TV制作の会社を経営しながら、「障害者と健常者が一緒に暮らす」がコンセプトの川崎市にあるシェアハウス「MAZARIBA」を運営されている内田勉さん。福祉の専門家や当事者が発信するWebメディア「Welsearch(ウェルサーチ)」の編集長である日野。
『ウェルトーーク!』とは、一般的な福祉の支援とは、ちょっと違った福祉のアウトサイダーの2人が提供するによる参加者も一体なって進めていくトークライブです。
2019年2月3日(日)に、「ウェルトーーク!」の第2回目を開催しました。この記事では、YouTubeでライブ配信した動画だけでなく、書き起こしをしております。当日、見れなかった、参加できなかったという方も見れるようにしました。
第2回目の今回からは、福祉で活躍されている方をゲストとしてお呼びしております。今回は、現役の特別支援学校の先生をお呼びして、特別支援学校の現状について、多くの質問をさせていただきました。
長くなってしまいましたので、2つの記事でご紹介します。こちらの記事では、そもそも特別支援学校とは、どんなところなのか?というところから、授業内容や進路先についてぶっちゃけてもらいました。
ここでは、特別支援学校のイメージがつかめるようになるだけでなく、知的障害者の得意なことまで知ることができます。特別支援学校に通う、通う予定の親御さん・企業の方が参考にしていただければ幸いです。
お好きなところからお読みください
ウェルトーーク!vol.2
「ウェルトーーク〜vol.2」では、ゲストをお呼びいたしました。特別支援学校の先生でもあり、空き家を利用した高齢者の居場所づくりもされている柳澤智敬さん。特別支援学校について、とことん聞いてみました。
柳澤智敬さん
柳澤さんプロフィール
特別支援学校の知的障害の学校で中学部を3年間、高等部を6年間教員として働いている。教員として、生徒たちを指導する傍ら、「きれいな街は、人の心もきれいにする」がコンセプトの街をきれいにするグリーンバード横浜南チームのサブリーダー、空き家を活用した居場所づくり『たすけあいハウス』の管理者、障害者の起業支援をされているBPKS-JAPANの副理事もされている。
まず最初に「ウェルトーーク〜vol.2」の動画になります。聴覚障害者の方や動画よりも文章の方がいいという方のために、書き起こしの文章もありますので、お好きな方でご覧になっていただければ幸いです。
では、内田さんも自己紹介をお願いします。
ぜひ質問や、こういうのが聞きたいと言うのがあれば、突っ込んでいただければと思います。
ぜひ今日は、普段聞けないようなぶっちゃけ話を引き出したいなと思っています。では、柳澤さんよろしくお願いします。
そもそも特別支援学校とは?
- 目が見えない方
- 耳が聞こえない方
- 病気で病院にいる方
- 肢体不自由と言って手や足が動かない方
- 知的障害の方
の学校の5つに分かれています。それが、すべて特別支援学校ということになっています。
特別支援学校の利用者が抱えている悩み
あとは、今だとLINEでトラブルを起こしてしまうとか。対人でどうやって話をしていいのか?というのが難しかったりというのが、けっこうあがってきますね。
例えば、腕1本分離れようとか、正しいコミュニケーションの方法を教えることが多いですね。特に、高校生がそういう場面が多いですけど、小学生のケースは、服のたたみ方とか。自立に向けたことをやっていることが多いです。
中学校だと、小学校からの自立を発展させた形にして、教育しています。高校生だと進路先に向けて、自分で自立したものを応用して、それに生かすという形が多いです。
特別支援学校の授業内容って?
授業に自立活動が組み込まれている
レジを一緒に準備をして、店員役、お客さん役とか分かれてやったり。自分たちで分かりやすいように。という形で教えていることが多いです。
科目もいろいろあるんですけど、その中でどうやって日常生活に活かしていくか?というのが特別支援学校の授業として組み込まれてます。
例えば、2、3回繰り返しながら、次のステップとして、実際にコンビニ一緒に行って、じゃあ買いに行ってみようよという形にしたり。日常生活に応用できるようにしています。
特別支援学校を知るキッカケは?
