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車いす生活での腰痛がツラい!よくある5つの原因と対策法をトレーナーが教えます

  • 最終更新日:

みなさん、こんにちは。

 

Universal Training Center (ユニバーサルトレーニングセンター)の菅原です。
今回は、車いすユーザーによくある、腰痛に関しての記事になります。

 

車いすユーザーで腰痛に多くの人は、悩まされた経験があるのではないのでしょうか?

 

健常者でも8割が腰痛経験があると言われたりしますが、
腰痛は健常者だけの問題ではなく、
車いすユーザーにとっても同様に深刻な問題の一つであります。

 

今回は、車いすユーザーのよくある腰痛の原因と対策についてお伝えします。

 

ツラい腰痛から開放されるために、参考としていただければ幸いです。

車いすの腰痛持ちがこんなに多い!

ある研究の報告によると、

 

脊髄損傷者の49%、約半分の人が腰痛を持っていると言われています。

 

この記事を読んでいるあなたも腰痛で悩んだ経験があるのではないでしょうか?

 

腰痛はずっと痛みが続きますし、生活にも大きく影響を与えるので、
なるべく早く対応して、痛みを緩和させたいですよね。

 

とは言っても、車いすユーザーの腰痛に関しての情報は調べても簡単には出てきません。

 

そして、車いすユーザーの腰痛は健常者と同じように考えてはいけない場面もあります。
感覚麻痺があるはずなのに、本来なら痛みを感じない部分に感じる場合もあります。

 

今回は、そんな車いすユーザーに関しての腰痛とその対策についてお話ししていきます。

 

車いすユーザーの腰痛の原因と対策

ここでは車いすユーザーが陥りやすい腰痛の原因と、それぞれの対策をご紹介します。

 

  1. 長時間車椅子での座位姿勢による痛み
  2. 運動麻痺や体幹の不安定で生じる痛み
  3. 車椅子生活で上半身が硬くなって生じる痛み
  4. 下半身の硬さから生じる痛み
  5. 痙性からの姿勢が崩れることによる痛み

 

など大きく分けて5つに分けることができます。

それでは、一つずつその詳細と対応策を見ていきましょう。

1:長時間車いすでの座位姿勢による痛み

やはり、車椅子ユーザーはその生活スタイルから単純に座位姿勢が長くなってしまいます。
健常者でもずっと座っていると身体が丸まってきて、腰や肩がこってくることありますよね。

 

それと同じです。

 

座っている状態が長くなることは腰への負担は大きくなります。

 

実はあまり知られてはいませんが、
脊髄損傷になり、車椅子生活になると、腰椎の骨密度は少し上がると言われているのです。

 

通常、成人での骨密度は激しいトレーニングをしない限りなかなか上がらないものです。

 

ましてや、運動マヒがあると、筋肉同様、骨もどんどんもろくなってしまうはずなのですが、

車椅子生活で骨密度が少し上昇してしまうのは、
長時間の座位が腰にとってそれほどストレスとなっているという証拠なのです。

 

そして正しい姿勢で座れていないともちろん腰痛に繋がってしまいます。
よってこの対策としては、なるべく車イスに座っている時間を減らすことから始まります。

 

仕事のお昼休みや家に帰ってからなど、車椅子から少し降りて
寝る時間を作ってあげるだけでも腰の負担を減らすことが出来るので、
環境が許す限りみなさんもやってみてはいかがでしょうか?

2:運動麻痺や体幹の不安定で生じる痛み

みなさん何らかの運動麻痺が原因で車椅子生活になっているかと思います。

 

その為、多くの人が体幹の安定性が低下してしまっています。
まっすぐな姿勢を保てず、背もたれに寄りかかって座っていることでしょう。

 

体幹部の前面である腹横筋、腹直筋がうまく働かない状態だと、
背骨をベースとして体幹部を安定させなければなりません。

 

その為、腰への負担がかかってしまいます。

 

また、体を起こす際に、身体を過剰に反ってしまうことで、

腰にストレスとかけることもあります。

 

運動麻痺を改善することは容易ではないですが、
それを放って置いてしまうと、腰のストレスは軽減できません。

 

最近では、このような猫背予防のグッズも多く売られています。

 

 

背筋がすっと伸びるので、慣れないとバランスや車椅子を漕ぐのは少し大変になりますが、
慣れてくると、いい姿勢を保持できるようになってきますので、
一回試してみるのもいいかもしれません。

