ハローワークや人材派遣のサイトでの求人を見てみると、「障害者枠」というワードを見た方も多いかと思います。この「障害者枠」っていったい何なのでしょうか?
今回は、この「障害者枠」について、基本的なことからメリットとデメリットを比較するところまでお伝えしていきます。
このメリット・デメリットを理解すれば、就職をする際にも役に立ちますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
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障害者枠とは?
ハローワークでの求人には、
- 一般枠
- 障害者雇用枠
の2種類の求人があります。「一般枠」とは、健常者が受ける枠のことを言います。(障害者でも、受けることは可能です)。一方、「障害者枠」とは、企業が障害者を雇用するために設けられた枠のことを言います。
国としても、「障害者雇用促進法」を制定し、障害者の雇用義務など障害者雇用対策を進めています。
この法律では、法定雇用率というのが義務付けられており、一定規模以上の企業は、2.2%以上、障害者を雇用する義務があります。法定雇用率の詳細については、特別支援学校の教員である柳澤先生が詳しく解説してくれておりますので、参考にしてみてください。
では、この障害者枠には、どのような方が対象となるのでしょうか?
障害者雇用枠が該当する条件
障害者枠は、だれでも適用されるという訳ではなく、条件があります。その条件は、以下の通りです。
障害者枠の条件
- 知的障害者、精神障害者、身体障害者のいずれかに当てはまっている
- 障害者手帳や療育手帳を持っている、あるいは就職するまでに持っていること
いずれかの障害認定をされており、手帳を持っている方が「障害者枠」の条件に当てはまります。障害者手帳を持っている方は、「一般枠」と「障害者雇用枠」のどちらにも応募することが可能です。
障害者枠と一般枠の大きな違い
一般枠との大きな違いは、障害者枠には基本的に「実習がある」というところです。もしくは、トライアル雇用があることですね。ただし、障害者の中でも身体障害者に関しては、需要が多いので、実習をしないで、面接だけで決まることが多いです。
実習の内容としては、企業側が実習用に用意した仕事をします。実際に、採用されたらするであろう、ルーティーンの仕事や任せられる仕事を実習することが多いです。
期間は、だいたい2日~1週間の企業が多いと思います。長いときで、半月だったり1ヶ月というところもあります。実習は、一次面接のあとに行われることが多く、この実習で決まることもありますし、実習のあとに最終面接があるケースもあります。
【就労支援機関と目指す障害者雇用】
障害者枠と一般枠のメリット・デメリット
障害者枠、一般枠のどちらにもメリット・デメリットがありますので、そこを理解したうえで、どちらで応募するか決めるのがいいかと思います。どちらで応募しようか悩まれている方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
障害者枠のメリット
では、まず障害者枠から見ていきましょう。障害者枠の多くは、大企業やその系列会社が多いので、雇用が安定しているのが1番のメリットです。やはり「安定」という言葉は、安心感があります。
最初のうちは契約社員での就職が多いですが、仕事の契約を打ち切られることはほとんどなく、何年後かには正社員になれるチャンスも多いです。
障害者枠のデメリット
障害者枠の1番のデメリットは、職種がかなり少ないところです。多くが軽作業か事務作業などの仕事しかなく、専門職が少ないことはデメリットの一つでしょう。
あと、上記でお伝えしたように就職は契約社員から始まる事が多いです。長年働いていても同じような仕事しかしないので、昇給もしにくい分、給料も大幅にアップすることはほぼないでしょう。
ただし!!
特に首都圏では、給与や職種などが一般枠にだんだんと近づいてきてもいます。
これらが障害者枠のメリットとデメリットなのですが、逆に一般枠としてのメリット・デメリットは、どのようになっているのでしょうか?
