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車椅子で夏の外出の注意点!体温調節の効かない車いすユーザーの暑さ対策

  • 最終更新日:

みなさん、こんにちは。

Universal Training Center(ユニバーサルトレーニングセンター) の菅原です。

だんだんと夏に向けて暑い日が続いてきていますね。

 

これから夏になって、もっともっと暑くなってくると

外出をためらう車いすユーザーの方も多いのではないでしょうか?

 

特に自律神経にダメージを負って体温調節ができない脊髄損傷者などでは、

汗をかく機能が働かない為、暑い中長時間外出をしている体温をコントロールできず

うつ熱状態になってしまうこともありますので注意が必要です。

 

そんな障害者の体温調節機能に関して調べた論文を見つけたので、

今回はそのお話をさせて頂きます。

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車椅子ユーザーの夏の外出時の注意点を論文から見てみる

 

 

 

今回はこんなタイトルの論文になります。

 

Preparation of Paralympic Athletes; Environmental Concerns and Heat Acclimation

パラリンピックアスリートの準備 環境因子と暑熱順化

 

暑熱順化とは、身体を暑さに慣れさせていくことです。

 

被験者数はかなり少ない研究ですが

パラアスリートに関しての暑熱循環の研究はほとんどされていなく、

またトップの脊髄損傷のアスリートに限った研究ですので、

このような内容の論文は非常に貴重です。

 

脊髄損傷者に対しての暑熱順化の研究

この論文の中に

HEAT ACCLIMATION STUDIES IN PERSONS WITH SCI

(脊髄損傷者に対しての暑熱順化の研究)

 

というセクションがあり、そこでは二つの研究が紹介されています。

 

先ほども説明したように、このような分野の研究はまだまだ発展途中ですので、
今回の研究が今後の研究に生きてくれればいいなというような趣旨になっています。

 

一つ目の研究の被験者は射撃のパラアスリート5名

四肢麻痺1名, 対麻痺2名, 二分脊椎1名、ポリオ1名)

に対して7日間の暑熱順化に関してのプログラムを行いました。

 

プログラムは60分外で暑さに慣れさせ、20分アッパーバイクか射撃練習を行う

という内容になっています。

 

どれくらい暑熱順化しているかを深部の温度の指標となる直腸温度で測るのですが、

結果は1日目と7日目を比較すると直腸温度が減少していたそうです。

 

健常者と同じように暑い環境で順応していくと

深部温度が初日と比較し徐々に下がって安定してきます。

 

そうするとその環境、暑さに慣れてきたという事になります。

 

ここでは頸損も1名いるので、本当にかな?と思う部分があります。

被験者のプロファイルもないので、すんなりとの結果を鵜呑みにしていいかという判断は難しいですね。

 

 

もう一方の研究では

頚損5名と胸腰損5名で比較しています。

 

こちらでは両群において直腸温度の有意な変化は見られなかったようです。

しかし、暑さと感度という点では1日目と比較して7日目の方が減少してました。

 

つまり、本人の感覚としては暑さに慣れてくると言えるかもしれないということですね。

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私の経験則から言ってもこちらの方がありえそうな印象も受けます。

 

以上2つの研究に関して議論されていますが、

やはり直腸温度の変化が暑さに慣れているかどうかのキーポイントになってきます。

 

車椅子ユーザーの発汗機能が暑さに慣れるのに一番重要!?

車椅子ユーザーである脊髄損傷では損傷部以下での発汗機能が落ち、また皮膚の血流量が減少するということが報告されています。

 

その為損傷部位に関わらず、全身で発汗することができなくなります。

 

一部汗をかくことができる人は発汗可能な場所でそれを補わなくてはならないので、

汗腺の活動が局所的に増え、暑熱順化に伴い局所発汗量が高まります。

その為不全損傷などでは驚くくらい発汗量が多くなっている人もいたりします。

 

また頸損など高位損傷者では発汗することができません。
その為残念ながら暑さによる発汗量での体温を調節することはできないのです。

その為、発汗できないと熱射病のようにどんどん深部温度が上がっていってしまいます。

 

つまり、暑熱順化に関しては、発汗機能がどれくらい機能しているかが非常に重要な要因となります。

 

車椅子ユーザーの夏の暑さ対策の秘訣

発汗機能があれば、外出をし暑さに慣らしていくことは可能ですが、
汗をかけない高位損傷者では様々な工夫をしていく必要があります。

 

先ほどの論文でも述べられていた暑さの対策は現状で以下の3点が推奨されています。

 

  1. 衣類による調節
  2. 霧吹きや氷などで直接冷やす
  3. 冷たい飲み物を飲む

 

みなさんすでに行なっている事も多いと思いますが、

私がこの中でもオススメしたいのが1番の衣類による調節です。

その中でも特にオススメなのが

 

adidas の CLIMACHILL シリーズ

 

CLIMACHILL(クライマチル)
肌に接触して冷感をもたらす「アイスドット」と、ふたつの特殊糸「サブゼロヤーン」と「ポーラーファイバー」を組み合わせた生地を採用し、アディダス史上これまでにないクーリング性能・通気性・吸汗速乾性を実現。

 

 

adidas CLIMACHILL

 

これだと背中部分にあるメタルのアイスドットが気持ちよく首を冷やしてくれるので、

しっかり身体を冷やしてくれます。

 

私も夏はこの服を着ることが多く、とても気に入っています。

衣類から体温の調節をするという点でとても効果的ですし、

霧吹きなどの効果も促進してくれますので、とてもオススメです。

 

皆さんも暑さに関して行なっている対策方法などありましたらぜひ教えてください。

しっかり暑さ対策をして、夏でも楽しんでいきましょう!!

 

 

参考文献

 

1. Price, Mike J. “Preparation of Paralympic Athletes; Environmental Concerns and Heat Acclimation.” Frontiers in Physiology 6 (2015): 415. PMC. Web. 1 Aug. 2017.

2. adidas Japan K.K.


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菅原瑞貴
障害者専門トレーニングセンター Universal Training Center代表。 米国認定アスレチックトレーナーの資格を持ち、2016年にはリオパラリンピック日本代表団のHPSCトレーニング部門のスタッフとして活動。米国留学時代にはプロサッカーチームでトレーナーを経験したが、脊髄損傷者のトレーニングをきっかけに、障害者のトレーニングの世界に没頭する。様々なバリアがあっても健康的な身体を作ることができる。そんな障害者に特化したトレーニングを提供している。詳しいプロフィールはこちら→菅原瑞貴


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