「虐待をしてはいけません!」
というのは、誰でもわかることですが、虐待が減らないのはなぜでしょう?
その大きな要因の1つが、「虐待が起こったらどうするのか?」といった対処的な防止や対策が多く、『虐待を予防しよう』という取り組みが極端に少ないのが現状ということだと思います。
日々の予防がとても大切!
ということで、虐待をなくしていくために全国の支援者と繋がり、情報交換ができるような『知的障害虐待予防ラボ』というコミュニティを立ち上げました。
特定非営利活動法人サポートひろがり代表の山田由美子さんとサイボウズ株式会社の藤井愛子さんとウェルサーチ編集長の日野による共同企画。
全国の支援者が繋がって、盛り上がっているのですが、いったいどんなコミュニティなのか?全貌をお伝えします。
条件を満たせば無料で参加することができますので、ぜひ一緒に虐待をなくしていければ幸いです。
お好きなところからお読みください
知的障害虐待予防ラボとは
知的障害虐待予防ラボとは、
- 虐待の減少
- 支援者の負担軽減
- ノウハウ共有
- 支援の質の向上
- 横の繋がり、職員同士のネットワーク作り
- 別領域の虐待防止取り組みにも展開できるようなモデル作り
の実現を目指すコミュニティ。
知的障害がある方への虐待を予防するための、施設・事業所職員による全国ネットワークを構築していきます。
このようなコミュニティは、全国でもまだモデルがないため、すべてが実験になります。つまり、知的障害分野における日本初となる試みです。
虐待がなくならないのは、
- 職員同士による情報交換できる場がない
- 適切な支援を学べる環境が少ない
といった理由があります。(深堀りしていくと、もっとたくさんありますが)
そこで、全国のいろんな施設職員が繋がり、事例を用いながらお互いに学ぶことで、虐待予防ができればなと思ってスタートしました。
コンテンツ事例
知的障害虐待予防ラボは、サイボウズさんの「kintone」を利用して運営してます。
実際のトップページはこんな感じ
コンテンツも
- 自己紹介
- 虐待予防に役立つセミナー
- 虐待予防に役立つと思われる、書籍やサイト
- 過去の虐待事例
- 相談コーナー
など、コミュニティに入っている皆さんが交流し、情報交換できるものにしております。
実際のコンテンツ事例
スレッド一部
実際に知的障害虐待防止ラボ内のスレッドはこんな感じです。(一部ですが)
※「にやりほっと」とは?
利用者の皆さんの言動や行動で、職員が思わず笑ってしまったり、心がほっこりしたりしたことを、職員間で共有すること。ひやりはっと(リスク)に意識を向け過ぎるあまり、利用者の皆さんの行動が問題行動として、捉えられてしまったりするのを防ぐこと。そして、利用者の皆さんの良いところ、チャーミングポイント、強みに目を向けられるようになること。
運営メンバー
知的障害虐待予防ラボの運営メンバーは、以下3名です。
特定非営利活動法人サポートひろがり代表
山田由美子
プロフィール
特定非営利活動法人サポートひろがり理事長。株式会社伝わるラボ代表。知的障害者や自閉症の方のしあわせを願い、全国の支援者の相談を受け、ブログ・セミナー等で発信し、コンサルティングなど支援者の支援を行っている。
サイボウズ株式会社
藤井愛子
サイボウズ社長室。大学で臨床心理学を専攻。児童養護施設で働いた経験を活かし、虐待予防の仕組みを作るために活動中
ウェルサーチ編集長
日野信輔
ソーシャルビジネスに特化したWebマーケター。福祉の専門家や当事者が発信するWebメディア「Welsearch(ウェルサーチ)」を運営。主に福祉系の集客・事業の仕組み化をサポートをしたり、障害者のプロデュースなどしている。
このような運営メンバーとなっておりますが、初となる試みなので参加者みんなで創り上げていくコミュニティとなっています。
オンライン交流会も開催
知的障害虐待予防ラボでは、定期的にオンラインの交流会も開催しています。
実際の風景
交流会ではこんな話題が(一例)
知的障害虐待予防ラボの交流会では、実際にこのような意見が飛び交って、みんなで意見を出し合いながら解決策を見い出していってます。
支援と虐待の境目がわからない
実際、誰にもわからない。
と言いますのも、こっちが虐待と思っていなかったとしても、利用者から虐待と言われれば、虐待となってしまうから。
むしろ、境目を知っているから虐待がなくなるという訳ではない。
そこにこだわるより、「この人にとって、もっとよい支援は何か?」という視点を持つと境目の呪縛から離れていく。
あとは、その支援が自分がされて嫌かどうか?を考えてみるといいかもしれない。
職員だけの意見になってないか?
職員同士で虐待防止や予防について話し合うことはあるけれども、利用者からの意見(どういうことが嫌なのかなど)を聞くのことが案外ない。
しっかりと職員目線だけでなく、利用者目線から考えていくことも大切。
形だけになってないか?
利用者に声を求める意見箱を置いているが、機能していないケース。
意見箱を設置していても、実際の利用者の声が入っていないと意味がないです。
なぜ意見が入ってこないのかを考える必要がある。
例えば、書きたいのにペンがなかったり、そもそも字が書けなかったりといったことを考慮しているか?
役割があるか?
施設内でモチベーションが上がらない・指示されたことしか動かない職員が多い。
役割を与えると変化するかも。
役割を与えることによって、何をすべきかが明確になるので、自分から動くことが増えてくる。逆に役割がないと、自分が施設の一員だと認識しづらいので、一体感が出しづらい。
参加者からの感想
知的障害虐待予防ラボの交流会に参加していただいた方から感想もいただいております。
(個人情報のところは伏せております)
一緒に虐待をなくしていきませんか?
このような感じで知的障害虐待予防ラボは、全国の支援者の皆さんと協力しあって、虐待をなくしていくための情報交換をしております。
誰でも虐待がしたくて、しているものではありません。
中には、適切な支援と思っていることが虐待になってしまうケースもあります。
「自分が虐待しているんじゃないか?」
「あの人の支援って虐待なんじゃ?」
でも、誰にも相談できないんです…
といった声がとても多いです。そんな現状をなくしていくためにこのコミュニティがあります。
ぜひあなたも知的障害虐待予防ラボに参加して、一緒になって虐待をなくしていきませんか?
ただし、3つだけ条件があります。
知的障害虐待予防ラボの参加条件
参加条件は、下記3つだけです。
- 知的障害者施設、事業所職員であること
- Facebookアカウントを持っていること
- チームメンバーとして、積極的に参加する意欲があること
ただし、まずは1年間の実証実験ということで100名までとなります。
フォームにお申し込みいただきましたら、順次招待メールをお送りしますので、参加したい方は下記フォームを記入してお申し込みください。
→ 知的障害虐待予防ラボに参加する
※現在募集を終了しております
では、一緒に協力しあって虐待をなくしていきましょう。
虐待は、予防ができます。
虐待をしてから考えるのではなく、虐待をしないように考えることです。
しない・させない、STOP虐待!
日野信輔
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