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視覚障害者への声掛けや接し方まとめ!駅で視覚障害者と出会った時の誘導方法とは?

視覚障害者と聞くとみなさんはどう感じるでしょうか??

 

「あまり家から出たくない」

 

と思っている人が大半だと思っているかもしれません。

 

 

と考えている視覚障害者は数多くいます。

 

目が見える、目が見えない関係なく、みんな好奇心旺盛です。しかし、目が見えないハンディーキャップがある分、外に出ることが億劫になってしまう人もいます。

 

一人でも多くの視覚障害者が安心して外に出ることができるように少し知識を身に付け、ぜひ手助けをしてほしいと考えたことから今回書かせていただきます。

 

前半視覚障害とは、どのような定義なのかについて書きます。後半視覚障害者への声掛けや接し方。駅などで出会った時の誘導方法について記載させていただきます。

 

「駅や道で困っている視覚障害者の方と出会ったけど、どう接していいかわからなかって…」

 

という方にもお役に立てたら光栄です。

視覚障害者とは

まず最初に、視覚障害とは何なのか?ということをお伝えしていきます。

視覚障害とは、視力や視野に障害があり、生活に支障がある状態になっている場合に視覚障害といわれています。

 

医学的な手段を使って見えるようになる場合には「弱視」、全く見えない状態は「盲」とよばれています。まずは、この「弱視」と「盲」について説明していきます。

 

1、全盲

全盲とは、視力が0の状態で全く見ることができない状態のことをいいます。

 

2、弱視orロービジョン者(Low vision)

弱視とは、視覚情報が伝わる経路のどこかに支障があり、原因は視力の発達が止まったり、遅れたりする時に生じることが多いです。

 

メガネやコンタクトレンズのような医学的な手段や方法を使用しても視力が出ない目のことです。例えば裸眼の状態で視力が0.1でもメガネやコンタクトレンズを使用することで視力が1.0と視力があれば弱視にはなりません。

 

弱視には、医学的弱視社会的弱視に分かれます。

 

(1)医学的弱視

視力の発達の感受性期に、適切な刺激を受け取ることができなかったために生じた弱視で、眼鏡をかけたり訓練をしたりすることで視力が良くなる可能性があります。

 

(2)社会的弱視

あらゆる種類の目の病気によって生じた回復困難な視力障害のことをいい、盲や弱視を含めてロービジョンともいわれます。

 

 

視覚障害の等級とは

障害の程度によって、1級~6級までに分けられます。等級によって、受けられる支援が異なってきまので、注意してください。

 

等級ごとに概要をお伝えしますので、参考にしていただければ幸いです。

1級

両眼の視力(万国式試視力表)によって測ったものをいいます。

屈折異常のある者については、矯正視力について測ったものをいいます。

 

以下同じ)の和が0.01以下のものが1級と診断されます。

 

2級

・両眼の視力の和が0.02以上0.04以下の人

・両眼の視野がそれぞれ10度以内。かつ、両眼による視野について視能率による損失率が95%以上の人

 

3級

・両眼の視力の和が0.05以上0.08以下の人

・両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上の人

 

4級

・両眼の視力の和が0.09以上0.12以下の人

・両眼の視野がそれぞれ10度以内の人

 

5級

・両眼の視力の和が0.13以上0.2以下の人

・両眼による視野の2分の1以上が欠けているの人

 

6級

・眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超える人

 

 

以上の1~6級が等級の概要になります。

 

もちろん、判定は医師がしますので、あくまでも参考として捉えてくださいね。

 

 

視覚障害者への声掛けや接し方

前置きが少し長くなってしまいましたが…

 

次からは視覚障害者が困っていた場合の声掛けや接し方と、視覚障害への誘導方法関して少し書いていきます。

 

1、視覚障害者が困っていたら

視覚障害者が困っていた場合には先ずは声を掛けてあげてください。

 

柳澤
お手伝いしますか?