3:車椅子生活で上半身が硬くなって生じる痛み

日常的に車椅子を漕いだり移乗をすることで、
上半身を使いすぎ、上半身の柔軟性が低下してしまうことは
車椅子ユーザーにとってよくあることです。

 

特に車椅子生活では大胸筋や前鋸筋などと言った体の前面の筋肉を沢山使わなければなりません。

その為、硬くなりやすくなってします。

 

しっかりストレッチをしないで、そのままの状態を保持してしまうと、
体はどんどん丸まってしまいます。

 

猫背になってしまうと、先ほどと同様、身体を起こす際により腰を使わなければならなくなり、
そして結果的に腰を痛めてしまうのです。

 

なので、上半身のストレッチ、特に下の写真のように胸や脇を伸ばすような動きが大事なのです。
日々しっかりケアをして、上半身の柔軟性をしっかり確保しておきましょう。

 

4:下半身の硬さから生じる痛み

これは意識的にしっかりケアしているが、十分にできていない人も多いのでないでしょうか?

 

車椅子に長時間座っていると、どうしても股関節が硬くなってしまいます。

股関節が硬くなってしまうと、

いざ伸ばそうと思ってもまっすぐに伸びない拘縮と言った状態になってしまうこともあります。

 

また股関節が硬くなってしまうと、大臀筋も収縮しづらくなってしまい、
筋肉が萎縮しやすくなってしまいます。

 

その為、お尻の下にある坐骨神経が圧迫されやすい状態になってしまい、
腰痛に繋がってしまうのです。

 

これを緩和するには、

下肢の定期的なストレッチと可能であれば立位姿勢を取ることです。

 

立位姿勢は下肢の硬さを取るのに最適な姿勢ですので、
器具などを利用してでも立つことをお勧めします。

 

なかなか一人で立つのが難しい場合は
ユニバーサルトレーニングセンターでも
立位のトレーニングを行えますのでぜひご相談下さい。

 

5:痙性からの姿勢が崩れることによる痛み

そして5つ目は痙性による筋バランスと姿勢の悪化です。

 

痙性とは脊髄損傷や脳性麻痺などで起こる不随意の筋収縮です。

 

痙性の強弱は個人差がありますが、左右の痙性の強さが違うことも多々あります。

左右の痙性の強さが違うと、バランスが悪くなってしまい、側弯症に繋がってしまいます。

 

また、背部の痙性は腰の過剰な反りに繋がったり、

腹部の痙性は股関節の硬さに繋がったりしてしまいます。

 

痙性は本来、筋肉量を維持してくれたり、動作をサポートしてくれたりする素晴らしいものですが、
上手に付き合っていかなければ身体に悪影響を及ぼしてしまいます。

 

そして痙性のコントロールは過剰な場合をのぞいて、

運動からマネージメントしていくことが良いとされています。

 

ユニバーサルトレーニングセンターでは痙性のマネージメント方法もご紹介していますので
ぜひ参考にしていただければと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

今回、車いすユーザーが抱える腰痛の5つの原因と対策法をお伝えしました。

 

5つの原因

 

  1. 長時間車椅子での座位姿勢による痛み
  2. 運動麻痺や体幹の不安定で生じる痛み
  3. 車椅子生活で上半身が硬くなって生じる痛み
  4. 下半身の硬さから生じる痛み
  5. 痙性からの姿勢が崩れることによる痛み

 

 

今回、ご紹介したのはほんの一部になりますが、車いすユーザーの多くの人が心当たりのあることではないでしょうか?

 

手頃にはじめられるものからでも良いので、ぜひ試してみてください。

 

また今回の原因に全て当てはまる訳ではないので、
症状が酷い場合は必ず専門家に診てもらって下さいね。

 

とはいえ、車椅子生活での腰痛は、車椅子生活での生活や動作を大きく変えていかないと
根本的な解決にならないことも多いです。

 

車椅子生活で腰痛にお悩みの方は、UTCのお問い合わせページからお気軽にご相談ください!

 

Universal Training Centerお問い合わせ

 

 

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障害者専門トレーニングセンター Universal Training Center代表。 米国認定アスレチックトレーナーの資格を持ち、2016年にはリオパラリンピック日本代表団のHPSCトレーニング部門のスタッフとして活動。米国留学時代にはプロサッカーチームでトレーナーを経験したが、脊髄損傷者のトレーニングをきっかけに、障害者のトレーニングの世界に没頭する。様々なバリアがあっても健康的な身体を作ることができる。そんな障害者に特化したトレーニングを提供している。詳しいプロフィールはこちら→菅原瑞貴


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