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障害者作家のデザインを取り入れたアパレルブランドNODDとは?

障害者作家のデザインを取り入れて、商品展開をしているアパレルブランドNODD(ノッド)をインタビューさせていただきました。

 

NODDは、クリエイターに支払う仕事としての対価をロイヤリティとして、障害者の作家さんに渡しております。

 

しかもそれだけでなく、売上の5%が社会貢献活動に寄付されるという仕組み。

 

日野
誰も損をしない、素晴らしい仕組みということで、NODDデザイナーに直接インタビューをしてきました!

 

そんな社会貢献型モデルでアパレルブランドを展開しているNODDとは、いったいどのような活動をしているのでしょうか?

 

そこには、みんなが喜ぶようにと、素晴らしい想いが詰まっていました。

 

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アパレルブランドNODDとは

NODDデザイナーの仲西亮平さんと寺門誠さんに、お話をお伺いさせていただきました。

 

日野
仲西さん、寺門さん今日は、よろしくお願いします。

 

まず最初に、NODDの活動について、お伺いさせていただければ幸いです。

 

寺門
はい。

 

NODDでは、障害者の作家さんのアートをデザインに取り入れて、アパレルアイテムに落とし込んでおります。

 

仲西
もともと「社会貢献になるブランドを作ろう!」と思ってたんです。

 

そこで、障害者アートと出逢って、衝撃を受けました。

 

日野
衝撃ですか?

 

仲西
作品を見て、びっくりしたんです。

素晴らしい…って。

 

寺門
僕たちにはマネできないなって思いましたね。

 

仲西
デザインを学んできた身からすると、「こうしなきゃいけない」といったようなルールや概念がやっぱり出ちゃうんですよ。

 

でも、それがなかったんです。

 

そこにすごく感動しました。

 

 

日野
自由に感性のままに描かれているということですね。

 

仲西
そうなんです。

 

やっぱり配色とか配置に関しても、「こうじゃなきゃいけない」ってのがあるんですよね。

 

そういう固定観念が外れるので、自分たちも開放されるんです。

 

逆に学ばせてもらってるみたいな。

 

日野
いや〜、その言葉を当事者が聞いたらすごく嬉しいですよね。

 

仲西
それで、15年培ってきたデザインの力でアパレルに落とせたらと思って、NODDを立ち上げました。

 

障害者作家の仕事を生み出す

寺門
もともとイラストレーターに発注して、それをデザインして、アパレルに落とし込んでいくことをしていました。

 

そんな素晴らしい絵があるなら、イラストレーターに発注しているのと同じように、障害者の作家さんにもアートを借りて、商品化できると思ったんです。

 

日野
その仕組みなら、障害者の仕事の創造にもなりますね。

 

寺門
そうなんです。

 

  • 障害者アートに価値があることを見いだせる
  • 仕事を生み出すことができる
  • 社会の中で価値を生み出すことができる

 

商品が売れることで世の中に仕事を還すことができると思ったんです。

 

NODDの社会貢献型モデル

日野
障害者の作家さんにロイヤリティが発生するだけでなく、売上の一部が社会貢献活動にも寄付されるとお聞きしました。

 

実際、どのような仕組みになっているのでしょうか?

 

寺門
特徴としては、還元することを示すラベルをつけています。

 

売上の5%を障害のある子供たちや福祉施設・児童館などに対し、芸術活動やイベント等を通して、社会貢献に還元しています。

CAUSE LAVEL

 

日野
ほんと誰も損をしないステキな仕組みですよね。

 

寺門
「このTシャツカッコいいな!」という入り口で入ってもらって、「障害者アートってこんなにスゴイのか!でも、いろいろ問題があるんだね。」ということを知ってもらう。

 

気づいたらチャリティーしているみたいな感じで、福祉の世界を知ってもらうキッカケになればと思ってます。

 

日野
福祉業界は、外の業界との接点が少ないので、こういった取り組みは、とても重要だと思います。

 

しかも、入り口が福祉じゃないってところもいいですよね。

 

まだまだお涙頂戴的なものが多くなってしまっているので。

 

 

障害者アートはカッコいい!

