訪問美容は、「自力で美容室に行けない高齢者が利用するもの」。
そう思っている人も多いのではないでしょうか。
一昔前までは、訪問美容は利用者にとって「髪を切る」という実用性だけを重視したサービスでした。
そんな訪問美容の世界に新しい風を巻き込んだのが「訪問美容Liun.(リアン)」。リアンの利用者の多くは、子育て中のママや、障害のある子どもたち。
今回取材に応じていただいたのは、「自宅や施設に一角に一流美容室の空間とサービスを」を理念に持つリアンで美容師として活躍している若菜香織さん。
東京の美容院でスタイリストとして活躍していた若菜さんが、なぜ訪問美容の中でもママや障害児向けの世界に転身したのかー。
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訪問美容Liun.若菜香織さん
プロフィール表参道の美容室からスタート。二人目を出産後、親子サロンにて赤ちゃんのヘアカット講師を経験。産前産後のママから髪の悩みや、美容室に行けないご家族のお話を伺い、美容室で働いていた時とは違ったかたちで寄り添いたいと思い訪問美容師になる。そして現在はママ・パパ・キッズ・ベビーが安心して利用できる訪問美容として、Liun.-リアンを立ち上げ活動中。お客様の気持ちやライフスタイルに合わせたヘアのご提案をするのが得意。
表参道から訪問美容の世界へ
一人目の子どもが生まれたときは、そのまま美容室で働き続けていたのですが、2人目を出産後、ご縁があり親子サロンでベビーカットの講師をさせていただきました。
実はちょうどそのころ、美容室で働く以外のことで、子育てが大変なママさんたちのために何かをしたい、という気持ちがありました。
いろいろ調べていたら「訪問美容」という仕事を知り、今の訪問美容の会社に入りました。
訪問美容に飛び込んだキッカケはママの声
- 美容室では聞きにくいこと
- いつ子どもの髪の毛を切ったらいいか?
- 生まれた直後のまだ髪の毛が生えていないときのこと
- ママさん自身の体調を含め体のこと
などを相談できる場所がなかった、という声を直接聞きました。
そのような悩みを気軽に聞ける場所があって、ママさんたちの救いになるようなことができたらなというのが一番のエピソードです。
訪問美容とは
自宅以外には、病院に行くこともあります。
あと出張美容に関する法の緩和があってからは、妊婦さんや、育児中の方の利用も増えてきました。
子育て中のママさんや障害のある子どものために
訪問美容Liun.(リアン)の特徴も教えてもらってもいいですか?
リアンでは、妊娠中のママさんや、育児中のママさん・パパさん、そしてお子さまの利用者がとても多いです。
その中でも障害があるお子さんでも、障害の程度関係なく安心して利用してもらえているのがリアンの大きな特徴になります。
美容師としてママの助けになりたい
自分だって、いつ子どもが病気になるか分からないですし、誰にでも起こりうることだと思います。
けれど、訪問美容の世界に入ってみて、美容師の世界では、育児中のママさんや、障害のある子どもに向けたサービスが全然進んでいないと感じました。
そのような人たちにも、美容室と同じようなサービスを受けてもらいたいと思ったからです。
ちなみに、訪問先はどんな地域が多いですか?
東京、千葉、埼玉、神奈川、それから茨城にも会社の支部がありまして、茨城の方も行けるようになっています。
訪問美容でしか体験できないこと
例えば、お子さんが車いすユーザーのママさんでしょうか。車いすの子どもを美容室に連れて行ったら、まずお店に入ること自体が大変だったそうです。
それだけじゃなくて美容師が、車いすに乗った状態の子どものヘアカットをすることに慣れていなかったようです。
そのお子さんは、てんかんもあったので、酸素吸入のような医療機器も着けていましたので、安心して髪を切ることすらできないという美容室での苦い体験があったとおっしゃっていました。
接し方からわからない人も多いと思います。
実際に伺ったら、「必要なサポートがしっかりできる美容師がいると安心する」とおっしゃってくれました。
ママさん自身がおしゃれが好きな方だったので、「お子さんの髪をおしゃれにしてくれるのが嬉しい」と言っていただけたのは、とても嬉しかったです。
訪問美容をやっていて良かったなと思いました。
認知が足りていない訪問美容という世界
まだ私たち側の発信力が弱いというのもあるのかもしれませんが、やはり「介護」の色が強いので、サービス自体を知らない人が多いのではないのでしょうか。
ぜひより多くの人に知っていただきたいサービスの1つです。
訪問美容を気軽に使えるよう法整備も
放デイなどの施設は、まだまだ認知されていないところが多いイメージです。
これは訪問美容に関する法律も整っているとは言えないので、そのようなところも認知されにくい原因の一つかもしれません。
高齢者のデイサービスは点数制で料金が決まるのですが、放デイは違っていたりします。
高齢者のデイサービス施設でも知らないところはあります。
私たちの方から「こういう仕組みでご利用いただいていますよ」って提案することもあります。
現行の法律の中で、訪問美容を知っていただくことがいいのかなと思っています。
介護保険の有無も大きな影響
やはり介護保険があるのとないのとでは、負担率がかなり変わりますので。
でも障害者も高齢者と一緒で、オシャレはしたい人も多いと思います。
そういった声を拾って、どんどん発信していって、必要性を理解してくれる人が増えるようウェルサーチでも頑張っていきます!
日常の中で訪問美容の存在をもっと身近に
最後に、この活動を通じて若菜さんが実現したいこと、今後の目標があれば、お聞かせください。
障害のある人にも、もっとこのサービスを知っていただきたいです。
訪問美容と言っても、料金やクオリティ、担当者など、さまざまな違いがあるので、自分のお気に入りを見つけてもらえたらいいなと思います。
そのようにして訪問美容を利用する人が増えていったら、もっと身近なところでサービスを届けられるように、活動の幅を増やしていきたいです。
オシャレになりたいという方もいらっしゃいますし、一般の美容室のように選択肢が広まってほしいですね。
美容業界をもっとユニバーサルに
その事からも美容業界はまだまだ福祉や障害のある方への理解や、対応が出来ていない部分もあるのではないかと思いました。
課題のある分野と感じるからこそ、そこに力をいれたいです。
Liun.のインタビューを終えて
親子サロンでのベビーカット講師時代に、参加者のママたちの声を聞いて、訪問美容の世界に飛び込んだ若菜さん。
自身も子どもを持つママとして、育児に勤しむママさんや、障害がある子どもたちにも、「美容室で過ごすような感覚で髪のおしゃれを楽しんでほしい」という強い情熱が感じられました。
高齢者や障害のある人、美容室に行くことが難しい人たちにも「最高のおしゃれと笑顔を」提供できる訪問美容を、ぜひあなたの生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
訪問美容Liun.情報
HP:Liun.
Instagram:liun_by_trip_salon_un
住所:〒107-0062
東京都港区南青山2丁目2番15号 ウィン青山1403
電話番号:03-6869-9419
電話受付時間:平日 午前9:00〜午後17:00
メールアドレス:info-un (a) c-b-un.com
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日野信輔
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