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車椅子の勾配基準は法律で決まってる!スロープがあれば大丈夫と思ってませんか?

  • 最終更新日:

車椅子ライフデザイナーの白倉です。

 

  • 車椅子利用者において階段・段差ばかりがバリアフリーだと思っていませんか?
  • スロープがあるから大丈夫だと思っていませんか?

 

実は、スロープがあるからといって、車椅子で行けるとは限らないのです。スロープの勾配(傾きの角度)によっては、自走では行けないこともありますし、勾配に関しては、バリアフリー法という法律で基準が決められているのです。

 

では、いったい車椅子ユーザーの人たちは、どれくらいの勾配だったらスムーズに進むことができ、限界の勾配の基準がどれくらいなのか?と気になっている方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、車椅子ユーザーである私がスロープの勾配の本音をお伝えしていきながら、実際に私が訪れたことがある観光地でスロープの勾配が厳しかったトップ3も公開していきましょう。

 

車椅子ユーザーがどれくらいの勾配だったら、スムーズに行けるのか?基準となるための参考になれば幸いです。

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スロープ=車椅子で利用可能と決めつけてはいけない

けっこうこれは多い事なのですが、実際に目的地の事務所に前もって電話して確認すると、

 

うちはスロープなので大丈夫です

 

といった回答が返ってきます。

 

「じゃあ、車椅子でも大丈夫なのか!」と思って、実際に現地へ行ってみると…。「何だ、この勾配は…?」となるケースがあります。

 

このケースって意外にたくさんありまして、おそらく担当者はスロープがある=車椅子でも利用可能と判断したのでしょうね。ですが、車椅子を利用していても厳しいスロープはあちらこちらで存在するのが車椅子ユーザーの本音なのです。

 

法律でスロープの勾配基準は1/12(1/8)

建築物のバリアフリー設計をする際の基準となるのがバリアフリー法の「建築物移動等円滑化誘導基準」という法律です。漢字ばかりで難しい名称ですよね…。

 

簡単にお伝えしますと、障害者や高齢者などの移動が困難な方がスムーズに進める建物の基準ということです。このバリアフリー法で定められている勾配は、以下の基準となっております。

 

勾配は、12分の1を超えないこと

 

屋外については「1/15」となっております。

 

これ以上の勾配があるスロープの場合、手すりを設けなければならないと定められています。

 

勾配とは、斜面の程度のことをいいます。ただし、高さが16cm以下のものにあっては、8分の1を超えないことです。

 

ちなみに、12分の1の勾配を簡単に計算してみると、

 

「高さ1mを12mかけて上がる(下がる)」

 

のスロープのことを意味します。

 

図で表すとこのくらいの勾配(傾斜)のイメージですね。

 

 

ですので、6mかけて0.5m上昇(下降)している場合も1/12の勾配となります。実際に、一般の乗りなれている車椅子ユーザーであれば、1/12は大丈夫かと思います。1/8となると、助走があればいけると思います。

 

逆に言うと、助走がない場合は、8分の1は、パッとみて傾斜がかなりあるので、難しいかもしれません。さらに、8分の1より勾配がある場合は、いくらスロープがあっても車椅子を自走で上るのは不可能に近いです。

 

図にするとこのくらいの勾配になるイメージです。実際に見てみると1/12の勾配とは、かなり違ってきます。

 

どのくらいの勾配が厳しいのかどうかがイメージしづらいかと思いますので、正面から見た事例を記載しましょう。ちょうどPUSH-PULLというサイトでご紹介されておりましたので、シェアします。

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車椅子ユーザーの目線から見て、このくらいの勾配だと自走がちょっと厳しいといったイメージです。

 

スロープの勾配

  • バリアフリー法で勾配は定められている
  • 1/12を超えないこと(屋外は1/15)
  • 1/8勾配は不可能に近い

 

スロープの勾配の基準は車椅子ユーザー目線で

もちろん、1/8の勾配だったとしても、パラリンピックに出場するような体力のある方であれば、上っていくことも可能でしょう。ただ、あくまでも一般的な車椅子ユーザーが「できる」というのが、私は基準だと思っております。パラリンピックに出場するような体力がある方というのは、少数になってきますからね。

 

無理をして上がって途中でダメな場合は、後ろへの転倒になりかねないことを注意しなければなりません。誰かそばに人がいるならば恥ずかしがらずに助けを求めた方がいいかと思います。

 

実際に私も高知県の桂浜公園に行った際に、上り切る手前でピンチに陥った経験があるのです。そのときは偶然、そばにいた観光客に助けていただきました。

 

このように周りの人にSOSを気軽に出していくことも、事故を起こさないためには重要なこととなってきます。

 

スロープの勾配が激しい屋外トップ3

次に実際に私が行ったことがある場所で、スロープの勾配が厳しかった観光地のトップ3をお伝えしましょう。

 

屋外に出て、観光地に行ったりすると、厳しい勾配をよく見かけます。私が今まで訪れた中で最強だと思った勾配は、この3つの場所です。

 

  • 上野動物園のペンギンコーナーの前(東京都)
  • 三保の松原の入口(静岡県)
  • 袋田の滝までの道のり(茨城県)

 

上記3つのスポットは、観光地としてかなり有名なのですが、スロープの勾配がとてもあります。

 

引用:https://4travel.jp/travelogue/10902477

 

この3ヶ所においては、介助者がいても坂の上り下りは恐怖すら感じるレベルの勾配でした…。この3ヶ所に共通する問題というのは、改修工事が不可能であること。

 

改修スペースの問題だけでなく、歴史的な背景などもあるので、難しくなってくる思います。歴史的な背景のあるものについては、改修そのものが許可されていない場合もあるからです。

 

実際に上記の施設を事前に調べるのは、施設のホームページだけでは参考にならないことがほとんどです。ですので、実際に行ったことのある人が書いたブログ記事などを検索して、経験談を読むのが1番参考になるかと思います。

 

【袋田の滝】

 

大事なのは無理せずに判断すること

最後に上りだけが大変だと思いますが、下りにも注意が必要となってきます。車椅子で降りる場合は、ハンドリムをつかむことでブレーキになりますが、勾配がきつい場合は、摩擦で手がかなり熱くなります。

 

状況によっては摩擦が強くて握ることが不可能にななることも…。そうなってきますと、ブレーキをかけられなくなって、スピードがさらに増してきてしまいます。

 

スピードが増していくと、衝突の可能性がありますので、十分に注意してください。この勾配は行けるのか行けないのかその場で無理をしない判断をすることが大切だと思います。

 

無理をするくらいなら、無念でもリタイアした方が賢い選択です。けがを引き起こさないことが一番重要なのではないでしょうか?

 

 


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白倉栄一

白倉栄一

「車椅子ライフデザイナー」として車椅子でも生活しやすい環境を目指す専門家。大手総合スーパーに入社したものの、24歳で交通事故に遭い、脊髄損傷が原因で車椅子生活になる。その後、ハンディキャップがありながらも、店舗の人事総務課長として人事・総務・採用・教育・クレームの責任者として勤務。社内のお客さま満足度調査では、店舗が全国1位に輝いた実績もある。また2005年からは1000件以上のバリアフリースポットを調査。2016年12月には念願だった日本1周の調査を果たし、車椅子でも行ける旅を紹介している。詳しいプロフィールはこちら→白倉栄一


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