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パニック障害は甘えではない!理解してもらえない場合の3つのポイント!

今や芸能人のパニック障害がニュースにもなるほど、パニック障害について目にすることが増えてきました。しかし、パニック障害は他の人にはあまり知られることがなく、とても苦しめられている障害の一つだと考えています。

 

このパニック障害は、周りの人が理解しにくいこともあり、「甘えているんじゃないか?」とサボっている等の印象を相手に与えてしまうことがあります。しかし、現在ではまだパニック障害に対する理解が進んでいなく、冷たい対応をしている人を先日見ました。

 

パニック障害は、周囲の方の理解があるだけで、当事者の方はとても気持ちが楽になります。逆に理解してもらえないと、さらなる悩みや不安を生んでしまう可能性があります。

 

そこで今回は、

 

柳澤
パニック障害がどのようなものかということを知ってほしい!

 

 

と思い、パニック障害とは、どんな障害でどんな特徴なのかについて、記事にすることにしました。

 

パニック障害は決して甘えではないこと。そして、理解してもらえない場合は、どのように伝えればいいのか?についてもお伝えしていきます。今回は、項目を多めに分けてありますので、お好きなところからお読みください。

パニック障害は甘えではない

まずパニック障害の症状としては、動悸、めまい、呼吸困難、心臓がドキドキする等の症状が突然、現れ、激しい不安が発作的に繰り返し起こる病気のことをいいます。繰り返し発作的なことが起こるために外出することをためらったり、また出たらどうしようと過度に不安になってしまったりしてしまいます。

 

発作のことを常に不安に感じたり、原因が心配になってしまったりということが一ヶ月以上続くと、パニック障害になってしまうことがありますので、思い当たることがあれば早めに専門医に相談してください。

 

このような症状がパニック障害にはあるのですが、周りの理解がないと、「また休んでいるのか?」「サボりなんじゃないの?」などと、自分に甘えているのではないか?と思われてしまうことが多いです。

 

当事者にも周囲の方にも共通して1つ知っていただきたいことは、

 

柳澤
パニック障害は、決して甘えている訳ではありません!

 

ということです。そのことをまず大前提としていきながら、パニック障害を理解してもらえない場合についてのポイントをお伝えしていきましょう。

パニック障害を理解してもらえない場合の3つのポイント

パニック障害は、見た目ではわからず、周囲の理解もないことが多いので、当事者は大変な思いをされている方も多いかと思います。自分は辛いと伝えていても、「甘えているんじゃないか?」と言われてしまう…

 

そのような現状を改善していくために、パニック障害を理解してもらうための3つのポイントをお伝えしていきますので、参考にしていただければ幸いです。

1:自分の症状を理解する

まずご自身が自分の症状について、理解しておくことが重要です。なぜなら、自分の感覚だけでは、うまく伝えることができず、理解してもらおうとしても、相手に理解してもらえないケースもあるからです。

 

なので、ご自身がどんな状態で、どんな時にどのような症状が出るのかをまずは把握しておくことが重要となってきます。

 

パニック障害の特徴や発作などの原因についても、後ほどお伝えしていきますので、ぜひご自身がどのような症状なのかを理解するための参考にしていただければ幸いです。

2:自分の症状を周りに伝える

自分の症状について理解したら、それを周りの方に伝えることが理解してもらうための1番の方法です。特に見た目ではわからないのがパニック障害なので、相手にご自身の症状を伝えておくことが大切になってきます。

 

前もって、「動悸が出やすいので、ご迷惑をおかけするかもしれません」・「パニック障害なので、○○の時や■■に行くのが苦手です」などと伝えておくだけでも、周囲の接し方が変わってくれる可能性が高まります。

 

もし、うまく伝えることができないという方は、この記事を理解してもらいたい方に「パニック障害というのは、こんな症状があるんだよ」と見てもらうのも1つの手です。

 

3:辛さを思い切ってアピールする

やはり人というのは、ご自身が経験していないと理解・イメージするのが難しいものです。

 

中には、ずっと引きずっていた気持ちを思い切ってパートナーに大泣きしながら伝えたら、本当に辛いということを理解してくれたという経験談もあります。特に元気な人には言わないと理解しづらいですし、言った方もスッキリします。

 

人に思いを伝えることが難しい方も多いと思いますが、アピールをすることで理解してもらえる可能性もあがってきます。

 

 

以上の3つになります。パニック障害について、理解してもらうためのまとめ。

 

3つのポイント

  1. 自分の症状を理解する
  2. 自分の症状を周りに伝える
  3. 辛さを思い切ってアピールする

 

