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大人の発達障害当事者の居場所をめざして|Neccoカフェ・インタビューvol.1

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Neccoカフェは、日本初といわれる発達カフェ。発達障害のある人たちが主体となって、東京の西早稲田で2011年にオープンしました。発達障害にまつわる書籍が充実しているブックカフェであり、発達障害への理解を楽しく深められるようなイベントスペースでもあります。何より当事者がくつろげる居場所です。

 

※Neccoカフェは、長年の活動が評価され、2026年7月に公益財団法人 社会貢献支援財団から「第65回 社会貢献者表彰」を受賞されました。

 

今回は、Neccoカフェの店主である金子磨矢子さんと、スタッフのまきさんに、お話をお伺いしました。お二人にはADHD(注意欠如・多動症)があります。

聞き手は、ASD(自閉スペクトラム症)当事者・まほと、グレーゾーン当事者・たま。二人ともNeccoカフェに通っているお客さまでもあります。

四人はもともと知り合いということもあり、和やかに話が弾みました。

 

インタビューの内容を全3回の記事に分けてお届けします。

第1回の今回は、Neccoカフェを開いた動機について、語っていただきました。

 

Neccoカフェの店内で並んで座る2人

左:Neccoカフェ店主・金子さん 右:スタッフ・まきさん

 

 

これ自分のこと!? 一冊の本との出会いから発達障害を知る

まほ
発達障害は10年前と比べると認知度が上がっているものの、正しく理解している人はまだまだ少ないと思うんですね。

そのようななか、当事者の居場所であるNeccoカフェを2011年から続けてこられたのは、すごいことだと思いますし、感謝しています。

まずはこのお店を開いた動機など、お聞かせいただけますか?

なぜそこまで一生懸命になれるのか……

以前も個人的にお聞きしましたけど、SNSを通して当事者同士で集まるようになり、もっと話せる場所が欲しいと思って、Neccoカフェを開いたんでしたっけ?

金子さん

もう本当に単純にそういうことですよね。SNSと言ってもmixiだけです。

まだその頃は発達障害って言葉が世に出てきていなかったくらいで。それでも、ADHDとかLDかもしれない人たちのコミュニティが、いっぱいあったんです。

まずは自分と同じような人と会ってみたい。一人一人が、こんなに変なのは自分だけだと思って、今まで生きてきているんです。

たま

じゃあ、最初はSNSのコミュニティからスタートしたんですか?

金子さん

当事者で集まるという行為に関してはね。発達障害について知ったのは、本屋巡りをしていて、『のび太・ジャイアン症候群』という司馬理英子先生の本に出会ったのが最初。

それを見たら、もう自分のことのようで、ほんと自分トリセツだよね。

まほ

見つけたとき、どんな感じがしました?

金子さん

「あー! これ自分のことー? 嘘ー!?」って感じで……

Neccoカフェがある高田馬場には、当時、大きな本屋さんがポンってあって、小さな本屋さんもポンポンあってね。そこで見つけたの。出たばっかりの本がズラっと並んでいるじゃないですか。で、開いてみたら、自分のことが書いてあるんです。そんなに難しくもないから、ダーっと立ったまま読みましたね。

もちろん買って帰って、家でも何回もびっくりしましたけど……

 

発達障害に関する書籍が並ぶNeccoカフェの本棚

Neccoカフェの本棚。発達障害関連の書籍が充実していて、お客さまはお茶をしながら読むことができます。

自分以外にも当事者がいることに気づいた

たま

その頃はまだ、お医者さんの診断とか受けてらっしゃらないじゃ……

まほ

これを初めて見て気づいて、じゃあどうしようって世界ですよね。

金子さん

だけど、すでにもう生きてきてるわけですよ、40何年も。だから今さら慌ててどうこうする問題ではないじゃない。

ただ、自分は発達障害だったんだってわかって、自分以外にもいるんだって気づきました。しかも、司馬理英子さんっていうお医者さんが書いているんですよ。自分もそうだということを。だから信頼できる。アメリカで医学の勉強してる時に、それがわかったって書いてありました。

 

で、しばらくそのままにしていたんですよね。

私の子どもも様子がちょっとおかしくて、何でだろうと思っていたのですけど。

こんなパソコンもないし、スマホなんかもね、何にもないでしょう。

図書館とか行っても、古い本しかないから。まずは新しい情報をと思って、本屋さんに行きました。

 

そんななか、テレビでアスペルガーについて見たんです。

服巻智子先生について取り上げていました。やはりアメリカのノースカロライナ大学で、自閉症の研究をしていた先生です。先生が見ている男の子も出ていて、これがアスペルガーですよ……って言って。よく出てくれましたよね。ずーっとこう、カメラで様子を追ってるんです。それがもうそっくりで、これは間違いないと思いました。

自閉症協会に入会。即、啓発活動を決心

金子さん

次の日に自閉症協会に飛んで行ってその場で入会して。これからアスペルガー部会を作るところなので、一緒に作りましょうっていうところだったんです。

そこからずっと、もうその日から、私は啓発活動をしていこうと決心しましたね。

まほ

あれ? 東京都自閉症協会のことですか?