仲西
あと、福祉施設にも行かせてもらっているのですが、絵を描いてるときって、みんな笑顔なんですよね。

 

だから、こっちも自然と笑顔になる。

 

日野
本心から楽しんで、絵を描いてるんでしょうね。

 

仲西
あと、障害者アートってかっこいいんですよ。

 

それをどう魅せられるのかを意識していますね。

 

日野
本人たちでは、そこをうまく発信するのが難しいので、かっこよく魅せられるようになるには、障害者アートの良さを最大限に引き出せますね。

 

NODDの社会貢献型モデルとは?

 

 

障害者アートを台湾でも披露

仲西
NODDのアンバサダーを勤める台湾で活躍されている40連勝とかしているレジェントとなっているプロバイクレーサーの藤永優さんがいます。

 

藤永さんが「何か一緒にできたら」と言ってくださり、アポなしで台湾で有名な福祉施設に連絡して、イベントのコラボを持ちかけてくれたんです。

 

日野
アポなしで決まっちゃうとかすごいですね(笑

 

仲西
あれよあれよと進んで、台湾の福祉施設に所属する障害者作家の作品をNODDでオフィシャルTシャツにすることになったんです。

 

そして、台湾の福祉施設が集まる大規模イベントでファッションショーをしました。

 

日野
すごいですね。

 

オフィシャルTシャツにまで!

 

仲西
しかも、壇上でスピーチまでさせてくれたんです。

 

それで、NODDの仕組みなどをお伝えしたら、トップの方が壇上に上がってくれて「ありがとう」って言ってくれたんです。

 

「やっててよかったなぁ」って思いましたね。

 

日野
いや〜、それは嬉しい経験ですね。

 

 

台湾の福祉と日本の福祉の違い

日野
ちなみに台湾に行ってみて、日本の福祉と違ったなというところってありましたか?

 

仲西
そうですね

 

一番感じたのは、損得ではなく、助け合える精神というのがあったことですね。

 

やっぱり日本だと、まだ福祉に対して壁がある。

 

日野
日本だと福祉というと、やっぱり他人事になりがちですもんね。

 

仲西
その距離をどうぶち破っていくか

 

台湾のいいところを取り入れて、日本流のやり方というのを確立させていきたいです。

 

だとしたら、僕たちみたいに「福祉っぽくないですよ〜」ってところから、実際に着てみて「障害者アートなんだ」ということを知ってもらう。

 

日野
その自然な入り方が、いいですよね。

 

チャリティーではなくロイヤリティ

仲西
あとは、障害者の作家さんを一緒の仲間だと思っています

 

だから、チャリティというよりかは、ロイヤリティという意識ですね。

 

寺門
チャリティーだとやっぱり、あげてるみたいな感覚になっちゃう。

寄付ではなく、対価として支払う感じですね。

 

 

日野
福祉というベクトルではなく、仕事の対価として支払うのは、当事者としても嬉しいと思います。

 

寺門
むしろプロのイラストレーターと比べても、優れている点がたくさんありますからね。

 

仲西
やっぱり楽しそうに描いているのがいいですよね

 

僕たちも学ばせてもらってます。

 

日本のチャリティ意識は128位

仲西
2018年の「World Giving Index(世界寄付指数)」によると、140カ国中、日本は128位なんです

 

日野
寄付文化がないことは知っていましたが、そんなに低いのですね。

123〜133位

 

仲西
はい。

 

知っていただくためには、やっぱりいろんなことをしていかないとダメだと思っています。

 

寺門
チャリティー意識だけでなく、福祉の現状だったり、障害者アートのことだったり、まだ全然知られていないことが多いです。

 

日野
ほんとに外の業界の人たちには、まだまだ認知度は低いですよね。

 

仲西
だから、伝えられる場所があればどこにでも行くし、何でもします

 

寺門
知ってもらえれば気持ちが動く。

 

だから、これが日本中に広まって、チャリティーにもなるんだというのを知ってもらい、そういった精神性も伝えていきたいですね

 

そうすれば、日本のチャリティー意識も高まってくると思って活動しています。

 

台湾の障害者福祉イベントから得たチャリティー意識の高さ

 

 

世界遺産と障害者アートのコラボ

仲西
奈良県の吉野山の入り口にある「歌藤(かとう)旅館」さんとも障害者アートをコラボさせていただきました。

 

寺門
200年以上の歴史がある老舗の旅館さんです

 

吉野山は世界遺産にもなっており、桜の名所として有名。4月の上旬〜中旬にかけて約3万本ともいわれる『シロヤマザクラ』が咲く場所。

 

