精神障害者で在宅就労・在宅フリーランスを目指して、日々励んでいるOです。先日、契約を済ませて、いよいよ今月から就労移行支援事業所に通所して、訓練が始まりました。
就労移行支援事業所の名前までは、公表できませんが、僕は、ここで3カ月ほど在宅就労に向けての訓練をする予定です。
在宅就労に向けて、WEB制作やプログラミング、ライティングなどを学んでいきます。
就労移行支援事業所といっても、2018年現在、全国に4000事業所近くあり、事業所によって、やっているプログラムも事業所のカラーも全然違ってきます。
何も知らないで就労移行支援事業所に通ってしまうと、
- 「思っていたものと違った…」
- 「私はここは合わないな…」
といったミスマッチが起こってしまうこともあります。
そこで今回は、就労移行支援事業所を実際に通所している僕が思う、「就労移行支援事業所を利用する前に知っておくべき7つのポイント」をお伝えしていければと思います。
これを知ることによって、就労移行支援事業所を検討している方が、自分のやりたいこと・合うところに通所できて、充実した就労移行支援事業所の生活ができるようになるサポートになるかと思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
就労移行支援事業所の概要とは?
まず最初に、「就労移行支援とはなんでしょうか?」という方もいらっしゃるかと思いますので、就労移行支援事業所について概要などをお伝えしていきます。
就労移行支援事業所とは、一言でいうと、就職活動のガイドさんといったイメージでしょうか。
18歳〜65歳未満の障害者や難病がある方が就労に向けて職業訓練を受けられるところです。障害者総合支援法という法律で定められた福祉のサービスの1つになっています。
ずっと利用できるという訳ではなく、原則24カ月(2年)の期間内で利用することができます。就労移行支援事業所は、企業などで働きたい障害者や難病のある方に対して、働くために必要な知識だったりスキルを身に着けていくための場所です。
就労移行支援事業所の料金
障害福祉サービスを利用している方が負担する料金は、サービスの提供費用の1割が上限となっており、世帯の所得に応じて月ごとの負担上限額が設けられています。
自己負担額については、所得によって変わってきます。以下の4つの区分によって、月額の負担上限額が設定されております。この料金は、ひと月に利用したサービス量で料金が変わってくるというものではなく、それ以上の負担は生じません。
※ご自身の利用料金に関しての詳しく知りたい方は、お住まいの障害福祉サービスの受給者証(訓練等給付)を発行する窓口や担当部署に聞くのが1番です。
区分 | 世帯収入の状況 | 月額の負担上限額 |
生活保護受給者 | 生活保護を受給している世帯 | 0円 |
低所得者 | 市町村民税が非課税の世帯 (3人世帯で障害基礎年金1級を受給している場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となっています) | 0円 |
一般(1) | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)収入が概ね600万円以下の世帯が対象となっています。 ※20歳以上で入所施設を利用している方、グループホーム・ケアホームを利用している方は除きます。 | 9,300円 |
一般(2) | 上記以外の方(20歳以上の入所施設を利用している方、グループホーム、ケアホームを利用している方は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。) | 37,200円 |
厚生労働省が「障害者の利用者負担」について、詳しく説明されておりますので、さらに詳しく知りたいという方は、こちらを参考にしてください。
就労移行支援事業所の対象者
就労移行支援事業所は、18歳〜65歳未満の障害者や難病がある方が利用できるとお伝えしましたが、具体的には以下のような方が利用することが可能となっています。
- 精神障害者
- 発達障害者
- 身体障害者
- 知的障害者
- 難病の方(障害者総合支援法の対象疾病)
の5つのどれかに該当する方です。
条件に当てはまれば、企業で休職中の方や大学生でも利用することができます。
就労移行支援事業所
- 就職活動のガイドさん
- 職業訓練が受けられる
- 18歳〜65歳未満の障害者や難病がある方が対象
- 原則24カ月(2年)の期間内で利用
- 世帯の所得に応じて料金が違う
就労移行支援事業所に通所する前に知っておくべき7つのポイント
就労移行支援事業所の簡単な概要については、理解いただけたかと思います。以前の記事でも紹介しましたが、僕は、就労移行支援事業所を使用するのは、今回で2回目になります。2度の経験から知るべきポイントなども自分なりにわかってきました。
というポイントを個人的に感じることを書いていきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
