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障害者も健常者も生きてるだけでいいんだよ!平川翔さんインタビューvol.4

あなたは「もう少ししか生きられないです」と言われたらどうしますか?自分の命について考えたことはありますか?

 

実際に28歳のときに「もう7年しか生きられないかもしれない」と医者に余命宣告を受けた平川翔さん。今回は、余命宣告を受けた命のメッセンジャーとして、講演活動や整体・カウンセリング事業で活躍なさっている平川翔さんにインタビューをさせていただきました。

 

今回は、5つの記事にわけて、インタビュー内容をお伝えしていきます。第4回目のインタビューは、余命宣告を受けた平川さんが障害者やメンタルで悩んでいる方、生きづらさを抱えている方へ向けてメッセージを伝えてくれました。

 

余命宣告を受ける前にも20歳のときに、親友を亡くした経験もあり、「命の大切さ」を人一倍、考えていらっしゃいます。そんな平川さんが1番お伝えしたいことは、ただ生きているだけでいいんだよということ。

 

なぜ生きているだけでいいのか?平川さんが実際に体験したエピソードを通じて、障害者でも生きづらさを抱えている人でも、生きているだけで幸せになれるということを語っていただきました。

平川翔さんプロフィール

余命宣告を受けた命のメッセンジャー
平川 翔(ひらかわ しょう)さん

 

プロフィール

東洋スポーツ整体 憩-ikoi- 代表。整体師・心理カウンセラー。1988年6月9日、長野県岡谷市生まれ。学生時代バレーボール漬けの日々を過ごし、日本代表選手を目指すが病気で挫折、指導者に転向。指導活動中に怪我などで挫折する選手や子供たちを目の当たりにし、自身の体験を重ね合わせる。そして、技術指導と心体のケアができる指導者になるために整体術と心理学を勉強・体得。

 

2012年から整体師として働き始め、約7000人の心身の悩みと向き合い、2016年に東洋スポーツ整体 憩-ikoi-を独立開業。2016年9月、記憶障害が発覚。精密検査の結果、海馬収縮による脳死の余命宣告を受ける。原因不明、治療方法もない。母の涙を目の当たりにし実感した突然の死との対面。自棄の日々を過ごすが、恩師の言葉で目覚め、残り7年の間に何を残せるかという挑戦を始める。

 

【講演歴・スピーチ大会歴】

 

その他:企業、倫理法人会、中学校・高校、ジュニアスポーツチームへの講演実績あり

 

平川さんインタビュー動画はこちらになります。第4回目は、8分ほどの動画となっております。下に書き起こしもしておりますので、見やすい方で見ていただければと思います。

 

【平川翔さんインタビュー動画】

 

障害者も健常者も生きてるだけでいい

日野
先ほどはキッカケの部分、熱い思いがありましたね。ありがとうございました。

 

今回は、視聴者の方へ向けてメッセージをお願いしたいです。特にメンタルで悩んでいる、生きづらさを抱えている方からの相談がウェルサーチには多いので、そういった人たちに向けて、平川さんの経験、伝えたいことがあれば、お聞きできればと思います。

 

はい。一言でもし要約するなら、ただ生きてほしい。生きているだけでいいんです。というのも、エピソードが2つあるのです。それは、僕が20歳の時です。今から10年前ですね。

 

僕と仲が良かった親友が僕のところに遊びに来て、「じゃあ、またな」と言って別れたんです。で、そのすぐ後に、親友が自殺しているんですよ。

 

日野
すぐ後にですか…会った時は元気だったんですか?

 

その時は元気に見えたんですよ。悩んでいることはないだろうな、と。当時、夢を語り合った同級生だったもので、特別な存在だったんです。その日もただ一緒にご飯食べて、「じゃあ、またな」と別れたのですが、それがその友達の最期の笑顔だったんです。

 

つまり、僕が最期に彼に会った友達な訳ですよ。その彼に僕は何もできなかったですね。その時一緒にいたのに、親友が悩んでいることに気付けなかった。救えなかったということで、僕、自分を責めたんですよ。「なんで俺ってこんなに無力なんだろう」とか…。

 

自分の体験を話しただけで多くの人が救われた

僕の支えをしてくれる友達だったので、俺のためにすごく助けてくれたのに、なんで俺が助けられなかったのだろう…と、すごく思いました。そういう中で、さっき言った、仕事の価値を伝えるイベントで、今の僕の話をしたんです。

 

僕は今、生きたい!という話を最後にしたんです。そうしたら、いろんな方から「ありがとうございました」と感謝の言葉をいただいたんですね。

 

 

と言うありがたい言葉をいただいたときに僕思ったんですよ。自殺しちゃった彼を僕は救えなかったのですが、ただ僕が自分の想いを伝えるだけで、感謝してくれる人がいて、救われたと言ってくれる人がいるということがわかりました。こんなに嬉しいことないんじゃないかなと思うのですよ。

 

日野
先ほどの話でも価値をきちんと提供できて、その対価として感謝もらっているということですよね。

 

そうです。それこそ僕も自分の価値は何なんだ?と思った時期もありましたし、特に若い方々は、よりそう思うんじゃないかと思うんですよね。実際僕が生きていて、僕が伝えたことで誰かが救われることがある。

 

実際、僕も死んじゃった彼から支えられたことがある。別に何かしてもらった訳ではないです。ただ隣で、今日いて、笑顔で喋ってくれた。これが僕の救いだったんですよ。

 

