はいはい!八壁”情弱上等”ゆかりです!
有事の際の、自己防衛のための情報遮断についての記事、後篇でございます。
外出も自粛している中、新型コロナウイルスで毎日のように不安になるようなニュースが報道されて、情緒不安定になってしまっている方も多いと思います。
そんなあなたのために、情緒不安定にならないための情報を遮断する方法を私の体験談を踏まえてお伝えしていきます。
前回は、私がうっかりちゃっかりニューヨークの事情を長々と語ってしまいましたが、今回は東日本大震災、そして今この瞬間、新型コロナウイルスがパンデミックで大混乱になっている現状について私見を述べていきたいと思います。
前編をまだ見ていない方は、こちらから。
オッス! オラ八壁ゆかり! 「崖っぷちブルース」、通称「崖ブル」、いっちょやってみっか! ……と、空元気で始めてみましたが、いやはや、大変な事態になっていますね、新型コロナウイルス。 テレビを付ければほぼ四六時中コロナウイルス関連の報道、報道に次ぐ報道、今日は○○名の感染者が〜、ですとか、すでに○○人以上の死者が〜、ですとか。 嗚呼もうやめてくれ、キツい! といった感じの様相を呈していて、まあもともと私はテレビを見ませんし、夫が見たい時は「許可制」なのでいいのですが、実家でたまたま... コロナウイルスで不安になっている障害者のための情報遮断・前篇〜八壁ゆかりの崖... - WelSearch ウェルサーチ|福祉の専門家や当事者たちが発信する福祉情報サイト |
特に障害者やメンタルの不安を抱えている方にとっては、新型コロナウイルスのニュースなどを適度な情報遮断をすることによって、精神を安定させやすくなりますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。
お好きなところからお読みください
ニュースで情緒不安定になった東日本大震災の時
私は当時、家族と『哀愁のチバラキ』と呼ばれる、千葉県の利根川沿いに住んでおりました。
自室で友人とスカイプしていると、階下から母が何か叫んだのが聞こえました。スカイプを切って廊下に出た瞬間揺れました。
私が体感したのは、震度6か6強だったようです。
今でもハッキリと思い出せます。家から飛び出した瞬間、車がガコンガコンと揺れているのが目に映り、並木に捕まったらそのまま倒れ、上を見ると電線がぶわんぶわんとたわんでおり、道路の端からは泥水が噴出していました。
私は完全に恐怖とパニックに陥りました。
母はテレビで「東北の方で有り得ない規模の地震が起きて、津波が来ている」という情報を得ていましたが、私は仙台のカメラが捉えた揺れの映像を見た瞬間、
と思い、自室に戻りました。私にとって、映像・テレビは『暴力的』です。余震のたびに飛び上がりながら階下に降りると津波で河川が逆流している様子がテレビに映っており、母が、
「利根川が氾濫したら最後だ。避難の準備をしよう」
と言いました。
震度5レベルの余震の中、精神的安定剤であるタバコもろくに吸えない状態で、私は荷造りをしました。ほどなくして夕方になりました。
そう考えた私は、ぐちゃぐちゃになった自室のベッドの中で、携帯電話でツイッターだけチェックし、余震の度に母か弟の所へ行ったりしていました。
不安な状態でぐっすり眠れない日々
そして余震が徐々に落ち着き、ライフラインも回復した頃、しかし私は地震恐怖に苛まれ、夜寝る時、コートを着て、メガネも外さず、すぐに動けるように睡眠薬の摂取をやめて、携帯を枕元に置いた状態で震えながら眠るようになりました。
医者と家族に、「構えすぎ」、「何があっても絶対に助けるから、普通に寝ろ」と言われ、徐々に通常モードに戻っていきました。
しかし、スマートフォンだけは命綱ですから、私はスマホを新調し、常に首からぶら下げて生活するようになりました。邪魔だし物にぶつかりますが、私はこの「首からスマホ」を辞めるまで4年の年月を必要としました。
そして実は、まだ克服できていないことがあります。夫が在宅でないと、お風呂に入れないのです。全裸状態で揺れた時、逃げられないと思うからです。
普段は「しにたい」だのなんだの言うくせに、地震は恐がるのですから、人間というのはまったく不可解な生物です。
3.11における
- ネット・SNSでの情報の錯綜
- デマ
- 不適切なアドバイス
- 災害を利用した詐欺
などは、私が細かく説明する必要も無いでしょう。
私はただ、テレビはよほどのことがなければ見ず、ネット・ツイッターで信頼のおける人物・団体のみを厳選し、受信する情報量を最小限に留めていました。
これは、9.11で得た教訓を活かしたものですが、それでも上で説明したような怯えっぷりを発揮してしまったので、成功とは言いがたいかもしれませんが……。
新型コロナウイルスのニュースの情報遮断は?
ズバリ告白します。
夫が主にインターネットで情報を漁るので、それらを彼から聞くだけです。
実は1年ほど前、SNSで酷い人間不信に陥る事件に遭いました。以来、SNSが恐くなり、最近ようやくツイッターに復活しつつある現状です。
SNSを見なくなると、簡単に、スラングで言うところの「情弱」、「情報弱者」になってしまいます。ここが重要なポイントです。
それはもちろん夫がしっかりと情報収集をしてくれて、それらを共有してくれるからこそできる芸当ですが、9.11と3.11の教訓、失敗と経験則を鑑みて出した結果です。
実家に帰った時、英語圏で医療崩壊が起こっている地域の看護師が、泣きながらインタビューに応じているテレビの音声が、奥のキッチンにいたのに耳に届きました。
その瞬間、「あ、これダメだ」と本能が察知しました。
それをきっかけに、私は上に挙げた選択肢を選びました。
自分のためだけではなく、周囲のためにも
これはあくまでも私の個人的な見解ですが、自分自身の最低限の情報ソースさえ確保していれば、こういった時に「情弱」になることは、別に悪いことではないと思います。
最新情報・誇張された報道・テレビなどの『映像』を追いまくるのは、健常者の方でも精神面に悪影響を及ぼすと思います。
まして精神疾患を抱えていれば、ダメージは甚大。私たちが有事の際にできることは、「精神状態を安定させること」だと、私は考えます。
上に書いた3.11の時もそうでしたが、私がパニクってしまうと、家族への負担が増えました。そしてもちろん、それは私の望むところではありませんでした。
「情報に潰されずにメンタルを通常モードに維持するよう尽くす」
しんどいですが、自分自身のためだけではなく、周囲の家族や友人知人のためにも、精神障害者ができることといえばまずはこれかな、と思います。
あくまでも個人の意見ですが、もし今現在新型コロナウイルスの報道で胸を痛めている方がいらしたら、ちょっと頭の隅っこに忍ばせておいていただきたいことです。
最後までよんでいただき、ありがとうございました!
連載シリーズ:八壁ゆかりの崖っぷちブルース
追伸:ツイッターでハッシュタグ「#崖ブル」を使ってみませんか?
私もヘルプの確約なんてできませんが声かけくらいはできるかもしれませんし、余裕のある人が「#崖ブル」付けてる人に何らかのアクションを起こしたり、励まし合ったり、ひとことでも応援し合ったりできたら素敵だな、と思った次第、是非お気軽に。