(1)訓練内容は事業所によって異なる
最近では沢山の就労移行支援事業所がありますが、訓練の内容は事業所によって、パソコンであったり軽作業であったり様々です。
自分自身がどんなことを学びたいのかよく考えて、その事業所では、どのような訓練を行っているか、ホームページなどで事前に充分に情報収集しましょう。
ウェルサーチでもインタビューされている、Kowdo合同会社が運営している『Salad』のような就労移行支援事業所のポータルサイトなどもありますので、そのようなサイトも参考にしてみてください。
(2)地域によって少し制度が異なる
住んでいる地域によって少し制度が異なるので、ご注意ください。
例えば、僕が住んでいる地域では就労移行支援に通いながらのアルバイトはできないようですが、可能な地域もあるんです。僕は、アルバイトと併用したかったので、この点については残念でした。
詳しくは、お住まいの障害福祉サービスの受給者証(訓練等給付)を発行する窓口や担当部署に聞くと、教えてくれます。
(3)契約には時間がかかる
申し込みしてすぐに利用開始!というわけにはいかず、支援の計画を作ってもらうなど、契約には時間がかかります。
これも地域によって違うのかもしれませんが、僕が住んでいる地域では、申し込みから利用開始まで1カ月弱ぐらいでした。
ですので、利用開始までに少しスパンがあるということも知っておくと、少しの心の余裕も生まれてきます。
(4)利用可能な期間に制限あり
就労移行支援事業所とは?のところでもお伝えしましたが、いつまでも利用できるというものではなく、標準で24ヶ月(2年)までといった期間制限があります。
この2年以内にスキルを身に着けて、就職先を見つける、あるいは、僕みたいに在宅就労だったりフリーランスになるという流れとなっています。
(5)収入によって利用料金が異なる
こちらも先ほど詳しくお伝えしましたが、利用者の収入によって利用料金が変わります。ただ、就労移行支援事業所に通所している方の8〜9割は無料で利用しているという事業所が多いです。
こちらも自分がどの区分なのかを知りたい場合は、お近くの障害福祉サービスの受給者証(訓練等給付)を発行する窓口や担当部署に聞くのがいいですね。
(6)仕事の紹介や職場実習をしている事業所もある
僕のケースは、前回利用した就労移行支援事業所で仕事を紹介してもらって就職しました。また、企業での職場実習ができる事業所もあります。
このあたりも、事業所によって様々のようですが、結構重要なポイントだと思うので、事前に確認しておきましょう。実習があるのとないのでは、就職する際のミスマッチが予防しやすかったり、働くイメージも持ちやすくなりますので、ここはしっかりと把握しておくことをおすすめします。
(7)在宅で訓練ができる事業所もある
これはまだまだ少数派だと思いますが、通所ではなく在宅で訓練ができる就労移行支援事業所事業所もあります。そのため、在宅就労を目指している障害者には、就労移行支援の利用も有効な選択になると思います。
僕の場合は、週1回通所して、残りは在宅で訓練させていただく予定です。
このように、今はいろいろな種類の就労移行支援事業所があります。数が多くなってきた分、選択肢も増えてきましたが、自分にあった就労移行支援事業所を探すのがポイントとなってきますので、今回お伝えした7つのポイントは、ぜひ参考にしてみてください。
7つのポイント1:訓練内容は事業所によって異なる
2:地域によって少し制度が異なる
3:契約には時間がかかる
4:利用可能な期間に制限あり
5:収入によって利用料金が異なる
6:仕事の紹介や職場実習をしている事業所もある
7:在宅で訓練ができる事業所もある
就労移行支援事業所の通所についてのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、就労移行支援事業所の概要から、就労移行支援事業所に通所する前に知っておくべき7つのポイントについて、お伝えしました。
今回お伝えしたことを頭に入れながら就労移行支援事業所を探していき、その中で面白そうな事業所をみつけたら、
- どんな訓練をしているか?
- 仕事の紹介はしてもらえるか?
- 実習はあるのか?
- 手続きの流れは?
など、質問したい内容をまとめて、直接、事業所にお問い合わせをして、見学の申し込みをしてみるのも良いと思います。
事業所によって「ITが得意」「精神障害者に特化している」など特色が本当に様々なので、じっくり比較してみてください。また、サービス内容だけでなく、就労移行支援事業所の方の人柄とか相性などもよくみて、「ここで学びたい!」と思える所を探してみると、良いのではないでしょうか。
相性などによって、就労移行支援事業所の通所が楽しくなるかそうでないかにも関わってくるので、今後の就職にも重要なことです。ぜひ今回お伝えした7つのポイントを頭に入れながら、ご自身にあった就労移行支援事業所を見つけていただければ幸いです。
ウェルサーチ 障害者・編集チーム
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