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うつ病と飲酒量の関係について考える|最近、お酒を飲みすぎてませんか?

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私には、うつ病の末、アルコール依存症に陥り、最後に命を落とした友人がいます。

 

自殺ではなく、別の形で命を落としたわけですが、その要因となったのは、うつ症状であり、お酒であったのは間違いありません。そんな友人を私は近くで見ていました。だからこそ伝えられることがあります。

 

うつ病とお酒の関係から始まり、双方に共通する依存について、さらに1日の飲酒量の目安についてまとめつつ、私が友人を見ていて感じたことをお届けします。

 

最近、飲酒量が増えているなーと感じているあなた、もしくは暴飲する回数が増えている家族や友人がいるあなた、さらにはお酒を飲んでいると、または飲まなくなると、気分が沈んで落ち込んでしまうあなたにお読み頂ければ幸いです。

 

【記事の監修】

Welsearch(ウェルサーチ)でも発信していただいている精神科の訪問看護師「大塚たいぞう」さん

うつ病になるとお酒を飲む量が増える?

うつ病になると、飲酒量が増えると言う話はよく聞かれることです。何故なら、お酒を飲むと開放的な気分になり、楽しかったり、怒りっぽくなったりと性格の変化が起こるからです。

 

これは一度でもお酒を飲んだことがあるなら、ご理解頂けるのではないでしょうか?

 

お酒は気分を高揚させる

うつ病を患うと、気分の波が出てきます。調子が悪くなると、自分の存在を否定するほど落ち込むわけですが、そんな時、お酒を飲むことで気分が高揚します。

 

お酒には抑うつ効果があります。これはドーパミンが分泌されるからです。

 

抑うつ剤の代用としてお酒を飲む

先に触れた友人もそうでした。抑うつ剤の代用として、飲酒量が増えていったように思います。一度、この効果を実感すると、お酒への依存が始まってしまうんですよね。

 

きちんと専門医の治療を受けている場合であっても、処方される薬の量が決まっている為(もちろん患者のことを考えての処方量ですが)、それでは足りない状況となった時、お酒の力を借りるようになってしまいます。

 

ここでお酒を飲むことでドーパミンが分泌され、気分の高揚を経験したこと。これが後々まで引き続いていき、結果、飲酒量が増えるという結末へと繋がります。

 

 

これがうつ病になると、お酒を飲む量が増える理由のひとつと言えます。

では飲酒量が増えることで、うつ病にどう影響を与えるのか? 具体的な関係性について触れていきましょう。

 

 

お酒(アルコール)への依存とうつ病の関係は?

お酒を飲む量が増えると、必然的に依存度が高まります。これは別にうつ病でなくても、飲酒量が増えると、徐々に依存傾向が強まるので、簡単に想像出来るのではないかと思います。

 

この時、お酒に対して感じる依存傾向は、うつ病の治療に使われる抑うつ剤に似ていると言えます。
実際、友人は専門医の治療を受けていましたし、薬も服用していました。しかし、飲酒量も増えていきました

 

抑うつ剤への依存度も、アルコールへの依存度も日を追うごとに強まっていったと言えます。

 

私が友人のことを自分の目で見てきた経験から、うつ病とお酒には強い関係性があると言えます。実際、厚生労働省が開設しているe-ヘルスネットでは、アルコールとうつの関係性を伝える情報が公開されています。

 

アルコールに依存することで起こること

アルコールに依存するようになると、うつ病がより進行する傾向にあります。

それは何故か? その理由を挙げていきます。

 

1,抑うつ剤が効きにくくなる。

飲酒量が増えると、抑うつ剤が効きにくくなると言われています。これに関しては、世の中のお酒のみの人からお話を伺えばよく分かりますね。

 

日頃から飲酒量の多い人、アルコール依存症の人は痛み止めなども効きにくいと・・・ご本人たちが公言しています。試しにあなたの周りにいるお酒のみの人からお話を伺ってみて下さい。

 

2,お酒は眠りが浅くなる

お酒を飲むと眠りが浅くなるのは、実感できる!って人は多いのではないでしょうか? 深酒などをした翌日は、ひどく眠いことありませんか?

 

さて問題なのは、眠りが浅くなったことがどんな風に、うつ病へ関係してくるのか?

