WelSearch ウェルサーチ|福祉の専門家や当事者たちが発信する福祉情報サイト

料理ができない人必見!当事者が語る大人の発達障害向け料理ハック集

灰色の背景に、白い電球のイラストと「料理のハードルを下げる!発達障害向け料理ハック集」という文字。

料理は、思っている以上にエネルギーが必要です。

特に発達障害があると、「何から始めたらいいのかわからない」「途中で疲れて投げ出してしまう」など、多くの困りごとに直面することがあります。

 

私自身も、火をかけたまま忘れてしまい、思わぬ事故になりかけた経験がありました。そんな経験から、「できるだけ楽に、でも安心して食事ができる工夫」を探すようになったのです。

 

最近では、冷凍食品や100均の便利グッズを活用することで、料理のハードルをぐっと下げることができます。

 

今回紹介するライフハックは、発達障害のある方だけでなく、忙しい方や体力に不安のある方にも役立つ生活の知恵です。

 

私の体験をもとに、ちょっとした工夫で「料理の面倒くささ」を軽減する方法を紹介していきます。

 

ジュン
できるところから気軽に取り入れてもらえれば、きっとお役に立てるはずです。

発達障害当事者にとっての「料理」とは?

 

料理は、生きるために必要な日常のひとつですが、発達障害(ADHDやASD)がある方にとっては、想像以上に負担の大きいタスクとなります。

「料理が苦手」と一言で片付けられがちですが、その背景には、発達障害の特性による様々な困難が隠れているのです。

 

ジュン
たかが料理、されど料理だなと感じる時もあります。

 

ADHD・ASDの特性が料理に影響する

発達障害のある方が料理でつまずきやすい理由として、以下のような特性が関連してきます。

 

ADHD(注意欠如・多動症)の例

 

ASD(自閉スペクトラム症)の例

 

こうした困難は、料理に限ったことではありません。
日常生活のさまざまな場面で同じように現れるため、発達障害のある人にとっては、「当たり前の日常」をこなすこと自体が高いハードルになりやすいのです。

 

「失敗の積み重ね」が苦手意識を深めていく

こうした困難があると、料理を始めるたびに「うまくいかない」「疲れる」「怒られる」といったネガティブな経験が積み重なりやすくなります。

 

たとえば…

 

・「うっかり鍋を焦がしてしまい、自分を責めてしまった」

・「料理ができない=ダメな人間だと思われる気がする」

・「挑戦してもまた失敗するのが怖いから、やらないようにしている」

 

このような心理的ハードルは、多くの当事者に共通する悩みとも言えるかもしれません。

他の障害にも通じる”料理の壁”

料理に関する困りごとは、発達障害に限ったものではありません。

 

たとえば、身体障害がある方が包丁を使うのに苦労したり、慢性的な疲労や体力の問題を抱えている方が長時間の調理を避けたくなるのも、同じように”料理の壁”を感じている状態といえるでしょう。

 

だからこそ、「誰でも使える、ラクになる工夫」を見つけていくことが大切になってきます。

 

料理のハードルを下げる!近年の便利な流れ

 

理に苦手意識があると、「失敗したらどうしよう」「何から始めたらいいのか分からない」と不安になりがちです。しかし最近では、冷凍食品・ミールキット・スマート家電・便利グッズの進化によって、そうした不安をやわらげてくれる選択肢がどんどん増えてきました。

 

ジュン
手軽に変えるものから、技術の進化を感じるものまで、見ているだけでも面白いグッズや家電が数多くあります。

 

時短・簡単・安全に使えるアイテムが続々登場!

ホームセンターやネット通販などをなんとなく眺めていると、面白そうだなと思った商品はありせんか?

 

たとえば…

 

 

どれも、「料理にハードルを感じる人」にこそ使ってほしい、心強い道具ばかりです。

 

「便利なものを使っていい」時代に

かつては「手間をかけることこそが正義」といった空気がありましたが、今はそうではありません。

 

無理なく、自分のペースで生活を整えていくために、便利な道具を活用すること”前向きな選択なのです。

 

私自身、こうした道具に興味を持つようになってから、「これなら失敗しなくて済むかも」と少し前向きに料理に向き合えるようになりました。

 

冷凍食品×100均グッズでできる!簡単ライフハック

 

「料理は面倒」「手間が多すぎる」と感じている方にとって、冷凍食品と100円ショップの調理グッズは、心強い味方となります。ちょっとした工夫で、火を使わず、包丁もいらず、洗い物も最小限に抑えることが可能です。

 

ジュン
手間がかからない上に、味も抜群の冷凍食品も多いのも見逃せないポイントです。

 

【冷凍食品編】電子レンジ一つで済む”ラクうまごはん”