僕が話したことが、誰かの救いだったということが往々にしてあるんだなと僕、思ったんですよ。そうなった時に、今まで働いてきたので、働かないと感謝ってないんじゃないかな?と思っていました。でも、違ったんですね。誤解していた部分が僕はあるんですよ。生きているだけでこんなにありがとうって言われることに気づいたんです。

 

障害者でも働いていなくても感謝されることがある

日野
確かに、そうですよね。特に障害者の方で「働いていないのですが…」と、悩んでいる方多いのですが、別に働かなくても人に感謝されることはいっぱいあるってことですね。

 

そうなんです。もうそれこそ生きているだけでOKだと思うんです。これ今見てらっしゃる方に僕がどう映っているかはちょっと分からないのですが、僕たぶん喋っている分には普通の人に見ていると思うのです。

 

でも今、実は頭が痛かったり、記憶がなくなるという障害があったり、指先が全部しびれて感覚がないという症状があるんです。でもそれって言われないとわからないと思うんです。

 

日野
一見すると、障害があるとは見えないですもんね。

 

でも、こういう人って僕だけじゃなくて、町中にいっぱいいると思うんですね。

 

日野
はい、いっぱいいます。特に内部障害とか、あとは発達障害、精神障害などは、見た目じゃわからない方が多いです。それですごく悩んでいる方も多いですね。

 

障害や病気について話すのも勇気

もし自分が障害を持っていることを言えるんだったら、話すといいです。「僕、今こういう障害(病気)を持っているんです」と。私ってこうなんですと言うことができると、もしかしたら僕のエピソードみたいに応援してくれる人って増えるんじゃないかなと思うんですよ。でも、これって言わないとわからないんです。

 

日野
そうですね。でも逆に、障害などを公表してしまうと、偏見を持たれることを気にしている方もいるんですよね。

 

僕も実際、今こうなったからこそですが、もちろんいます。「そうは言ったって、お前元気じゃん!」と言われたりもします。病気で、病院から出られないという生活を送っている方もいっぱいいる中で、僕は外に出ることができて、こういう活動をさせていただいているので。

 

そういう方もいるのも事実ですが、そういう心のない人よりも、僕は日野さんみたいな方とか、応援だったり支援をしている方にすごくいっぱい会ってきました。でも、応援してくれる方たちって僕らが「辛いよ。苦しんでいるよ」って言わないと気づいてもらえないですよね。

 

日野
それ、わかるかもしれないです。支援だったり応援したいという人はいるけど、それに気づきにくいかもしれないですよね。

 

そう見えない人もやっぱり大変なんですよね。見て明らかにこの人ちょっとどこかに障害ありそうとわかる方はいいですが、そうじゃない方は助けてほしい!と声を上げることが僕は勇気なんじゃないかなと思います。その勇気が明日に繋がるんじゃないかなと思うんですよ。

 

とにかく生きて自分のことを伝えるということは、僕は一番必要なんじゃないかなって思います。「苦しいです」っていう一言でもいいと思いますよ。それを分かってくれる人がいるだけで、救われるところってあると思います。

 

辛い・苦しい経験が価値になる

日野
逆にそれこそ平川さんのように、自分のその苦しかったり、辛かったりした体験が価値になることかもしれないですしね。

 

そうですね。今はもちろん辛い。でも、それがずっとは続かないんじゃないかなと思うんですよ。そうなった時に今度は、今、辛いその方が、「実は前はこうだったんだよ」って言ってくれる側に立つ人が増えると、嬉しく思います。

 

だって、今より助けてくれる人が増えるだろうし、「助けて!」という声もあげやすくなるんじゃないかなと思うんです。

 

日野
そういう人がどんどん増えれば、幸せな良い連鎖・循環が起こりそうですね。

 

そうしたら、偏見とか心ないことを言う人の数も絶対的に減るだろうし、笑顔で幸せな連鎖が僕は増えるんじゃないかなって思います。

 

日野
わかりました。ぜひ1人でも多くの方が、そのような考えを持って、いい循環を作れる世の中にしていきたいですね。

 

平川さん、今回も素敵なメッセージをありがとうございました。

 

編集後記

平川さん、インタビューありがとうございました。

 

第4回目のインタビューでは、余命宣告を受けた平川さんがメンタルで悩んでいる方や生きづらさを抱えている方たちへのメッセージを残してくれました。ただ生きてほしい」。ただ生きているだけでいいいうことが、親友を亡くし、余命宣告を受けた経験をしている平川さんがお伝えしたいメッセージ。

 

障害者でも生きづらさを抱えている方も、辛い経験をしてきた方も生きているだけでいい。自分の辛い経験がもしかしたら、人の役に立つかもしれません。「障害者で何もできないんです…」「自分に価値なんてないんです…」といった方でも、人に感謝されることがありますし、生きているだけで幸せになれるというのを伝えてくれました。

 

でも、そのためには勇気を持って、自分の障害のこと、辛いことをどんどん人に発信していくということ。そうすれば、応援してくれる人に出会えて、人生が楽しくなる。そして、今度はそんなあなたがサポートする側の人間になることだできる。このいい循環が広がれば、生きやすい世界になっていきますね。

 

このように平川さんは、全国で熱い講演をされております。講演をお願いしたい場合は、下記お問い合わせから連絡ください。他の人からは聞くことができない、貴重な講演をしてくれるでしょう。


 

次回は、とうとうラストのインタビューになってしまいます。最後のインタビューでは、余命宣告を受けた平川さんに、今後やっていきたいことや夢を語っていただきました。命の大切さを人一倍、知っている平川さんは、今後どのようなことをしていきたいのでしょうか?

 

他のインタビューも下記、一覧から見ることができます。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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