パニック障害のチェックリスト

周囲の人に理解してもらうということの前に、「自分がパニック障害なのかどうかがわからない…」と悩んでいる方も多いでしょう。そんなあなたのために、わかりやすくパニック障害の症状のチェックリストをまとめておきましたので、参考にしていただければ幸いです。

 

チェックリスト

  1. 激しい汗をかく
  2. 胸に痛みがでる
  3. 吐き気や腹部に違和感を感じた
  4. 寒気や体が震える
  5. 呼吸ができなくなったり、速くなったりする
  6. めまいやふらつきがある
  7. 激しい不安感や恐怖感
  8. 心臓の動きが早くなる

 

上記がパニック障害の症状として、挙げられる項目となります。

 

あなたには急に上記のような症状がでたことはありませんか??上記の症状のうち、不安感や恐怖感を感じている限定の時間内同時に4つ以上が突然出てきて、10分以内にピークになる場合は、パニック障害の可能性が十分にあります。

 

柳澤
もし、気になることがありましたら、専門医に相談することが1番です。

 

自分が当てはまってそうだと感じたら、まずは相談してみてください。

 

パニック障害になりすい人の特徴

上記でパニック障害のチェックリストについて述べましたが、このような症状が出てきやすい方には、特徴があると言われています。パニック障害になりやすい人の特徴としては、

 

 

等の方がなりやすいといわれています。特に真面目で完璧主義な方は、「なんとかなる精神」で少し気楽に過ごしてみるといいでしょう。

 

もちろん上記のことは、あくまでも一般的に言われていることですので、あまり気にしすぎないでくださいね。

 

パニック障害とは

そもそもパニック障害とは、何なのか?と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。パニック障害とは、「不安障害」の一つで、英語では、「Panic disorder」と呼ばれています。パニック障害は誰にでも突然、襲いかかってくる障害であり、現在は100人に1〜3人が発症するといわれています。

 

ちなみに、男性より女性の方が2倍多いと言われており、平均発症年齢は約30才、男性28才、女性32才となっています。

 

人数についての詳細は、以下のURLを参考にしてください。

→ パニック障害研究センターからの論文集

 

パニック障害の人数をみてみると、誰にでも発症する可能性がある病気だということがわかると思います。

 

このパニック障害は、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖症」の三大症状を引き起こす病気の一種です。この三大症状を1つずつ詳しく説明していきます。

 

(1)パニック発作

パニック発作は、前触れもなく突然起こります。症状としましては、動悸、めまい、息苦しさ等があげられ、同時に「自分は死んでしまうのではないか」や「自分をコントロールできない」といった恐怖心を伴うことが多いといわれています。

 

その後、病院に着いた頃には発作が治まり、検査や治療の時には異常がなく終わることがあります。

 

(2)予期不安

予期不安とは、パニック発作を繰り返すことで、「また発作が出てしまうのではないか…」などと不安に感じてしまうことをいいます。

 

この予期不安は、パニック障害に多く見られる症状です。例えば、発作が出ない時でも「次回は今回よりも激しい発作が起きるのではないか…」、「今度こそ死んでしまうのではないか…」等の心配を常に考えてしまい、仕事を辞める、行かなくなるといった行動の変化にも現れてくることがあります。

 

(3)広場恐怖症

広場恐怖症とは、発作が出た時に苦手な場所ができたり、恥をかいたりするのではないかと考えてしまい、その場所や状況を避けようとしていくことをいいます

 

恐怖や不安を感じる状況は人それぞれ異なります。例えば、バス、電車、コンビニに行くといったケースで恐怖を感じる方もいれば、外出すること事体に恐怖を感じる方、空間に恐怖を感じる方等様々です。

 

どこかに出かけるときにいつ出るか分からない発作に備えようと思い、一人での外出を避けようとしたり、人に頼っている自分を情けなく思ってしまったり、外出を控えて家に引きこもってしまうこともあります。

 

以上がパニック障害の三大症状となります。まとめましょう。

 

三大症状

  1. パニック発作
  2. 予期不安
  3. 広場恐怖症

 

パニック障害、発作の原因は?