高機能自閉症・アスペルガー部会の定例会には、私も参加したことがあります。阿佐ヶ谷でやっていますよね。

金子さん

行ったのは東京都の自閉症協会なんですけど、その頃はまだ日本自閉症協会の支部でした。その後NPOとして独立するんですけど。

まほ

発達障害についてテレビでご覧になって、自閉症協会に入って、もうその日から啓発活動をしていこうと決めたんですね。決断力がすごいと、お話を聞いていて思いました。

まずは自分が知って、誰かにも知ってほしいって思って、SNSなどで仲間も見つけて、そこからNeccoカフェを作ったって感じなんですかね。これまでの流れとしては。

話が尽きない…心置きなく話せる当事者会

金子さん

そうですね。まずは自閉症協会で、大人でも当事者がいるってわかったんです。それまでは子どもだけの障害と思われたんでね。それで、大人の会をやりましょうって言って集まりました。

最初は10人もいなかったかな。居酒屋やファミレスに集まって、ガヤガヤやってる感じ。それでも、あんまり大きい声で話せないし、人数も増えてきたしね。公民館が借りられるっていうのが分かって、じゃあ、会議室を借りようということになりました。

月1回いろんな所を借りてね。だんだん和室が居心地いいっていうのがわかって、広い所を丸1日借りたりして。出入り自由だし、疲れたらゴロンとしていてもいいし。そんなんで、しばらくやってましたね。もう、話がね。尽きないんですよ。

まほ

どんなことを話すんですか? 話が尽きないって……もういろいろあると思うんです。

想像はつくんですけど……(笑)

金子さん

面白いですよね。

たま

そこの場だから、心置きなく話せるような?

金子さん

もちろん、もちろん。ちょっと話が尽きなくて、もう夜の最後の最後までね。

うん、じゃあまた今度は1ヶ月後とかいう感じで。

でも、ちょうど用事があったり、体調悪かったりすると、2ヶ月会えないし、いつでも行ける居場所が欲しいねっていう、みんなの気持ちがあった。

たま

多分想像するに、普段は孤独で、わりと人と接することがしにくいし、実際苦手な人もいらっしゃると思うんですけど、そういう人たちにとって、初めて仲間と心置きなく話せる場だったんじゃないですかね。そんな気がするんですけど。

金子さん

ほんとにね。そうそう。

Neccoカフェのオリジナルブレンドハーブティー

Neccoカフェは飲み物も美味しいです。写真はオリジナルブレンドのハーブティ。

お店の物件を見つけたのは偶然。ちょっと変わっているけど……

たま

この物件を見つけて、お店をオープンしたのは、どのような経緯だったんですか?

金子さん

いや、ここはもう本当に偶然です。偶然。

1年以上物件を探していたものの、貸してくれないんですよ、簡単に。

発達障害っていうのも知られてないけど、一応精神障害の仲間だし、そういう人たちが集まるっていうと、ここは何に使ってもいいですよっていう場所でも、最終的に断られたりして。

まほ

どういう偶然があったのか、逆にお聞きしたいのですけど……

金子さん

うん。ここはちょっと変わった物件で……

上の階でゲストハウスをやってたんです。今はもうないけれど。バックパッカーみたいな外国人が日本に来て泊まる場所でした。当時はまだ、そんな漫画喫茶とかネットカフェとか、何もないんですよ。

で、そういうのを経営していたので、変わった人たちが出入りしている所だったんですね。

だから不動産屋も「ちょっとここは変わっていますけどけど……」と言っていたけど、私は「うちはもっと変わっていますから、全然いいですよ」みたいな感じで(笑)

 

(一同爆笑)

 

まほ

オーナーの方が柔軟だったってことですかね。

金子さん

それもあると思います。すごいいい人たちです。

編集後記

金子さん、インタビューありがとうございました。

 

一冊の本との出会いから発達障害について知り、自分以外にも当事者がいることに気づいた金子さん。自閉症協会に飛んで行って、すぐに啓発活動することを決心します。SNSで仲間を見つけ、大人の当事者会を開き、みんなで居場所がほしいと思うように。やがて日本初といわれる発達カフェである、Neccoカフェをオープンしました。お店の物件が見つかったのは、偶然に偶然が重なってのこと。金子さんのバイタリティーに、目を見開かされた思いです。

 

次回のインタビューでは、金子さんがNeccoカフェを続けるなかで感じたことや、今後やりたいことについてお聞きします。

どうぞお楽しみに!

 

参考リンク:Neccoカフェ(公式サイト)

 

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2014年に発達障がいの診断を受けて、現在は障がい者雇用で働いています。好きなことは文章の読み書き。苦手なことは計算と器用に立ち回ること。得意・不得意の凹凸が大きすぎて、生きづらさを感じることもありますが、自分や社会との心地良い関係を模索中です。旧PN:あすか。 著書『発達障害の私がほっと楽になるコミュニケーション: 自分らしく働ける話し方 』(Kindle)※ウェルサーチ関係者のご協力のもと、出版させていただきました。


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