最近は、電子レンジでチンするだけで完成する冷凍食品がたくさん登場しています。

 

一例として…

 

 

私自身も、「電子レンジひとつで済む」冷凍麺やご飯をよく活用しています。そこに冷凍野菜をちょっと足せば、栄養もとれる一皿ごはんに早変わりするので手放せません。

 

【100均グッズ編】料理が苦手でも安心して使える

100円ショップには、料理のハードルをぐっと下げてくれる便利グッズが揃っています。

 

 

こうしたアイテムは、「火を使わない」「包丁を使わない」だけで本当に安全になると実感しています。失敗しづらく、安心してチャレンジできるようになりました。

 

【組み合わせアイデア】私が実践している例

私が日常でよくやっているのは、冷凍の麺類+シリコンスチーマー+冷凍野菜の組み合わせです。麺と野菜を一緒に加熱するだけで、お手軽栄養ごはんが完成します。また、一膳分のご飯を小分け冷凍しておけば、食べたいときにすぐ温めて食べられて本当に助かりました。

 

他にも…

 

なんていう工夫もしています。あなたならどう組み合わせますか?

 

私の料理のリアルと、小さな成功体験

 

料理をしようとすると、思いがけない失敗ってありますよね。私の場合、「火をつけっぱなしで忘れてしまった」という経験が何度かありました。幸いIHだったので大事には至りませんでしたがも、鍋を焦がしてダメにしてしまいます。

 

そのとき思ったのは「やっぱり自分には料理は向いてないのかな」という気持ちでした。安全には気をつけたいけど、それ以前に「料理をすること自体が怖くなってしまった」のです。

 

電子レンジから始まった、小さな一歩

そんな私が変わるきっかけになったのは、ある日100均をふらっと歩いていたときに見かけた、「電子レンジで簡単に○○が作れる!」という調理グッズでした。元々100均巡りが好きだった私は、「まあ試してみるか」と軽い気持ちで手に取ります。

 

ジュン
最初に使ったのは、レンジでパスタが作れるアイテム。

 

お湯を沸かさなくても作れることに驚きましたし、「これならインスタントばかりじゃなくて、もう少し体にいいものも食べられそう」と感じました。

 

火を使わない・包丁を使わない=安心してチャレンジできる

それからは、火を使わずに済む冷凍食品や電子レンジ用グッズを活用するようになりました。特にお気に入りなのは、冷凍うどんとシリコンスチーマーです。そこに冷凍野菜を足すだけで、立派な一食になります。

 

火も包丁も使わず、洗い物も少ない。これだけで「失敗したらどうしよう」という不安が減って、自然と料理にチャレンジできるようになりました。

 

今の私にとって、料理は”自分をつくる”時間

今では、料理はただの作業ではなく、肉体的にも精神的にも「自分を作る」時間になりました。便利グッズに頼りすぎず、でもうまく活用しながら、「今日はこの食材を使ってみよう」「これなら簡単に作れそう」と、ちょっとした工夫を考えることが日々の楽しみになっています。

 

ジュン
現在ダイエット中で、冷凍のそばを中心にいろいろな野菜とめんつゆでどう味が変わったり、栄養がどの程度変わったりするのかを研究したりするのが毎日の楽しみの一つです

 

ちょっとした工夫が、暮らしを変える

過去の自分に伝えたいことがあるとしたら、こう言いたいですね。「視野をちょっと広げるだけで、料理に限らず生活ってもっとラクになるよ」と。

 

食事はただの栄養補給じゃなく、楽しむものなのです。そして、そこに「作る楽しみ」が加われば、もっと食事が豊かになると今では感じています。

 

まずはここから!今日からできる小さな工夫

 

「料理を始めなきゃ」と気負わなくても大丈夫です。ほんの少しの工夫で、日々の食事はぐっとラクになるものです。

 

たとえば、100円ショップで気になる調理グッズをひとつ選んでみるだけでも、「これならやってみようかな」という気持ちにつながります。

 

コンビニやスーパーで冷凍食品をいくつかストックしておくと、疲れている日や気分がのらないときにも、「とりあえず食べられる」安心感が生まれるでしょう。

 

ジュン
そして何より大事なのは、小さな”できた”を積み重ねていくことです。完璧じゃなくていいのです

 

最初からうまくいかなくても、グッズを使いこなせなくても、「ちょっと試してみた」「今日は火を使わずに済んだ」そんな一つひとつが、大きな前進になります。

料理は、あなたのペースで進めていくもの。あなたのやり方で、ラクに、楽しく、少しずつ付き合っていければ、それだけで十分だと思います。

 

The following two tabs change content below.

久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。
モバイルバージョンを終了