一般枠のメリット
一般枠の1番のメリットは、障害者枠の求人よりも数が多いことです。職種の幅もとても広く、専門職もたくさんあります。
中小企業から大企業まであり、経験を積んでスキルが身についてくれば、大きな仕事も任せてもらえ、仕事へのやりがいもあります。もちろんスキルアップしていけば、その分、給料もアップしていきます。
一般枠のデメリット
一般枠のデメリットの1つは、職場の人に障害のあることを隠し通すことが心理的なストレスにもなってきます。スキルアップして、給料が増えてくれば、仕事の幅や責任も大きくなってきて、急な残業があることもしばしば。
また、昇格した場合、リーダーシップやマネジメントといったスキルも必要となってきて、職場内や周囲から障害の特性を配慮してもらえることが少なくなってきます。中小企業の場合は、大企業に比べるといろいろな仕事を任されることが多いです。
また、比較的給料も低いところが多く、労働組合がないことが多いので、体調が悪くなってしまったときなどに仕事を休んだり、異動願いを出すのは、難しい可能性が高いです。
もちろん、中小企業の一般枠は、就職がしやすいのが特徴です。しかし、入社後の環境まで考えて、決めるのがやっぱり無難かと思います。
雇われないという選択肢も
一般枠・障害者枠についてお伝えしていきましたが、その他にも「雇われないで働く」という選択肢もあります。
「え?それはどういうことですか?」という声も多いかと思いますが、
- フリーランス
- 在宅での仕事
- 自分で起業
などがそれに該当します。起業というと大事のように聞こえますが、弊社もパートナーとして提携しているVALT JAPANという企業が在宅の方でも好きな時間に好きな場所で働ける環境を整えております。
基本的にはパソコンでの仕事ですが、企業からの案件を定期的にこなすことができます。この「雇われない」ことにもメリット・デメリットがありますので、就労の際の選択肢として知っておくと、幅が広がってきます。
雇われないメリット
フリーランスや起業することの1番のメリットは自分のやりたいときに仕事ができるという点です。また、職種の幅も広いので、自分の強みを活かせる可能性が高いです。朝9時〜夜18時までという定時の時間に働くということが難しい方も多いかと思います。
今の時代、パソコンの仕事であれば、インターネット環境さえあれば、自分の好きな場所・好きな時間に仕事をすることが可能な時代です。在宅でのパソコンの仕事をしたいという方は、ぜひお問い合わせからご連絡ください。
雇われないデメリット
雇われないことに対するデメリットももちろんあります。起業やフリーランスとなると、自分の苦手なこともやらなければならない状況もあります。また、営業もする必要があるケースもあったり、確定申告など税に関することも必要になってくる可能性もあります。
ちなみに、今は『YouTuber』という職業が話題となっていますが、障害者でもこのように活躍されている方もいらっしゃいます。少し、イレギュラーですが、パソコンがあればできる仕事の1例としてご紹介いたします。
【障害者YouTuber カミサマ】
障害者YouTuberのカミサマさんは、障害者に対する偏見や差別が少なくなったり、他の障害者の励みになれるようYouTuberとして活動されております。
また、今の時代は「Eスポーツ」といって、今までは娯楽としてしか見られていなかった「ゲーム」がオリンピックの競技にもなってくる時代です。今まではお金になりづらかった娯楽や趣味が、現代は仕事として生活できるようになってきています。
というものでも大丈夫です。あなたの才能が世の中の役に立つ可能性は、大いに広まっているのです。もしご自身の強みがわからないという方は、お問い合わせからいつでもご相談ください。
編集後記
いかがでしたでしょうか?求人には障害者枠と一般枠というのがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。また、今は在宅でも仕事ができる時代なので、フリーランスや起業といった形で仕事をしていく選択肢も多いです。
その中で1番大切となってくるのは、就職する際はしっかりとメリット・デメリットだけでなく、ご自身のことをしっかりと理解しておくことです。そこを疎かにしてしまうと、自分の希望とうまくマッチングしない可能性がありますので、注意してください。今回お伝えした障害者枠と一般枠について、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたのご意見や感想などもぜひお聞かせいただけますと幸いです。
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日野信輔
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