特別支援学校の数は足りているの?
あとは、今まで支援級と呼ばれるところがなかったところに、「支援級を作りましょう」と一般の学校に協力してもらったり。それでも支援学校は、定員オーバーするという事も多いですね。
そうすると、今までは普通校に入っていた子も支援級に来たりしていますので。
例えば、数学とか社会とかとはすごくできるんですけど、国語とかコミュニケーションになるとすごく落ちたり。
特別支援学校の進路先ってどこなの?
あとは、特例子会社のような大手が持っている子会社やスキルを勉強するところ。ここで、2年間くらい勉強するというところが進路先としてはありますね。
でも、小中高すべて持っている学校だと、作業場5割くらいというパターンもあります。学年によって本当に幅広いので、何とも難しいのですが、そういう割合が多いかなと自分の中で思っていますね。
※特別支援学校の進路先について、柳澤さんが詳しく説明してくれた記事があります。こちらをご参照ください。
知的障害者が特別支援学校の高等部を卒業した後に、どのような進路先・仕事があるのかあなたは知っていますか? 実はこれってあまり知られていないと思います。といいますのも、インターネットなどで調べようとしても、まとめられたものが少なく、調べにくくなってるのが現状です。 まず初めに、特別支援学校の進路先について、結論からお伝えしましょう。一般的に、特別支援学校を卒業した知的障害者の進路先には 一般企業 就労移行支援事業所 就労継続支援A型 就労継続支援B型 生活介護事業所 の5つが主... 特別支援学校5つの進路先!知的障害者の進路状況はどうなっているのか? - WelSearch ウェルサーチ|福祉の専門家や当事者たちが発信する福祉情報サイト |
卒業後のアフターフォローはあるの?
と言いますのも、教員も異動があるので、知っている生徒がいない、知っている教員がいないとなると相談しにくい状況になってくるからなんですよね。
卒業後に支援してくれる団体は?
後は、かかりつけ医がいるといいです。そうすると、そっちでも相談もできたり、「この先こういう不安があるから、こういう事したほうがいいですよ」アドバイスをもらえます。
特別支援学校から就職するコツ
例えば、就職しやすくなるためのコツとか。
就職には保護者とも相談が不可欠
こういう仕事だったらできるんじゃないかな?ということを話し合っていくので、それは学校が選びます。保護者の意向などは、個人面談とか進路面談でいろいろ言ってもらうといいです。
特別支援学校の雰囲気ってどんな感じ?
特別支援学校に通う親御さんの悩み
学校もアフタ―フォローが3年間ぐらいなので、逆に行政とつないでおくことでその後も相談できる。そういう窓口を作っておくというパターンが多いですかね。
逆に、教員と保護者同士じゃなくて、教員と保護者というよりは、行政を入れた方が将来的にいいです。その子が自立しやすいというのもあるので、そっちの方が大きいですかね。
行政とも繋がっておくことがおすすめ
そういうところは、行政に入ってもらった方が質問もできるし、相談もしてくれます。なので、行政とつないでもらうのが、アフタフォローも考えると、1番早いのかなと思いますね。
障害者の自立で親が意識しておいたほうがいいポイント
家庭と学校の様子は違うケースがある
ですので、学校ではできているのに、なぜ家庭でできないのかな?というのが出てきます。逆に、家庭でできていることがなんで学校ではできないのかな?というのがあったら、そこにアプローチしてみたりますね。
「できる子なんだから、できるようにしようよ!」というのを話せるので。そういう様子を担任に言ったり、保護者で言ってもらうと、逆に学校も動きやすいですね。
行政でもいろいろ福祉の支援もあるのですが、働いて税金を払ってもらった方が、その子たちに「自分で働いたお金で生活しているんだよ」というのがわかってほしいとは思いますね。
参加者との懇親会での1コマ
知的障害者が得意な仕事とは?
