、ベートーヴェン、モーツァルト おそらく他多数。画家は、ゴッホ、ムンク おそらく他多数(情緒安定してそうな方も多いです。ピカソ、ピエール・ボナール他)
正直、もし、同じ時代に生きていて、たまたま知り合いだったら、友達にはなりたくない。でも、苦しい時に作ったと思われる作品も、聴いていて重い気持ちになったりするけど、大好きです。永遠に残るでしょう。
頑張って、たくさん作品残してくれてありがとう(マジで、辛そうなんだけど)
って、思うようになりました。思えるようになったのかな?あんな曲は、誰にも作れないもの!
以上が私の感想となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
薬剤師 しまちゃん(発達障害)
最新記事 by 薬剤師 しまちゃん(発達障害) (全て見る)
- 稲垣吾郎主演の舞台「No.9 ―不滅の旋律―」2018の感想!by発達障害当事者による偏見 - 2018年12月16日
- 舞台「セールスマンの死」2018まとめ!発達障害の視点で感想やレビューしてみた - 2018年11月21日
- 知的障害者の俳優がオーストラリアから来日!いったいどんな芝居だったのか? - 2018年11月4日
この記事へのコメントはありません。