 

柳澤
こんにちは。

 

など、気軽に声をかけていただいて構いません。

 

その時に、名乗ってあげると、相手は安心しやすいです。

 

ただし、注意していただきたいことは、視覚障害者はどこから話しているのか自分に話をかけられているのか分かりません。無視されたと思わずにもう一度声をかけて下さい。この時に急に体に触れることは注意が必要です。目が見えていないので、相手が驚いてしまいますので、声をかけて気が付いてもらってから体に触れるようにしてください。

 

2、駅などで視覚障害者を誘導する方法

視覚障害を誘導する方法は、主に3つあります。これも1つずつ説明していきますので、参考にしていただければ幸いです。

 

(1)視覚障害者の半歩前に立ち、肘の上を握ってもらう。

おそらく、慣れている視覚障害者の方であれば半歩前に立つことで、肘の上を持ってくれる方が多いと思います。半歩前を歩くことで安心して視覚障害者が歩くことができます。

 

(2)立ち位置

なるべく白状を持っていない側に立って下さい

 

ただし、道が狭いや安全ではないところの場合には話をして、立ち位置を決めて下さい。

 

(3)歩き方

誘導する人は腕の力を抜き、歩くときにはなるべく手は振らずに脇から離れないようにして歩いて下さい。

 

視覚障害者のペースに合わせるように歩いて下さい。肘を強く握られたり、引っ張られたりした場合には歩くのが早いので、少しペースを落として下さい。

 

 

視覚障害者の誘導方法については、こちらの動画でも詳しく紹介してくれております。

 

 

視覚障害者を誘導するときに絶対にやってはいけないこと

視覚障害者を誘導する時に、やってはいけない注意点もあります。

 

それは以下の3点です。

 

  1. 白杖を触ったり、衣服や手を引っ張ったりする。
  2. 急に体を触る。
  3. 誘導している時に早く歩く。

 

いきなりこれをされてしまうと、相手はビックリしてしまいますので、①~③のことはやらないように注意してください。

 

 

今回、視覚障害の方を誘導するために必ずしっておいた方が良いことを簡単に書きました。

 

ただし、知識だけいくらあったとしても、経験していかなければ身にはついてきません。視覚障害がある方が困っていた場合には積極的に話をかけて支援してください。視覚障害があるなしに関わらず、困っている時に助けてもらえると誰でも嬉しいはずです。

 

誘導方法の場面ごとの対応方法をより詳しく知りたい方は、(障害保健福祉研究情報システム)のサイトをご覧下さい。

 

最後に

「視覚障害者誘導用ブロック」はご存知ですか??

 

駅や歩道等にある黄色いタイルといえば伝わる人が多いと思います。

 

画像で見たほうがわかりやすいですね。

こちらです。

 

 

黄色いブロックは、目が不自由な人が安全に一人で歩くことができるように設置されています。町を歩いていると黄色いブロックの上にバイクや自転車が置かれていることをよく見かけます。

 

しかし、ブロックの上に物が置かれていると、目の不自由な方が手がかりを使用することができないうえにぶつかって怪我をすることもあります。

 

特に駐輪場の近くなどでは、自転車がはみ出てしまっていることが多いです。視覚障害者からしたら、このような状況は、本当に危険なんです。

 

視覚障害がある方が安全、安心して外出することができるように一人ひとりの配慮優しさ町づくりしていくという心構えがあったら幸いです。

障害があるなしに関係なく、みんなが困っている人を助け合える世の中を作っていければと思います。

 

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特別支援学校の知的障害の学校で中学部を3年間、高等部を9年間、教員として働いています。教員として、生徒たちを指導する傍ら、「きれいな街は、人の心もきれいにする」がコンセプトのグリーンバード横浜南チームのサブリーダー、空き家を活用した居場所作り『たすけあいハウス』の管理者、任意団体「スノードロップ」の代表をしています。詳しいプロフィールはこちら→柳澤智敬
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