あとは、スーパーの品出しですね。コミュニケーションを取らなくていい仕事もあるので、バックヤードで商品を出したり並べたり。そういうのは丁寧にやってくれるので、喜ばれることは多いですね。
「少し待ってください」とかそういう一言が言えなかったりすることもありますので。
知的障害者にとって急な対応は難しい
集中力があり、仕事が丁寧
真剣にやるからこそ、嘘つかれちゃうこともあるんですけど…。しっかりすべてをやってくれるので、企業としてはそういうところは嬉しい。
企業が障害者を支援する際のコツ
例えば、絵で書いたり、写真で見せながら一緒にやる。あとは、見本を見せることですね。いろいろなやり方はあると思うので、人によって合わせていくのがいいです。
まぁ、普通の健常者の方も見本を見せてもらったほうが分かりやすかったりするので、同じような感じで考えていただけるといいかなと。
動画マニュアルもおすすめ
言葉や文字より資格情報で伝える
最後に
第2回目の『ウェルトーーク!』はいかがでしたでしょうか?今回は、現役の特別支援学校の先生である柳澤さんから特別支援学校について、みんなで質問攻めをさせていただきました(笑)
1つ目の記事では、そもそも特別支援学校とはどういったところなのか?ということから始まり、授業内容や進路先などを語っていただき、特別支援学校についてイメージできたのではないでしょうか?
また、親御さんの支援や自立のポイントや就職に関しても、とても役立つことをかたっていただきました。特別支援学校に通っている・通う予定のある親御さんや障害者雇用をしている企業さんにとって、お役立ていただければ幸いです。
2つ目の記事では、特別支援学校の先生を10年間やっている柳澤さんに、やりがいや大変さなどを語っていただきました。そこから、卒業後のアフターフォローや支援方法についても深掘りさせていただきました。
では、第2回目の続きは、こちらからどうぞ。
TV制作の会社を経営しながら、「障害者と健常者が一緒に暮らす」がコンセプトの川崎市にあるシェアハウス「MAZARIBA」を運営されている内田勉さん。福祉の専門家や当事者が発信するWebメディア「Welsearch(ウェルサーチ)」の編集長である日野。 『ウェルトーーク!』とは、一般的な福祉の支援とは、ちょっと違った福祉のアウトサイダーの2人が提供するによる参加者も一体なって進めていくトークライブです。 2019年2月3日(日)に、「ウェルトーーク!」の第2回目を開催しました。この記事では、YouTubeでライブ配... 特別支援学校の先生のやりがいや大変さをぶっちゃけてもらいました!ウェルトーー... - WelSearch ウェルサーチ|福祉の専門家や当事者たちが発信する福祉情報サイト |
一緒にパーソナリティーをしている内田さんが運営しているシェアハウス。川崎市にある障害者も健常者も一緒に住める「MAZARIBA」も随時、見学は無料で受け付けております。福祉とはかけ離れたテレビ業界で活動されており、少し違った目線から障害者福祉のことを知ることもできるでしょう。
第3回も『ウェルトーーク!』を開催する予定です。3回目もYouTubeやFacebookのライブ配信をしていきますので、遠方の方でも参加することが可能です。また、次回もゲストをお呼びしております。20年以上も介護職に携わっており、介護福祉士としてだけでなく、教員としても介護関係のセミナーや講師をされている方です。
詳細はこちらからどうぞ。
→ ウェルトーーク!
『ウェルトーーク!』も皆さんと一緒に作り上げていきたいと思っておりますので、「こういうトークが聞きたい」・「○○さんとのトークライブが聞きたい」といったご要望がありましたら、お問い合わせからいつでもリクエストしてください。
日野信輔
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