 

仲西
ここの地域の方々が桜の保護のために、チャリティーをしている地域なんです。

 

障害者作家1人の作品が展示会に

仲西
ちょうどそのタイミングで麦わら屋という福祉施設から相談があったんです。

 

障害者アートをやってるんだけど、どうやって世に出そうかと。

 

だったら、吉野山のイベントを一緒にやりましょう!ってなったんです。

 

寺門
歌藤旅館の向かいにある桜が一面に見れるカフェのスペースを借りて、麦わら屋の長谷川さんの作品を30点、旅館とカフェにズラッと展示したんです。

 

長谷川さんの作品たち

 

日野
1人の作品が30個も並ぶなんてすごいですね!

 

寺門
吉野山の方たちに障害者アートを知ってもらうキッカケになりました。そうすると、周りの人たちも動き出すんです。

 

そのデザインを使って商品を作りたいとか、うちもそのTシャツを置きたいとか地域全体が盛り上がる動きが生まれるんです。

 

街全体でデザインとアートを使って、環境づくりや町おこしができたらなと思っています。

 

日野
障害者アートが町おこしにまで発展するなんて、夢が広がりますね!

 

仲西
彼らの生きる糧として、僕たちが少しでも手助けできたらと思っています。「楽しい」と思ってもらえたら成功ですね。

 

 

吉野山の桜イベントでNODDの障害者アートがコラボレーション!

 

 

社会と福祉のパイプ役に

日野
いや〜、聞けば聞くほどいい話が出てきますね。

 

もう少し聞きたいところですが、最後にNODDの今後の活動について、お伺いしてもよろしいでしょうか?

 

寺門
はい。

 

NODD(ノッド)っていうのは、ODD(おかしなもの)と言われることにNOを突きつけることが語源。

 

ODDではなく、NO ODDだよということを表しています。

 

仲西
僕たちは福祉関係者ではないので、直接的な支援をしている訳ではない。

 

福祉施設の方から「あなたたちの役目はそこではないですよ。社会と福祉を繋げることが役目だから、そこを重点的にやってください。」って言われたんです。

 

僕たちの役目はそうだなと思っています。

 

日野
それは本当にそう思います。

 

支援者は支援のプロですが、認知させるというのはやっぱり弱いです。

 

餅は餅屋ではないですが、そういったところにつなぎ役の方がいらっしゃると、とてもシナジーが生み出せますね。

 

Tシャツお絵かきワークショップ

 

仲西
福祉の枠だけではない、プラットフォームが大事だと思っています

 

そこの何かを作りたいです。

 

社会と福祉のパイプになるもの。

 

日野
福祉外との方と協力していくことは不可欠だと思っていて、そのような想いがある団体がいて、とても嬉しく感じてます。

 

今回は、インタビューさせていただき、ありがとうございました。

 

一緒にいろいろな業界を巻き込んで、福祉を盛り上げていければと思います!

 

NODDの取材を終えて

NODDさん、インタビューありがとうございました。

 

障害者アートを通じて、障害者の仕事の創造からファッションショー、町おこしにまで展開させているNODD。

 

さらに日本のチャリティー意識を高めるために、寄付される仕組みにもなっております。

 

インタビューの中で、福祉と社会のパイプ役になるとおっしゃってましたが、「この服かっこいい!」という入り口から福祉の現状を知ってもらうキッカケづくりは、認知してもらうには、とてもよい自然な流れになってます。

 

NODDさんは、デザイン・アパレルを通じて、福祉への架け橋となっておりますが、やっぱり他の業界と手をとって、進めていくことは大事なんだと再認識させていただきました。

 

このような団体が増えていき、みんなで協力して、みんなが喜ぶような活動が増えていくよう、ウェルサーチでも活動していきます。

 

ぜひそのような世界を一緒に創っていければ幸いです。

 

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HP:https://www.nodd.jp/

オンラインショップ:https://nodd.shop/

 

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日野信輔

株式会社Nextwel代表取締役。Welsearch編集長。ソーシャルビジネスに特化したWebマーケター。障害者プロデュース・福祉事業所やNPOの伴奏支援などしております。得意分野:工賃アップ/障害者の仕事づくり/集客。詳しいプロフィールはこちら→日野信輔
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