パニック障害やパニック発作が起きてしまうのにも何かしらの事象には原因があるものです。しかし、パニック障害については、明確な原因がわかっていないというのが現状です。

 

原因は明確にはなっていませんが、「可能性が高い」というものについて、まとめましたので、参考にしてみてください。

(1)パニック障害の原因

パニック障害の原因は、遺伝だけで発症するものではありません。例えば、

 

 

等の性格の方が、環境の後天的な外因が加わることで起こりやすい病気といわれています。しかし、実際のところ原因は未だ解明されていません。

(2)パニック発作が起こる原因

一方、パニック発作の原因については、だんだんと進んでおり、分かってきています。原因として言われていることは、脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)のバランスの乱れによるものです。特にセロトニンとノルアドレナリンが関係しています。

 

まず、セロトニンは精神状態を安定させ、脳内神経伝達物質の情報をコントロールする役割をしています。また、ノルアドレナリンは、血圧や心拍数を上げ、興奮を感じさせ、不安や恐怖を感じさせる働きをします。

 

そのため、交感神経や副交感神経のバランスが崩れてくると神経症、パニック障害等を引き起こしやくなるといわれています。

 

パニック障害を誘発する可能性があるもの

パニック障害や発作についての原因をお伝えしましたが、パニック障害と関わりがあるのは、ご自身の性格だけではありません。身の回りには数多くのものがあります。その中でパニック障害を誘発する可能性があると言われているものあるものを挙げていきます。

 

誘発するもの

  1. コーヒーに含まれるカフェイン
  2. お酒、アルコール類
  3. 炭酸ガスの吸引(炭酸飲料等も)
  4. 薬、覚せい剤
  5. タバコのニコチン
  6. 不安を感じやすい環境(疲労、睡眠不足、ストレス等)

 

以上6つをあげました。ものがありふれている日本の現代で、この全てなくすことはできないと思います。なるべく意識して自分でコントロールしながら、なるべく予防できるようにしていって下さい。

 

 

パニック障害の治療法について

パニック障害の治療には、一般的に言われているものとしては、精神療法薬物療法の二つがあります。この2つの治療法について、1つずつ説明していきましょう。

 

(1)薬物療法

基本的には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の抗うつ薬が使用されます。SSRIは抗不安薬としても効果があり、ノルアドレナリンの興奮作用を抑えつつ、脳内のセロトニンの量を一定に保つことが期待できる薬です。

 

もちろん薬には副作用がつきものです。SSRIの薬について詳しく知りたい方は以下のURLを参考にして下さい。

→ SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)解説

 

そして、信頼のおける専門医に相談することが1番です。医者の言うことをただ単に聞くのではなく、わからないことがあったら、質問をするというのを心がけてください。

 

以前、クスリのきのけん代表の木下さんにインタビューした『上手な薬のもらい方』についての動画です。ぜひ参考にしてみてください。

 

(2)精神療法

精神療法といのは、症状が起こりやすい行動パターン、不安感、考え方や対処法に焦点をあてて治療していきます。

 

例えば、電車に乗れなくなってしまった人がまずは駅に行ってみる⇒電車を眺める⇒電車に乗る等と徐々に電車に乗ることができるようにスモールステップで前に進めるようにしていくことが行動療法になります。

 

他にも治療法としては、

 

 

などありますので、ご自身に合った方法を見つけながら、相談して進めていくのがいいでしょう。

 

さいごに

パニック障害は甘えではないということを理解していただけましたでしょうか?パニック障害の当事者は、本当に悩んでいる方が多く、周囲の方の理解があれば、気持ちがとても楽になります。逆に理解してもらえないと、そのことについても悩んでしまい、症状が悪化してしまう可能性も高くなってしまいます。

 

ぜひ、お互いの理解を深めるためにも、今回お伝えした内容を参考にしていただければ幸いです。最後にパニック障害を予防するための方法をまとめますと、

 

  1. ストレスをためない
  2. ストレスがたまったら早めに吐き出す
  3. 生活リズムを整える
  4. 睡眠を十分とる
  5. 食事に気をつける

 

です。以上の5つはしっかりと守って、すぐに治そうと焦らずにゆっくり治療に専念してください。そして、パニック障害は一人で治すことができる病気ではなく、周りの助けが必要になってきますので、早めに周りに助けを求めてください。

 

ストレス発散方法については、精神科看護師の大塚たいぞうさんが解説してくれていますので、参考にしてみてください。

 

【ペットボトルだけでできる発散方法】

 

パニック障害を発症していない方も過度のストレスからでも発症することもありますので、適度に気分転換運動等をし、ストレスをためず、健康的な生活を心がけて下さい。

 

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特別支援学校の知的障害の学校で中学部を3年間、高等部を9年間、教員として働いています。教員として、生徒たちを指導する傍ら、「きれいな街は、人の心もきれいにする」がコンセプトのグリーンバード横浜南チームのサブリーダー、空き家を活用した居場所作り『たすけあいハウス』の管理者、任意団体「スノードロップ」の代表をしています。詳しいプロフィールはこちら→柳澤智敬
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