今回、話題になっている格安航空会社(LCC)バニラ・エアの車いすの方を搭乗拒否したという出来事について、自分自身がどのような出来事だったのかを知りたいと思い、さまざまなメディアから情報をまとめてみました。
このような話題については、賛否両論ありますので、あえて中立的にどのような流れでこのようなトラブルに発展したのか。また、芸能人やネットでの反応など世間の声についても少し触れさせていただきました。
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バニラエアで車椅子の搭乗拒否された概要
2017年6月5日に鹿児島県奄美市の奄美空港において、格安航空会社(LCC)バニラ・エアの関西空港行きの便で起きた事件。ちなみに、バニラ・エアはANAホールディングスの傘下の航空会社です。
この便を利用した半身不随で車いすユーザーである木島英登(ひでとう)さんが、飛行機の搭乗の際にタラップの階段を腕の力で自力で上らされたという出来事です。では、どのような経緯で今回のような出来事になってしまったのか?
バニラ・エア車椅子での搭乗拒否までの流れ
木島さんは6月3日に知人5人と旅行のため、関西空港を利用しました。
木島さんとバニラ・エアの証言によると、関西空港には搭乗ブリッジはあるけれど、奄美空港では降機がタラップになる形式となっております。そこで、木島さんは関西空港の搭乗カウンターでタラップがどんな感じなのか実際の写真を見せられて、
と言われたとのことです。
しかし、木島さんは「同行者の手助けがあるから大丈夫」と伝え、奄美では同行者が車いすの木島さんを担いで、タラップを下りたのでした。
事件はここから起こります。
今度は関西空港行きの便に搭乗する時に、バニラ・エアから業務委託されている職員さんから
と木島さんは言われたのです。それだけでなく、
と説明されたとのこと。同行者が往路と同じように車いすごと担ごうとしたら、空港の職員が止めにかかる。
それで、仕方なく木島さんは車いすを降りて、階段を背にして合計17段あるタラップの一番下の段に座って、腕の力を使って自力で一段ずつ上がっていったのでした。
しかし!
空港職員に「それもだめです」と言われたのです。それで、3~4分かけて上まで登ったとのことです。
登っているイメージはこんな感じ。
これが、今回の出来事の一連の流れです。
【当日の流れを解説しているニュース】
ちなみに、奄美空港だけが車いすを持ち上げる施設や階段昇降機がなかったみたいです。だから、車いすを担いだりして昇り降りするのは、危険ということでバニラ・エア社の規則では認めていなかったといいます。
この出来事をきっかけに、バニラ・エア社は奄美空港でアシストストレッチャー(座った状態で運ぶ担架)を6月14日~使用するようになりました。さらに、階段昇降機も今は導入されております。
木島さんはこの一件に対しては、「車いすでも心配なく利用できるようにしてほしい」とおっしゃっていました。
木島英登(きじまひでとう)さんプロフィール
木島英登さんはいったいどのような活動をされている方なのでしょうか?高校3年生の時に、ラグビー部に所属しており、その練習中に下敷きとなってしまい、脊髄を損傷。
それから車いす生活をされております。現在は、バリアフリー研究所の代表をされており、事業としても、
- ビジネスコンサルティング
- 講演・社員研修
- 執筆
などされていらっしゃる方です。以前は電通に務めており、マーケティング局で活躍されていたみたいですね。また、本も出版されており、
- 空飛ぶ車イス
- 恋する車イス
- 車いすの旅人が行く
の著者であります。木島英登さんの自身の活動も「金儲けが目的」ということは認識しており、障害を「他の人にはない強み」と考えて、自分にしかできない活動をされております。
【世界160ヶ国を旅した「空飛ぶ車いす」】
いろいろと話題になっているので、メディア露出も多い木島さんですが、中にはこのような意見まで…
木島英登さんがクレーマーという記事も
「木島英登さんがクレーマーだ!」という記事も発見しました。これはどういった背景があり、クレーマーと言われているのでしょうか?
それは、過去に4回、搭乗拒否されていたという事実があったからみたいです。それが以下の画像の通り。
木島英登さんは、事前連絡をすると逆に断られてしまう可能性もあり、独断で事前連絡がなくても問題ないと判断したと記載されておりました。それで、これまでにも数多くのトラブルになってしまったみたいです。
では、この行為はクレーマーに値するのかどうか?この出来事に関して、芸能人の方も意見を述べておりましたので、紹介します。
バニラエアに関する芸能人の反応
木島英登さんのバニラエア搭乗拒否の事件について多くの芸能人も各々の見解を述べております。どんな見解をしているのでしょうか?