 

うつ病の予防や対処法として、眠ると言う手段があります。眠ると気分がスッキリすること、気持ちの切り替えが出来ること、これは私も実体験としてあります。

 

また眠ることは、ある意味で現実から思考を切り離すことが出来るため、その間は気分の落ち込みがありません。深く眠れることは非常に重要なんです。しかし飲酒量が増えることで、 眠りが浅くなると、睡眠による制御が難しくなります。

 

3,ドーパミンに慣れてしまう

ドーパミンを何度も分泌させていると、その感覚に慣れてしまい、反応が鈍ってくると言われています。

その為、ドーパミンの分泌を感じたくてお酒を飲む。だけど反応が鈍っている。麻痺しているため、飲酒量が増えてくると言う悪循環が生まれてしまいます

 

 

この他にも、二日酔いやお酒の席でのトラブルなど、うつ病の起因となる要素が増えてきます。結果、うつ病の進行に繋がることがアルコール依存には考えられると言うことは忘れてはなりません。

 

それでもお酒は飲み過ぎなければ、日々の暮らしを楽しくさせる要素になります。ということで、続いては適切な飲酒量について触れていきます。

 

 

どれくらい飲むと飲み過ぎなのか?楽しくお酒を飲む目安を探

飲酒と自殺に因果関係があることが分かった以上、どれぐらいが適量なのか? それを知っておく必要があります。
特に毎日お酒を飲む人にとっては、知っておきたいことではないでしょうか?

 

国立がん研究センター予防研究グループが公開しているデータによると、日本酒に換算して1日3合(約540ml)ほど飲む人は、自殺のリスクが通常の2,3倍高まるとしています。

 

また自殺=飲酒の関係については、先にご紹介した厚生労働省が開設しているe-ヘルスネットでも触れています。

 

うつ病であること=自殺願望のある人と言うのは早計ですが、俯瞰的にそれぞれの関係性を見た場合、飲酒・うつ病・自殺のそれぞれは繋がりがあると言えます。

 

楽しくお酒を飲める適正量は?

これは先程触れたデータから逆算すると良いでしょう。日本酒は1日3合以上飲まない。

日本酒のアルコール分は、大体15度前後です。それを540ml程度飲むのは控えたいところです。

 

ビールであれば、アルコール分が5~7度ほどですから、ここから考えれば、1リットル程度は飲んでもバランスはとれますが、リミットギリギリまで飲むのは推奨できません。

 

その為、缶ビール500ml1本と日本酒1杯ぐらいの量が飲みすぎず、気分良く飲める程度であると思います。これぐらいなら、翌朝もスッキリ寝覚める事ができるでしょう。

 

もちろん、お酒に弱い人は調節するべきでしょう。またうつ病の末、お酒を飲むようになった人は、別の気分転換方法を探すべきです。

 

冒頭で触れた友人もアルコール以外の気分転換法を持っていたら、命を失わなかったかもしれません。タラレバにはなりますけど。

またあの頃の私は、うつ病ではなかったので、理解力不足だったことは否めません。それは後悔していますし、この後悔が消えることはないでしょう。

 

うつ病と飲酒量の関係についてのまとめ

お酒を飲みすぎることは、うつ病であろうがなかろうが、健康を害します。それは間違いないことなので、くれぐれも気をつけて頂ければと思います。

 

また飲酒量が増えると、体重が増加しますよね・・・私自身、ものすごく実感しています。すべてはつまみのせいなんでしょうが、この辺のことも考えると、お酒は適度に楽しんで行きたいものですよね!

 

もし、うつ病の傾向がある場合、そんなことを心配してしまう家族や友人がいる場合、お酒を飲まないと、眠れなかったり、気分がすぐれない場合、よし!お酒を飲んで忘れよう!ではなく、別の方法で対処するようにして、あくまでも楽しむ目的で飲酒して頂ければ幸いです

 

 

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おはぎ

過去にうつ病を患っていた経験を元に、今現在戦っている人、それを支えている人たちが役立つ情報をお届けします。 また統合失調症に関しても支える立場になった実体験からお医者さんで得られる情報とはまた違った、心のケア情報を豊富にお伝えします。 ちなみに名前の由来は好物から(キングカズと一緒)。


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