乙武洋匡さん
今回のバニラエアの登場拒否に関して、乙武洋匡さんもTwitterでコメントしています。
私も海外へ行く際はよく木島さんのブログを参考にさせていただいています。こうして先人が嫌な思い、大変な思いをしながら道を切り拓いて来てくださったからこそ、“いま”がある。感謝です。/車いす客にタラップはい上がらせる バニラ・エアが謝罪 https://t.co/Gd1o4rzDno
— 乙武 洋匡 (@h_ototake) 2017年6月27日
もちろん、このtweetにも多くの反響がありました。一例ですが、挙げていきます。
どうしたことか あなたや木島さんとやらの振る舞いを見ていると 都合の悪い時だけ”障がい者”になって ワガママを言えばなんとかしてくれると甘く考えてるような気がしてなりません 今回の件においては 例え相手が障がいをもっていようが 単なる迷惑行為で 非常識なだけです
— せっチーフ (@hosiko0303) 2017年6月28日
建築物に車椅子用スロープを設置するのとは違い、維持費のかかる乗降機車両等を設置し、車両が使われない間、企業側は収益なくその維持費負担する難しさに誰も目を向け議論しないことに違和感。多少の不便はあれストレッチャで対応可能の案件でもあり事前申請していれば混乱しないで済んだわけですから
— Baron_du_Soleil (@Baron_du_Soleil) 2017年6月28日
この件で先人への賛美もバニラエア擁護も的外れです。バニラエアの職員がとっさに応急担架を作ろうとしなかったことが一番の問題です。事故や非常事態が起きるものなのに、それにバニラエアは柔軟に対応出来ないということにもつながります。
— rb2009 (@rb2009a) 2017年6月28日
壁は人の心の中にある。
Z武氏も木島氏も、健常者との間に強固な壁をつくり、その壁を健常者に取り除かせようとしているように思えます。
それでは歩みよりなど不可能ですね。— mimitakos_@299 (@170213Hasibiro) 2017年6月29日
木島さんの今回の行動は自分勝手過ぎると思います。設備が整っている航空会社は他にあるのに、あえて設備が、整っていない航空会社を利用し文句を言う。
相手の気持ちを考えているのでしょうか?— shibainu(野良犬) (@shibainucyan) 2017年6月28日
さらに、『バニラ・エアが燃えている。しかし、木島さんも燃えている。』という記事でも詳しく見解を述べております。
要約すると、元から「自力で歩けない人は搭乗できない」というルールは障害者差別解消法に違反しており、この法令に乗っ取ると、すべての人が適切なサービスを受けられることが法律で保障されております。
事前に連絡したら、明らかに断られるであろうところを無理にでも乗ろうとするのは、「クレーマー」というのだろうか。実際にバニラ・エア社はこの出来事からわずか2週間以内には、ストレッチャーを導入しております。
ということは、予算的にも、手続き的にも、準備にそれほど負担がかかるものではないことがわかります。このことから、バニラ・エアは合理的配慮の範囲内であるストレッチャーさえも準備していなかったのは、明らかに障害者差別解消法に違反している。というようなことを述べております。
他の芸能人の反応もありました。
橋下徹
元大阪府知事の橋下徹氏もこの騒動について見解を述べております。
完全に納得。「事前連絡しても搭乗できなかった」「ストレッチャーだけ用意すれば搭乗できた」という事実が決め手ですね。バカな自称インテリが抽象論だけで木島さんをクレーマー呼ばわりしているのはほんとバカ丸出し。 https://t.co/tiINGZJsOi
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2017年6月29日
ハフポスト編集長 竹下隆一郎さん
乙武さんの記事を掲載されているハフポスト編集長の竹下隆一郎さんも、このように発言されていました。
バニラエア、この問題をどう考えたら良いのか、今のところ1番的確な記事です→
バニラ・エアが燃えている。しかし、木島さんも燃えている。 | HuffPost Japan https://t.co/Oym8orMFrH
— 竹下隆一郎 ハフポスト編集長 (@ryuichirot) 2017年6月29日
認定NPO法人 DPI日本会議
DTI日本会議は、
- 身体障害
- 知的障害
- 精神障害
- 難病
などの障害種別を超えた95団体が加盟しており、障害のある人もない人も同じように暮らせる社会を目指している団体です。『バニラ・エア車いす利用者搭乗拒否に対するDPI日本会議声明』にて、当団体の意見が述べられております。
述べられていることは3つ。
- 歩けない人の搭乗を拒否することは差別である
- 環境整備と合理的配慮の提供を
- 障害者が搭乗できるように規則やシステムの見直しを
と表明されております。
編集後記
いかがでしたでしょうか?このようにいろいろな角度から見てみると、
- バニラ・エアは障害者の差別だ!
- クレーマーだ!
- 木島さんも事前に連絡しなかったのが悪い!
など様々な意見があることがわかりました。「どちらが正しくてどちらが悪い。」というのではなく、健常者も障害者も関係なくみんなが生活しやすいような世の中にしていくという意識がお互いにあれば、このような問題も少なくなっていくのではないかと個人的に思います。(キレイごとかもしれませんが)
この出来事をきっかけに、バニラ・エア社も改善するみたいですし、多くの人がバリアフリーのことや障害者のことを考えるきっかけにもなったのではないでしょうか?
これを機にさらに多くの人が、障害者のことにもアンテナを張るようになり、みんなで助け合っていく世の中になっていければと願っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたのご意見や感想などもぜひお聞かせいただけますと幸いです。
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日野信輔
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